Tedious diary more x4

写真日記ブログを合流させて完全に雑記ブログ化しました(>_<)


タグ:S90

Konozama を食らっていた PowerShot S100 の出荷通知が昨日届き、発売から1週間遅れくらいで手に入る見込みがつきました。この1週間で Amazon 本体の販売価格が2千円値下がりして涙目ですけど…orz

ともあれ、2年と少々、まさに愛機だった PowerShot S90 をメイン機の1つとして使うのも、もう終わりです。そう思うと少し寂しくもあります。それくらい愛着のあるカメラです。

というわけで、そんな PowerShot S90 を偲ぶ、特に意味のない思い出語りなチラ裏な記事です X-)

PowerShotS90_Last03
(105mm 相当 / 琵琶湖@近江八幡)


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やや引き伸ばし気味に続けてきた“お買い物ベスト10”も最後、ベスト3。前回から数日空いてしまって、大晦日も大晦日、今年2009年もあと10時間少々になってからの更新になってしまいました。

ここまで引っ張るつもりはなかったのですが、出張していたり、天皇杯準決勝@国立競技場にガンバの応援に行っていたりでバタバタしていて記事を書いている時間がありませんでした…

でもまぁ、今年のベスト3に関しては悩むことなく、最初から決まっていたようなものです。少なくともベスト3のうちの2つは、随分前から確実に今年のお買い物ベストを争うものだと確定してましたしね。


第3位 ソニー VAIO type P

お買い物評価 92点 (製品評価としては94点)

SONY VAIO typeP P50 XP Home WWAN クリスタルホワイト VGN-P50/W
SONY VAIO typeP P50 XP Home WWAN クリスタルホワイト VGN-P50/W

(XP モデルなら HDD でも実用になる速度で動き、6万円未満で購入できるのは魅力)


人気沸騰で品不足の喧騒も今は昔と感じられる VAIO type P だが、発表されたのは今年1月、まだ松の内が終わるか終わらないかの頃、2009年の商品だった。色々な商品が出て type P のインパクトも薄れたし、私自身 MacBook Air を購入して type P の稼働率、持ち出し率は大きく減ったけれど、今年を振り返る上で忘れてはいけないエポックメイキングな製品。

ここ5〜6年メインノート PC は軽さより性能を重視してきた私にとって、VAIO type P を購入して愛用して軽さ薄さの魅力を再認識しなければ、MacBook Air を買うこともなかっただろうから、その意味でも評価は高い。

そして Air を購入後も、数多くの製品が登場しても決して薄れることのない

まともにタイピングできる最小サイズで、軽く薄い


という VAIO type P 最大の特長は変わらないし、だからこそ使用頻度は落ちても、自分にとって必要なパソコンであり続ける。

例えば VAIO X なんかは確かに薄いけれど、最高に薄い必要性がなければ薄いパソコンはいくらでもあるし、ほんの少しの妥協で遥かに性能の高いノートパソコンが得られる。ネットブックにしては相当に高い値段を出したくなる魅力が、私には感じられない。

しかし、type P は今なお、ある程度のタイピングを可能にする最小底面積なパソコンであり、それでいて最高クラスの軽さがあり、厚みも十分薄い。大嫌いな言葉ではあるが、発売後1年近く経っても only one である。

VAIO type P and DMC-G1 (3)


単に薄さだけを追求する競争は今も昔も数多くあるし、LOOX や工人舎製品のようにキーボードを犠牲にして小ささだけ追求している製品も国内外問わず出ている。しかし、タイピングへの犠牲を最小限にしながらサイズを追求した、VAIO type P に追随するパソコンは出ていない。あるとすれば、パソコンではないが、ポメラくらいだろう。

実際、私自身 MacBook Air を購入しても VAIO type P の役割がなくなってないし、今後もないだろう。性能では大きな差があっても、この小ささでマトモなタイプが可能ゆえ、MacBook Air を持って出るのは躊躇われる時や普通のノート PC を持って出るのは迷う時にも、気軽に持ち出せる存在だ。

仕事柄、出先で緊急リモートメンテということもあるから、出かける時にはできるだけ PC を携帯したい(ssh が使えれば iPhone でも何でもいいけど)。でも、プライベートの旅行で 普通のノート PC(MacBook Air 含む)を持っていくのはちょっと…という時でも type P なら持って行ける。かつ、まともにタイピングできる。

この小ささ&薄さのバランスがある限り
この先も VAIO type P は愛機として使われていく


1年近く経っても、そう思う。稼働率が落ちても手放せない。ネットブックゆえの多少の遅さも許せる。

数年前に VAIO UX で懲りて以降、私のノートパソコンスタイル的に、まともにタイピングできないパソコンを二度と買うことはないから、この VAIO type P が最小限サイズになる。小さいけど厚みのあるノートパソコンは、バックへの収納的にもイマイチだしね。

結局この「小さく(軽く薄く)まともにタイプできる」特徴ゆえ、他に色々な PC を買っても他にとって代わられることないポジションを維持し、私に必要なパソコンとしてあり続けるだろうと思う。

本当は直前まで2位の予定だったのだけど、現時点での稼働率の差で3位となってしまった。しかし VAIO type P に対する製品評価は今年手にした新製品の中で最も高い。ほぼ1年前の商品だけど、輝きは何も変わっていない。

個人的 VAIO type P カスタマイズメモ
コンセプトに負けてスルーはできなかった… VAIO type P (1)
オーナーメイド内容と、その反省 VAIO type P (2)
隙間を埋めてくれる存在 VAIO type P (3)
ケースやポーチに悩む VAIO type P (4)
type P 用諸々アイテムや追加バッテリー VAIO type P (5)
フォトストレージ代わりと撮影写真整理 VAIO type P (6)
VAIO X と VAIO (type) P



第2位 キヤノン コンパクトデジタルカメラ PowerShot S90

お買い物評価 93点 (製品評価としては88点)



つい2ヶ月ほど前に買ったものであり最近色々書いていたので、ここでまた色々書くのもアレだが、とにかく

予想以上に気に入って愛用中


であるし、値段も手頃。

操作性に若干の難はあっても(それまで使っていた富士フィルム FP100fd からすれば天国)、それを遥かに超える良さがある。とにかく、自分にフィットしたこと、好みにあったことが高い評価の主要因。何しろ、自分のお買い物評価だからね。

ホールドの悪さに関しては、後付グリップを輸入して装着して多少は改善されたので、そのあたりも+αとして加味されての点数になってる。

後付グリップは、取り付けた時には思ってたほどの改善がなかったので微妙な評価だったが、今ではあるのが当然という感じ。撮影時のホールド性向上に関してはやっぱり微妙だけど、普段ちょいと持つ時の感触はダントツに良くなったし、見た目も含めて気に入ってる。

the wall reflection of the buildings (2)


でもって PowerShot S90 の良さは過去に何度も書いているけれど、

  • P/S/A/M 各露出モードがあって一眼と同じ感覚で撮影できる(コンパクトデジカメならではの自由度の少なさを我慢せずに済む)

  • レンズ根元のリングコントローラーでステップズームが使える(前回撮影画角の記憶あり)

  • ISO800 を使う気にさせる高感度画質(ISO 400 なら完全常用可能)&通常感度での画質も現在のコンパクトデジカメではトップクラス

  • コンパクトデジカメの中では、AF が速い& AWB もマトモ

  • 操作性も背面メインダイヤルの軽さや電源ボタン位置を除けば、まずまず良い方(納得はできないが、これより良い操作性のコンパクトデジカメの方が少ないのも事実)

  • 28〜105mm という一般的なズームレンジをカバーしている

  • これらの特徴がありつつ、普通のコンパクトデジカメサイズに収まってる


というもの。

とにかく、一眼ライクに撮影できてコンパクトデジカメでは画質も上位、それでいて普通のコンパクトデジカメのサイズと機能を持つ、ということに尽きる。

やはり一眼レフにしろ、マイクロフォーサーズにしろ、P/S/A/M という露出モード(キヤノンの場合は P/Tv/Av/M)で撮るのに慣れている身としては、コンパクトデジカメでもこういった露出モードがある方が良い。やはり落ち着く。

もちろん、P/S/A/M がなくてオートモードとシーンモードだけでも工夫して使うことはできるし、コンパクトデジカメだからそんな露出モードがなくても仕方ないと諦めることもできる。けれど、

初心者がシャッター1つで良く写る完全オートがあると安心なのと同じく
普段から P/S/A/M 各モードを使うことに慣れてると、それがあるだけで安心


だったりする。そういう人は、きっと私だけではないと思う。

また、画質も操作性も素晴らしいけど単焦点の GR Digital III や、画質、操作性や機能は充実しているけれどコンパクトというには大きい PowerShot G11 は、それぞれ魅力的なことは旧機種ながら使った経験から実感しているけれど、“普通のコンパクトデジカメ”ではなく、スタイルを選ぶ。

自分なりの撮影スタイルが固定されていれば、それらはベストフィットするだろうけれど、私の場合は少しずつ無理があった。過去に旧機種を使っていた経験からすると、「やっぱりズームのあるコンパクトデジカメも必要」とか「やっぱりコンパクトデジカメならもう少し小さな方が良い」とか思ってしまう。

そんな私には

普通のコンパクトデジカメなのに、中身はこだわり有り


的な PowerShot S90 みたいなものは理想だった。不満点も少なくないので理想と言うと語弊があるが、現時点では最も理想に近いコンパクトデジカメだ。

それゆえに今年のお買い物ベスト第2位にした。世代交代、技術革新の速いコンパクトデジカメなので、いつまで満足していられるかは判らないが、現時点では過去のコンパクトデジカメにないほどの満足感を覚えている。

the twilight at Umeda one day (3)


今後も色々なコンパクトデジカメ新機種が出るだろうけれど、撮影素子に関しては新しい方が良いとは限らない(作ってみての当たり外れ的なものがある)ので、PowerShot S90(や G11, GR3, GXR)に搭載されている撮影素子を超える素子を搭載したものではないと満足できない気もする。

発表当初から迷い、最近は iPhone とマイクロフォーサーズばかりだからコンパクトデジカメは使ってないしなぁ…と思いつつ、とある事情で買うことにしたが、ホント買って良かったと思っている一品。

PowerShot S90 を買ったおかげで、マイクロフォーサーズの出番が激減したのは言うまでもない。高感度性能も1段くらいしか差がないし、静止画スナップなら S90 で十分。ゆえに E-P1 / E-P2 のようなコンパクトスタイルのマイクロフォーサーズは全く興味がなくなった。

G1 / GH1 のように多少は動体撮影可能なパナソニックの LVF 内蔵タイプのマイクロフォーサーズは今後も注目&購入したいと思ってるが、去年から1年間続いたマイクロフォーサーズ熱を冷ます効果があった PowerShot S90 でもあった。

コンパクトデジカメを(Powershot S90に)買い替えるか否か…
遅まきながら?PowerShot S90 購入
PowerShot S90 Custom Grip(後付けグリップ)を海外から取り寄せて、付けてみた
すっかりお気に入り PowerShot S90 使用感まとめ



第1位 アップル/ソフトバンク iPhone 3GS

お買い物評価 95点 (製品評価としては92点)

iPhone & MacBook Air in Cafe 1


やっぱりね…と言われそうでも、別に奇をてらうわけではないので、コレになってしまうかと。今年のお買い物ベスト3のどれも、自分の何かしらのスタイルに影響を与えた製品ではあるし、特に VAIO type P とこの iPhone 3GS は影響があった。

それでも iPhone 3GS を使い始めたことによる自分への影響は想像していたとおり大きかったし、想像以上に大きかった。それらについては散々過去の記事で書いてきているので、もう繰り返さないけれど、Palm Pro. で PDA を使い始めてから随分色々と使ってきた中でも最高の評価は間違いなく与えられるし

過去の PDA 系アイテムで最高に好きだった Palm V 以来の愛着


が出てきた。

もちろん、購入から半年が経ってるので、興奮気味の熱というものは既に冷めている。逆に実用品としての自分の価値は時が経つに連れて高まっているのが、今現在。

相変わらずドコモのケータイと併用しているが、おサイフケータイと旧来の電話番号維持以外はほぼ iPhone になっている。購入前に「捕らぬ狸の皮算用を元に iPhone 3G S を予約した」という記事を書いたが、ほぼその記事通りで2台持ちでも旧来より+αで維持できている。

さらに、ここ2ヶ月はパケ・ホーダイダブルも切って試しているので、2台持ちでもドコモオンリーの時と変わらない金額になっている。元々発信は少なかった上にドコモの比重が下がり無料通話分の余りが気になっていたから、無料通話分を有効に使うことを目的にしてるが、パケ・ホーダイを切るとパケット単価が一気に跳ね上がるので、怖々試しているところだ。

おサイフケータイは捨てられないし、捨てるつもりもないから、モバイル Suica や Edy などのチャージ時にかかるパケット代との兼ね合いだが、パケ・ホーダイを切ってもモバイル Suica のチャージで60円くらい、Edy ならもっと低いので、通常時は何とかやっていけるかな?と思っている。

アプリ更新ダウンロードなどではガッツリとパケット代金がかかるが、過去2ヶ月分の繰越分でやりくりするか、もしくは一時的にその月だけパケ・ホーダイダブルに入って料金をできるだけ下げる方向で賄えそうだ。

と、ドコモの料金をやりくりしているが、Pocket WiFi を買っても iPhone は iPhone であり、時々見かけるような「Pocket WiFi を使って iPhone を最低料金で維持して節約」なんてことはしないし、できない。

ま、人それぞれのやり方、考え方はあるけれど、iPhone を Pocket WiFi 経由でしか使わないなら GPS とカメラがある iPod touch みたいなものだし、GPS やカメラなら(それそのものの性能は)ガラケーの方がずっと優秀。

というか、いちいち Pocket WiFi をオンオフしたり、Pocket WiFi のバッテリーを気にしたり、電波状況を気にしたり…面倒くさすぎて、なんのためのスマートフォンだよ、って気はする。もちろん、iPod touch + Pocket WiFi なんてのも戻れない。

どれだけソフトバンクがキャリアとして糞であっても、iPhone の魅力が上回ってるのだから、どうせ iPhone を使うなら iPhone らしく使いたい、そう思う。

そのあたりは人それぞれだから Pocket WiFi に依存する人をどうのこうの言うつもりはないが、私にとっては絶対ない選択肢だなぁ…と思ってる。ってか、

片手に収まる・完結する超ミニ PC だからスマートフォンの意味がある


と思うしね。費用節約なら別の手段を模索することになるだろう。

iPhone 3GS with VAIO type P at a Cafe


ま、そんなわけで iPhone 依存が日増しに進んだ今年 2009年の後半だったのは間違いない。そして、ガラケーメインだった頃より確実に IP reachable でないとストレスが溜まるようになったとも言える。それは来年困りそうなことでもあるのだが…

ガラケーでも色々なことはできたけれど、元々が PC ありきのオールドタイプな人種だから、ケータイサイトより PC サイト、検索一つとっても PC と同じ画面でやらないと辛いし、ブラウザの操作性として iPhone に慣れるとケータイのフルブラウザなんて触れなくなる。

ということなんだけど、かと言って「iPhone に馴染めない」ということに反発するようなことはない。一時話題になった

iPhoneやめました (1/5) - ITmedia +D モバイル

なんて記事に対しても、内容そのもの、言いたいことについては「なるほどねー」と思うだけだ。

ただ、言いたいことは判るし理解できるけれど、仮にも ITmedia で編集長を名乗る人間が、公的な記事で個人的なことを必死に5ページにも渡って書くとか有り得なさすぎ、という感じで、一言で言えば「こいつ必死杉」ですな。

プライベートのブログか twitter に書くレベルで、どういう神経で公的な記事として書いたんだろう?と思うし、止めるヤツはいなかったのか?とも思ったり。

メルマガで「iPhone 止めた」と書いたら、頭のおかしな Apple / iPhone 狂信者に dis られたようですけど、この編集長女史は同じ土俵に上がったってのを気づかないんでしょうかねぇ。まぁ話題になってページビューが稼げたようですから、表彰モノかも知れませんが。

まぁ、逆に iPhone 礼讃まくりのブログとかもキモくて見てられませんけど、そのあたりは Apple 信者のブログ、ウェブサイトなんてのは大昔からいっぱい有りますからね。慣れてますし、スルー力もあるつもりだったり。

とまぁ、今まで書いた内容の繰り返しにならないように何か書こうと思ったら、いつも通り取止めのない下らない文章を書き散らしましたが、今年前半は VAIO type P、後半は iPhone 3GS の年だったような気がする、私のお買い物ベスト 2009 でした。

捕らぬ狸の皮算用を元に iPhone 3G S を予約した
iPhone 3GS を手にして半日
ソフトとハードのベストバランス - iPhone 3GS 購入から半月 (1)
iPhone 3GS 購入から1ヶ月
iPhone 3GS を購入して変わったこと 【前編】
iPhone 3GS を購入して変わったこと 【後編】
iPhone 用ケースいくつか雑感 【前編】epik, SwitchWay etc.
iPhone 用ケースいくつか雑感 【後編】 PORTER, iWood
iPhone 3GS 購入から2ヶ月
個人的な興味で iPhone 3GS と F100fd と E-P1 を比較撮影してみた
半年経過して現在使用中 iPhone ケース4種4素材(前編)
Pastebot は凄い!(凄いのは Mac & iPhone / touch ユーザー限定だけど…)
半年経過して現在使用中 iPhone ケース4種4素材(後編)
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とある事情から、一眼レフと同じようにコントロールできるコンパクトデジカメが急遽必要欲しくなったので、発表当初から購入を迷っていた PowerShot S90 を購入して2ヶ月近くが経った。

マイクロフォーサーズを一眼レフのサブシステムに据えて以来、すっかりコンパクトデジカメは使わなくなっていたので「今さら新しいコンパクトを買っても使わないかもなぁ」と迷い、そうなる危惧を持ったまま買ったのだが、全くの杞憂だった。ぶっちゃけ

予想以上に、かなり気に入っている


キッカケは何にしろ、迷いを吹っ切って買って良かったと思っている。そして、購入当初「遅まきながら?PowerShot S90 購入」という記事で絶賛に近いことを書いていたが、2ヶ月近く経った今も、その「買って良かった」度は変わっていないどころか、デジカメ関連では今年一番の買い物だったかも?と思うくらいだ。

S90 を買う半月ほど前に高機能高画質コンパクトとして使っていた E-P1 を手放したということもあって、それまでコンパクトデジカメを使っていた「ブログ用適当ブツ撮り」と E-P1 で撮っていた「屋外適当スナップ」の両方が1台に集約された結果、事前に心配したのと裏腹に、よく使っている。

Red turned leaves shot by PowerShot S90 (1)
(F4.9, 1/800s, +1/3EV, ISO 80)


やはり一眼レフにしろ、マイクロフォーサーズにしろ、P/S/A/M という露出モード(キヤノンの場合は P/Tv/Av/M)で撮るのに慣れている身としては、コンパクトデジカメでもこういった露出モードがある方だけで落ち着いて撮れる気がする。

いくら「コンパクトデジカメは簡単さが売りだからオートで撮るものだ」と頭で判っていても、オートモードとシーンモードを工夫して使えば良いだけと判っていても、常日頃 P/S/A/M の露出モードで自分でコントロールして撮っていると、それができないことだけでストレスが溜まってしまう。

初心者がシャッター1つで良く写る完全オートがあると安心なのと同じく
普段から P/S/A/M 各モードを使うことに慣れてると、それがあるだけで安心


だったりする。そういう人は、きっと私だけではないと思う。

the twilight at Umeda one day (1)
(F3.2, 1/30s, -2/3EV, ISO 80)


そんな一眼同様の露出コントロールがこのサイズのコンパクトデジカメで使えて、なおかつ実用十分な(個人的には 28mm から 100mm オーバーの)画角域があって、画質もなかなか良い。そう、

画質が思ってたよりずっと良い


コンパクトデジカメの極小素子だから画質なんてそれなり。そう思っていたし、事実それは PowerShot S90 でも変わらないのだけど、意外とやるじゃん!と思える絵を出してきてくれるのも、また事実。コンパクトデジカメらしいシャープネスの強い絵ではあるが、パッと見で見栄えのする絵であるし、これはこれで悪くない。

そして、高感度耐性。昨年リリースの機種では最も高感度に強いと言われたフジフィルム F100fd を使ってきたのだけど、ぶっちゃけベース感度での画質が今ひとつだったから、高感度に強いと言われても微妙すぎた。画質が良いと思ったことは、結局一度もなかった。

A scene at Ohatsu-Tenjin Shinto shrine (2)
(F4.5, 1/50s, -2/3EV, ISO 800)


それに比べると PowerShot S90 はベース感度の画質はかなり見栄えがするし、ISO 400〜800 なら自分基準でも使えるレベル。特に、ISO 400 なら積極的に使っても良いわ、と思わせたコンパクトはなかったから、自分の中では画期的なことだった。

ISO 800 になるとやっぱり解像感がなくなりつつあるし、ISO 1600 ともなれば私の中では非常用になってしまうけど、それでも ISO 400/800 が実用になる、使ってもさほどガッカリしない(私にとって)初めてのコンパクトデジカメ。

そのあたりは同じ撮影素子の GR Digital III や PowerShot S90 でも同じだから、やっぱりこのソニー製の撮影素子の素性が良いのだろう。動画には向いてないせいか動画機能のレベルは2〜3年前のレベルだが、こと静止画については素晴らしいバランスを持っていると思うし、動画はオマケで構わないから静止画画質を望む私にはピッタリだ。

Illuminated Christmas tree at Kyoto Station (1)
(F3.2, 1/30s, -1EV, ISO 800)


という感じで、すっかり気に入って、購入前の「新しいコンパクトデジカメを買っても使わないかも…」という杞憂はどこへやら、毎日持ち歩いて使ってる。コンパクトながら画質もそこそこ、高感度耐性もそこそこ、そして露出コントロールができるだけに、マイクロフォーサーズの出番が確実に減ってしまった。

時期的に E-P1 と入れ替わるようになったけれど、それはたまたまで、E-P1 を売って PowerShot S90 を買ったわけでもなければ、E-P1 を売ったから PowerShot S90 を買ったわけでもないのだけど、これだけ PowerShot S90 の出来が良かったら、E-P1 を売る前に S90 を買っていたとしても、S90 優先で E-P1 は速攻売ってしまっていただろう。

自分の撮影スタイル的に、レンズ交換できるカメラならどれだけ小さくても動き物が撮れるカメラであって欲しいから、善い悪いではなく、合う合わないという面で E-P1 が不利だったのは否めない(それ以外にも理由はあるけど)。

Test shot of airplane by PowerShot S90 (1)
(F4.9, 1/800s, -2/3EV, ISO 640)


PowerShot S90 ですら AI Servo が入ってるからと電車を撮ってみたり、一眼レフでも廉価機・廉価レンズでは厳しい条件の千里川での飛行機撮りをやらせてみたりと、無茶させてる私だからね…まぁ

AF 速度や動体相手の AF は E-P1 より PowerShot S90 の方がマシかも?


と思うくらい差がないか、本当に PowerShot S90 の方がストレスなく撮れたりしてる。無論、同じマイクロフォーサーズでも DMC-G1 は比較するのも悪いくらいにずっと速いけれど。

Test shot of airplane by PowerShot S90 (2)
(F4.9, 1/800s, -2/3EV, ISO 800)


ともあれ、購入当初のテンション・アゲ↑アゲ↑な感じから落ち着いたら、お気に入り度も下がるというか冷めるかと思ったのだけど、しばらく経ってもそんなことはなく、自分でも驚くほどだ。

これだけ気に入ってなければ、先日記事にしたような両面テープで接着する後付グリップなんてのは買っていない。余程のことがなければ、常に“売却”のことを考えるのが私のコンパクトデジカメに対するスタンスだから、PowerShot S90 は特別な存在になったと言える。

ちなみに、その後付グリップだが、付けてみたときには微妙に感じていた部分もあるが、今はすっかり手に馴染んでいる。

後付のグリップなんて…と迷ったけど、買って良かったし、付けて良かった


と思う。

見た目も悪くないし、撮影時のグリップ効果は微妙だが、単に持ってる時に引っ掛かりができただけでも安心感はある。もはや、後付グリップのない PowerShot S90 はちょっと嫌かも…と思うくらいだ。

PowerShot S90 Custom Grip(後付けグリップ)を海外から取り寄せて、付けてみた
グリップを付けた後は、牛革リストストラップを注文して付けてみた PowerShot S90

後付グリップを付けて、ストラップも(まだ当座のつもりだが)レザーハンドストラップに付け替えて、これだけ手をかけたのは GR Digital や DP1 のような高級デジタルコンパクトの時でもなかった。

PowerShot S90 with AkiAsahi.com Strap (2)


それだけ気に入ってるということでもあるし、これほど手にフィットするというか、使っていて気が楽なコンパクトデジカメは初めてかもしれない。もっとも、合う合わないは個人差があるから、単に

俺と PowerShot S90 との相性がすこぶる良い


だけかもしれない。

それでも、ファーストインプレッションで書いたように

  • P/S/A/M 各露出モードが使えて

  • レンズ脇にリングコントローラーがあり

  • ステップズームが使えて(制限付ながら前回撮影画角の記憶あり)

  • ISO800 を使う気にさせる高感度画質で(ISO 400 なら完全常用可能)

  • コンパクトでは AF は速い方だし AWB は信頼できるし

  • コンパクトデジカメというサイズに収まってる


という良さをポイントにしたい人にはお薦めできるコンパクトデジカメだと思う。

the Nakanoshima promenade in Osaka City (1)
(F4.9, 1/125s, ISO 400)


褒めてばかりだと何なので、欠点もきちんとしておきたい。PowerShot S90 は気に入ってるし、良いカメラだと思うが、細かい点では欠点も少なくないカメラである。

まず、購入前から感じていたり、購入直後の記事でも指摘したような

  • ボディがツルツル仕上げで前面もツルツルなので、グリップが安定しづらい

  • RING FUNC ボタンの位置が電源ボタンと間違いやすい位置にある(コントローラーリングの機能を頻繁に変えるようなことがあるか?そもそも RING FUNC ボタンがいるか?固定機能ボタンにする必要があるか?という問題を感じる)

  • 背面のメインダイアルが異常に軽くて誤操作しやすいこと(最近のロットでは改良されているという話だが…)

  • 右端の方ボケ(多くの個体で見られるらしく、ほとんど仕様?)

  • ズームレバーがショボクて操作しづらい(コントローラーリングでステップズームを操作することで救われてるけど)

  • ISO オートの最高感度が設定できない

  • デジタル水準器は欲しかった(このサイズでこれ以上機能満載にするのは無理かも知れないが…)


という不満点は変わらないし、さらに使って行く中で

  • ファンクションメニュー(FUNC SET)表示時にレリーズボタンで撮影モードに戻れない。通常のメニューからはレリーズボタンですぐ撮影可能になるのに、こんな制限をする意味が判らない

  • ファンクションメニュー表示時に MENU ボタンを押せばメニュー画面に移行するのに、メニュー画面表示時に FUNC SET ボタンを押してもファンクションメニュー画面には移行しない。前項と同じことで、ここで一方通行であることの意味が判らない

  • 電池蓋は少し開けにくいのは良いが、安全として開けにくくしているというよりは、造りが悪いだけという感じが気になる

  • マイメニューに登録できる項目が限られてすぎている。前回書いたようにファンクションメニューの項目が登録できないだけでなく、メニュー項目でも登録できないものが多い。カード初期化を登録したいのに登録できないし…


という不満点も出てきた。また、欲を言えば

  • 自分で露出をコントロールできるだけに シャッター速度 1/1600s の制限はもう一声と言いたくなる(シャッターの高速化は価格を大きく上げる要因だから仕方ないけど…)

  • この画質で良いから 200mm まであればなぁ…(200mm でマトモな画質のコンパクトデジカメなんて見たことないし、S90 もテレ端域の画質は良くないけど)


というのもあるが、まぁこれらはちょっと欲張りすぎということも判っている。露出コントロールの自由度と操作性にこの画質でありつつ、コンパクトでそれなりの価格なのが S90 の良さだ。

ただ操作性の面では、ファンクションメニューと通常のメニューの扱いの差だけは気になる。マイメニューに登録できる項目の制限でもそうだが、こういった無意味な制限・制約というか、操作における直交性のなさは、個人的に一番イラッとくる。

デジタル水準器などは非常に欲しいとは思うと同時に仕方ないとも思うが、こういった単にソフトウェアで実現している操作性の不備は単なる手抜きだし、UI 設計者はアホじゃね?と思えてしまうのだ。

そんな不満点はあるものの、何度も書いているように全体的には大満足のコンパクトデジカメだ。

ホールディングも含めた使い勝手の良さに惚れた GR Digital、解像感の素晴らしさにやられた DP1 など気に入ったコンパクトデジカメは過去にもあったけど、PowerShot S90 は「無難に色々なシーンに対応でき、ストレスなく使えるのにコンパクト」な、極めて実用度が高いコンパクトデジカメだ。

the Nakanoshima promenade in Osaka City (2)
(F2.5, 1/80s, -1/3EV, ISO 80)


最後に、SDHC メディアの書き込み速度によって、PowerShot S90 ではどれくらい連写速度が変わるかを簡単に測定してみたので、あまり意味はありませんが、その結果を記しておきます。

使用メディアは Sandisk Ultra II (2GB), Extreme III (8GB), Extreme III 30MB/sec Edition (8GB) の3種類。RAW + JPEG (L) と JPEG (L) のみの場合に、いずれもマニュアル露出&マニュアルフォーカスでシャッター速度が十分に速くなるようにして2回ずつ測定した結果です。


Sandisk SDHCRAW + JPEGJPEG
Ultra II
(10MB/s)
0.7コマ/秒1.0コマ/秒
Extreme III
(20MB/s)
0.875コマ/秒1.0コマ/秒
Extreme III
30MB/s Edition
0.9コマ/秒1.0コマ/秒

※ PowerShot S90 の仕様では JPEG 連写時 0.9コマ/秒

JPEG のみでは Ultra II でも Extreme III 30MB/Sec. Edition でも変わらず、秒1コマでした。仕様上 0.9コマ/秒ですから、仕様通りと言えます。メディアの書き込み速度よりも機械的な連写速度の限界が先に来ていると言えます。

これが RAW + JPEG での撮影になると、Ultra II (転送速度 10MB/sec.) ではメディアの書き込み速度の限界が先に出てしまい、連写コマ数が落ちてしまいます。

また、20MB/sec. の Extreme III と 同 30MB Ediition では若干の差がありますが、大きく変わってはないので、RAW + JPEG ではこのあたりが限界かもしれません。

今回は連写コマ数で比較しましたが、当然撮影後の書き込み時間にも影響はありますので、この結果を見る限り、書き込み時間短縮という点からも Extreme III クラス(20MB/sec. 以上)を使う意味はあるはずです。

本来なら一眼レフでの測定のように、連写してバッファフルからのバッファ開放までの時間を測りたいところですが、PowerShot S90 は連写速度が1コマ/秒であるように、ほぼバッファの余裕はありません。RAW + JPEG 1コマ分最低限+αといったところです。

なので、今回は簡易的に連写コマ数で測ってみました。まぁさほど意味はないとも言えますが、それでも PowerShot S90 での SDHC 選びにおいては

速い SDHC を使うことは、それなりに有効


のように思います。最高速クラスを使うほどでなくても、20MB/sec クラスのメディアを選択するのが良いように思います。

といっても、今は最新の Extreme (30MB/s) が十分に安くなっていて、ネットだと旧製品より安い場合もあったりするので、わざわざ旧製品を選ぶこともないでしょう。Amazon でも



と安いですからね…4GB なら更に安いですけど、8GB でもここまで安いなら、わざわざ 4GB を選ぶ必要もないような。それに PowerShot S90 の場合、RAW が使えますから RAW で撮るとメモリ馬鹿食いしますしね。

もっとも、 RAW 撮りをメインにする人だと 8GB は心もとないかもしれないので、16GB SHDC が有力な選択肢になるでしょうが、Sandisk の最上級クラスの SDHC が 16GB で7千円台(2009/12/19現在)とはつくづく良い時代に…って、ジジイ臭い話は辞めておきましょう :-)

私の場合は、マイクロフォーサーズで使うために Extreme III 8GB を何枚か持っているのを使い回してますが、新たに PowerShot S90 を買われるなら、もしくは SDHC を増やそうと思ってるなら、余裕を持って高速なメディアを使うのが良いかと…

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特に大したことではないのだが、先日記事で紹介した PowerShot S90 用後付けグリップを装着した後、気になっていたのはストラップ。このところ、ストラップが両吊り以外の小さなカメラを持ち出すことがなかったので、PowerShot S90 のストラップをどうしたもんか、悩んでいた。

一眼レフ用のストラップはずっと OP/TECHの幅広ネオプレーン素材のストラップ(OP/TECH プロループストラップ)を愛用している。1D Mark III + 70-200mm F2.8L IS USM のような 3kg 近い組み合わせを首から吊ってる時には最適のストラップで、ずっとこれだ。



コネクタ部とストラップ本体が独立しているので、1D に付けているストラップ・コネクタはより耐久性のある 3/8"Webbing に変更したり、ジョイントを外してネックストラップからハンドストラップ的に切り替えることもできて、他のものに浮気する衝動すら起きない。

もっとも、DMC-G1 や E-P1 のようなマイクロフォーサーズ機には、こんな幅広なストラップを始めとする通常の一眼レフ向け大きめサイズのストラップは似合わない。レンズも比較的コンパクトなマイクロだから重い機材を吊ることもない。

そんなこともあって、マイクロフォーサーズには細身の洒落た感じのストラップを…ということで、ARTISAN & ARTIST のストラップを使っている。E-P1 を売ってしまったので1本余ってしまったが、いずれまたマイクロは2台体制になるだろう :-)

ARTISAN&ARTIST ACAM-104 RED
ARTISAN&ARTIST ACAM-104 RED

DMC-G1 赤ボディにピッタリ似合う A&A ACAM-104 の RED


GR Digital や DP1 はコンパクトカメラなのにストラップ両吊りという嬉しい仕様だが、ストラップ穴は小さいので一眼用のストラップは入らない。輪っかをかませば入るが、コンパクトなカメラにそれはちょっとアンバランス。

ということで、こちらはマップカメラで売っている ARTISAN & ARTIST 特注 GR Digital 用レザーネックストラップを使っている。これは DP1 を売った時に友達にあげてしまったけど…

Red turned leaves shot by PowerShot S90 (1)
(by PowerShot S90)


という具合に、別にこだわってるわけじゃないが(ついでに言うと A&A が好きなわけでもない)、ストラップも納得したものが欲しい。なければ、それこそ製品付属のものでも良いや、と思う。

でも、せっかく気に入ったカメラには、それなりに気に入ったストラップを付けたい。飾りじゃないから実用性は大切だけど、愛着も重要。

ただ、今まで普通の、ストラップが1つ穴のコンパクトデジカメで PowerShot S90 ほど気に入るもの、積極的に使うようなものがなかったので、製品付属のストラップも含めて適当なものしか使ってこなかった。だから、1つ穴のストラップ探しは始まったばかり。

1つ穴ストラップは、店頭でもネットでもたくさん存在している。淀の店頭だけでも山ほど種類がある。が、お金を出して買おうと思えるものは、ほとんど見つからなかった。希望としては

・製品付属程度のものなら、買うまでもない。
・紐みたいなのは嫌で、ストラップ幅は多少必要。
・長すぎず、素材は柔らかめが良い。
・メーカーロゴが見えまくりなのは最悪。
・ジョイント脱着でハンド/ネックストラップ兼用なら◎。

という感じだったのだが、どうも気に入りそうなのがない。

ハンドストラップ・ネックストラップ兼用になるストラップで良さげなのはニコンから出ていて、実用性を考えると買ってしまいそうだったが、さすがに「キヤノンのカメラにニコンのストラップはなぁ〜」と思って止めた。ニコンのバックにキヤノンのカメラを入れて持って歩くのは良くても、さすがにストラップは…ねぇ。

20091201164047
(by PowerShot S90)


そんなわけで「気に入ったものがなければ、製品付属の糞ストラップでも一緒」という俺的基準に則り、製品付属のストラップを使っていたのだが、買って1ヶ月もしないうちにボロボロになってきた。それだけ使ってるとも言えるが、それにしても安物すぎるだろ…キヤノンさんよ…

ともあれ、仕方なく再び物色。ブックマークの中から探っていて見つけたのが、ココ。

カメラ修理材料・貼り替え革販売 [Aki-Asahi.com]

GR Digital や LX3、E-P1 のようなマニア・ヲタク向けデジカメの貼り替え革や速写ケースを作っているところである。ここでは、そういったヲタク向けカメラの革ストラップも作っているが、コンパクトデジカメ用の革リストストラップも作っている。

素材は牛革、カラーはフラットブラック、ブラックシュリンク、キャメル、レッド、ダークブラウン、ダークブラウンシュリンク、サドルレザー(ナチュラル)等から選べ、裏はスエード貼りの2枚合わせで、フルステッチ。そのステッチも色をホワイト、ブラック、レッド、イエロー、グリーン、ダークブラウンから選べる。

手首から抜けないように透明アクリルの絞り環が付いていて、お値段は送料込みで 2,150円。そこらへんでちょっとしたストラップを買うよりは若干高めだが、本革のストラップを店頭で買うのを考えれば十分リーズナブル。自分の好みのカラーリングが注文できるしね。

PowerShot S90 with AkiAsahi.com Strap (2)


ということで、早速注文。私は上記写真のように、ブラックシュリンク(表面縮みしぼ加工の黒)に赤ステッチ。あまり芸はなかったかもしれないが、リーズナブルな値段なので、飽きたら違う色の組み合わせを買っても良いかな?と思いつつ、まずは無難なところで。自分的に、黒に赤ステッチは基本ですな。

注文から3日後には届きました。リストストラップなので短いものですが、牛革ということもあって柔らかく、非常に心地よい感じです。縫製の質もパッと見で気になるところはありません(私の見る目の問題もありましょうが)。使い勝手は普通のリストストラップで、特筆すべきところはありません。

付けてみてカメラジジイ臭くなったら外そうと思ってましたが、とりあえずセーフ…かなぁ。ストラップは難しい。ま、製品添付のストラップよりはずっとマシだと思うので、しばらくは愛用の予定。それでもまた、ちょくちょくストラップ探しはしそう。

PowerShot S90 with AkiAsahi.com Strap (1)


コンパクトデジカメ向け1つ穴用ストラップで、ハンド/ネックストラップ兼用の本革ストラップとかないかなぁ…こういう“ユーザーインターフェース”に関わる部分はお金を惜しまないつもりなんだけど…

ともあれ、先日付けてみた後付けグリップもすっかり手に馴染んで良い感じだし(見た目も違和感がないので割と気にいってる)、ストラップも当座悪くないものになったし、お気に入りの PowerShot S90 がさらに良い感じになった…というより不満点を少しずつ解消している昨今だ。

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ちょっと前に某所で話題になった PowerShot S90 用の後付けグリップ(Custome Grip)を注文していたのだが、ようやく昨日到着したので、簡単にそのレビューを。

PowerShotS90_CustomGrip05


購入先は以下のサイトになる。アメリカの個人ショップであるので、説明・注文・注文後のメールその他(必要なら先方とのやり取りも)は全て英語になる。

Richard Franiec's Camera Accessories (Canon S90 Custom Grip)

海外・英語ということで二の足を踏む人もいるが、そういう人は諦めるしかない。日本のヤフオクより簡単安全な eBay ですら尻込みする人もいるのは知ってるし、ここはショッピングカートすらないので多少手間はあるから(個人的には手間のうちに入らないが)、海外通販未経験な人には敷居が高いかもしれない。

ここは個人ショップであるが、支払いに関しては PayPal で相手に直接クレジットカード番号はいかないので、 その点は eBay と変わらない。PayPal が怖いとか言い出したら海外通販&シェアウェア購入は無理だが、それは各々のリスク管理次第だから自身の考え方と照らし合わせて、となる。なお、直接購入だから何かあれば自身でメールをやり取りするしかないのは言うまでもない。

注文方法のアドバイスについては後述するとして、何はともあれ、実際のブツの話。

注文したブツは国際郵便で届きます(International First Class Mail)。

PowerShotS90_CustomGrip01


A5 サイズのクッション入り封筒で到着しますが、中身は入ってるのか?というほど軽く、開けてみると

PowerShotS90_CustomGrip02


という後付けグリップ実物と、“Dear Fellow Powershot S90 enthusiast”で始まる小さな紙切れだけが入っています。紙切れは一応説明書のようで、

  • 実際に接着して取り付ける前に、試しで被せて位置関係を確認してみろ(バッテリー部の蓋と干渉しないのを確かめろ)

  • 接着する面はアルコールで拭いて綺麗にしろ


みたいなことが何項目にも渡って書いてあります。

難しいことは書いてないので目を通しておくのも良いでしょうが、読まなくても大抵の人は同じことをするでしょう。私はアルコールを使って清掃まではしてませんが。

さて、袋から Custome Grip 本体を取り出してみると

PowerShotS90_CustomGrip03


質感はなかなか良いです。サイズに比べると重さがあり、パッと見も良く手に触れた感じも PowerShot S90 と似た感触で、3千円強のものにしては「意外と良い造りじゃん」と思えるものです。

実際に PowerShot S90 に(接着せずに)試しで取り付けてみても違和感がないように感じられるほどです。本体端の丸み部分の処理もまずまずで、全体的に粗悪さを感じるようなことはなく、まずはホッとするところです。

問題の取り付けですが、この裏面を見てみると

PowerShotS90_CustomGrip04


ということで判るように、ボディとの接着は3Mの両面テープを使用します。実を言うと、私はこの

両面テープで接着というのが大嫌い


で(売る時にも困るしね)、グリップが良い GR Digital の時はともかく DP1 の時には似たようなもの(滑り止めのテープ類含む)が欲しくなりましたが、「両面テープとか有り得ないし〜」と、絶対不可侵的な壁によって取り付けることはありませんでした。最近だと E-P1 用にも色々と貼付けるヲタグッズが出てましたが、同じ感覚でした。

が、ここで考えを改め…たわけではなく、取り付けた今でも両面テープで接着して後付けするなんて下品すぎる手段だと思ってますが、そう多くはない PowerShot S90 の欠点を解消するためなら…と止むを得ず取り付けることにしました。これが単なるデザインなら「はぁ?馬鹿じゃね?」で終わりですけど。

あと「長く使えそう、使いそうだから売却のことは考えなくていいかな?」と思いもあります。コンパクトデジカメは大して気に入らないと半年から1年で売ってしまうので、売る時にあまり程度が悪くなる使い方は避けるのですが、1年異常使うようならゴミになっても減価償却は十分できてますしね。

と、話は横道に逸れまくりましたが、接着方法と言っても結局、十分に接着形態のテストをして、接着部分を綺麗にしてから、Custom Grip 裏側の両面テープ2枚を剥がして「オリャー」と貼付けるしかないわけで(笑)

こういうのを貼るのが苦手な人もいるとは思いますが(私もそうです)、

液晶保護シールを貼るよりは貼りやすい


ので、そう肩に力を入れなくても良いです。液晶保護シールを貼るのに成功した試しがなくて、最近は貼らなくなった私みたいに(笑)。ただ、両面テープを剥がす前に、接着位置は入念に確認した方が良いかも。

接着したらしばらく放置して両面テープの粘着がしっかりするまで待ちましょう。逆に、やり直すなら貼付けた直後でないと困ることになります。

そして接着後の形態。

PowerShotS90_CustomGrip05
(正面から)

PowerShotS90_CustomGrip06
(少し斜め上から)

PowerShotS90_CustomGrip07
(少し斜め横から)


この Custom Grip、確かに見た目の質感は悪くなく、材質や色見は PowerShot S90 本体と合ってます。そして曲線を帯びたデザインもそんなに悪くありません。PowerShot S90 全体のデザインと、まずまずマッチしていると言っても良いでしょう。

そして正面から見る限り、妙な隙間とか浮いた感じはありません。ので、人に見られる部分で違和感は感じられない、感じさせないと思います。買った時からこうだったと言えるほどのフィット感ではなくても、3千円台で買ったものとしては悪くない印象です。

無論、売ってるウェブサイトに掲載されているサンプル写真の印象が悪くなかったから買ったのですが、掲載されていた写真の印象と変わりないと思います。少なくともアジア圏の通販で格安感に騙された時のような「写真と全然違うやんけー」というのは皆無ですね。

しかし、やはり後付け、処理しきれない部分もあります。

PowerShotS90_CustomGrip08
(横から見た状態)


ボディ角の曲面はきちんと合わせられるように成型されているので、浮いているようなところもなくて全く問題ないのですが、一番下の部分だけ切り込みが入っていて、そこがちょっと浮いてる感じがあります(実際には浮いてなく切り込みのせいですが)。

この切り込みは、バッテリー蓋の開閉に干渉しないように配慮されて付けられているので仕方ないのでしょうが、このあたりは後付けの宿命と言いましょうか、なんともダサい部分であります。

PowerShotS90_CustomGrip09
(底面から見た状態)


こちら側から見ると両面テープの分だけ微妙に浮いている感があります。今ではもうちょっと隙間は薄くなっていますが、ピッチリというわけにはなかなかいかないようで…(私の付け方が下手な部分もあるでしょう)。

ただ底面から見るとアレなんですが、上からや正面から見ると

PowerShotS90_CustomGrip10
(上面方向から)

PowerShotS90_CustomGrip11
(正面横から)

PowerShotS90_CustomGrip12
(斜め横から)


こんな感じで違和感はあまりないので、まぁ良いかな?と思っています。

人に見せる部分がダサくなければ良いんじゃね?


という頭隠して尻隠さず論理で、私は良しとしています。3千円台で買ったものとしては悪くありませんし、所詮後付けですから完璧というわけにはいきませんしね。

このあたりの処理がどうしても気になる人は止めておいた方が良いでしょう。私も気になる方ですから、ちょっとしたことで引いてしまう気持ちは判りますけど。でもまぁ、個人的には良くやってる方だと思います>Custom Grip

20091114144515


さて、見た目はともかく、実際に取り付けて(一晩接着が安定するのを待ってから)使ってみた印象を書いておく必要があるでしょう。最初にハッキリ言ってしまうと

手が小さいせいか、肝心のグリップ効果は、ないよりマシかも?程度かなぁ…


です。想像していたよりグリップが役立たない理由ですが、

S90 ボディと似た材質なので、グリップ部もツルツル


であることと、一番大きな理由が

レリーズボタン位置とグリップサイズとのバランスが微妙に悪い


ことにあると感じます。

私の場合、PowerShot S90 のレリーズボタンに人差し指をかけて、中指や薬指をグリップにかけて安定させようと思うと、ちょっとグリップが小さいんですよね。小さいというのは、グリップの突起の高さが低いのではなく、突起の横方向の張り出しが小さいということ。

グリップ部分がもう少しだけレンズ側まで張り出してくれてたら…


と思うのです。レリーズボタンに十分人差し指がかかる状態にすると、中指も薬指も取り付けたグリップより内側にきてしまって、グリップの意味がほとんどないんですよね…あと 5〜6mm はレンズ側に張り出してもらわないと、という感じです。

ただ、これは私が男性としては手が小さめサイズゆえの印象かもしれません。大きな手、特に外人サイズに作ってあるでしょうから、そのあたりそのサイズの人が使うと印象が異なるように思います。こればっかりは個人差ありすぎの問題なので、あくまで私の印象でしかないので、念のため。

もっとも、レリーズ時にはもう一息と思った Custom Grip ですが、

片手で S90 を掴んで持って歩く際の安心感は倍増


というのはあります。

せっかくのコンパクトデジカメですからね、気軽に片手だけでサクサク持って歩くことは普通にありますから、その時に今までのツルツルボディだけだったのが、後付けとはいえグリップが少しでもあるのは心強いです。この点は手のサイズに関係なく言えると思います。

20091119163333


ここからは、この PowerShot S90 Custom Grip を買おうと思った人で、海外通販に慣れてない人に簡単な購入方法の説明をしておきます。慣れてる人なら、こんなものを読まずともスイスイできるでしょう。

Richard Franiec's Camera Accessories (Canon S90 Custom Grip)

注文方法は上記ページの下の方にある Ordering のところに(英語で)書かれています。難しい英語ではないので読めば判ると思りますが、注意すべき点は「一般的なショッピングカート方式での注文ではない」ということです。

簡単に言えば、

送料込みの代金を自分で計算して PayPal で送金し
送金時の通信欄に自分の注文内容を記述する


ということです。つまり、予め送料を含めた支払金額を自分で計算する必要があるわけです。2009年11月25日現在だと S90用 Custom Grip 本体の値段 $32.95 に加え、U.S. 以外への送料(International First Class Mail)$4.50 の合計 $37.45 USD となっています(価格がずっと同じか変動するかは不明)。

この金額をメモしておき、注文方法に書いてあるように(実際には記載と少々異なりますが)

  1. PayPal にログイン(PayPal のアカウントがない人は作る)

  2. 自分のアカウントでログインしたら、「Send money」タブをクリック(「Send money」ではその名の通り他の PayPal ユーザーに送金するコーナー)

  3. 「Send money」では、まず To (Email) フィールド(送金先欄)に、この Custom Grip を作ってる個人ショップのメールアドレス tecsol@comcast.net を入力する

  4. Amount フィールド(送金額欄)に送料を含めた合計金額(先の例なら $37.45)を US ドル指定で入力

  5. 下の Purchase 欄の Purchase type は Goods のままでOK

  6. 以上が間違いなければ continue ボタンをクリック(まだ送金されない)

  7. 次に「Review your payment and send」という表示になって、支払おうとしている内容の明細が出てくる(クレジットカードが登録されていない場合は、このステップの前後に支払い方法の入力があるかもしれない。ここでは既に PayPal 利用履歴があってカードが登録済みの話となる)

  8. Payment To 欄に先ほど入力したメアドがあって、その下に Verified Business Member と書かれているはず。これは PayPal が認証したビジネス会員ですという意味。詳しくは PayPal のヘルプを参照のこと。

  9. Amount 欄と Your total charge 欄で送金金額を再度確認し、その下にある自分の支払い方法・内容(為替レートも出る)に加え、氏名・住所を確認する(この氏名・住所宛に送られてくる)

  10. その下にある通信欄の Message 欄に注文する品物、今回の場合なら Custom Grip -- S90 (CGS90) を必ず書く(これを忘れると、先方は何を注文したのか判らない)

  11. 以上が終わったら Send Money ボタンをクリックする


これで終わりです。前述のようにクレジットカードを登録していない人は少々手順が異なる(追加される)と思います。

一般的なショッピングカート方式と比べると若干手間はかかりますが、やってみれば難しくはないかと。心理的障壁はあるかもしれませんが、3千円台のブツですから、物は試しでやってみるとしても手頃な値段な気もします。

さて、注文をすると PayPal から支払いのメールが間もなくやってきて、その後この個人ショップからも注文受付のメールが来て、発送予定日もそこに記載されていました(私の場合は、本文最初に書いてあった)。

発送時にはまた、発送案内メールが来ました。そのメールが来てから到着まで、私の場合は1週間弱かかりましたがが、同時に発想された人たちはもっと早かった人もいたようで、たまたま3連休にかかってしまって遅くなったのかもしれません。

なお、発送は先にも書いたように USA からの International First Class Mail(国際郵便)なので、郵便事故があれば判りませんから、2週間ほど経っても届かないようなら連絡した方が良いでしょう。不良品も含めてトラブルがあると、ちょっと面倒になるのがこういう海外通販のネックですが、それがなければ簡単なものです。

20091120181246


というわけで、ザッと実物の写真やら使ってみた感想やら購入方法の概説やらをしてみましたが、実際に取り付けてみて、どれだけ人に勧められるかというと

モノは悪くないし値段も手頃なので、興味があれば買うのは悪くないが
グリップ感が劇的に改善されるか?というと微妙


ですね。手の大きさや握り方に個人差があるので、劇的に改善される人もいるかもしれませんが、そうでない人もいるでしょうしね。一概に「オススメ!」とは言い切れません。

グリップ自体がボディと同じ質感なので、見た目のフィット感はあるのですが、表面上はやはり滑り止め効果のある処理がされていた方が機能的には良かったかもしれません。そうなら多少サイズが合わなくてもグリップ効果はあったでしょうしね。

もっとも(写真での)見た目がここまで良い感じでなければ買ってなかったでしょうから、そのあたりは難しいかもしれません…見た目が悪くなる後付けパーツなんて、いくら機能的に良くても絶対付けなくないですもんねぇ。

と書いてくると、買って&取り付けてあまり満足してないのか?というと、別にそういうことではなく

大満足とは言わないが、小満足くらいはある


し、

買って&取り付けて後悔はしてない


です。値段が手頃だった&すんなりと到着したこともあって、買って良かったとは思ってます、今は。

先々はどうか判りませんけど(そんなもの自分でも判るわけがない)、これを付けることで見た目の差別化にもなりますしね。とりあえずは付けて良かったと思ってます。他人にガンガン背中押しできるものではないですけどね :-)

Canon デジタルカメラ Power Shot S90 PSS90
Amazon ではとうとう3万5千円を切った Power Shot S90

本体の方は一眼レフのサブに文句なくお勧めできる一品!
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PowerShot S90 発表後、検索エンジン経由でこの糞ブログに来られる人で「PowerShot S90」で検索して来る人が少なくなくて、非常に心苦しい思いをしていた。

多分、発表時の「S90 欲しいなぁ」としか書いてない記事が引っかかったせいで来てしまって、「なんだよ、この糞ブログ。無駄な時間と手間を食ってしまったぜ」と思いつつ、ブラウザの戻るボタンを押した人が多数いただろう。心からお詫びを申し上げたい。

そして、自己完結的紆余曲折を経て、ようやく購入してこの記事を書いているのだが、大したことも書けません。発売から1ヶ月近く経ってからの購入ゆえ、詳細なレビュー、他のコンパクトデジカメとの比較などは既にあちこちでされているし、今さら適当主義の私が出る幕でもないでしょう。

最初に結論から言ってしまうと、この PowerShot S90、

不満はなくはないけど、かなり高いレベルで満足。
現状では自分の理想に一番近いコンパクトデジカメかな…


という感じです。発表時に感じていたイメージと近い。もちろん、スペックでは見えてこない不満点はあるけれど、それはいつものこと。

コンパクトデジカメではスペックの見かけ倒しばかりで、実際に使ってみると落胆して大きく妥協せざるをえないことがほとんどだけど、PowerShot S90 はまだその落差が小さかったように思う。



前述のように PowerShot S90 発表から真剣に購入を検討していたのだが、買っても使うのか?という疑問に決定的な答えが出てこずに、発売日は通り過ぎてしまった。なにせ、最近は

  • 日常のスナップ& Twitter 投稿用には、写真を撮ってそのまま加工・アップロードでき、 GPS データーも記録できる iPhone 3GS

  • まともな画質や撮影自由度が欲しい時はマイクロフォーサーズ(先月までは DMC-G1 だけでなく E-P1 も持っていたしね)


というスタイルに落ち着き、その両者に挟まれて、今まで使っていたコンパクトデジカメ F100fd もほとんど使っていない状況でだった。だから新たにコンパクトデジカメを買っても結局使わないだけでは?という疑問、いや確信が覆せなかった。

それゆえ、「そのうち価格がこなれたら買おうかな…」と思いつつも結局買うことはないかもなぁ…と思っていたが、近々マイクロフォーサーズを含め一眼レフなボディを使えない期間がありそうなので、

コンパクトデジカメしか使えない状況が出てくるなら
撮影自由度の高い、露出意図が行えるコンパクトデジカメが欲しいよね


ということになり、Powershot S90 を買う理由ができてしまったのだ。間違っても「物欲を消化するために無理して理由を作った」というパターンじゃないので念のため(笑)。いやホント、今回ばかりは理由ができない方が良かったり(^_^;)

20091108170646
(PowerShot S90, 35mm, P, F2.8, 1/40s, ISO80, -0.67EV)


自由に使うカメラが選べる状況なら今まで通り、撮影自由度が欲しかったら E-P1 なり DMC-G1 を使えば良いや、と思っていたし、それで不自由はなかった(もちろん、その更に上には EOS 7D, 1D MarkIII があるわけだが)。

単にコンパクトデジカメで撮るだけなら、今まで使ってきた富士フィルム FinePix F100fd でも別によかった。発売当時はともかく今となっては画質的にさほど優れているとも言えないが(並み以上ではあるけど)、所詮コンパクトデジカメだから、と割り切れば今でも十分我慢できる画質。ま、露出補正すら死ぬほどやりにくい操作性は我慢も限界だけど…

でも、せいぜいコンパクトデジカメくらいしか持って行けない、使えない、という状況になれば話は別。そうなると、コンパクトデジカメにも自分が求める(ものに近い)カメラが欲しくなる。

そして私がコンパクトデジカメに対して求めるモノというのは、

  1. 凄く良い画質とは言わないまでも、それなりに良い画質。等倍画質は気にしないが、50% 縮小で見られる写真になる程度の画質は欲しい。

  2. ISO 400〜800 領域が実用になる高感度画質。現段階でコンパクトデジカメで ISO 3200 以上が実用になることまで望まないが、ISO 800 までは納得できる画質であってほしい(できれば ISO 1600 も)。

  3. P/S/A/M の各露出モードがあること。それらがあればシーンモードなどは、どうでもいい。

  4. 露出モードに応じた設定変更や露出補正が素早くできること(F100fd みたいなのは論外)。

  5. ISO オートがあって、最高感度設定ができること。

  6. RAW 撮影は必須じゃないが、あれば嬉しい。逆に RAW 撮影があるなら RAW + JPEG 撮影モードは必要。

  7. 単焦点コンパクトデジカメは飽きたし、全てを賄うためには結局もう1台を持つことになるので、ズームレンズ機一択。28mm スタートでテレ端は 100mm 前後は欲しい。ただし、コンパクトデジカメの 200mm 域以上は無理あり過ぎなので不要。

  8. まともに効く手ぶれ補正内蔵(某社とか某社みたいな、なんちゃって手ぶれ補正はもう嫌)。

  9. レンズバリアがあること(コンパクトデジカメでレンズキャップ式はもう勘弁)。

  10. 背面液晶はサイズより見え味重要。

  11. レンズに起因する画質については、ボディサイズに縛られるので無理は言わない。サイズ優先で妥協。

  12. 電源 ON 時に、前に使っていた最後の画角に自動的に戻してくれる機能があれば嬉しい。

  13. ステップズームがあると、理想的。

  14. デジタル水準器は、できるだけあった方が良い。

  15. 顔認識 AF/AE とかマクロは適当でいい。

  16. 動画機能もどうでも良いが、あれば AVCHD Lite で長時間撮影可能な方が良い。

  17. 再生時に拡大していて一発で標準倍率に戻れないとか、ボタンやホイール操作から反応にタイムラグがないとか、そういう細かい操作性は意外と重要。

  18. どんな機能があっても、コンパクトデジカメと呼べるサイズでなかったら却下。


というものである。

今までこんな理想に近いカメラは望むべくもなく、GR Digital や DP1 のような単焦点モデルに行ってみたり、高感度特性に優れたハニカム素子の F100fd に行ってみたり…でも結局は妥協中の妥協しかなく、最後には「iPhone 3GS とマイクロフォーサーズがあればコンパクトデジカメは要らんわ〜」となってしまった。

今回はひょんなキッカケからコンパクトデジカメを買うことになったのだけど、注目していた PowerShot S90 は上記の条件のうち、かなりを満たす。特に

PowerShot S90 は P/S/A/M 各露出モードが使えて
レンズ脇にリングコントローラーがあって
ステップズームが使えて(制限付ながら前回撮影画角の記憶あり)
ISO800 を使う気にさせる高感度画質で(F100fd よりずっと好み)
コンパクトでは AF は速い方だし AWB は信頼できるし
それでいてコンパクトデジカメというサイズに収まってる


という主たる評価ポイントは、私の理想にかなり近い。

そして購入して実際に使ってみても、

自分が求めていたものに近いコンパクトデジカメだなぁ…


と思うのだ。過去にも色々と良いコンパクトデジカメは使ってきた。GR Digital にしろ DP1 にしろ、良いカメラはあった。でも、それらは一芸に秀でるタイプ。この PowerShot S90 を使ってみての第一印象は

撮る時に我慢する部分が少ないねぇ


というものだ。操作性に文句を付けたい部分はあれど、F100fd や DP1 のような「設計したヤツは、ちょっと顔貸せよ」と思えるようなことはない。

また、単焦点はそれはそれで良いし画質的にも有利だけど、でもズームが欲しい時というか、画角を変えたい時は多い。その点、S90 にはステップズームという武器がある。

元々コンパクトデジカメに無段階のズームなんてほとんど存在しないし、28, 35, 50, 85, 105mm のステップズームは単焦点の切り替え感覚で使えるから理想的だ(画質は無視せざるを得ないが)。それにコンパクトデジカメのズームレバーはホント萎えるけれど、S90 はリングコントローラーがある(万能じゃないけど)。

また、手ブレ補正が十分に効く上に高感度画質が高いということは、夕暮れ以降でも気軽に使えるし、後から暗いシーンで撮った画像を見て萎えなくて済む。撮った写真を後から見て萎えることが続くと、どうしても撮るのを躊躇ってしまうからねぇ。

20091108172333
(PowerShot S90, 28mm, F2, 1/30s, ISO400, -0.67EV)


ISO 400 で↑の画質なら、全く躊躇することなく使える。今まで使っていた FinePix F100fd も高感度画質の良さで買ったけれど、年月の差も含めて画質的には随分良く、私の好みになっている。

GR Digital III や Powershot G11 でも採用されているソニー製 CCD の素性の良さと、EOS 7D でも見せつけたキヤノンの高感度画質処理が見事にハマってるのかな?と思う。

今まで(F100fd なども含めて)コンパクトデジカメで ISO 400 にして撮ったものを等倍で見る気になることはなかったから、S90 が手元に来て最初にこの写真を撮って、家に帰って見てちょっと驚いたくらいだ。

20091108172120
(PowerShot S90, 28mm, F2, 1/30s, ISO800, -0.67EV)


似たようなシーンで ISO 800 で撮影して、これを等倍で見ると ISO 400 に比べてそれなりに甘くなってしまっているし、ノイズ処理による画質劣化が目立ち始めるが、小さなコンパクトデジカメで撮ったものと考えれば十分納得だ。50% 縮小にすれば素晴らしく良く見えるから、十分以上に実用的。

ISO 1600 になるとさすがに厳しく、私の中では非常用でしかないが、ISO 800 が十分使え、ISO 400 なら積極的に使える画質なのは本当に素晴らしい。リコーや富士フィルムとは比べ物にならない手ぶれ補正の効きと露出コントロールがあるし、暗くなってからでも十分に使えるコンパクトデジカメと言える。

とはいえ、100% 満足というものは存在しえないし、画質においてもそうだ。低感度での画質は決して悪いものではないが、発売直後から言われているように

ほとんど仕様というレベルで、右端が方ボケする


のは頂けない。操作性の点で多少の問題はあるにしても、PowerShot S90 を評価する上で一番のポイントになるのは、この画面右端が方ボケする状況を我慢できるかどうか(納得とは言えない)だろう。

この PowerShot S90 における方ボケ問題は「デジタル一眼を比較してみるブログ」で詳しくレポートされています。

Canon PowerShot S90購入とコンパクトデジタルカメラ比較
コンパクトデジタルカメラ換算50mm比較
S90の片ボケに関して
S90光学ユニット交換と像面湾曲

これらの記事で報告されているように、個体を交換しても症状は同じであったり、キヤノンに調整修理を依頼しても同じであるばかりか、方ボケが両ボケになって戻ってくるという有様で、ネットにおいての他の報告例を見ても、方ボケはほとんど仕様と言って良い状況のようです。

私の個体も例に漏れず、

Powershot S90 方ボケ・ワイド端左下隅
(28mm ワイド端で撮影写真の左下隅)


に比べ、

Powershot S90 方ボケ・ワイド端右下隅
(28mm ワイド端で撮影写真の右下隅)


であったり、

Powershot S90 方ボケ・50mm左隅
(50mm で撮影写真の中央左隅)

Powershot S90 方ボケ・50mm右隅
(50mm で撮影写真の中央右隅)


だったりしていて、左右端で酷い違いが見られています(いずれも開放 F値で撮影)。

両方が同じくらい流れていると「所詮コンパクトデジカメだし、このボディサイズに F2.0 なんて無理したレンズを積んだから仕方ないのかもね」と思えても、こうやって左側が隅でもきちんと解像しているのを見てしまうと、正直なんだかな〜、なのも事実。

ちなみに 50mm あたりまでは酷いことになっているけれど、テレ端では

Powershot S90 方ボケ・テレ端左下隅
(105mm テレ端で撮影写真の左下隅)

Powershot S90 方ボケ・テレ端右下隅
(105mm テレ端で撮影写真の左下隅)


と、差があまりなくなっている。

こういった症状をどう捉えるかは人それぞれだろう。「こんな糞レンズを使ったカメラなんぞ、絶対に認めん!」という人もいるだろうし、そう言われても仕方ないかも…と思う。

ただ、私は

所詮コンパクトデジカメだし、うるさく言っても仕方ないんじゃね?


と感じてる。そりゃこれがLレンズだったらボロクソ書いて返品だけど、所詮3万円台のコンパクトデジカメだしね…

それに PowerShot S90 のフォーカスエリアは任意点指定では中央しかないんだし、隅の方をとやかく言ってもねぇ…という感じだ。もちろん、こんなことはない方が良いのだけど、

レンズ性能はボディサイズに依るところも大きいし
開放F値やボディサイズを考えれば、これくらい妥協できるわ


というのが私の感じ方。諦めと言えば諦めですけどね。もっとも、色々な事例をネットで見る限り、私の個体はちょっとボケ具合が酷すぎるようにも思うので、折りをみてキヤノンに持ち込む可能性はあります。

いずれにしても、この方ボケ問題は PowerShot S90 の大きな欠点の一つですし、人に依っては致命的かもしれないが、私にとってはギリギリ妥協できる範囲というのが現在の結論です。

それに「レンズをとやかく言うなら PowerShot G11 もしくは Panasonic LX3 を買えば?」と思ってます。でもマイクロフォーサーズを持ってる私にとって、コンパクトデジカメに G11 のサイズは有り得ないですし、テレ端が狭くレンズバリアのない LX3 も、またない。結局

コンパクトデジカメなんて妥協の産物じゃね?


と思う中で(一眼レフでもそういう側面は大いにありますが)、どこを優先して妥協するのか?を見極めることがコンパクトデジカメ選びのポイントだと思うわけで、私の場合は

「露出モードの自由さ」
「ステップズーム」
「高感度画質」
「利便性」
「AF/AE/AWB 性能」
「ボディサイズ」

を優先しての S90 であり、それをもって購入したために、使い始めてから目をつぶる部分は意外なほど少なかった、と思っています。

20091108175756
(PowerShot S90, 28mm, F2.8, 1/30s, ISO80, -0.67EV)


この方ボケ問題を除いて、PowerShot S90 に不満があるとすれば操作性と言うか、ボタン配置というか、そういったところでしょう。特に、誰しも PowerShot S90 を触って疑問に思うのは電源ボタンの位置。

「え?このボタンは電源ボタンじゃないの?」


と思うのが、RING FUNC ボタン。前面のレンズ周囲のダイアル状コントローラーの役割を割り当てるボタン。それが、多くのコンパクトデジカメで電源ボタンがあるような位置に鎮座していて、電源ボタンはさらに左にある。よって

右手一つでカメラを持った状態で、電源を入れるのが難しい


わけで、コンパクトデジカメという商品を考えた場合それ自体が疑問であるけれど、百歩譲ってそれを許容したとしても、

リングコントローラーの機能設定ごときが何故
貴重な独立ボタンになっていて、しかも良い位置に鎮座してるんだ?


という疑問は、どうやっても回答が出てこない。リングコントローラーに割り当てる機能を頻繁に変えることを想定しているのだろうか?たとえ、リングコントローラーの機能を変えて使う人がいるとしても、マイメニュー or ショートカットボタンで設定できれば十分だと思うのだ。

ボタンを増やすことには反対ではないどころか、むしろ賛成なのだが、親切のボタンは電源ボタンとは位置を逆にすべきだったと思うし、またショートカットボタンのように汎用に割り当てられるボタンにすべきだったと思う。なんというか

せっかくのスペース、ボタンが
あまり使われない機能に固定されてるのは勿体ない!


と思うのである。一眼レフですらそう思うのだから、コンパクトデジカメではより強く思う。でも、

貴重なボタンを無駄な機能に割り当てるのは、キヤノンの悪い癖


でもある。最近なら EOS 7D。7D のピクチャースタイル切り換えボタン。7D の記事でも書いたが、7D を使うユーザーにとってはピクチャースタイル切り替えより、もっと重要な個別機能ボタンを作るべきだろ…と。発売前イベントで社員にそれを突っ込んだら、「確かにその通りですね」と言われたけど。

そんな操作性の点で、もう一つ大きな問題と言えば

コントローラーホイール(メインダイアル)が異常に軽いこと


でも、これもキヤノンの伝統なんですよね。ちょっと触れただけでパラメーターが意図せず変わってしまうので、結構苦情行ってると思うんですけどねー。なんでなんでしょうねぇ。

モードダイアルは(EOS 7D と違って)結構固めで、個人的には凄く良いと思ってるので、コントローラーホイールがあんなに軽いのは本当に不思議です。モードダイアルほど硬くすると使い辛いでしょうが、今はホイールを回してる時もスカスカですし、ちょっと触れただけで設定が変わってしまいますからねぇ。硬いと硬いで文句は言われそうですが。

その他、細かい点では

  • 背面右ボタン・コントローラー群の下にスペースが少し空いているのだから、できればボタン・コントローラー群を下に寄せて、親指グリップ部を大きくして欲しかった(内部の問題があるのだろうけど)。

  • ズームレバーがショボクて操作しづらい。

  • ISO オートの最高感度が設定できない。

  • マイメニューに登録できる項目がメニュー項目だけで、撮影機能の大半を占めるファンクションメニュー内の項目を登録できない。

  • RAW 撮影機なんだからピクチャースタイルがあっても良かったような…

  • ポップアップストロボの飛び出し・収納がちょっと怖い(笑)

  • デジタル水準器は欲しかった(けれど、このサイズでこれ以上機能満載にするのは無理だったとしても仕方ないと思う)


という点はあるものの、基本的にはキヤノンのコンパクトデジカメの操作性は良くできてると実感させられる。

ただ、もう一つ個人的に大きな問題点として、リングコントローラーにステップズームを割り当てていると、前回撮影時の画角を覚えていて電源 ON 時にその画角に戻してくれる機能があるのだが(リコー機にあって欲しかった機能だ)、

電源を切る時に再生モードだと、電源投入時の画角復帰機能が働かない


という問題がある。

つまり、50mm で撮影していて、そのまま電源を切って次に電源を入れると自動的にレンズは 50mm に戻してくれるが、50mm で撮った後、画像再生モードにしてそのまま電源を切ると、次に電源を入れても 50mm には戻してくれず、28mm のままである。

これがバグなのか仕様なのかは判らないが、片手落ちすぎるだろうと思う。これくらいはファームウェア・アップデートで直して欲しいけど、なにせリコー以外はコンパクトデジカメにファームウェア・アップデートをあまり期待できないからなぁ…と思いつつ、レポートは入れないとね。でないと、何も変わらないから。

20091113162105
(PowerShot S90, 105mm, F4.9, 1/125s, ISO800, -0.67EV)
実際より明るく露出してみたらISO 800になってノイズが目立つ感じに。
このあたりのノイズ感と解像感のバランスはEOS 7Dに似てる。
この秋の DIGIC IV のお味はこういう傾向ということだろうか…


とまぁ、不満点を色々挙げてみたけれど、最初に書いたように基本的に満足しているわけで、良い点で今まで書いてこなかった細かいところをザッと挙げてみると

  • リングコントローラーだけでなく、ショートカットボタンに好きな機能を割り当てられる。

  • (前述の問題があるので)使える度は今イチ低いけど、マイメニューがあるのは良い(個人的にはあって当然レベル)。

  • その他基本的な操作方法で、不可思議な点はなく素直に使える。

  • 高感度はすこぶる優れた画質だし、低感度でもまずまず納得できる画質。

  • RAW 撮影ができるだけでなく、RAW + JPEG 撮影モードも可能。

  • カスタム設定撮影モードは1つしかないが、コンパクトデジカメこそあると便利な機能。

  • マニュアル露出だけでなく、マニュアルフォーカス、マニュアルホワイトバランスも可能だし、ホワイトバランスは微調整も可能。

  • ピクチャースタイル代わりのマイカラー設定では自分独自のカスタムカラー設定も作れる。

  • ブラケット撮影が可能で、露出ブラケットだけでなく、フォーカスブラケットも可能。

  • 測光方式も評価測光、中央部重点平均、スポット測光が選べて自由度が高い。

  • 背面液晶は大きく、そして見やすい。

  • メニューで設定できる項目はそこそこ多く、概ね痒いところに手が届く内容。

  • AI Servo (AF-C) がコンパクトデジカメの割には良い感じで作動する。


といったところ。とにかく、

一眼の感覚で使える機能が多いので、撮影自由度にストレスがない


のが本当に心地よい。それがこのサイズのコンパクトデジカメで可能になっているという点が素晴らしい。

コンパクトデジカメの AF-C (AI Servo) に関しては“とりあえず機能としてある”というレベルにしか期待していないし、PowerShot S90 も真剣に動体撮りを考えるレベルにはないけれど、ちょっとしたスナップでの動体撮りくらいはこなしそうだ。

動きものに関しては購入後今まで適当なサンプルを撮る機会がなかったので、頭上のモノレールをサクッと撮っただけだが、

20091112110812
(Tv, 105mm, F4.9, 1/500s, ISO80, AF-C)

20091112111811
(Tv, 105mm, F4.9, 1/500s, ISO80, AF-C)


という感じ。2枚目は AI Servo 追従の連写3枚目。等倍で見ると甘いけれど、これくらいならいつでも余裕でこなすという感じだ。この程度なら慌ててカメラを取り出して、急いで AI Servo をオンにして(私はショートカットボタンに AI Servo ON/OFF を割り当てている)、被写体にカメラ向けてシャッターを切っても撮れる感じ。

もうちょっと、きちんと追い込んで撮ればマシになるかもしれないが、コンパクトデジカメで動きもの、スポーツや飛行機を撮ろうとは思ってないので、適当にカメラ向けてこの程度撮れれば悪くないかな、と思ってる。

以上、なんか適当に書き連ねているうちに、またいつものようにダラダラと長くなったけれど、PowerShot S90 を手に入れての初期インプレッションである。何度も書いているように、今は不満はあまりなく、満足度は大きい。

きっと、この先使って行くうちに、また色々と不満が出てくるかもしれないが、ひとまず「買ってよかった」のは間違いない。そして、こう言える。

一眼レフと同じように露出コントロールしたい
でも尖りすぎないで普通に使えるコンパクトデジカメが欲しいなら
是非検討すべき一品


であると。

  • 露出コントロールを含めて撮影自由度は高いけれど、

  • GR Digital や DP1 / DP2 のような尖った感じはなく普通のズーム・コンパクトデジカメとして使えて、

  • LX3 のように広角に広くなく一般的な 28mm だけど、LX3 に比べて望遠側に長く一般的なズームレンジであり、またレンズバリアがあって気軽に普通のコンパクトデジカメ感覚で使えて

  • G11 ほどレンズの良さや多彩さ、操作性の良さはないけれど、普通のコンパクトデジカメサイズ


そんな PowerShot S90。

見た目も中身も普通のコンパクトデジカメだけど
撮影自由度は一眼レフライク


久々に良いコンパクトデジカメだと、買う前も買ってからも思っている。



【追記】RING FUNC ボタンの位置問題は、この記事を書いた翌日の 田中希美男氏のブログでも取り上げられています。ホント、皆が思うことがなぜ?設計したヤツは馬鹿なの?確信犯なの?って感じですが、キヤノンの場合は誰が突っ込もうと暖簾に腕押しですからねぇ。
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秋のデジカメ新製品も既に多くの製品が発表され、発売済み、発売が間近い製品も多いけれど、以前の記事でも触れたように Panasonic DMC-GF1、Canon EOS 7D といった製品に多少心惹かれたものの、結局買い換え、買い増すことはなさそうな状況。

もちろん今後も新製品発表があるだろうし、今のところEF マウントとマイクロフォーサーズの2マウント体制の私としては、DMC-G1 後継機 or 上位機や EOS 1D MarkIV の発売は来春かな…という感じで一息ついていたりする。

ま、この間にレンズを少し…と思うが、EF レンズに関しては EOS 1D MarkIV でキヤノンの“反省や本気度”を見てからになるので、とりあえず LUMIX G 20mm F1.7 あたりを手に入れておきたいとは思っている。

そんな中、この秋にデジカメを買うとすれば、コンパクトデジカメを F100fd から Powershot S90 に買い替えようかな?と思っている。

画素数を減らして画質重視に振った Powershot G11 と同じ撮影素子を使いつつも、コンパクトデジカメとしてはかなりヘビーボディの G11 と違って、いかにもコンパクトデジカメ的なサイズ。何より P/S/A/M モードがきちんとあってコントロールできるのは魅力的である。



F100fd の画質に関しては、満足とは言えないまでも(コンパクトデジカメとして割り切っていれば)あまり不満はない。発売から時間が経ってるが、今でも廉価なコンパクトデジカメよりは良いし、サイズもまずまず。

ただ、如何せん操作性の悪さ、特に露出補正をするにもメニューを開かなくてはならないことだけは、ストレスが溜まる。判ってて買ったものの、使い勝手は良くない。だから、そのうち興味がある機種が出れば買い替えたいなぁ…とは思いつつ、後継機 F200EXR を迷いつつ踏み出せないでいて半年が経った。

FUJIFILM デジタルカメラ FinePix (ファインピックス) F200 EXR ブラック FX-F200EXRB
発売から半年経って F200EXR は2万円強に。画質を考えればバーゲンプライス。

S90 を買わなければ操作性も画質も向上している F200EXR に買い替えるかも…


そんなわけで Powershot S90 に買い替える手もありかなぁ?と思っている。P/S/A/M モードがあるのと、Powershot G11 と同じ(コンパクトデジカメとしては)大型の撮影素子を使っているのが何より魅力的。

もっとも、ボディがコンパクト、ということは必然的にレンズにしわ寄せがくるわけで、韓国キヤノンで公開されている等倍サンプル画像を見ても、同じ撮影素子を使った G11 の写真は(低感度ならば)コンパクトデジカメとは思えない画質を見せてくれているのに比べると、S90 の方はそれなり。レンズの差を実感させるものになっている。

これを見ると、フラフラと「やっぱり S90 より G11 を買おうかな?バリアングル液晶は便利だし」なんて思うのだが、Powershot G11 が如何に良くても、やはりコンパクトデジカメとしては大きく、そして重い。



写真の見た目からして“ごっつい”感じがするが、実際のサイズ・重量もやはり大きく重い。E-P1 ボディ単体と比較するのはアンフェアだが、とりあえず比較してみると

Powershot G11: 112.1×76.2×48.3mm, 355g
E-P1: 120.5×70.0×35mm, 335g

という感じで E-P1 ボディ単体やパンケーキレンズとの組み合わせだと、あまり差がなかったりする。

下記の記事では E-P1 + M.Zuiko 17mm F2.8 パンケーキレンズの組み合わせでの比較写真も掲載されているが、これを見てもマイクロフォーサーズを持っていたら、別に G11 を選ぶ必要はないかなぁ…と感じさせられる。

写真で見るキヤノン「PowerShot G11」(試作機)

というわけで、既にマイクロフォーサーズを持っている私としては、画質が落ちても買い換えるとすれば S90 かな?と思うのだが(もちろん S90 もコンパクトデジカメとしては画質は良い方に見える)、問題は

マイクロフォーサーズと iPhone 3GS がある今
自分にコンパクトデジカメは必要か?


ということだ。ぶっちゃけ、今持ってる F100fd をどれだけ使ってるかと言えば、最近は本当に使わなくなってしまった。

E-P1 購入後、コンパクトデジカメはブログ用物撮り以外ほとんど撮ってない


という現状がある。

半月前の北海道行きの時には 1D3 と E-P1 だけを持って行って、F100fd は迷いつつも持って行かなかった。先週の青春18旅(鳥羽〜伊良湖〜常滑)の際も DMC-G1 と E-P1 を持って行ったが、F100fd は持っていなかった。そして、どちらも F100fd を持って行かずに何の問題もなかった。

何度も書いているように、現地更新の twitter 用には iPhone 3GS で撮った方が便利すぎて、もはやコンパクトデジカメが出る幕がなくなってしまった。

パソコンに取り込んでからアップするなら E-P1 を持って行って撮る方が(いくら E-P1 に不満があっても)ずっとマシである。G11 ならともかく、S90 ならやはり画質面でマイクロフォーサーズの方が断然上なのは明らか。

それゆえ、E-P1 購入後は旅行に持って行くコンパクトデジカメがなくても困らないし、最近は撮影枚数的にも月に十数枚程度なのだが、かといって

コンパクトデジカメを持ち出す機会はそれなりにある。撮らないだけで。


ということなのだ。近所に買い物へ出かける時なんかは、F100fd を持って行くことが少なくない。

近所に出かけるのに、別に写真を撮る気はないから E-P1 を持ち出すようなことはしない。でも iPhone 3GS じゃ何となく心もとないかな?と思って(ケータイカメラではコンパクトデジカメ以上に撮れる状況が限られる)、F100fd 程度の大きさならポケットなり、小さなカバンの隅にしのばせておける。

E-P1 +パンケーキレンズがいくらコンパクトと言っても、F100fd みたいな標準的コンパクトデジカメのサイズに比べると2〜3倍のサイズがある。だから、持ち出す機会は決して少なくない。

もっとも、iPhone 3GS だけじゃ心許ないと思ってコンパクトデジカメを持って行くけど、結局撮るのはほとんどの場合 iPhone 3GS。だから、持ち出すことはあっても撮ることは少ない。

こんな“予備機”状態だから、わざわざコンパクトデジカメを買い換える必要もない。自分の中の理性は、そう言う(当然だ)。

反面、F100fd の操作性の悪さが使わない度を高めているなら、S90 を買って使いやすさが増したならば、ちょくちょくコンパクトデジカメを使うことになるのかも?という気がなくもない…まぁ、やっぱりないだろうけど。

Canon デジタルカメラ Power Shot S90 PSS90


無尽蔵に金がある裕福な人間だったら、こんな迷いはなくサクサクと買い替えて行くのだろうけど、なにせ社会の底辺を蠢くレベルだから、それなりに慎重にならざるをえない。

S90 のお値段は amazon で44,482円(2009/9/15現在)。量販店だと 49,800のポイント 10%還元。コンパクトデジカメとしては高い部類に入る。というか、私のコンパクトデジカメにおける心理的購入上限は4万円だから、ちょっとオーバー。

買っても大して使わないと想定できるものに無駄金使うよりは、一眼なりマイクロフォーサーズのレンズを買うべきだよな…とは判っている。判っているのだけど、この機種も Powershot G11 や EOS 7D と同じく、

妥協している部分があるかもしれないが、
キヤノンにしては出し惜しみはしてない


と思わせるから欲しくなっちゃうんだよなぁ。そういう時のキヤノンは悪くない。だから欲しくなる。

とりあえず LUMIX G 20mm F1.7 が先だから、まずそちらを買って、Powershot S90 は EOS 7D と同じく、しばらく様子見して、どうしても欲しくなったら買うという方向かなぁ…。冬のボーナス商戦には少しは価格がこなれてるだろうし。

そう思いつつ、毎日 amazon で予約購入ボタンを押しそうになる昨今だったりするのだが…
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今日はコンパクトデジカメ発表デー。噂出まくりだった注目の Powershot G11 は、大型素子採用については多くの人が予想していたようにデマだったが、画素数をG10の1,400万画素から1,000万画素に減らして画質改善という、キヤノンらしからぬ大英断。

無駄な画素数競争の先端を走っていたキヤノンが画素数削減に転じたことで、大きく流れも変わりそうだし、ようやくキヤノンも反省して考えを改め始めたのかな?と。50D とか G10 とか犠牲は少なくなかったようだけど。

もっとも画素数を減らしたところで結局のところは実写画像次第なわけで、全く油断はできないけれど、ごく僅かなサンプルを見る限りは悪くない方向かな?という感じ。

加えて、バリアングル液晶復活とか、暗部補正などという制限付きの補正機能ではなく、きちんと“ダイナミックレンジ拡張”としてトータルコントロールするようにしたりと、妙な出し惜しみだったり制約感がなくなってきてるのも良い感じ。

バリアングル復活“あえて1000万画素”の「G」―「PowerShot G11」
キヤノン、ノイズを1/4に抑えた「PowerShot G11」

もっとも、個人的には G11 より S90。久しぶりのS2桁機だけど、G11 と同じ(コンパクトデジカメとしては大型の)素子を採用していて画質もそこそこ望めそうな上、P/S/A/M モードがあって自由にコントロールできるのに、コンパクトサイズ。

ぶっちゃけ G11 だと E-P1 と比べて、幅は小さいが高さはむしろ大きく、だったら E-P1 で良いか〜という感じだが、S90 は純粋にコンパクトデジカメサイズ。おまけに

コントローラーリングでのステップズームは俺が望んでいた機能!


だから、これはもう興味大。こういうのは絶対リコーとかが先にやると思っていたのだけど(既にステップズームはGXであるのだし)、キヤノンが先鞭を、それもGシリーズじゃなくS系でやるとはね。感心した。

ま、コンパクトサイズな分だけしわ寄せがくるのがレンズであって、いくら素子が同じでもレンズが今イチなら画質は落ちる。僅かなサンプル画像を見ても、スッキリした画質の G11 に比べると S90 の画質は微妙。

こればっかりは後処理でどうこうできるものじゃなくて、光学的な部分だから厳しいだろうけれど、発売までにもう少し良くなって欲しいなぁ。

いずれにしても

Powershot S90 は多分買ってしまいそう


という感じだ。月内発売だったら速攻予約しているところだが、幸か不幸か10月発売。10月下旬の旅に間に合うようなら即買いになるはず。F100fd を二束三文で売って…ということになるかな。F100fd も操作性を除けば良いカメラだったけど。

F2.0レンズ搭載、マニュアル派にうれしい「PowerShot S90」
キヤノン、RAW記録に対応した薄型モデル「PowerShot S90」

あとキヤノンの新機種では、タッチパネルにタッチして AF という操作方法の機種が IXY メインストリーム機で採用されたのが気になったかな。iPhone 3GS で使っていて実感しているのだが、これは背面液晶を見て撮影するコンパクトデジカメ・スタイルとは相性がいい。

今後、主流のスタイルになる…かどうかは判らないけど(ほとんどの人はオートだから)、メニュー操作もタッチパネルの方が判りやすいし、デジタルビデオみたいになっていくような気がする。

タッチパネルで狙った場所へ即ピント、「IXY DIGITAL 930 IS」
キヤノン、初の広角24mm対応タッチパネル機「IXY DIGITAL 930 IS」h

キヤノン以外も、富士フィルムから S200EXR が、リコーから CX2 が発表。CX シリーズはその前の R シリーズからまたリコー機を買おうかな?買おうかな?と思わせるんだけど、なかなかねぇ。

CX はレスポンス向上以外に望遠側が 200mm から 300mm になったけれど、コンパクトデジカメで望遠側を伸ばすのは画素数競争と同じレベルのスペックだけ競争だと思うんだけどねぇ。

元々コンパクトデジカメのズーム望遠側は哀しくなる画質ばかりな上、200mm でも手持ちで撮ったら手ぶれでお話しにならなくて、特にリコーの手ぶれ補正のショボさは変わってないようだから、300mm なんて相当に見かけ倒しような…三脚云々をコンパクトデジカメで言うのもアレだし。

富士フイルム、RAW対応の「FinePix S200EXR」を国内発表
リコー、28〜300mmレンズ搭載の「CX2」

いずれにせよ、今回は個人的には Powershot S90 かな。ちょっと GR Digital III 欲しい衝動が出始めていたのだが、これで抑え込むことができる(GRD はどうせまた買っても1年くらいしたら、以前手放した経緯と同じになりそうだしね)。

あとは、本当にキヤノンが反省して開発の方向性を変えたのかどうか。本気になったのかどうか。近いうちのデジタル一眼新製品発表を楽しみにしたいところだ。60D なのか 7D なのか知らないけれど…
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