サッカーのルールは毎年、国際サッカー評議会 (IFAB) によって少しずつ検討、改訂、試行され、Jリーグでも8月から新規則が適用開始になります。JFA が改訂についてまとめた動画を出しているので、それを見るのが手っ取り早いでしょうか。


2025/26年のサッカー競技規則の改正について[2025.06.19] (PDF)

今年の改訂の目玉は何といっても「ゴールキーパー GK が手や腕でボールを保持する時間の厳密化と、時間を超えた場合のペナルティ」。既にサッカー関連メディアでは色々と紹介、議論されている話です。

今までも GK が手や腕でボールを保持する時間は6秒と定められていて、超えた場合は間接 FK フリーキックとルールにあったものの、これが実際に運用されることはなく、あまりにも時間稼ぎが酷い時に限って遅延行為のイエローカードが提示されていたのみ。それが今回から、
  • GK が手や腕でボールを保持する時間は8秒に
  • 主審はボール保持3秒後から片手を挙げて指で 5、4、3、2、1 とカウントダウンを行う
  • 8秒を超えて GK がボール保持していた場合は相手側がコーナーキック CK を得る

とボール保持時間は 6→8秒に延長されたものの、その分厳密に適用されることになった。このルールに関して経緯と詳しい実施内容については JFA(日本サッカー協会)がリリースした以下のドキュメントを参照するのが一番良いかと思います。

付4:2025/26年サッカー競技規則「手や腕でゴールキーパーがボールをコントロールすることについて 背景と Q+A」 (PDF)

この GK 8秒ルールは過去1年一部のリーグで試行され、先日の CWC でも適用されて、遅延行為削減の効果が大きいとのことで2年様子見の予定が1年で正式採用になった経緯があります。CWC に1ミリも興味が沸かなかった私もこの GK 8秒ルールの主審の行動を観たいがために開幕戦を見ていました😓

個人的にこの GK 8秒ルール自体は良い改正と思っていますが、

GK のボール保持に時間制限を設けるなら、スローインにも時間制限を設けてダラダラ時間をかけるのも禁止すべきでは?


と思うんですけどねぇ。



ボールを手で扱ってはいけないはずのフィールドプレイヤーが唯一手でボールを扱って良いのは、スピーディーにボールをフィールドに戻す効果を考えてのことだっただろうし、無駄な時間を減らす、試合の迅速化を考えれば GK 8秒ルール以上に効果があるはず。

選手が一息つける時間がどんどん減っていくのはキツい部分もあるでしょうが、GK のボール保持よりスローインまでやたら時間のかかる「間」の方が見ていてダルさを感じます。

GK 8秒ルールもそうですが、こういうのが無くなると駆け引き云々という人がいますが、フットボールの魅力はそんな些細な駆け引きがなくなったくらいで減じるようなものではないでしょう。むしろ枝葉末節とも言える些細な駆け引きを減らして本質を濃縮する方が魅力アップに繋がると思いますね。

ちなみに、別に特定クラブのことを揶揄して言ってるわけではなく普遍的な話ですので念のため(笑)。フットサルには同種のルールは存在しますし、他のスポーツも試合のスピーディーな進行に関して頻繁に手を入れている昨今を思えば、ちょっと考えて欲しいところです。

TediousPhoto20250801A(写真と本文は当然無関係です!😓)


さて、この GK 8秒ルールは最初違和感があってもすぐに慣れると思っていますが、個人的に今後の Jリーグの試合で物議を醸しそうというか、判ってないサポが無駄にブー垂れる案件として危惧しているのが

キャプテンオンリー


ガイドラインの導入。審判も最初はいきなりイエローカードを出さずに注意指導していくとは思いますが、これは GK 8秒ルールと違って主審の主観で判断されることなので、時には観客席が荒れた雰囲気になることもありそうな気が……

TediousPhoto20250801D

「キャプテンオンリー」ガイドラインの適用は FIFA 統一ルールというわけではなく、国ごとリーグごとに採用するかどうか判断が分かれるらしいですが、日本では採用することになりました。

添付3:2025/26年サッカー競技規則「キャプテンオンリー」 ガイドライン (PDF)

この「キャプテンオンリー」ガイドラインは、審判の判定にクレームつけるために文句言ったり取り囲んだら警告(イエローカード)という従来からあるルールをより明文化して、
  • 主審に判定に対する説明を求められる選手は事前に定められた1人のみ(通常キャプテン)
  • それ以外の選手が主審に近づいたり取り囲むとイエローカード対象
  • キャプテン(もしくは事前に定められた選手)は他のチームメイトを主審に近づけないようにする責任がある
  • 主審はキャプテンや判定対象選手に判定に対する説明を行い、必要に応じてキャプテンがチームメイトに主審の説明を伝えるための時間的猶予を設ける

といったことが記されています。選手が主審に話しかけただけでアウトというわけではないのは言うまでもなく、今までどおり判定に対して(抗議とかではなく)審判とのコミュニケーションを取るのは問題ない、とも書かれている。

とはいえ、PK を与えてしまったり、危険な位置での FK、レッドカードをチームメイトが食らった場合など、主審を多くの選手で囲む、執拗な抗議というシーンは珍しくもないわけで、それが今日からイエローカードの対象として改めてしっかり線引きされるという話。

TediousPhoto20250801C

だけど GK 8秒ルールと違って、目に見える形で明確に変わる話ではなく、今までと同じ行為が主審の判断でカード対象になるからこそ、物議を醸す可能性は高くなります。

それに、サッカー関連メディアでも大きく取り上げられてある程度周知されている GK 8秒ルールと比べると「キャプテンオンリー」ガイドラインはそこまで注目されていないため、知らずに「何それ!そんなんでイエロー出すんかよ!!」と思う(喚く)ファン/サポーターも出てくる可能性はあります。

既に今季の Jリーグでは「無駄なファウルを取らない、笛を吹かずに流す」という判定基準を推し進める過程で、関係者のみならず多くのファン、サポーターもストレスを溜める結果になった経緯もあります。

審判の判定基準をめぐるJ序盤戦の大混乱 その大きな原因となった「誤解」とは? - スポーツナビ

「取るべき悪質なファウルを流す」ことへの抗議だけでなく、笛を吹く基準が昨季までとは変わったことを知らないで/昨年とは判定基準を変えるという話を知らずに、観客席から審判に喚き散らしているサポーターもいますからねえ。

(後半戦に入って「取るべきファイルを取らない」事象は減ったように思うけれど、私自身もシーズン当初から春過ぎまでは必要な笛も吹いていない事象が多く見られた印象を実際の観戦で感じていました)

TediousPhoto20250801B

当方の年パスの座席はスポンサーシートも多いせいか(パナスタにしては)比較的大人しめの客層エリアなのですが、そんなところでもちょっとした判定で騒ぎ立て、周りを顧みず散々怒鳴り散らした後に「今日の審判あかんわ!」と毎試合のように言ってる人もいます。そして喚くだけでなく、導入から数年経つオフサイドディレイや DOGSO も判らず文句言ってるのを見ると、自分もルールを追わずに文句言うのは恥ずかしいから観る方も勉強しないとなあ、と他山の石にさせてもらっています。

何も判らないで見に来た一般の人や、たまにスタジアムへ来るだけのライトファンなら細かなルールを知る必要もなく、ただ楽しめばいいだけですが、年パス買って毎試合見ているファン、サポーターで文句をつけるなら、少しくらいはルールや動向を見ておかないと自分が無駄にストレスを溜めることになると思うんですよねえ。

ま、応援する味方クラブの選手がコンタクト受けて転けたのにファウル取られなかったら文句を言い、味方選手が相手選手にコンタクトしてファウルを取られたら文句を言って、「お互いさま」の概念がないのはサッカーの応援において常ではありますけど😅

いずれにせよ、GK 8秒ルールとは違って「キャプテンオンリー」に関わる事象は審判によって多少基準に差が出てくるのは否めないでしょうし、それをどこまで厳密に適用するか、一定期間は過渡期としてのレフェリングがなされるのか判りませんが、J1 リーグ後半戦でちょっと注意して見ていきたいな、と思っていたりします。