年始の CES 2026 で NVIDIA から発表された DLSS 4.5。そこで新たに実装された第2世代トランスフォーマーモデルによるアップスケーリング機能 (DLSS SR) の改善が、フライトシム Microsoft Flight Simulator 2024(以下 MSFS 2024)界隈でも話題となっていて国内外多くの Youtuber などが言及されていました。

従来の DLSS SR では細かい文字の描写が甘くなって計器その他の文字が見づらいと感じていた私は、MSFS の設定でアップスケーリングなしの TAA 100% 設定を使ってきましたが、その部分が改善されているなら DLSS SR を検討する余地はあると考えて、先週末に色々と比較検証試行錯誤していました。

そんな個人的な、新旧 DLSS SR とアップスケーリングなし TAA 100% 設定の画質比較の一部をブログに記しておく第2回目です。

前回は「DLSS 4.5 で導入された第2世代トランスフォーマーモデルによるアップスケーリング (DLSS SR) は、計器まわりの細かい文字の見え方が従来と比べてどのくらい改善されたのか?アップスケーリングなしと比べてどうなのか?」という点について記しました。

MSFS 徒然記【2026年1月編その2】〜DLSS 4.5 を MSFS2024 で検証&試行錯誤【前編】細かい文字の描写改善でアプスケ使わない私も宗旨替え?

今回は前回の補足として、
  • 前回は DLSS SR の品質設定を Quality(品質優先)に統一して比較したが、新しい DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルによる DLSS SR では品質設定の Quality と Performance で、は計器まわりの細かい文字の表示品質にどれくらい差があるか?
    MSFS2024_DLSS45_06SettingDLSSPerformance

  • NVIDIA のアナウンスで DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルを使う場合、一般的には NVIDIA アプリのプリセットを「M」に設定することが推奨されているが、もう一つの「L」に設定した場合は、細かい文字の表示品質に差が出るのか?
    MSFS2024_DLSS45_02NVIDIAappPresetL

この2点について疑問に思ったので、少し試した内容を記しておきます。

前回記事でも書きましたが、私個人の環境および主観で比較しており、普遍化して物を語るつもりはありません。あくまで適当な 1サンプルに過ぎず、自分だけが納得するための検証であります。

また、前回記事を載せてから気づいたのですが、ブラウザ上の画像表示では PC 上で見るより細かい部分の差異が判りづらいですね。これはまぁどうしようもないので、このまま行きます。掲載画像はアップロードで再圧縮されていないはずなので、必要なら画像をダウンロードして比較してみてください。


2ー1)新しい DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルによるアップスケーリングで DLSS 品質設定の Quality と Performance では、計器まわりの細かい文字の表示品質にどれくらい差があるか?

結論から言うと、当然ながら差はあります。Performance(パフォーマンス)設定の描写は Quality(品質重視)設定より明確に劣ります。そうでなければ Quality 設定の意味がありません。当たり前ですね。

どれくらいの差かというと、計器まわりなど細かい文字の描写に限った個人的な印象では、

新しい DLSS 4.5 SR の Performance 設定は、従来の DLSS 4 SR の Quality 設定にやや劣る程度(同じくらいの場合もあり)

と感じていて、前回比較した、従来の DLSS 4 SR(第1世代トランスフォーマーモデル利用)と新しい DLSS 4.5 SR(第2世代トランスフォーマーモデル利用)との差が、そのまま DLSS 4.5 SR の品質重視設定とパフォーマンス設定の画質差、細かい文字の見やすさの差になっているように感じました。

ですから、従来の DLSS 4 SR の品質重視設定を使ってフライトしていて満足しているユーザーならば、新しい DLSS 4.5 の SR ではパフォーマンス設定を試して、フレームレート/フレームタイムの改善量と表示品質の差を比較検討してみる価値はあるように思います。

(フレームレート/フレームタイムの改善量は、DLSS SR の品質設定を落として負荷が軽くなった分と、DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルを使って負荷が増えた分の相殺になるので、使っている GPU その他の条件で変わると思います)

以下、新しい DLSS 4.5 SR(NVIDIA アプリのプリセット M)の Quality(品質重視)設定と Performance 設定、そして従来の DLSS 4 SR(NVIDIA アプリのプリセット K)の Quality 設定、それら3つの比較事例を幾つか挙げておきます。

MSFS2024_DLSS45_21A32NX_Climb2000_MQ_MFD(新しいDLSS SR 品質優先)
MSFS2024_DLSS45_22A32NX_Climb2000_MP_MFD(新しいDLSS SR パフォーマンス)
MSFS2024_DLSS45_20A32NX_Climb2000_K_MFD(従来のDLSS SR 品質優先)


前回記事でも最初の例として挙げた、⬆️ FlyByWire A32NX の計器視点モードのデフォルト位置から ND の部分を等倍切り出しした画像の比較。

新しいDLSS 4.5 SR の品質優先設定の文字が最も明瞭なのは、ひと目見て判るかと思いますが、新しいDLSS 4.5 SR のパフォーマンス設定と従来の DLSS 4 SR の品質優先設定は優劣つけ難く、前者の方がクッキリ見える文字もあれば、後者の方が綺麗に見える文字もある、という印象です。

MSFS2024_DLSS45_34A32NX_BeforeStart_MQ_PFD(新しいDLSS SR 品質優先)
MSFS2024_DLSS45_35A32NX_BeforeStart_MP_PFD(新しいDLSS SR パフォーマンス)
MSFS2024_DLSS45_33A32NX_BeforeStart_K_PFD(従来のDLSS SR 品質優先)


前回も差が判りづらかった FlyByWire A32NX のコクピット視点デフォルト位置から PFD を見た事例。やや遠めで計器の表示も小さめ、おまけに暗がりになっていて見えづらい状態です(フライト中に外界の景色を見る視点で計器をチラ見する時はこんな感じですが)。

文字が小さくコントラストも低めなので、よくよく見ないと差が判りづらいものの、

新しい DLSS 4.5 SR の品質優先設定 > 従来のDLSS 4 SR 品質優先設定 >= 新しい DLSS 4.5 SR のパフォーマンス設定

の順でしょうか。

差は小さいものの、新しい DLSS 4.5 SR の品質優先設定が他の2つより文字のハッキリ度合いがやや高く、前回同じ状態で比較したアップスケーリングなし TAA 100% 設定ほどではないものの、黒地に緑文字の見やすさが他の2つより明らかに良く、新しい DLSS 4.5 SR の品質優先設定時のクオリティを感じます。

続いては⬇️セスナ 208B のコクピット視点デフォルト状態から目の前の PFD、右手にある MFD を見た時の事例を。

MSFS2024_DLSS45_12C208_BeforeStart_MQ_PFD(新しいDLSS SR 品質優先)
MSFS2024_DLSS45_13C208_BeforeStart_MP_PFD(新しいDLSS SR パフォーマンス)
MSFS2024_DLSS45_11C208_BeforeStart_K_PFD(従来のDLSS SR 品質優先)


こちらも計器内の文字の見やすさは

新しい DLSS 4.5 SR の品質優先設定 >> 従来のDLSS 4 SR 品質優先設定 > 新しい DLSS 4.5 SR のパフォーマンス設定

の順で、ディスプレイ右上、左上の COM / NAV 周波数の数字の見やすさを比較すれば、新しい DLSS 4.5 SR の品質優先設定は他の2つより一歩抜きん出ている印象です。残り2つの差は小さいですが、個人的には従来のDLSS 4 SR 品質優先設定の方が文字の明瞭さはあるかな、という感じ。

MSFS2024_DLSS45_16C208_Climb_MQ_MFD(新しいDLSS SR 品質優先)
MSFS2024_DLSS45_17C208_Climb_MP_MFD(新しいDLSS SR パフォーマンス)
MSFS2024_DLSS45_15C208_Climb_K_MFD(従来のDLSS SR 品質優先)


MFD はコクピット着座視点からだと PFD と比べて遠いため、 MFD 内の文字サイズも小さくなるため、先の A32NX の2例目と同じく大きな差が出るほどではないものの、見比べると新しいDLSS 4.5 SR の品質優先設定が僅かに文字のクッキリ度が高く、他の2つはどちらも MFD 内の文字を遠目の視点のまま判別するのは難しいと感じます。

最後に、ホンダジェット (HJET) のフライト中の PFD での比較を以下に⬇️。

MSFS2024_DLSS45_38HJET_Climb2000_MQ_PFD(新しいDLSS SR 品質優先)
MSFS2024_DLSS45_39HJET_Climb2000_MP_PFD(新しいDLSS SR パフォーマンス)
MSFS2024_DLSS45_37HJET_Climb2000_K_PFD(従来のDLSS SR 品質優先)


こちらも明らかに、新しいDLSS 4.5 SR 品質優先設定の文字のクッキリ度合いが明らかで、他2つは似たり寄ったり。

新しいDLSS 4.5 SR パフォーマンス設定と従来のDLSS 4 SR 品質優先設定の比較では、最初の例と同じく、文字によって見やすさが違う、って感じ。若干、従来のDLSS SR 品質優先の方が見やすい文字が多いかな?ですが、新しい DLSS 4.5 SR 品質優先設定と比べれば、どっちもどっちではあります。

⭐︎


というわけで、新しい DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルを使った DLSS SR の品質設定の Quality と Performance での計器まわりの細かい文字の表示品質差は、条件により差の大小はあるものの、全体的には割と明確な差がある、というのが私の結論。

そして、第2世代トランスフォーマーモデルを使った DLSS 4.5 SR のパフォーマンス優先設定の文字表示品質が、従来の DLSS 4 時代の品質重視設定のクオリティにそこそこ近い、もしくは同等レベルであることを考えると、第2世代トランスフォーマーモデルによって一段進化したと感じさせられました。

元々計器内の細かい文字の見づらさが嫌で DLSS SR を使いたくなくて TAA 100% 設定固定だった私としては、改善された第2世代トランスフォーマーモデル利用の DLSS 4.5 SR を使ったとしても品質重視設定のみ、って感じですが、従来から DLSS SR を使っている場合には品質設定を下げる余地が出てきたのかもしれません。

何度も書くように、第2世代トランスフォーマーモデル利用時には負荷が増大する(特に RTX 30 以前の世代は顕著に増える)ため、人それぞれの条件次第、何を重視して設定するかの好み次第ではありますが、

設定の選択の幅は広がった


のは間違いないと思います。

私自身、DLSS 4.5 SR を使ったとしても品質重視設定のみ、と言っていますが、負荷の高い、けれど(酔い止めのためにも)フレームレートは稼ぎたい VR プレイではバランス設定やパフォーマンス設定も視野に入れて試行錯誤しているところです。


2ー2)同じ第2世代トランスフォーマーモデルを使ったプリセット「L」と「M」で差はあるのか?

前回記事にも書きましたが、DLSS SR の品質設定で Quality(品質優先)やバランス設定を選ぶと、デフォルトでは従来の DLSS 4 と同じ旧世代トランスフォーマーモデルを使用したプリセット「K」が選ばれます。

DLSS SR の品質設定で品質優先やバランスを指定した時に DLSS 4.5 から導入された第2世代トランスフォーマーモデルを使いたい場合は、NVIDIA アプリでプリセット「M」または「L」をユーザーが指定する必要があります。

で、第2世代トランスフォーマーモデル利用のプリセットを使う場合、NVIDIA として一般的な環境・条件で推奨されているのはプリセット「M」です。プリセット「L」は 4K 解像度で DLSS SR の品質設定をウルトラパフォーマンスに設定する場合に特化したチューニングとされています。

なので、通常はプリセット「M」を使っておけば良いのですが、実のところ、次回で示すゴースト問題の改善についてはプリセット「M」は改善がほぼなく、しかし「L」では顕著に効果がある、という不思議な差を得ています。

となると、特殊な条件のみにチューニングされたはずのプリセット「L」を使いたくなるわけで(実際いま私はプリセット「L」で DLSS SR を暫定的に常用している)、そういったことを踏まえて、計器まわりの細かい文字の描写についてプリセット「M」と「L」で表示品質に差があるのか?というところを少し確認してみた次第です。

ということで、NVIDIA アプリのプリセット「M」と「L」を設定して、ともに DLSS SR の品質設定は Quality(品質優先)設定にして比較してみました。

MSFS2024_DLSS45_21A32NX_Climb2000_MQ_MFD(プリセットM 品質優先)
MSFS2024_DLSS45_23A32NX_Climb2000_LQ_MFD(プリセットL 品質優先)

MSFS2024_DLSS45_26HJET_Climb500_MQ_MFD(プリセットM 品質優先)
MSFS2024_DLSS45_27HJET_Climb500_L_MFD(プリセットL 品質優先)


スクリーンショットのキャプチャ画像が FlyByWire A32NX、ホンダジェットそれぞれ1例ずつの2つしかありませんが、これ以外のプレイ中の体感含め、個人的には

MとL殆ど同じようなもの
だけど微妙にMの方が上


という印象。ほんのちょっとだけ「M」より「L」の方がエッジが甘いかな、という感じですね。

ですが、前項で比較した DLSS 4.5 SR のパフォーマンス優先設定や従来の DLSS 4 時代の品質重視設定のように、個人的に選択しないほどの明確な差があるわけではなく、よく比べてみれば若干、という程度の差。プレイ中に「プリセット L を使っているけど、やっぱり M の方が計器の文字が見やすいなぁ」なんてことを感じたことはありません

ただ、留意点として 2つのプリセットでプレイしていると

MよりLの方が負荷重め


の傾向にあり、RTX 4080 SUPER × UWQHD 解像度において若干フレームレートが低めに出る傾向にありました。

MSFS 2024 の Debug モードの FPS カウンターを表示させながら検証している時に気づいたのですが、自分の中でだいたい検証比較が終わった頃合いだったので、つい面倒臭くなって CapFrame X などでちゃんと統計を取ってないため、あくまで個人的な印象として扱ってください。

いずれにしても、次回説明するゴーストの出方の違いを気にしないのであれば、(DLSS SR でウルトラパフォーマンス設定を使う場合を除いて)敢えてプリセット「L」を選ぶ理由はなく、NVIDIA が一般的に推奨するプリセット「M」で良いと思います。

MSFS2024_202511_16AirplanePassingAtDusk

今回は前回記事の続き、補足として、新しい DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルによるアップスケーリングにおいて品質設定の Quality と Performance では計器まわりの細かい文字の表示品質にどれくらい差があるか?一般向けのプリセット「M」と特定条件向けの「L」では差が出るのか?の2点について記しました。

次回は、計器の細かい文字の描写品質と並び、フライトシムで DLSS SR を利用した時に問題となっていたゴースト問題が、DLSS 4.5 の第2世代トランスフォーマーモデルで解消されたかどうかについて述べておこうと思います。

(続き)→ MSFS 徒然記【2026年1月編その4】〜DLSS 4.5をMSFS2024 で検証&試行錯誤【後編】ゴーストはどれほど改善されたか?プリセットは M でいいのか?