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ガンバ大阪の選手が試合前に円陣を組んでいるその向こうに
ガンバ大阪サポーターが集結する青黒のゴール裏が聳え立つ。

アウェイ側ゴール裏下層のカテゴリー6という座席エリアからの風景。
パナスタの光景と雰囲気を支配するのは、間違いなくホーム側ゴール裏の青黒サポーターたち。
プロカメラマン以外で、彼らを、その風景を入れ込んで撮れるのはこのエリアからのみ。

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頭上で手を合わせ、声を合わせ、大きなチャントを響かせて選手たちを盛り立てる。
Jリーグ有数のサポーターたちの後押しは選手たちも認めるところ。
特に移籍加入の選手は、口を揃えて賞賛する「圧」。

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劇的な大逆転勝利となった宇佐美貴史選手のシュート直後のシーン。
敵味方の選手たちだけでなく、ゴール裏サポーターも皆んなボールの行方を見つめている。

ピッチの反対側からでは 500mm でもトリミングなしでは引きの絵になってしまうが、
だからこそゴール裏を絡めたパナスタならではの、ガンバ大阪のホームゲームらしい写真になる。
このエリアで写真を撮る魅力は、プロカメラマンと同じようなゴールライン側から撮れる
ということも大きいけれど、むしろ「パナスタらしいフットボール風景」を撮れることにある。

私はここで年イチでしか観戦撮影しないけれど、このエリアでは普段から
大きなレンズを持って陣取ってる人が複数見受けられて、
彼らが撮った写真であろうものが(フォローしていなくても)SNS のタイムラインに流れてくる。
くるのだけど、選手のプレーその他のアップになった写真ばかりで、
カテゴリー6で撮る醍醐味をもうちょっと知っても良いのになぁ、なんて思うことも。

そもそもゴールライン後方から撮ったとして、上から目線になるスタンドからでは
プロカメラマンと同じセオリーに従ったスポーツ写真は撮れないわけだしね。

とまぁ、そんなことはともかく、年イチでカテゴリー6に来たタイミングで、
あんな終了間際の劇的感動シーンがあったこと思うと、ちょっぴりならず後悔がある。
写真云々じゃない。
歓喜の瞬間にホーム側にいて、歓喜の渦の中に居られなかった寂しさ、つまらなさだ。


ガンバ大阪に限らず、どこのクラブでもファンクラブに入ると1試合は無料招待券がもらえる。
私の場合は年間パスを購入しているのでファンクラブ招待券は不要…なのだが、
それも勿体無いことだし、年に1度くらいは違った場所から観戦するのも新鮮ということで
今年は先週末の札幌戦にファンクラブ優待券を使うことにした次第。

ファンクラブ優待券を使うことで、いつも座っている年間パスの席はリセールに出せる。
手数料を半端なく取られて売れた後に戻ってくるのは通常座席料金の3分の2くらいだが、
それでも(元がお高めなので)ファンクラブ代くらいは回収できる。
普段見ることのない新鮮な視点とファンクラブ代金の回収。
一石二鳥だから年に一度はファンクラブ優待券を使ってカテゴリー6に座っている。

なのだけど、今回はタイミングが悪かった。
あんな劇的な瞬間にホーム側で、いつものベンチのすぐ近くで
選手たちもファン、サポーターたちも歓喜の坩堝にいる中で私も居たかった。

アウェイ側ゴール裏とはいえ、カテゴリー6も一応ガンバ大阪のホームエリアだから
カテゴリー6も皆大興奮の歓喜ではあったけれど、
ファインダーの向こうで大歓喜の興奮を見ていると、
「なんで、こんな日にこっちへ来ちゃったかなぁ……」
そんな後悔は消えなかった。

ぶっちゃけ、写真とかどうでもいいから、喜びの渦の中にいたかったわ……orz


(Z9 + FTZ II + AF-S 500mm f/4E FL ED VR)