噂になっていた、というか直前には確定スペックがダダ漏れになっていたオリンパス E-PL1 が本日正式に発表。昨夏にマイクロフォーサーズ第一号機の E-P1 を発表してから、わずか半年強で3機種目。

OLYMPUS マイクロ一眼 PEN E-PL1レンズキット シャンパンゴールド E-PL1 LKIT GLD
PEN E-PL1 レンズキット シャンパンゴールド

(今回の E-PL1 は本当に隙のない、誰にもお薦め可能なモデル)


E-P1 が発売された時に言っていた色々なこと(言い訳)を半年でひっくり返したり、E-P2 の時にも「強力な手ぶれ補正と高感度があるのでストロボ内蔵は優先度が低いので…」と言ってたことは何だったの?というくらいの手のひら返しですが、なんにせよ

  • 手ぶれ補正内蔵

  • ストロボ内蔵

  • GF1 用とは違って非常に評価の高い E-P2 用の外付け EVF が利用可能

  • ちょっと大きくなったけれど、安く作るために軽量化に成功

  • 値段もようやくマトモなリーズナブルな価格に

  • 糞遅い AF も高速化された

  • 難点は背面液晶が安物コンパクトデジカメ並みに劣化したこと


ということで、あの PEN デザインが大好きだという人以外にはパーフェクトな仕様。

E-P1 が話題になってちょい売れしたものの、廉価なパナソニック GF1 が登場してからは E-P2 が出ても年末商戦は完敗しまくりだったオリンパスが、本気も本気で出してきたモデルなのかもしれません。

手ぶれ補正が内蔵されてるメリットはあるのに、ストロボがないだけで敬遠されまくっていた鬱憤もこれで晴れるでしょう。もちろん、

PEN 風デザインでヲタを釣っておいての出し惜しみ
なんてことはなく、半年間の技術進歩ゆえなのでしょう(棒読み)


きっとね。たぶんね。

OLYMPUS マイクロ一眼 PEN E-PL1レンズキット ホワイト E-PL1 LKIT WHT
PEN E-PL1レンズキット ホワイト

(E-P1 を使ってた時の経験からするとホワイトは意外といけます)


カラーもシャンパンゴールド、白、黒と3色揃い踏み。E-P1, E-P2 の時のように「あれ?この色はなんでないの?」的なこともなく、全く出し惜しみ感はないと言えます。糞なパンケーキレンズセットもなくなったのはオリンパスの良心でしょうか。

唯一あるとすれば、ボディ単体と標準レンズキットは判るものの、ダブルズームキットの望遠レンズは、フォーサーズアダプターをかましての大きなフォーサーズ用望遠レンズとなっているわけで、明らかに無理して用意した感ありあり。

マイクロフォーサーズ用の望遠レンズが間に合わなかってない状況だから仕方ないとはいえ、

何としてでもパナに負けない商品を揃える!


という意気込みが伝わってくるラインナップになってます。個人的には

無理やりなダブルズームキットを発売するくらいなら
新発売の高倍率ズームレンズキットを用意した方が良かったのでは?


と思うのですが、高倍率ズームレンズ 14-150mm の発売は5月ということですから、ボーナス商戦に向けて、きっと高倍率ズームレンズキットが追加されるのかもしれません。

OLYMPUS PEN用 M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6

(動画撮影向けでないけど、パナの同等レンズよりずっと安いのは魅力)


既存ユーザーならボディ単体一択なものの、新規ユーザーは標準レンズのみのキットか、無理やりダブルズームキットを買うか悩むところでしょうが、個人的には

無理やりダブルズームキットは止めておけ


と言いたいですな。オリンパスがどういう言い訳しても、そのうち手のひら返すんですから。

それに望遠レンズは、レンズ側に手ぶれ補正が内蔵されていた方が絶対使いやすいので(ファインダーで像が安定するメリットは望遠レンズでは絶大)、パナソニックの 45-200mm を別途買うことをお薦めしたいですね。

Panasonic デジタルカメラオプション デジタル一眼カメラ用交換レンズ H-FS045200
Panasonic デジタル一眼カメラ用交換レンズ H-FS045200

(手軽に 400mm の超望遠域が使える愛用のレンズ)


ま、無理やりダブルズームキットの存在と、コストダウンのために超安物になった背面液晶を除けば、E-P2 の値段と付加価値って何?というくらいに詰め込まれた E-PL1 はホント人に勧めやすくなったなぁ…と思います。

個人的にオリンパスは全く信用できないメーカーになってますし、実際に E-P1 を予約購入して使っていて、とてもじゃないけれど E-P1, E-P2 を人に勧めるなんてことはできませんでしたが、この E-PL1 は人に勧められるように思います。

となれば、「これだけ褒めるのだから、お前も買うの?」と聞かれてもおかしくないのですが、その答えは

E-P1 で痛い目にあってるので当分
下手すると永久にオリンパスのカメラは買わないよ


ということです。いやホントに。半年で、ここまでコロコロと新機種出しまくって、ちょっと前に言ってた言い訳を手のひら返ししまくるメーカーも珍しいですよ。

まぁ、E-PL1 は一つの完成形ですから、ここから買う人はぶっちゃけ何も悪くないと思いますけど、E-P1 を買った人間としては(既に売り払ったとは言え)複雑というか、やっぱりこういうメーカーだったか…E-P1 を早急に売っておいて良かった〜としか思えないわけで。

あと、私自身、自分の被写体や撮影スタイルの点からも

AF、特に AF-C が遅い&望遠レンズが使い物にならないカメラは要らない


というのが、たとえマイクロフォーサーズでも重要な材料にならざるを得ないことが、DMC-G1 と E-P1 の両使いでハッキリしたので、改善されたとは言え、AF には(将来にわたって)期待がもてないオリンパスのカメラとは縁がないかもしれません。

ぶっちゃけ、適当スナップなら PowerShot S90 で十分。コンパクトデジカメでは撮れない、AF 速度や望遠域を要求するものこそ、“一眼”の出番だと考えます。それがたとえ、ハイエンド一眼レフ+重量級望遠レンズであっても、マイクロフォーサーズであっても同じ。



とまぁ、オリンパスのボディに関しては色々と思うところはありますが、レンズに関してはやっぱり素直に凄いと思うところはありまして、今回正式発表された広角ズーム M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 は「欲しい!」と思うレンズ。



なにせ開発発表の時に見たスペック、35mm 換算 18mm スタートの広角ズームなのに、沈胴式とはいえ Φ56.5×49.5mm で 155g。パナソニックの 7-14mm F4 の時にも、そのコンパクトさに驚いたけれど、こちらは更に脅威的。

おまけに、前玉が突き出しているパナソニック 7-14mm F4 と違って 52mm という、標準ズームかよ!というフィルタ径でフィルターが付けられるのも大きな魅力。7-14mm F4 はやっぱり気を使うからねぇ…おまけに値段も手頃。

とは言うものの、名玉とも言われるパナソニック 7-14mm F4 を持ってるので、速攻予約というところまで行かず。というか、昨秋買う予定だった 20mm F1.7 が PowerShot S90 に変わってしまったので、9-18mm より先に 20mm F1.7 が先ですかね…

それでも E-P1 に 7-14mm F4 を付けて愛用していた経験から

手ぶれ補正内蔵ボディと超広角ズームの組み合わせは面白い!


と言えます。一眼レフのサブボディとしても、マイクロフォーサーズ2台持ちの時にも、本当に便利に、面白く使えますので、オススメですね。

あと、パンケーキレンズが欲しい場合には、間違ってもオリンパス純正の 17mm F2.8 みたいな糞レンズを買わずに、



このパナソニック 20mm F1.7 一択ですな。17mm F2.8 はデザイン的には良いけれど、ボディのポテンシャルを全く生かせないレンズということは、E-P1 パンケーキレンズセットで嫌というほど痛感しましたしね…

とまぁ、元 E-P1 ユーザー的には複雑な気持ちになった E-PL1 ですが、ホントこれからのユーザーにはオススメですな。

個人的には、コンパクトデジカメ以外ではもうファインダー or EVF 内蔵機種しか買わないと思うので、パナソニックの DMC-G1 / GH1 後継の新機種に期待です。

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