
厳しく長い酷暑だった今年の日本の夏。台風上陸は少なかったものの、東北に上陸するというレアすぎる台風5号に、強力かつ迷走しまくりで夏休み最後の方のイベントをぶち壊しまくった台風10号という特徴すぎる台風が日本を襲いました。
台風10号では我らがガンバ大阪が敵地に乗り込む大阪ダービーが中止延期になり、結果的に台風10号が相手の戦力立て直しの機会を与えたような格好になりましたが、中止になって少し時間ができた際、
Microsoft Flight Simulator 2020(以下 MSFS)はリアルタイムウェザーでシミュレーションできるけど、台風10号の目の中で飛んだらどんな風になるんやろ?
と思って、リアルタイムウェザーで天草〜有明海を、真夜中だったので時間設定だけ夕暮れにして飛んでみたら冒頭の写真のように幻想的な景色が仮想現実(VR)のなかで展開され、ちょっと浸ってしまう風景でありました。現実は酷い被害を出していましたが。
そんな VR に絡む、MSFS の VR プレイに絡んだヘッドセット買い替えを考えながらの昨今について、取り止めもなくダラダラと書き連ねる回。

先日 Amazon の注文履歴を見ていたら meta Quest 2 購入からちょうど4年が経っていたことに気づきました。え?そんなに経ってた?って感じですけど、ぶっちゃけ
「VR 初体験の新鮮さ、感動は最初の半年〜1年弱くらいで、(Quest 単体で遊べる)ゲームの質に対してヘッドセットの重さが辛すぎて次第に使わなくなり放置プレイに」
というのが実態でした。これは Quest 買った人あるあるのパターンだと思います。周りでもそういう人が何人もいました。
お家で VR は画期的な体験でしたが、如何せんヘッドセットは重くて目の負担もあって長時間プレイは難しいし、ゲーム自体も VR を外した方が(ゲームとして)遥かに面白いタイトルが多いのが現実。VR にのめり込んでいる人は VR Chat にハマってる人が多いですが、ああいうのはどうも性に合わないのでねえ。
ただ私の場合、昨年ゲーミングノート PC を買って Microsoft Flight Simulator 2020(以下 MSFS)をプレイし始め、それとともに「そーいや、Quest 2 があったな」と押入れから出してきて MSFS を VR でプレイしたところ大いにハマって、2年以上放置していた Quest 2 大復活状態となったことは本ブログで何度も触れたとおり。
■ RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【6】〜性能的に厳しいけどVRプレイは最高にイカす体験
■ RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【7】〜性能が厳しい中でVRプレイする中での注意点とか
さらには快適に VR で MSFS をプレイしたいが為もあって、晩春にデスクトップゲーミング PC を新調したことも過去に記したとおり。
■ MSFS と VR ゲームのプレイを安定快適にすべく新調した BTO PC の仕様選択と理由
■ Ryzen 7800X3D & RTX4080 SUPERのPCに乗り換えたその後 【4】ようやく普通にVRプレイ可能になったが、しかし…
けれど今 MSFS をプレイする時の VR プレイ比率は 3分の1くらい。VR プレイにハマったという割に VR プレイ比率が 3分の1 程度と控えめ?なのは、以下の理由があります。
- 旅客機で計器飛行する場合は各種計器の操作が多いため、ぶっちゃけ VR プレイには不向き
- VR プレイでは現実世界は見えないので、 昨日の記事で紹介した FCU など外部ハードウェアを使う場合には VR プレイは不可能
- VR ヘッドセットかぶって PC と USB 有線接続して Steam VR 立ち上げて…というのが正直かなり手間なので、隙間時間に軽くプレイなんて時には難しい
- 重い VR ヘッドセットをかぶって連続1時間以上のプレイは(私には)無理
MSFS の VR プレイでは視界はバーチャルリアリティですけど、目の前に見えるハンドル、スロットル、ボタン類を手で操作できない矛盾、もどかしさ、という大きな問題があります。
積極的なソフトウェア・アップデートで Quest 2 でもハンドトラッキングでの操作が実現されましたが、とはいえ MSFS 内で使えるわけではなく、またハンドトラッキングの精度を考えると10年後には解決しているだろうと思いますが、まだ少し時間がかかるかな?と思います。新作 MSFS 2024 のアップデート過程で望みたい点ですが。

となれば、コクピット内の機器操作はフライトスティックやスロットルといったハードウェア機器での操作を除けば、VR ではない従来プレイと同じく、ポインティングデバイスで VR 視界上の機器を操作することになります。
ですが、マウスだと頭を動かした瞬間マウスカーソルが飛ぶ(位置が中央リセットされる)問題があり、Quest 2 のコントローラーだとノブを回すなど一部の操作が非常にやりにくくて、どちらも快適に操作できるとは言い難い状況。
なお、VR ヘッドセットをかぶってるとキーボードは見えないので操作できませんから、フライトスティックやスロットルに付いているボタン類以外は⬇️下記のような片手デバイスに必要最小限の機能(キー)を割り当てて使っています。
といった事情もあって計器操作の多いフライトでは VR プレイは避けていて、主に VFR(有視界飛行)での遊覧飛行的なフライトを中心に VR ヘッドセットをかぶっています。
ウチの環境だけかもしれませんが、MSFS 2020 アプリを起動後に Quest 2 をかぶって VR モードに切り替えると、サウンドのうち管制とのやりとりは Quest 2 のスピーカーから聞こえるものの、エンジン音などの環境音は PC のスピーカーから鳴って、設定を変えても反映されないバグがあるのも VR プレイ率が上がらない一因。
もっとも VR プレイには今まで書いてきたようなハードルがあるものの、(過去に何度も強調しているように)MSFS の VR プレイは多少の手間・面倒を乗り越えてでもプレイしたくなる魅力が確実にあります。
- 通常ディスプレイでのプレイと比べると圧倒的な立体感
- 通常プレイでは味わえないコクピットの中にいる感覚
- 現実と同じく頭を向けた方向が自然な形で見えるので、空港などの目標物、周囲で見える建造物などが通常プレイと比べて圧倒的に見やすい(というか現実と同じなので違和感がない)
VR プレイならではの3次元空間の中にいる感覚は何物にも変え難い感覚がありますが、特に頭を向けた方向のモノが(現実と同じく)自然と見えるのは通常プレイでは味わえない利点です。そのために VR プレイをしている、したくなると言っても過言ではありません。
通常のディスプレイを使ってプレイする場合も Track IR などのヘッドトラッキングの仕組みを使えば、頭を向けた方向の視界をディスプレイに表示させることができ、私も OpenTrack アプリとスマホ(SmoothTrack)を使ってプレイすることは少なくありません。有視界飛行で滑走路や目標物を確実に視認するには必須と言っても良いくらいです。
ただ、ヘッドトラッキングだけしか知らなければそんなに不満はないかもしれませんが、VR プレイの自然な視界を知ってしまうとヘッドトラッキングは色々調整しても違和感も制約も残る「妥協」に過ぎず、そのたびに VR プレイの良さを思い返して VR プレイに戻るわけです😓

ただまぁ、そんな VR プレイも Quest 2 でプレイしていての根本的な問題として
- VR ヘッドセットが重い、長時間プレイはキツい
- Quest 2 だと解像感、鮮明度がイマイチ低くて美しい景色を堪能しきれない(同じ設定でも通常プレイの方がずっとキレイ)
という、どうにもならない2大欠点があります。他の不満は些細な問題と片付けられても、この2つだけはどうにも不快かつ残念なところ。
故に、
MSFS の VR プレイをもっと快適にできる VR ヘッドセットが欲しいなぁ…ゲーミング PC もパワフルなものに変えたし、年末のブラックフライデーセールあたりで、もっと MSFS の VR プレイにハマれるヘッドセットに買い替えたいなー
という思いが夏ごろから出ていました。
でまぁ、色々調べて候補を3つほど考えつつ、9月には meta の Quest 新製品発表があり、その前後に競合他社も新製品を発表するという噂だったので、9月の各社 VR ヘッドセット新製品の発表を楽しみにしていました☺️
が、9月に発表された VR ヘッドセット新製品はどれもピンと来るものがなく、さらには meta の新しい廉価版 VR ヘッドセット Quest 3S の発表で、買い替え候補の一つであった Quest 3 の下位ストレージモデルが販売終了になってしまって、期待どころか落胆(既に大手ショップの Quest 3 在庫はストレージ 512GB の上位モデルのみ)。
先にも書いたように Quest 2 の不満点は重さと、フレネルレンズ採用で中央以外の視野が歪んで解像感がイマイチなこと。裸眼で使えるように視度調整レンズを作って装着して使っているのだけど、重さと並んで光学系への不満は大きい。なので、
理想の VR ヘッドセットがなければ重さは我慢して、ひとまず歪みの少ないパンケーキレンズ採用の Quest 3 に買い換えるのも最悪アリかな?同じ meta Quest だから移行はスムース、アプリもそのままで行けるから、お手軽アップグレードには良いかも?
と思っていました。
ところが、多少割安だった 128GB ストレージモデルの Quest 3 は終売。PC VR 利用メインだから大容量の内蔵ストレージは全く不要なので、512GB ストレージモデルが販売継続といっても無駄に高いだけ。買う気は完全になくなり、買い替え候補から除外することに。
Quest 3S は処理性能は Quest 3 と同じですが、フレネルレンズ採用で解像度も含めて光学系は Quest 2 を踏襲しているようなので、光学系が不満で買い替えたい私が Quest 3S を選ぶ意味はゼロ。一番お手軽なアップグレード選択肢が潰されて、うーん……という感じ。

ぶっちゃけ PC VR として使う場合に Quest は不要な部分が多く、また決して快適とは言い難いのだけど、とはいえ、
metaのVR/MR/ARへの本気度は感じる
のも事実。わたし的好印象ゼロだった meta をちょっと見直したぜ、というくらい近年の、特にここ1年くらいの Quest 2/3 のファームウェア・アップデートによる機能追加の頻繁さ、そこまでできるんかよ!?という機能の実現がありました。
4年以上前のデバイスであり、既に昨年後継機である Quest 3 が出ているのに、その後も Quest 2 に手厚い機能追加をしてくれているのを見ると、ぶっちゃけ
meta 以外の他社がここまで VR ヘッドセットに手厚いサポートをしてくれるとは思えないよなぁ
と思ってしまいます。先進的な VR ヘッドセットデバイスを作ってるメーカーは新興企業が多くてサポートという点では不安、未知数なところも少なくないですからねえ。
とまぁ、PC VR で使う分には Quest 3 にもさほど魅力を感じないわけですが、しかしながら上記のような meta の VR/MR/AR に賭ける姿勢、本気度には信頼をおけるものがあると Quest 2 を使ってきて感じるわけで、そういう点から Quest 3 購入も候補に挙げていました。
しかし、3S 発売でお高い上位ストレージモデルのみ販売継続となってしまい、それじゃあちょっと買えないかな、と。
私の場合、視度補正レンズを別途注文する費用もかかりますし(乱視込みなので)、Quest の場合は純正ベルトではイマイチなのが判っていますので、別途心地よくつけられるベルト、バンドも買う必要がありますからねえ。
(視度補正レンズを作ってメガネなしで VR ヘッドセットを被れるようになると、メガネを付けたまま頑張るのはちょっと嫌になります)
というわけで、VR ヘッドセット買い替え候補 3つから meta Quest 3 が脱落。
9月の新製品を見ながら、どっちもどっち、あちらを立てればこちらが立たずの残り2つをどうしたもんかと悩んでいる点については、また次回。