前々回、前回と「DLSS 4.5 で導入された第2世代トランスフォーマーモデルによるアップスケーリング (DLSS SR) の改善はフライトシムでどのくらい効果があるのか」を、特に従来私が DLSS SR を使ってこなかった理由である

計器の細かい文字の見え方
描写の甘さ見辛さの改善


について、従来の DLSS 4 世代の DLSS SR や、アップスケーリングなしの TAA 100% 設定の描写と比較した結果を記しました。

MSFS 徒然記【2026年1月編その2】〜DLSS 4.5をMSFS2024で検証&試行錯誤【前編】細かい文字の描写改善でアプスケ使わない私も宗旨替え?
MSFS 徒然記【2026年1月編その3】〜DLSS 4.5をMSFS2024で検証&試行錯誤【中編】DLSS 4.5で品質設定による文字描写の差はあるのか?プリセット L と M の差は?

今回は、細かい部分の輪郭が甘くなる問題と並んで DLSS SR のもう一つの大きな欠点であったゴースト問題について、

計器上の数値が早く変化する時
数字が全く見えなくなる現象


が、DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルによるアップスケーリングでどれくらい改善されたか?プリセット「L」と「M」で違いがあるのか?について記しておきたいと思います。

「計器上の数値が早く変化する時に数字が全く見えなくなる現象」というのは、⬇️以下のキャプチャ画像のように、PFD やスタンバイ計器の速度計や高度計の表示がスロットのように流れている状態になって全く数字が見えない状態のことです。DLSS SR を使うと、状況によりこういった状態になりがちです(数値の変化量や文字サイズ、DLSS の設定によって発生するしないが変わる)。

MSFS2024_DLSS45_51GHOST_A32NX_2000_MP

ちなみに本題から逸れますが、前々回も前回も触れ忘れたので今書いておこうと思うのですが、テーマにしている DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルによるアップスケーリングの描写は、NVIDIA から細部の輪郭描写やゴーストの改善が謳われていて、実際フライトシムでも細部の輪郭描写に効果は見られるのですが、それ以外に

光の描写がちょっと変わってなくね?


と感じているのですが、どうですかね。ちゃんと比較検証したわけでもないのですが、グラデーションでちょっとしたバンディングが出ていたシーンが目立たなくなったり、斜光線時のコントラストに若干変化が感じられるのですが、私の気のせいでしょうか……気のせいかも(慣れたらすぐ判らなくなったし😅)。

と話は逸れましたが、以下本題を。繰り返しますが、当方の環境(Ryzen 7 7800 X3D + GeForce RTX 4080 SUPER + UWQHD ディスプレイ)で個人的に試行検証したものなので、他の環境、条件で同じ結論が得られるとは限りませんし、普遍化して語るつもりはありません。あくまで私自身がちょっと試して得られた結果をメモしていると解釈してください。


3)第2世代トランスフォーマーモデルでゴーストは改善されたか?プリセット L と M で差はあるのか?

最初に結論を言うと、「計器上の数値が早く変化する時に数字が全く見えなくなる」問題については

DLSS 4.5でも根本的な改善はない


です。この現象は、NVIDIA が DLSS 4.5 で改善を唄うゴーストとはいささか異なる部分もあろうかと思いますし、仕組み上仕方ないのかな……って感じはあります。

ただ、いくつかの条件で試したところ、速度計高度計のゴーストに限って言えば

プリセットLはMより明確にマシ


で、ゴーストの出方に有意な差があることが判っています。ただ、あくまで当方の環境、条件において、の話なので、普遍的に通用するかどうかは判りませんし、興味もありません。

ただ、マシなプリセット「L」でもスタンバイ計器のような小さな計器の速度計や高度計、また PFD でも計器ビュー以外の状態で計器が小さく表示される場合は、数値変化量の多い時に値が読めないほどのゴーストになるのは変わらないので(事例は後述)、

DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルを使っても、計器上の変化量の多い数値が読み取れなくなる現象は変わらない

ですね。前回までに挙げた、計器まわりの小さな文字の描写が改善されたような明確な効果はありませんでした。

ですので、

ゴーストが嫌なら
アプスケを使わない


そこは変わりません。TAA 100% 設定時にはこういうことは起きませんから。

ということで、以下に幾つかの比較事例を。動画で見せた方が判りやすいですが、当ブログでは例によって画面キャプチャ画像での比較になります。海外の MSFS 系動画を探せば実例は出てきますので、当方が繰り返さなくてもいいでしょ(投げやり)。

まず、ホンダジェット (HJET) の上昇中の PFD で比較してみます。視点は計器ビューですので PFD および PFD 内の数字はそれなりに大きく表示される状況、数値が速く変化してもゴーストが出にくい条件です。DLSS SR の品質設定はいずれも Quality 品質優先設定です(全ての例で共通)。

MSFS2024_DLSS45_40GHOST_HJET_500_TAA(TAA 100%)
MSFS2024_DLSS45_41GHOST_HJET_500_K(従来のDLSS SR / プリセットK)
MSFS2024_DLSS45_42GHOST_HJET_500_M(新しいDLSS SR / プリセットM)
MSFS2024_DLSS45_43GHOST_HJET_500_L(新しいDLSS SR / プリセットL)


以下、もう一つ。

MSFS2024_DLSS45_44GHOST_HJET_2000_TAA(TAA 100%)
MSFS2024_DLSS45_45GHOST_HJET_2000_K(従来のDLSS SR / プリセットK)
MSFS2024_DLSS45_46GHOST_HJET_2000_M(新しいDLSS SR / プリセットM)
MSFS2024_DLSS45_47GHOST_HJET_2000_L(新しいDLSS SR / プリセットL)


離陸直後の 500ft 付近と、さらに上昇している 2,000ft 付近の画面キャプチャ画像の比較。どちらも割と無理な急上昇中で、高度計の数値がガンガン上がっていく、変わっていく状況ですが、基本的にホンダジェット(HJET) の PFD を計器ビューで拡大して見ているなら DLSS SR を使っても特に問題は感じません。

MSFS2024_DLSS45_62GHOST_HJET_InstView(HJET 計器ビュー、赤丸がスタンバイ)


ところが、スタンバイ計器(⬆️上記画像参照)の方へ目を移すと PFD と比べて計器が小さく高度計の数字も小さいため、

MSFS2024_DLSS45_58GHOST_HJET_S500_TAA(TAA 100%)
MSFS2024_DLSS45_59GHOST_HJET_S500_K(従来のDLSS SR / プリセットK)
MSFS2024_DLSS45_60GHOST_HJET_S500_M(新しいDLSS SR / プリセットM)
MSFS2024_DLSS45_61GHOST_HJET_S500_L(新しいDLSS SR / プリセットL)


と言ったように、アップスケーリングなしの TAA 100% 設定以外は見事にゴーストで高度計の数値は読み取れません。速度計の数値もプリセット L 以外はブレています。
  • 急上昇中の高度計の数字もクッキリハッキリ見えるのは、アップスケーリングなしの TAA 100% 設定のみ、DLSS SR 使用時との差は圧倒的。

  • 従来の DLSS 4 SR のプリセット K より、新しい DLSS 4.5 SR のプリセット M の方がブレ量は少なめ。だけど TAA 100% 設定と比べると、五十歩百歩。

という感じですね(新しい DLSS 4.5 SR のプリセット M と L の差は後述)。

次に FlyByWire A32NX の PFD で比較します。こちらも急上昇している時の計器ビュー視点。PFD および PFD 内の数字は通常のコクピット視点より遥かに大きく表示され、本来数値が速く変化してもゴーストが出にくい条件です。こちらも DLSS SR の品質設定はいずれも Quality 品質優先設定です。

MSFS2024_DLSS45_48GHOST_A32NX_2000_TAA(TAA 100%)
MSFS2024_DLSS45_49GHOST_A32NX_2000_K(従来のDLSS SR / プリセットK)
MSFS2024_DLSS45_50GHOST_A32NX_2000_MQ(新しいDLSS SR / プリセットM)
MSFS2024_DLSS45_52GHOST_A32NX_2000_L(新しいDLSS SR / プリセットL)


高度計の数字をひと目見れば分かるように、
  • 常に数字がしっかりクッキリのアップスケーリングなし TAA 100%

  • ゴースト出まくりの新旧 DLSS SR プリセット K / M

  • 同じ DLSS 4.5 第2世代トランスフォーマーモデルのプリセット M が激しいゴースト状態なのにピタッと止まるプリセット L

となっています。ホンダジェットと異なり、FlyByWire A32NX では(というかエアバス旅客機系では)この傾向は条件を変えても変わりません。

プリセット K / M は高度の変化が大きいと高度計の数字はゴーストが出まくりです。上記の例では従来の DLSS 4 SR であるプリセット K の方が M よりマシに見えますが、これはたまたまで、ちょっとした状況で変わるので、プリセット K と M は殆ど優劣がありません。

それに比べるとプリセット L はピタッと止まっていて、高度計の数値は概ねクリアに見えています。TAA 100% より描写が甘いのはアップスケーリングを使っている限りやむを得ないことですが、プリセット K と M で激しくゴーストが出て数字が読み取れない条件でもプリセット L はゴーストが出ない/出にくい傾向にあります。

また、同じように急上昇しているシーンでも、

MSFS2024_DLSS45_53GHOST_A32NX_5000_TAA(TAA 100%)
MSFS2024_DLSS45_54GHOST_A32NX_5000_K(従来のDLSS SR / プリセットK)
MSFS2024_DLSS45_55GHOST_A32NX_5000_MQ(新しいDLSS SR / プリセットM)
MSFS2024_DLSS45_57GHOST_A32NX_5000_L(新しいDLSS SR / プリセットL)


上記のように、ちょっとしたことでプリセット K / M のゴーストの出方が緩くなったり、数秒後にはまた数字が全く見えない大回転状態になったりと不安定です。そして、FlyByWire の計器ビューでの PFD ではプリセット K と M で酷いゴーストの出やすさは大差ないように感じました。

少なくともプリセット M については DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルを使っているからといって、この手のゴーストに改善はなかった、と判断しています。

反面、プリセット L は計器ビューにして PFD を拡大表示にしているかぎり、高度計の数字が読み取れないほどのゴーストが起きません

前回も書きましたが、NVIDIA の公式見解では DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルを使う場合、一般的にはプリセット「M」を使うことが推奨されています。プリセット「L」は 4K 解像度で DLSS SR の品質設定をウルトラパフォーマンスに設定する場合に特化したチューニングとされています。

DLSS SR のウルトラパフォーマンス設定だと 720p (1280x720 pixels) の映像を3倍引き延ばして 4K 解像度 (3840×2160 pixels) で出力するわけですから、それにチューニングした処理となるとゴースト対策も通常用途のプリセット「M」より入念にやっているのかもしれません。実際プリセット「L」はプリセット「M」より若干負荷が増えます。

DLSS SR の品質設定で、品質優先やバランスに設定しているのにプリセット「L」を使うのは推奨されていませんし、前回書いたように小さな文字の鮮明さの改善では L より M の方が若干優位かな、と感じていますが、これらのように

プリセットLはゴーストが出にくい


可能性が高いので、気になる方は一度試してみるのも良いかと思います(どんな副作用があるかは私もまだ把握しきれていないですので)。

ただし、プリセット「L」はゴーストが出ないわけではなく、「M」と比べるとゴーストが出にくいという比較論での話なので、計器ビュー視点ではなくコクピット視点で PFD を見ると

MSFS2024_DLSS45_63GHOST_A32NX_Wide_L

このように計器 (PFD) も計器内の文字も小さくなってゴーストが発生しやすくなり、プリセット「L」でもゴーストの発生は抑えられません。それでもプリセット「K」「M」よりはマシですが、最初の方でも書いたように

ゴーストが嫌なら
アプスケ使うなよ


というのは、従来の DLSS SR と変わらないところです。

逆に

高度計の数値が読み取れなくても、高度計のメモリに 500 ft 毎に表示される数値を見たら、だいたいの高度は把握できるから別に高度計の数値にゴーストが出まくっても別にかまへんわ、気にせえへん


という人は、デフォルトのままの DLSS SR を使っていただければ良いかと思います。

DLSS 4.5 が出た後も品質設定をパフォーマンス、ウルトラパフォーマンスにしない場合は、ユーザーが NVIDIA アプリで特に指定しないかぎり従来のプリセット「K」が自動的に使われるわけで、NVIDIA 的にはそれを推すって話ですからね。

あとセスナなど低速な自家用プロペラ機で飛ばしている場合は、アクロバティックな挙動でないかぎり、あまり酷いゴーストにならないので、その場合も気にしなくて良いかもしれません(なので、今回の例ではセスナは使っていません)。

MSFS2024_DLSS45_03NVIDIAappPresetK

以上、3回に分けて長々と書いてしまいましたが、DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルを使ったアップスケーリングを MSFS2024 で使ってみた個人的な比較検証でした。大した内容ではありませんが、気になることがあって自分で試してみようと思う人が出てきたら幸いです。

ゴースト問題については、海外の掲示板や動画を見ていると
  • ディスプレイのリフレッシュレートを制限してフレームタイムをディスプレイのリフレッシュ以内に抑えるべき
  • フレームジェネレーション機能を使ってるからダメなんだよ( ゚Д゚)ゴルァ !

とか言われているので、そのあたりも軽く検証してみたのですが、ウチの環境では明確な効果も出ていないこともあって、それらについて語ることがあればまた後日ということで。

ってか、昨日から腰痛が悪化して、既に書いてあった内容に追記する余力がありません……orz


Amazon_MindXplore D106 PFD-ND-ECAM-EWDD106 PFD-ND-ECAM-E/WD 4-in-1-Display (Amazon)MindXplore D106 4-in-1-Display (Amazon)