1ヶ月前、そして前回とウダウダ書き流している久しぶりのメインディスプレイ買い替え話。新しいディスプレイは本記事掲載の前夜に届いて従来のディスプレイとの交換設置も終わって使い始めています(ディスプレイアームに付け替えるだけですが…結構大変だったけど)。

ぶっちゃけ 800R のキツい湾曲の新しいディスプレイには今のところ違和感しかないですが、ごく初期印象は最後に少々。

ディスプレイ買い替えの準備はできたが、いざどうしたものか 〜自らの頭の整理をしながらダラダラと
ディスプレイ買い替えの結末【前編】 〜最終候補3製品から安定安心の本命か、興味優先の無駄遣いか

コロナ禍初期から使ってきた BENQ の 27インチ WQHD カラーキャリブレーションモニターは多少経年劣化はあるにせよ、特にまだ壊れてもなければ調子が悪いわけでもないのですが、

一般作業にせよ、ゲームにせよ
さらに画面の横幅が欲しいなぁ


というのを昨年から思い続けていて、今年初めの物欲展望でも書いたように今年の物欲消化目標の一つでした。

エアコン買い替え後にメインモニターも買い替えよう、夏の Amazon プライムセールあたりかな


と思っていましたので、春のうちに作業部屋のエアコンを買い替えて、ディスプレイ買い替えの準備は万端に。

ところが、自分自身がディスプレイ買い替えの方向性に迷いまくりでしたので、1ヶ月前の記事を書き連ねながら頭の中を整理をして、前回記事のとおり、最終候補は以下の 3製品に絞りました。

いずれも長年使ってきた 16:9 WQHD (2560x1440 pixels) 解像度の横3割アップとなる 21:9 UWQHD (3440x1440 pixels) の製品。自分が要求する条件や最終候補に挙げた理由、それぞれの自分にとっての良し悪しについては前回記事に長々と書きましたが、
  1. 要求したい仕様のうち HDR や G-Sync などゲーミング向け機能は幾つか非対応なこと以外は、ほぼ求める仕様を完璧に満たした上で最終候補3機種で一番安く、IPS Black パネル&湾曲度も小さいので従来の作業感覚を崩すことなく、さらに Thunderbolt ハブ内蔵というレアな機能は自宅で MacBook Pro に常時 Thunerbolt ハブを挿している私にはピッタリでしかない「Dell U3425WE
    Amazon_Dell U3425WE

  2. ゲーミング向け機能は(私には)文句なし、映像表現に優れた有機 EL パネルという魅力もあるが、それ以外は DELL U3425WE と比べて劣る点ばかりで、ゲームより10倍以上多い時間を費やす一般作業や写真編集にはどう考えても向いていない、現状より大きく環境悪化することは判っているけど、今まで使ったことのない新鮮味の多い買い替えという点で惹かれる「LG 34GX90SA-W
    Amazon_LG UltraGear OLED 34GX90SA-W

  3. 前項の 34GX90SA の 39インチ版でディスプレイサイズ以外は良し悪し全部一緒、ただ画面サイズがひと回り大きくなって写真編集時の感覚は大きく変わるけど、文字も大きくなって老眼er 向け?そしてゲーム時の没入感アップになるかも?な「LG 39GX90SA-W
    Amazon_LG UltraGear OLED 39GX90SA-W

こんな感じの最終 3候補。当初考えていた超横長 32:9 DWQHD (5120x1440 pixels) 49インチディスプレイは設置時のリスクや、店頭で確認して「これなら縦が大きくなる 39インチ 21:9 モニターの方が良いや」と思ったので除外。

また店頭で確認した時は 45インチの 5K2K (5120x2160 pixels) ディスプレイが理想だったものの、予算が大幅にオーバーするだけでなく、手持ち GPU (GeForce RTX 4080 SUPER) では Microsoft Flight Simulator(以下 MSFS)のような重量級ゲームを 4K 以上の解像度で高画質プレイするのは難しいと判断し、将来の課題として断念。

他には「やっぱり大手メーカーで安心を買いたい」「気に入れば長く使うのでアフターサポートの評判の悪いところからは買いたくない」ということもあって先の3製品が最終候補となり、
  • 「無難すぎて面白くない」という物欲と興味に塗れた心の声を抑え、理性的に判断して、きちんと求める仕様に一番沿って従来の作業感覚の延長線上でスムースに移行できる安心安定の Dell U3425WE を買うか?

  • ゲーム以外の一般作業には向いていない、特に最悪な湾曲度の高さは写真編集に最悪だけど、有機EL パネルで日頃行っている作業や写真編集をやったらどうなのか?800R の湾曲度の強いディスプレイを常用したらどうなるのか?という興味に惹かれる LG 34GX90SA-W を買うか?

  • それとも有機EL & 800R 曲面モニターでゲーミング環境最優先にするなら、いっそ没入感アップと老眼が入ってきたことでの文字サイズ拡大を狙って従来よりひと回り大きな 39インチの LG 39GX90SA-W にするか?

安定無難・実用第一の選択か?ダメ元で興味を追う選択か?を悩みまくった中で、選んだのは「LG 39GX90SA-W」。
  • ダメ元で一度、有機 EL を、曲率の高いディスプレイを試してみたい

  • いま使ってるディスプレイを手放すわけでもなければ壊れたわけでもないから、最悪元に戻せば良い

  • 34インチと全く仕様の同じ 39インチがあるなら毒を食らわば皿までと 39インチを試してみよう!文字サイズ拡大/解像感の低下とゲーム時の没入感アップも試してみるしか

というのが選択理由。まぁ自分でも馬鹿だよなぁ、という選択でした。ゲームより通常作業をする方が10倍以上多い時間を費やすのに……

DisplayChoice2025_02_39GX90SA_Ama
DisplayChoice2025_04_39GX90SA_LG

ともあれ、LG 39GX90SA-W を買うのに Amazon プライムセールと同時期に行われいてた LG 直販サイトのセールを比較すると販売価格は同価格ながら、Amazon のポイント還元と LG 直販の初回購入 5% 割引クーポンの差を考え、また保証期間の延長もあるので LG 直販サイトで購入することにしました。

で、あとは LG 直販サイトに会員登録して 5% 割引クーポンをゲットし 39GX90SA-W をポチるだけ……のはずだったのですが、LG 直販サイトを購入前に改めて見ていたら、

DisplayChoice2025_05_34GS95QE_LG

こんなものが。99,800円は安い!LG 直販サイト初回購入の 5% オフクーポンを使えば 94,810円。大手メーカーの 34インチ UWQHD (3,440×1,440) 有機 EL ディスプレイが 9万円台半ばは、どう考えても安い!

だけど、これって最終候補に残していた LG 34GX90SA-W の前年モデルで、去年から目をつけていたものの、優先度の高い要求条件としていた「USB-C による映像入力& USB PD 給電」を満たさず候補から真っ先に除外していた製品……

【公式】34GS95QE-B | モニター | LG JP

でも 99,800円、いや 94,810円は安い……パネルは今年モデルの 34GX90SA-W と全く一緒でディスプレイ性能とゲーミング機能は全然変わらないんだよね……うーん、うーん、うーん…………




とにかく10万円を切る価格は安い。当初予算の3分の2。最終候補3製品の中で一番安かった DELL U3425WE より3万円安いし、買うと決めた LG 39GX90SA-W と比べたら 6万円安い。まぁ 39GX90SA-W は一回り大きな 39インチだけれども。

それはともかく、単純に安いから良い、というのではなく、実のところ

興味本位を優先してダメ元で
有機EL&強め曲面モデルに決めたが
正直ダメの可能性に不安😅


があったわけです。

ダメ元で使ってみたい!と決めたものの、本当に「これはダメだ、無理!」となる可能性も小さくない、そういう思いがあったので、

ほんまにダメ元の可能性が小さくないだけに、出費は抑えた方が良い気に決まってるよなぁ……


というのがありました。

ダメ元購入だからこそ安さは魅力


ですし、これで安いからと言って色々と劣る点があれば話は別ですが、最終候補に残った今年モデルの 34GX90SA とパネルや基本機能は同じなので、安いからと言って基本性能に違いがあるわけでもありません。

以下のように、今年モデルの 34GX90SA-W と昨年モデルの 34GS95QE-B の製品ページを並べて見てみると、謳い文句も8割くらいは同じ。

DisplayChoice2025_09DisplayChoice2025_10DisplayChoice2025_11DisplayChoice2025_12

そんな中、安くなった去年モデルと今年モデルの大きく違う点は、
  • 完全に不要な webOS 搭載による「チューナーレス・ネットテレビ機能」
  • 今回のディスプレイ選びで必須とも言っていい条件にしてきた「USB DP Alt 映像入力と USB PD 給電」

この2点くらい。

DisplayChoice2025_13DisplayChoice2025_14

だけど、本当にこの2点だけなのか、よーくよーく目を凝らして仕様を比較してみると色々変わっている点はあり、中には

昨年モデルから削られた機能


もあって、その中には個人的に重要な機能もありました。以下、今年モデルの 34GX90SA-W と昨年モデルの 34GS95QE-B の細かな仕様の違いです(上記の2点は除く)。
  • 今年モデル 34GX90SA は有線/無線 LAN、Bluetooth 対応(webOS 搭載関連)

  • 今年モデルは Miracast、AirPlay などスマホ、タブレットからのワイヤレス音声映像転送に対応

  • 今年モデルにはリモコンあり(webOS 搭載関連)

  • 今年モデルには内蔵スピーカーあり(7W+7W)

  • 今年モデルには Dynamic Tone Mapping、自動輝度センサー、オートボリュームレベリングなどの映像視聴用の自動機能が備わっている

  • 去年モデルのヘッドホン端子はマイク入力にも対応した4極仕様で DTS Headphone X も利用可能だったが、今年モデルのヘッドホン端子は普通の2極端子で DTS Headphone X にも非対応

  • 今年モデルは DTS Headphone X には非対応となったが、9.1ch バーチャルサウンド対応

  • 昨年モデルは LG Calibration Studio によるハードウェアキャリブレーションに対応していたが、今年モデルは非対応

  • パネルの調整角度は昨年モデルが左右 10度、前 -10度、後ろ 15度に対して、今年モデルは左右 30度、前 -8度、後 15度と左右の調整角度が広い

  • 高さ調整幅は、昨年モデルが 12cm に対して今年モデルは 11cm

  • 同じパネルだが、製品全体の消費電力は昨年モデルが 48W に対して今年モデルは 63W と多い(webOS や USB-C 入力追加が要因のはず)

  • 重量も今年モデルは若干増加

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今年モデル 34GX90SA は webOS によるスマートモニター機能(ネットテレビ機能)が追加されたため、それに絡んだ「テレビ的な機能」が数多く追加されています。が、正直そんなもん要らんわ、です。

モニターだけでネット上の各種映像コンテンツが見られます?コイツにはずっとパソコン繋いでいるのだから、使いづらいリモコンでちまちま操作するよりパソコンからサクッとアクセスするわ!


です。

毎年新モデルを出すのにやることなくなって要らん機能をつけるのは間々あることですので目くじらを立てはしませんが、有線 LAN は 100Base-TX、無線 LAN は Wi-Fi 5、Bluetooth は 5.0 と、いずれも「今どきそれ?」という古さなのは、いくらそれで十分とはいえ、ねぇ……

DisplayChoice2025_19

内蔵スピーカーはあって損はないけど、今までと同じくヘッドホン端子から小型スピーカーを繋いで使うから別になくても全く困らないし、良いなと思うのは(USB-C 入力を除けば)映像入力切り替えに本体のスイッチを触らずリモコンでできることくらい。まぁそれも、あれば便利かも?程度。

ただ、昨年モデルまで可能だったハードウェアキャリブレーションが今年モデルから削除された点は個人的に見逃せない。今年モデル 34GX90SA はハードウェアキャリブレーションを行う純正ソフトウェア LG Calibration Studio に対応していない。

DisplayChoice2025_18(クリック拡大。昨年モデルのみLCS対応)


買おうとしていた 39インチモデルの 39GX90SA-W にせよ、最後まで迷った同じ仕様の 34インチモデル 34GX90SA-W にせよ、今年の LG 有機 EL モニターは webOS 搭載や USB-C 対応を行なった反面、使う人が少なかったのであろうハードウェアキャリブレーション機能が省かれて残念な点の一つでした。

だけど、こうして昨年モデルが激安になって真剣に再検討すると、ハードウェアキャリブレーション機能の有無は昨年モデルを選ぶ理由の一つになります。

今まで使ってきた BENQ のカラーマネジメントモニターとはパネルの種類も全く違えば色域も狭いけれど、ひとまずモニター側でカラーキャリブレーションができたら全く同一ではなくても、ある程度の基準はできます。

自分の目には自信がないし、知識経験も乏しいので、他人様(キャリブレーション機器とソフト)によって何かしらの基準を作ってもらうことが自分にとって重要だったりします。そういう点で、今までとは発色もコントラストも全く違う有機 EL パネルを使うことへの不安がほんの少し下げられる点は大きいです。

DisplayChoice2025_20(USB-AとBの端子口しかない昨年モデル)


とはいえ、やっぱりネックになるのは USB-C 入力非対応で「USB DP Alt 映像入力と USB PD 給電機能がない」こと。他の点は妥協できても、この点はちょっと難しい。

今まで MacBook Pro を持ち出して帰宅したら USB-C ケーブル1本繋ぐだけで大きな外部モニターへの接続と充電が同時に開始されたのが、HDMI ケーブルと電源ケーブルの2本を繋がなきゃいけないのは、ほんのちょっとしたことかもしれないけど、ほんのちょっとだからこそ微妙な気分。

というか、今まで MacBook Pro には外部モニターと Thunderbolt ハブへのケーブル2本を挿していたのに、それに加えて電源ケーブルも挿さないとダメなのは微妙すぎ。アームに乗せた MacBook Pro から3本もケーブルを出すのはちょっと格好悪いし……

などと悩んでいたところで、ふと気づいたことが。

あれ?なんで MacBook Pro への給電が USB-C 接続のモニターからだけだと思い込んでいたんだろ?Thunderbolt ハブに接続してるんだから、そっちからも給電できるはずじゃん!


というか、今まで使ってきた BENQ のカラーマネジメントモニターの USB PD 給電は 65W だけど、使ってる Thunderbolt ハブの給電能力は 85W。中途半端な数値だけど、元々 Thunderbolt ハブの給電能力の方が高い。

モニターから USB PD 給電してもらわないとダメだと、ずっと思い込んでいたが、全くそんなことはなかった!

モニターへ HDMI ケーブルで接続しても従来どおり Thunerbolt ハブに接続すれば全く問題ないわけで、MacBook Pro に電源ケーブルを挿す必要はなく、MacBook Pro から3本もケーブルを出すこともない。今までどおり、帰宅後はモニターへのケーブルと Thunderbolt ハブへのケーブルの2本を挿せばいい。

Amazon_Anker PowerExpand 5-in-1 Thunderbolt 4 Mini Dock(もう売られてないけど長いこと使ってる)


全くもって盲点だったというか、

思い込みでUSB-C入力必須と勘違い


して、USB DP Alt 映像入力と USB PD 給電機能を必須としてディスプレイ選びをしていたこの半年間……まぁ実際あった方が良いのは、それらがない製品を買って使い始めた今も思ってますが、代替手段があってこの価格差なら余裕で妥協できます☺️

ということで、
  • 同じパネルを使っていて、ディスプレイ性能とゲーミング性能など基本的なところは同じなのに、値段が圧倒的に安い

  • 個人的に重要なハードウェア・キャリブレーション機能が去年モデルのみ対応

  • USB DP Alt 映像入力と USB PD 給電機能を必須としていたが、当方の環境では外部モニターを使う時は Thunderbolt ハブにほぼ常時接続してるので必ずしも必須ではなかった

以上の点から

最後の最後にどんでん返し


で(最終候補3製品からではなく)型落ち品の 34インチ UWQHD 有機 EL ディスプレイ LG 34GS95QE-B を9万円台半ばで買うことにしました😅

DisplayChoice2025_07

値段に負けたところはあるけれど、

ここまで値段に差があったら
多少の機能差は余裕で妥協


ですわ。

使っていて(従来モニターのように)USB DP Alt 映像入力と USB PD 給電機能はあった方が良い、と改めて思うことはありますが、ここまで値段が安けりゃノープロブレムですね。「やっぱり USB-C 入力のある今年モデルが良かったわ〜」とは思うことは今のところありません(まだ1日だけど)。

DisplayChoice2025_06_34GS95QE_LG_Old(定価も売価も違う1ヶ月前の販売ページ)


ちなみに、まだ使い始めて1日なのでインプレッションを書くほどに使っていませんが、とりあえず端的にごく初期の印象を少し書いておくと、
  • とりあえず1日くらいでは違和感しかない曲率 800R ディスプレイ

  • 慣れるかもしれないけど、これに慣れると色々なものが歪んで見えそうで慣れてはいけない気がする(怖い)

  • 左右にデスクトップ切り替えすると普通の平面モニターだと左右にスライドするように見えるが、曲率 800R だと円筒の中心に自分がいて周囲の壁が回ってる感覚になる

  • 心配した文字のクッキリ度、見やすさは、IPS 液晶より鮮明度が落ちるものの通常の作業に影響するほど見づらさはない(小さな文字では差があるかもだが)

  • 写真編集をする人は買ってはいけない、直線が直線でない時点で無理

  • ゲームプレイ時の没入感、包み込まれ具合は画面サイズ拡大で多少アップ、800R の湾曲モニターでさらに多少アップだが劇的な変化ではないが、当初買う予定だった 800R の 39インチモニターだと多分全然違うと思えた

  • 16:9 から 21:9 の横幅 3割拡大程度では大して広くなった気はしないだろ、と想像していたが、意外と便利に広さを感じている(でも3日で慣れるだろうという予測もできる)

  • 1日経って左右端も中央と視点から概ね等距離にある利点も感じられないことはない

こんなところでしょうか。細かい部分も含めたファーストインプレ的なものは、もう少し使い込んでからということで。

前回今回と長々と垂れ流し失礼。