いつか書いていた記事を発掘したので今さら掲載するシリーズその壱。

【注】本記事の内容は2024年9月に訪問したときの館内展示を元にしており、また記事作成は2024年秋で半年以上放置していたため記事掲載時において内容は保証できませんので予めご了承ください。


北摂の奥まった山の中、京都府境も近いところにある茨木市立キリシタン遺物史料館。隠れキリシタンの里として有名な茨木市の千提寺地区にある。

おそらく少し前まで茨木および周辺住民でも多くは「千提寺?知らん、どこそれ?」だったと思うが、少し前に新名神高速道路が開通して茨木千提寺 IC/PA ができたので、箕面や茨木、高槻の山の中にあるなんだろうな、とイメージできる人は多くなっただろうと思う。

まだ残暑が厳しい頃だったが、テレビで関連番組を見た連れ合いに、見に行きたい!と言われたため、遠いところでも無いのでちょっとした合間に行ってみた。

TediousPhoto20250607C(館内は撮影禁止なので写真はない)


ごく小さな史料館なので館内の資料を見て回るだけなら10分もかからないが、この資料館に収められている隠れキリシタンの里(茨木市千提寺、下音羽)の歴史や資料発掘にまつわるドキュメンタリーDVD がエンドレスで流されていて、それをひと通り見ると30〜40分程度。

発掘された隠れキリシタンの資料には非常に貴重なものもあるが、それらのオリジナルは京都大学や神戸市立博物館に収蔵されており、ここにあるのは多くが複製。山間の一軒家を改築した資料館なので「マリア十五玄義図」や 「聖フランシスコ・ザビエル像」の本物を置くのはセキュリティ的にも無理だろう。

ただ、しっかりした解説があるので学びはある。無料だしね、キリスト教徒でなくとも、歴史探訪として行って損はない。



日本史の一環として大雑把な知識はあったし、むかし何かの機会にこの地区の隠れキリシタンの話を耳にしたことはあるが、「マリア十五玄義図」のそれぞれの絵の意味など興味深いこともあった。

個人的には豊臣秀吉、徳川幕府が禁教令を敷いたことには、それをするだけの理由があった、キリシタンを布教しに来た彼らの目的が単なる宗教普及ではなかったことは東アジアの歴史を見ても事実だから、当時の施政者が国を守る手段としてキリシタン禁教に踏み切った経緯は理解できなくもない。

ではあるものの、禁教令に抗してでも信心を保った人たちの思いを知ることは悪くない。彼らの思いは純粋であり、彼らにとっては崇高であったことは感じ取れるし、その思いに敬服すると同時に、純粋で強い信仰心はそれを利用する人たちによって昔も今も戦争の主要因の一つとなることに否が応でも思いを馳せてしまう。

TediousPhoto20250607D

アクセスは車の場合、すぐ近くに新名神高速道路の IC ができたから便利な場所……とは言い難いかな。資料館のすぐ下に駐車場があるけれど(案内ページに3台と書いてあるが実質2台)、資料館近辺の道は運転に自信のない人はちょっと気合を入れる必要がある。

千提寺地区へ来るまでの道は新名神の IC ができることで随分と綺麗な道になったけれど(大阪府道1号線)、その道から左に折れて千提寺の集落に入っていくと道は細くなるし、資料館へはさらに細い道へ折れて急坂があるので、地理感のない人はナビを信じていくしかないと思う。細い道はたかだか 100m くらいだけど。

TediousPhoto20250607E(千提寺IC前の道路から駐車場まで)
TediousPhoto20250607A(駐車場から館へ向かう入口を見る)
TediousPhoto20250607B(坂を登った左手が史料館)


バスでも行けるが、他のバス会社と違わず阪急バスも運行本数を激減させていて、資料館最寄りの千提寺口バス停を通るのは大阪モノレール彩都西駅から余野や忍頂寺へ行くバスのみ。2時間に1〜2本程度(山間部路線にしてはまだある方だ)。

千提寺口|路線バス|阪急バス

阪急バス千提寺口バス停からは徒歩15分程度。ただし、行きはひたすら登り坂。でも案内看板はあるので迷うことはないはず。

TediousPhoto20250607F(千提寺口バス停から史料館まで)


ともあれ、見て損は無いところだけど、あっという間に見終えてしまうレベルであるのに山奥まで来る必要があるので、なかなかオススメとまでは言い難い(隠れキリシタンの里は隠れるが故にどこも辺鄙なところになるのは当然だけど)。

すぐ近所に高速の IC ができたとはいえ、そもそも高速に乗ってまで来るほど見応えがあるかと言われれば、さすがにそこまではしなくても……という感じ。もちろん、マニアは別。マニア、ヲタクさんが遠方から来るには至極便利な隠れキリシタンの里、史料館である。

北摂エリアの人ならちょっとしたドライブがてら、もしくは何かのついでに見に来たら?と言いたいが、ぶっちゃけ周りに何もオススメするところは無い。

ただ、どうせ来るなら史料館からすぐ近くにある千提寺展望台というところは眺望が良く、車だけでなく歩いてでも割とすぐ(10分くらい)行けるので、車で来るにせよ、バスで来るにせよ、合わせて行くのはオススメしておきたい。次回か、近いうちに千提寺展望台の紹介記事も載せます。

車なら最近、安威川タムを作ったついでに茨木市が公園を整備して日本最長の吊り橋なんぞを作ったので、そちらと合わせて行くのもアリかもしれない。勧めはしないけど。

ダムパークいばきた公式サイト | 大阪府茨木市

公園の利用は無料だけど、山の中なのに駐車場は有料。また、吊り橋は渡るのに千円以上かかるだけでなく、その吊り橋の近くに行くだけで入園料 550円がかかる。吊り橋を渡らなくても吊り橋近くのダム湖がよく見えるエリアへ行くだけで要入園料。意味判らん ┐(´д`)┌

万博記念公園が人大杉だから小さな子供を連れて穴場の公園に行ってみたいとか、ペット同伴可能&ドッグランエリアはあったからそちらの需要には応えられるだろうし、吊り橋渡るだけでなくバンジーなどもあるので、それらを体験したい人には良いかもしれない。知らんけど。

むしろ豊能、能勢方面に出れば、こだわりの?カフェの類いが何店もあるので、そちらの方が良いかもしれない。2010年代に雨後の筍のようにできた店の半分近くかは潰れちゃってるけど(特に週末だけやってた系)、まだ残ってる店もあるので、そちらへのドライブがてらが一番良いかな。

って、最後は話が全然関係ない方へ飛んで行ったが、そんなところで。

キリシタン遺物史料館/茨木市




とまぁ半年前に書いた記事が放置されていたのを発見したので載せてみました。半年前は吊り橋(タムパークいばきた)がまだ完成していなかった一部完成時だったので、そこの部分だけ修正追記してます。

TediousPhoto20250607G(吊り橋完成前の公園風景)


タムパークいばきたは吊り橋などがまだ未完成の時に、通りがかりついでに二度ほど行ってます。その時に「こんな山の中に公園作って駐車料金がっつり取るのか〜」と思いましたが、吊り橋だけでなく、その手前のエリアも入園料取るとか凄いですね。

土休日は臨時バスとか周遊バスを走らせて臨時駐車場も用意されているみたいです。でも、吊り橋が完成してからは前の道を何度か通っていますが、私が通るのは平日だったせいかいつも駐車場はガラガラ。土休日もそんなに賑わってる話はあまり聞かないのですが、ゴールデンウィークくらいは臨時駐車場とかになったんですかねぇ。

メディア取材を盛んにしてもらっているようですが、1年後2年後はどうなってるやら。どういう目論見で計画してコンサルが盛ったのか……