いや〜、良いね。実に良い。28mm F2.5 ユニット発売の2日前に 50mm F2.5 MACRO ユニットを買って、ちょっと試しどりしてたら絶賛しかなかったのだけど、28mm F2.5 ユニットも同様に素晴らしい。

何が素晴しいって、A12 28mm も 50mm も

(デカい)ポケットに(無理やり)入るサイズにも関わらず
一眼レフの良質レンズと同じレベルの描写を得られる


というところ。APS-C 素子を使ったユニットだから当然といえば当然だけど、このサイズを考えると驚かざるをえない。

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GXR + A12 28mm F2.5 with Modopocket
(画像クリックでオリジナル画像)


先週のファームウェア・アップデートでの AF 速度改善にあてられて、先週水曜日に A12 50mm F2.5 MACRO ユニットを衝動買いしたことは記事に書いたとおり。GXR + P10 キットの購入直後に 28mm F2.5 ユニットは予約してあったが、両方あわせて13〜14万もするわけで、さすがに 28mm はキャンセルしようかと思った。

おまけに、発売延期した A12 28mm F2.5 ユニットの発売日は、北海道へ旅行に出発する日。色々とあって出発が午後だったこともあって「購入して、その足で北海道へ行くぜ!」と思ってたが、いつもなら前日に入荷連絡のあるヨドバシカメラ梅田からは連絡なし。

こりゃ発売日に手に入らないかな…と思いつつも、朝、空港へ行く途中にヨドバシ梅田に寄って聞いてみたら入荷済み(あとで判ったが、私が自宅を出た直後に入荷連絡があったようだ)。ということで、A12 28mm F2.5 ユニットを購入して、その足で北海道へ行ったのだが、ホント 50mm も 28mm も買って良かった



今回の北海道行きは、数日前に決めたものの今イチ乗り気になりきれず、それでも GXR + P10 キットに続き、A12 50mm ユニットも購入し、

GXR の真価を問う旅にしてみよう


と思っていたのだが、行きがけに購入できた新発売の 28mm F2.5 も合わせて

GXR の真価にオイラは K.O. 負け


しました。これほど GXR に惚れるとは、格安の GXR + P10 キットを買った時には思いもしなかった。

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GXR + A12 28mm F2.5
(画像クリックでオリジナル画像)


A12 50mm F2.5 MACRO ユニットも A12 28mm F2.5 ユニットも素晴らしいけど、これが一眼レフなら「お、良いレンズだね」でしかない。とにかく、GXR + A12 ユニットの魅力は

このサイズ感と得られる描写のアンバランスさ

にある。コンパクトデジカメ+αのサイズ感で、素晴らしい描写が得られる。このアンバランスな魅力は他にない。マイクロフォーサーズ機や NEX にはない。それらを使ってきたからこそ、言える。

そして、50mm F2.5 MACRO ユニットで試し撮りした時にも思ったが、「こりゃリコー信者が存在するわけだ…」と妙に納得した。2つの GR LENS の描写には素晴らしいものがある。初心者に毛の生えたか生えてないかの私ですら、一目瞭然なくらいに素晴らしい。

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GXR + A12 28mm F2.5 / ISO 800, 1/10s 手持ち
(画像クリックでオリジナル画像)


新しい 28mm ユニットは 50mm に比べて焦点距離が短いことと、レンズが軽く短いせいかバランスが良くて

手ブレ補正がないけど、極めて手ブレしにくい


と感じた。1/10s 〜 1/20s 程度なら、等倍で見ても問題ないくらいに止まる。

ボディのグリップ感が素晴らしく良いことは以前の記事でも述べて、高倍率コンパクトデジカメな P10 ユニットを使っている時にも手ブレしにくいと感じていたが、手ブレ補正機構が入っていない A12 28mm F2.5 ユニットでも改めて手ブレのしにくさ、ボディの良さを実感する。

描写に関しては、私的には満足のひと言。隅までビシッと気持ちよく A12 50mm F2.5 MACRO ユニット同様、

JPEG 撮って出し、レタッチなしで十分


と感じさせる写り。コンパクトデジカメ素子の P10 ユニットだとデフォルトのシャープネスでは輪郭強調やりすぎな嫌いがあるが、A12 ユニットではちょうどいい塩梅だし、広角の 28mm だと本当にちょうどいい具合である。

GXR に高感度描写を期待はしていないけれど、A12 28mm レンズも ISO 800 までは普通に使える。必要に応じて 1600 まで上げても良いかな?という感じだ。

絶賛ばかりではなんだけど、さほど欠点というべき点も見当たらない。敢えて言うなら近景描写の素晴らしさに比べると、遠景描写は普通かな?という気はする。無論、全く問題ないのだけど、近景描写の素晴らしさに比べれば、そこまではないという感じ。ま、重箱の隅を突くような話だが。

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GXR + A12 28mm F2.5 / ISO 1600 手持ち
(画像クリックでオリジナル画像)


そして 28mm の素晴らしさで重要なことは描写だけでなく、

APS-C 素子採用のユニットなのに、軽く小さい!


ということ。

GXR_3Units_Compare1
(左から A12 50mm F2.5 MACRO、A12 28mm F2.5m、P10 の各ユニット)


上記の写真は、コンパクトデジカメ用素子採用の高倍率 P10 ユニットや A12 50mm MACRO ユニットとの比較だが、A12 28 mm ユニットはコンパクトデジカメ代わりの P10 ユニットと比べて多少大きいし、重さも多少重いけれど、まずまず似たようなサイズ感であるし、扱う感覚に大きな差はない。

少なくとも

重くてデカい 50mm MACRO ユニットとは段違い


である。上記写真でも見て、まるで違うのは一目瞭然だが。

実際に使っていて、28mm ユニットならポケットの中に入るサイズと言えなくもないわけで、それでいて一眼+高画質レンズと同等の描写を得られるというのは、実に素晴らしい。

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売るのを忘れて放置されてたフォクトレンダーの 28mm ビューファインダーを付けてみた
(実際にビューファインダーを付けて持ち歩くことはないけど)


今回 GXR を初めて持って出た旅先では、

GXR ボディ+使用中のユニットを首から下げ、残りのユニットの1つを左ポケットに、もう1つを右ポケットに

というような体制で撮っていたのだが、デカい 50mm MACRO ユニットは、さすがにポケットサイズのユニットとは言えず、大きめなコートのポケットへの出し入れもギリギリだった。

反面、今回新発売された 28mm ユニットは付けてもコンパクトデジカメ+α感覚で、P10 ユニットとそう変わらないし、ユニットをポケットの中に入れておくのも難しくない。そういう意味では、旅スナップカメラ、お散歩カメラとしてピッタリのサイズであったと言える。

と同時に、50mm ユニットもマクロなしで良いし、50mm F1.8程度で良いから、28mm 同等以下のサイズ、軽さのユニットが欲しいな、とも思う。GXR の真骨頂は、ポケッタブルなサイズで APS-C 単焦点レンズの高画質が得られる、というところにあるのだから…

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GXR + A12 28mm F2.5 / 28mm でも開放だと結構ボケる…
(画像クリックでオリジナル画像)


ともあれ、たった2日の差だが 50mm ユニットを購入して感動した描写は 28mm でも同じで、「いや〜、マジいいね!」という感じであったし、とにかく

今回の旅では GXR 大活躍!


であったし、望遠側は EOS 7D + EF 70-200mm F2.8L IS USM を持って出たこともあってか、

A12 の2本ばかり使って、P10 ユニットは全然使わなかった


ことには、自分でも驚いた。函館にいる間、コートの右のポケットにはずっと P10 ユニットが入っていたのに、結局一度も装着されることはなかった。

反面、A12 28mm ユニットと 50mm ユニットは(28mm ユニットが基本ながらも)結構頻繁に交換していたわけで、

レンズ交換ならぬユニット交換が気軽にできるのは良いね


と思った。ま、レンズ交換よりユニット交換の方が楽とは別に思わなかったけれど、とにかくサイズが小さい分、持ち歩きは楽だし、ホコリに気を使わなくて良いのは有り難い。

ただ、ユニット交換しまくっていて、耐久性は大丈夫かなぁ?とは思った。でもまぁ過去1年近く使ってきたユーザーも多い中、さほど問題になってるとも聞かないから、私程度の使い方では問題にならないだろう、たぶん。函館4日間で交換した回数は、100回前後だろうしな…

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GXR + A12 28mm F2.5
(画像クリックでオリジナル画像)


ということで、A12 50mm ユニットに続き 28mm ユニットも購入して、すぐに旅に出て大活躍したわけだが、両ユニットとも感心させられるような描写で撮影できていると、どうしよても思わざるをえないことがある。

同じような高画質で撮れる望遠・中望遠ユニットが欲しい!!


すっかり GXR の魅力にやられてしまって「GXR は最高の旅カメラだったわ…」と思っているが、やっぱり画角の寂しさはある。中望遠・望遠ユニットが欲しくなる。

望遠側の画角には P10 ユニットがあるものの、高倍率コンパクトデジカメと同じである。やはり A12 28mm や 50mm と同じような素晴らしい画質での撮れるユニットが欲しい。もう切実に欲しい!いま他の A12 ユニットがあれば、どんどん買ってしまいそうな勢いで欲しい X-)

しかし、リコーにその予定はない。来年のロードマップは、他社マウント用のユニットと APS-C 素子採用の広角〜標準ズームユニットのみが明らかになってる。広角〜標準のズーム?

なんで同じような画角ばかりのユニットを出してくるん?


そう思わざるをえない。

200〜300mm クラスの望遠ユニットなんてのは諦めているけれど、85〜100mm 程度の中望遠ユニットくらいあってもいいだろうし、GXR ユーザーでも待望されてると思うのだが、違うのだろうか?「もしかして作れないの?」とまでは言わないが、得意のレンジばっかり作ってても進歩はないと思う。

いずれにしても、そういう不満が心の底から出るくらいに、2つの A12 ユニットは気に入った。

まさに GXR への見方が変わった


そう言っても過言じゃない A12 ユニット2本だった。先達の言う通りだった。

【追記】絶賛しまくったけど、以前書いた GXR に対する不満は変わってないですよ。被写体に制約はありすぎるし、操作性もリコー信者が思うほど素晴らしくはないし。