TediousPhoto20250403

縮小しているこのサイズでは(クリックで2倍サイズにはなるけど)判らないが、
完全にピン甘で、没カットにしたもの。
ちょいピン甘くらいだと DxO で処理した後に Lightroom 側でシャープネスを追い掛け
という禁じ手みたいな手段で、そこそこ良い感じになるのだが、これはそれも難しい。
(禁じ手と言いつつ常用しているが、繊細さは消えてスマホ写真っぽくなる)

ナイトゲームのサッカーや暗い曇天時のアメフトを撮っていると、
フォーカスエリアできっちり捉え続けているのに、ピン甘になるカットは多い。
50万円の超望遠単焦点レンズなのに AF 速度が微妙、
というか初動が遅い鈍重なレンズが悪影響を及ぼしているのは間違いないが、
カメラの方もフラッグシップ機の割に不規則な被写体に対しては追従性能が微妙。
D5 の時のような全幅の信頼感は結局得られることないまま3年以上が経った。

7桁円の大型レンズが使えるシーンでは竹クラスの超望遠単焦点レンズよりマシだが、
とはいえ、一眼レフ時代の同クラスの超望遠単焦点レンズより AF 速度は落ちる
という時点でシステムとして不満は出る。


ニコン Z9 の AF 性能について世間でどう言われているのか知ったこっちゃないし、
ぶっちゃけどうでもいい。

だけど、自分自身がスポーツ、モータースポーツを撮る上では、
2020年代のミラーレス・フラッグシップ機としては正直言って少々物足りない。
他社のフラッグシップ機をしっかり使ったことはないし、
チラッと触ったくらいでは何も判らないけれど、
ユーザーと話をするかぎりでは AF 性能で見劣りする部分はあるのでは?と思ってる。

こういうのは撮影カテゴリーや、それぞれの撮影条件、撮影方法、機材、
そしてなんと言っても撮影技量で大きく変わってくる。

だから、メーカーお抱えプロ様が「私は満足です」と今さらのように言われても、
「いや、そんな動きが直線的な動体で AF が全く問題ないとか言われてもねぇ」
としか思えないし、追従のリプが並んでいるのを見ると鼻白むのみである。

私が以前から感じている不満というか、Z9 へ評価を下げているのは以下の点。
  • 被写体の動きが不規則である場合
  • 人物における被写体認識の切り替わりがダメダメなこと
  • 被写体のサイズが小さい場合
  • 邪魔ものがある時の追従具合

2番目については、過去に触れたことは何度もあると思うが、
瞳(顔)認識、頭部認識、人物(身体)認識ともにあるという触れ込みなのだが、
顔認識している動く被写体が俯いたり横や後ろ向いた際、
頭や体認識にスムースに切り替わらず AF がすっ飛んでいったり、
不安定になってピン甘を量産するのは発売初期から今まで全く変わってない。
これはライバル社のフラッグシップクラスに他社に確実に劣る点に思える。

また、被写体が点描のようなサイズの時もサッパリなのも変わらない。
D5 で捉えられていた場面で全くフォーカスが来ないのは本当に萎えた。

1番目と4番目の点は設定もあるし評価の難しいところだけれども、
サッカーやアメフトを撮っていて、なんかこう上手くない感じである。
D5 と比べて今ひとつバランスが悪いというか、
色々設定を変えても満足できる落とし所にならないというか。
(あちらを立てればこちらが立たず的な)

と言ったことも、あくまで自分の技量、撮影条件、機材その他に依るところであり、
もはや諦めの境地に至っているので、今さら声高に言うつもりはない。
ないが、自分の中での評価は D5 の時のような
「コイツでダメなら諦めがつく、自分のせいでしかない」
と言った信頼感はゼロであり、お抱えプロ亀さんや信者さまが持ち上げるたびに、

お前が思うならそうなんだろうな、お前の中ではな


という台詞が繰り返されるのみである。

AF 以外に良いところはあるだろ、と言われても、
画質も使い勝手もしっかりフォーカスが来て初めて語れる話だと思ってるのでねえ。

ついでに言うと、直線的な動きしかしない被写体相手に AF の評価を行うのは、
'00年代から '10年代の古い評価指標じゃないか?と思う。
今どきミドルクラスのカメラでも、そうそう外さないだろう。
定量的指標として計りやすいのは事実だが、
いい加減脱却すべき指標じゃないのかなあ、といつも思っている。