TediousPhoto20240517

今日の一枚は自分で撮った写真じゃなく、キヤノンのサイトからの拝借😅
唯一、ミラーレスのフラッグシップ機を出していなかったキヤノンが満を持して? R1 を予告発表。

「EOS Rシステム」初のフラッグシップ機“EOS R1”を開発 新開発の映像エンジンシステムにより高性能AF・高画質を実現 | キヤノングローバル

キヤノン伝統のネーミングルールだと EOS R1 じゃなく EOS-1R になるのでは?
と思っていたけれど、そのあたりも新時代ということでしょうか。
「1」だけハイフン付きというのは、細部まで別格仕様の特別感の象徴だったわけですが、
R1 はどうなるのでしょうかね(ローパスフィルターとか色々と)。


今年はオリンピックイヤーであり、パリ五輪ではキヤノンユーザーのプロへ向け
β機の EOS R1 が大量に貸し出されてメディアにも映りまくって隠せないでしょうから
開発発表という予告をしておくのは妥当なところでしょう。

R1 を出す前の一里塚であった EOS R3 の時もそうでしたが、
五輪という最もハイレベルな現場で使われたフィードバックを得て最終調整してから
(もしくはフィードバックを持って発売後に早めのアップデートを準備しながら)
正式発表&発売という流れは賢いやり方だと思います。
五輪直前に正式発売したところでそんなに数は出せないのですから、
β機として本当に使って欲しい人たちにまず貸し出す方がメーカーとしても良い話に思います。


現状、開発発表ということで、画素数その他の主要スペックは明らかにされず、
「R1 ではこんな凄いことができるんだよ〜」というアナウンスに留まっています。
(海外大手ネットショップでお漏らしがあったとかなかったとか…)
そんなレベルで言うのも何ですけど、

ミラーレス時代のカメラに
被写体認識 AF という仕組みで
私が欲しかったのはコレよ!


という感じで、一気に心持っていかれました。

開発発表のリリースで特に深く刺さった部分は以下の2点。


  • 被写体追尾精度が向上し、被写体が交錯するチームスポーツにおいて、撮影したい選手の手前に他の選手が重なった場合でもターゲットの選手を追尾し続けることが可能となります

  • AFの「アクション優先」機能では、被写体の状況を高速に解析することで、被写体のアクションを認識します。展開の予測が難しいスポーツシーンにおいて、例えばシュートなど特定のアクションをしている選手を主被写体として自動判別し、瞬時にAFフレームを移動させることで決定的瞬間の撮影をサポートします

はー、欲しかった被写体認識 AF って、これですわー。特に前者。今の被写体認識 AF は人の部位を認識しても人物は個別認識していないわけで、被写体認識 AF が進化して欲しかったのはココ!という部分をピンポイントに突いてきました。

このあたり、ちゃんとスポーツを撮っているプロカメラマンを多く抱え、昔からずっと(一時期を除き)フィードバックを聞いてフラッグシップ機に反映させているメーカーだけあると思います。フラッグシップ機で日和ってしまった何処ぞとは違うことを痛感させられます。

フォーカスフレーム内の被写体に別の選手が被ってきてそっちの選手にピントを持っていかれるならまだしも、フォーカスフレームに入ってなくてもその近くに別の選手が近づいてきたら、被写体にも別の選手にもピントが合わなくなるアホな現象が多発するフラッグシップ機もありますからねー ┐(´д`)┌

⭐︎


後者の「アクション優先」機能は、正直言ってどこまで使えるものになるのかは判らないし、おそらく初代 R1 では「使える場面もあるけど信用して使えないから正直微妙」という評価になってもおかしくはない、と勝手に思っています。

リリースの事例に出ているシュートシーンだって選手によってシュートモーションは違うし、足を蹴る前に後ろへ振り上げるアクション(もしくは同時に身体の重心が下がる動き)がトリガーとなるなら、トリガーに引っかからないシュートシーンも多い。また、ガンバ大阪の宇佐美選手のように足の振り幅が極めて小さい(それでいて強烈なボールを蹴れる)選手には対応できないかもしれない。

もっとも宇佐美選手のように、こちらの反応が遅れるくらいに極めて小さなアクション&極めて短い時間で強烈なシュートを蹴る選手こそ機械で反応して欲しいわけで、それが(初代 R1 でなくても)達成されるなら非常にシャッターチャンスに強いカメラになる。

もちろん、シュートだけでなく他のスポーツに対しても一瞬のアクションを機械学習させていれば対応できるのだろうから、そこはアップデートやモデルチェンジで熟成を重ねていくのだろう。

最初は微妙であったとしても、将来の進化を見据えて敢えて踏み込む姿勢には(α9 III のグローバルシャッター採用と同じく)賛辞を送りたい。

ちなみに、ネットではグローバルシャッターでもなければメカシャッターレスでもなさそうだから革新性は全然ない、などと(まだ詳細は発表されていないのに)揶揄しているバカを幾人か見かけたが、グローバルシャッターはともかくメカシャッターレスは他メーカーもやろうと思えばできることを継続性その他を勘案してしなかっただけで、商品企画上はともかく技術上の革新などと言われると疑問を感じざるを得ない。そこに縋りたい人たちがいるのは判るけど。



また、AF の進化に対してアレコレ言う人も未だに後を絶たないが(だいたいは AF の進化が必要のない無関係な人たち)、

「シャッターチャンスを逃さないためのサポートを惜しまない技術の進化、開発の姿勢」

を私は強く支持したい。これ以上の画質は要らんやろ、これ以上の AF なんて不要だろ、なんて言ってるとスマホにどんどん食われるだけだしね。

いずれにせよ、フラッグシップ機においてフラッグシップ機らしい最強力な AF 機能、特にスポーツ撮影に対するフォローを優先するところを見ると

やっぱり自分の手に合う、好みに合うのはキヤノンだよなぁ


と思うし、手持ちの何もかも売り払っても EOS R1 を予約購入したい!と思わなくはないのだが、おそらく百万円くらいになりそうな価格への資金調達だけでなく、

自分が常用できるレンズが今のキヤノンにはない


ことが、EOS R3 の時もそうだったがキヤノンへ戻る障壁になったままである。具体的には 400mm F4 とか 500mm F5.6 とか、そういう小型軽量な超望遠単焦点レンズ。

大砲レンズを常用できる条件にいればいいが、撮影環境的にそういうわけにはいかないし、小型で暗い超望遠ズームみたいなもので妥協はできないから、小型で高画質高性能な超望遠単焦点。「超望遠でも STM で十分です」などと世迷言とともに作られてない超望遠レンズ。

400mm F4 DO IS が改良、小型軽量化されて RF マウントに出てくれば…と思うのだけど、その時はボディと合わせて200万円コースだから、それはそれでキツい話になる😅

すっかりカメラ機材には興味なくなって、ここ1〜2年はどんなカメラが出てきても強い関心は起きなかったのだけど、α9 III と EOS R1 には未来を感じて興味津々、EOS R1 には惹かれる。久しぶりに使ってみたくなったカメラ。

「これが最後のカメラシステム」と思って F→Z に順次移行して、それこそ1年で200万くらい突っ込んでボディだけでなくレンズも揃えたけど正直落胆を禁じ得なかった。それで、カメラはもういいや、って感じになったけど、最後にもうひと勝負したくなる…かも…なぁ。