【2011/6/17 追記】機能はシンプルだけど簡単な Airmac が良さげなので記事を書きました
iPhone/iPad からの AirPlay を Mac で簡単受信する Airmac

先月アップデートされた iPhone / iPad 用 iOS 4.2.1 や iTunes 10 からサポートされた「AirPlay」。要は

  • iPhone/iPad に入れてある映像や音楽を、Wi-Fi 〜 Apple TV 経由でテレビなどへ出力できる

  • Mac や Windows 上の iTunes 10 からも Apple TV 経由でTVなどに出力できる
    (iTunes 10 では音声のみだったが、10.1 から映像も AirPlay できるようになった)

  • 出力先は Apple TV だけでなく、AirPlay 対応機器(スピーカーなど)でもワイヤレス出力できる(ようになる)


というもの。昔から AirMac Express という Apple 純正小型ルーターでできていた機能(AirTunes と呼ばれていた)を大きく拡張して、iOS / iTunes World の“ウリ”に仕立て上げたわけだ。

アップル - iTunes - AirPlay

現在は出力先が主に Apple TV 経由であることや、iPhone / iPad から音声・映像を出力できるアプリも純正アプリ他、対応アプリがまだ限られているが、AirPlay 対応スピーカーは各メーカーから発売が予定されているし、AirPlay 対応アプリも順調に増えている。



また、来年には iOS 上の Safari も AirPlay 出力できるようになるとのことで、

iPhone / iPad の Safari 画面を Apple TV を通してテレビに出力


ということが可能になる。そうなれば、「操作性の良いインターネット・テレビ」が実現するだろう。iPhone / iPod touch / iPad の費用を考えると、インターネット・テレビとしては安くないけれど、面白くなるのは間違いない。

Apple TV は現状、日本で使うにはこなれていない部分も多々あるが、とにかく安いから許せるし、あの安さなら iPhone / iPad 周辺機器としてお薦めである。

新 Apple TV 発売から3週間・ひとまず雑感

と、話は少し横道にそれたが、閑話休題。

先に挙げた AirPlay の主たる機能を見て判るとおり、Apple 的に AirPlay は(今のところ)

iPhone / iPad / iTunes から AirPlay 対応外部機器への一方通行


となっている。ま、需要を考えれば、それで問題ないわけだが、

パソコンが AirPlay 出力先になっても良いんじゃないの?


と思うことはあるわけで、それを実現したのが AirPlayer。

AirPlayer1


AirPlayer というソフトは単純に

AirPlayer を起動した Mac は AirPlay 出力先に指定できる


というもの。つまり AirPlayer を起動すれば、

iPhone / iPad から Mac に AirPlay 出力できる


ようになる。

AirPlayer2


一見、「iPhone / iPad に入っているライブラリは Mac から同期してるんだから無意味だろ…」と思うかもしれないが、使いどころは意外とありそうだ。

例えば私の場合、リビングのテレビには Apple TV を繋いでいるが、ベッドサイドのテレビには Mac mini を繋いでメディアサーバー兼 FrontRow でメディアプレイヤーにもしている。寝モバ時には通常 iPhone でビデオを見る時も多いが、そんな時でもすぐに Mac mini へ出力できるのは便利だ。

また、全く別の場所へ行った際に、アプリ一つダウンロードして起動すれば、そこの Mac へ手持ちの iPhone / iPad から出力できるというのは、これまた便利な時もあるだろう。iPad じゃなく iPhone と MacBook Air / Pro しか持ってない時でも

出先で iPhone から大画面の MacBook Pro に出力


なんてこともできる。将来的に色々なアプリの出力に対応できれば、もっと使い方は広がるだろうしね。

いずれにしても、一つあって、覚えていて損はないアプリ。作者はその筋では超有名なハッカー Erica Sadun 女史。もちろん、無料である。

Index of /ftp/AirPlay

使い方は簡単。上記のサイトから最新版の AirPlayer をダウンロードして(本稿執筆時点では AirPlayer-0.04.zip)、解凍すれば AirPlayer のアプリファイル一つが現れる。ので、これをアプリケーションフォルダに入れて、起動する。

AirPlayer4


AirPlayer を起動すると上記ウィンドウが表示されるので、上の方にある「Start AirPlay Service」をクリックするだけ。

サービス起動中は

AirPlayer5


という表示になるが、数秒から十数秒で

AirPlayer6


という画面になれば、Mac 側の準備は完了。

あとは、iPhone / iPad 側でビデオ出力時に、出力先を切り替えれば Mac へ映像出力することができる。

AirPlayer7
ここで切り替えれば Mac へ出力される

AirPlayer8
切り替えた後の iPhone 上の画面(他機器の AirPlay 出力時と同じ)


AirPlayer はシンプルなアプリなので、単純に Mac を AirPlay 出力先にするだけであるが、映像表示は AirPlayer のウィンドウ内表示の他、フルスクリーン表示も可能である。

AirPlayer3


とまぁ、インストールも起動も簡単な話で、何も迷うことはないレベルだ。ファイアーウォールの設定を強くしている場合は、その設定変更だけは必要になるが、そうでなければサクっとインストール→起動→ AirPlay 可能になるはず…

なのだが、こちらの環境では

  • iPod / ビデオアプリでのビデオは AirPlay 可能だったが、音楽の AirPlay はできなかった。

  • 写真アプリなどの AirPlay 出力もできなかった。

  • 他のパソコンの iTunes から AirPlay 出力先として選ぶことはできなかった(iPhone / iPad のみから可能だった)

  • インストール直後は上手く動かなかった。


という問題はあった。

これは個別環境の問題かもしれないが、まだ完璧を求めてはいけないだろう。今後の改良で解決することもあるかもしれないし、個人的にはビデオ出力できれば当面は良いかな、と思っている。

というわけで、ちょっと Mac の片隅に入れておけば、役立つかもしれない AirPlayer。iPhone / iPad ユーザーなら、頭の片隅にいれておけば良いかも。

早く Windows でも同じことができるものが出るといいね!(ちなみに MacOS X 10.6 だけでなく 10.5 Leopard 環境でも動作確認はしています)

【2010/12/18 追記】iPhone / iPad から再生する動画によって、AirPlayer のウィンドウ内で再生できる場合と、別途 QuickTime Player が起動して AirPlayer とは別ウィンドウで再生される場合の2通りがあります。

QuickTime Player で再生される場合は、バッファリングされたからの再生になるので、再生開始まで時間がかかったり、iPhone / iPad 側で再生停止後、Mac 上での再生停止までに時間がかかることがあります。

また、Air Player 自体の挙動は必ずしも安定してないので、時々ソフトウェアがフリーズして強制終了するハメになったり、二度目以降の起動でサービススタートまで時間がかかる場合があります。


紹介デモ動画