このところ、日記以外の記事では、
  • 昨夏セールで十万円台半ばにて購入した Core i7-12700H & GeForce RTX 4060 Laptop という廉価ゲーミングノートPC で
  • Microsoft Flight Simulator 2020(以下 MSFS)を最高画質ベース(ULTRA プリセット&DLSS SR/FG 有効)にして
  • 内蔵 FULL HD ディスプレイではなく一回り解像度の高い外部 WQHD ディスプレイを使って
  • 色々なシチュエーションでどこまでマトモにプレイできるのか?

という話を長々としてきました。

RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【1】〜条件付きなら高画質でも意外と飛べる
RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【2】〜詳細に造られた観光地・大都市は、画質を取るか動きのスムースさをとるか悩ましい
RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【3】〜シーナリーアドオン/空港アドオンを使った場合の見た目・負荷比較例
RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【4】〜激重「JAPAN OSAKA CITY WOW」を色々比較

最初に負荷の少ない条件から徐々に厳しい条件での動作を示して来たわけですが、「挙動のスムースさより見た目最優先」派、旅やドライブへ思うように出かけられなくなった身の気分転換ソフトとして使っている私としては、

遊覧飛行ならそれなりに妥協すれば
廉価ゲーミングPCでも最高画質で意外とヤレる


というのが個人的な印象。

妥協点は今までの記事で散々書いてきましたが、

視点変更時や負荷の高いエリアでの低空飛行、急旋回時の瞬間的または一時的なフレームレート低下やスタッタリング発生を許容でき、アクロバティックなフライトは諦める、地上風景のうち中景(近景と遠景の中間的エリア)の地上オブジェクトが描ききれず草地になりがち


といった問題、決して少なくはないけれど、それを受け入れられれば、こんな廉価なゲーミングノートPC でも意外と最高画質に近い描写でフライトできるものだと感心しました。RTX 40 シリーズの DLSS Frame Generation(以下 DLSS FG)機能さまさま、というところはありますが。



もちろん、廉価 GPU 搭載のゲーミングノートPC では最高画質ベースでは厳しい条件も多々ありましたが、画質を1段階落として HIGH END にすれば挙動のスムースさは相当に改善され、不満を覚える条件、フライトはだいぶ少ないと個人的には思っています。

ですので、上を見ればキリがない MSFS をプレイするに当たってのひとまずの妥協点として、本機スペックはちょうど良いところだったかな、と思っています。まぁ more power, more VRAM な欲望はありますが、ここから上は費用とリターンが正比例しませんからね…

MSFS2020_202403_01Grassland_RJOOApp
(何故かHIGH ENDに下げた方が草地化率が酷いことも)


ともあれ、そんな話を長々と4回にも分けて書いてきてしまいましたが、本来この記事は

RTX 4060 みたいなボトム GPU 搭載のこんな廉価なゲーミングノート PC で VR やるのは無茶だよな、でも一度 MSFS の VR プレイを体験してみたいからやってみよう
VR プレイは最低画質でも不安定で、でもギリギリながらプレイできた、だったらマルチ画面もちょっとくらいイケるんじゃね?


という形で、廉価ゲーミングPC でも何とか動いた VR プレイに感動して、さらにそれに乗じてマルチ画面を試してみた結果を書いておこうと筆を取ったはずでした。

それを本来予定していなかった蛇足的な記事を長々と4回も書き、ようやくの本題その1。

RTX 4060 搭載廉価ゲーミングノートPC で MSFS の 2画面、3画面のマルチディスプレイを無理やりお試ししてみた

マルチディスプレイでのプレイは幾つかの形で行いましたが、主に下記の2点についてインプレッションを残しておきます。
  1. タブレット (iPad) をサブディスプレイにしてコクピット計器を表示させる2画面プレイ

  2. タブレットや普段使っていない内蔵 FULL HD ディスプレイを使って WQHD メインディスプレイと2画面3画面プレイ

いずれも、お試しでちょいと遊んでみたレベルの話ですので、内容に厳密性とかは求めないでいただければ🙇

(そもそも RTX 4060 で WQHD ディスプレイを核に MSFS のマルチディスプレイ・プレイとか、お遊びのお試し以外に意味はないと思いますが…)


【10】タブレット (iPad) をサブディスプレイにして計器表示させる2画面プレイ

昨夏 ASUS TUF Gaming F15 (2023) FX507ZV4 購入当初から使用ディスプレイは内蔵 FULL HD (1080p) ディスプレイではなく、Mac で使っている WQHD 解像度 (1440p) のカラーキャリブレーションモニター(写真撮影者向け仕様)。

外付けディスプレイを使うんだったら、ゲーミングノートPC じゃなく普通にデスクトップゲーミング PC を買えよ、その方がコストパフォーマンスは断然ええやろ


と言われる話ですが、コロナ禍前あたりにデスクトップPC を全廃してスッキリさせたのに(どこまで使うか判らない)ゲーム用パソコンにまた場所を取るデスクトップ機を買う気がしなかった故、など選択理由は当時の記事に書いたとおり。

それはともかくとして、外付けディスプレイを使う=内蔵ディスプレイと合わせて2画面プレイも可能、というのは判っていましたが、「1画面でも(最高画質だと)ギリギリで動かしてるのにマルチディスプレイなんて無いわ〜」と私自身思っていましたので、マルチディスプレイでのプレイはスルーしていました。

ただ、機外の景色を画面を構成していると計器が見づらい、計器を見るのに画面切り替えが頻繁に必要、視点変更と同じく画面切り替え時にちょっとしたフレームレート低下が起きる、といったことがあって、

機外の景色と計器パネルを別画面にできたら便利かもなぁ


なんて思っていたら、タブレット (iPad) を使って一部のコクピット計器を独立表示させられることを知りました(↓)。



上記動画で Windows PC と iPad を接続、iPad を Windows PC のサブディスプレイ化して、そこにコクピット計器(の一部)を表示させるというもの。もちろん、iPad でなくても Android タブレットでも同じように使える技ですが、手元に iPad mini や iPad Pro がありますので、早速実行。

調べてみるとタブレットやスマホを Windows のサブディスプレイ化するソフトは
  1. spacedesk
  2. Duet Display

この2つがメジャーなようで、どちらも iPad, iPhone だけでなく Android にも対応しています。spacedesk は基本的に無料で Wi-Fi 接続(有線接続は使用機器による)、Duet Display は有線接続は無料で使えるものの無線 Wi-Fi 接続は有料プラン加入が必須とあります。

spacedesk | Multi Monitor App | Virtual Display Screen | Software Video Wall
Duet - リモートデスクトップ、セカンドディスプレイ、お絵かきタブレットなど

iPad を Mac のサブディスプレイ化するアイデアが具現化され始めた頃は Duel Display アプリを購入して使っていた時期もありましたが、現行のライセンスは持っていませんし、ちょっとお試し程度なので無料で Wi-Fi 接続が使える spacedesk を使用しました。

MSFS2020_202403_08spacedeskAppStore


Windows と iPad(または Android)の接続、サブディスプレイ化は非常に簡単で、
  1. 公式サイトからWindows PC 用 spacedesk サーバーソフトをダウンロード&インストールして起動
  2. 起動後の画面の右上にある動作スイッチを OFF から ON に変更
  3. AppStore から spacedesk アプリを iPad にインストールして起動
  4. iPad の spacedesk アプリを起動すると画面に接続対象の Windows PC の名前や IP アドレスが見えているので、それをタップ

これだけ。Mac と iPad のように全く何もしなくても OS ネイティブで勝手に接続してくれる(手動接続時もマウスカーソルの動かし方一つで接続)ほど超絶簡単ではないですが、Windows PC との spacedesk 接続もすんなり。

MSFS2020_202403_11spacedeskApp


唯一、Windows PC と iPad 接続後、iPad の画面が Windows PC の画面と全く同じだったり、ブラックスクリーンになっている場合は、マルチディスプレイの設定が「拡張」になっていないので Control + P キーでマルチディスプレイの設定を出して「拡張」を選ぶとデュアルスクリーン化されます。

MSFS2020_202403_17MultiDisplaySetting


iPad をサブスクリーン化できた状態で普通に MSFS を起動、フライト開始してから
  1. コクピット視点で iPad で表示させたい計器にマウスカーソルを持っていき
  2. キーボードの右 ALT キーを押してカーソルが+マークに変わったところでマウスをクリック
  3. 別ウィンドウにポップアップしてクリックした計器が表示される
    MSFS2020_202403_02InstrumentWindow
  4. 別ウィンドウ化した計器はどの視点でも常時表示されるので、その計器ウィンドウを iPad のサブディスプレイへとドラッグ
  5. iPad のサブディスプレイ側へドラッグし終えたらウィンドウバーの最大化ボタンをクリックすれば iPad の画面にピッタリ収まる
    MSFS2020_202403_03InstrumentOnIPad

こんな感じで独立表示させたい計器だけを iPad の画面に表示することができます。文字にすると手順が多そうに見えますが、簡単かつ一度やれば忘れないレベル。

MSFS2020_202401_21InstrumentOniPadMSFS2020_202403_04DualScreenInstrumentA320MSFS2020_202403_05DualScreenInstrument208B


こんな形になって、メインスクリーンは周辺風景を中心に見るようにしても、メインの計器が見やすくなります。計器じゃなく VFR マップを表示するのも便利です。

よく知らないところを飛ぶ時は計器より VFR マップを別画面に出しておくのが好みです。もっとも、普段はマルチディスプレイの負荷を嫌って、iPad を普通に iPad として使いながら Google マップを表示させていたりしますが…😅

MSFS2020_202403_06DualScreenVFRMap208B


ちなみに iPad mini だとサイズ的に一つの計器だけを置くのが良さげですが、iPad Pro なら2つ並べても良いかもしれません。

MSFS2020_202403_07DualWindowOnIPad


別ウィンドウが増えれば、その分だけ負荷は高まりますから、本機のような2画面構成がそもそも無理やりな廉価ゲーミングノートPC では一番見たい計器やマップのみ表示させるのが妥当なところでしょう。

実際、iPad をセカンドディスプレイにして計器を独立表示させた際のマシン負荷の増大、フレームレートへの影響は、

通常2画面プレイより負荷は低いが
フレームレートは通常から2〜3割減


という印象。計器表示だけなので外の景色を2画面表示させているよりは負荷は低いものの、確実にフレームレートは落ちてます。

ただ、スタッタリングは多少増えるものの、1画面でもギリギリで動かしているような条件下でない限りは実感として大きく増える印象はありません。が、視点変更時の“動作の重さ”は、より厳しくなります。このあたりは本機のような RTX 4060 廉価ゲーミングノートPC を高画質で遊んでいる限り元々厳しい点ですので、仕方ありません。

例えば、前回の激重シーナリーアドオン「JAPAN OSAKA CITY WOW」を試した記事でも試した A320neo にて IKOMA ポイント(生駒山)から大阪伊丹空港へ ILS 32 にてオートパイロットで降りていく過程のフレームレートを通常の1画面と iPad で計器表示させた時のフレームレート計測値を比較してみると以下のようになりました(OSAKA CITY WOW および KADO_t 氏による伊丹空港アドオンを適用)。

MSFS2020_202402_151CFX_RJOOapp_OsakaWowMSFS2020_202402_152CFX_RJOOapp_OsakaWow_Sensor(ULTRA プリセット、通常1画面のみ)
MSFS2020_202403_18CFX_iPadDualRJOOAppULTRAMSFS2020_202403_19CFX_iPadDualRJOOAppULTRA_Sensor(ULTRA プリセット、iPadに計器表示時)

MSFS2020_202402_155CFX_RJOOapp_OsakaWowHIGHMSFS2020_202402_156CFX_RJOOapp_OsakaWowHIGH_Sensor(HIGH END プリセット、通常1画面のみ)
MSFS2020_202403_13CFX_iPadDualRJOOAppHIGHMSFS2020_202403_14CFX_iPadDualRJOOAppHIGH_Sensor(HIGH END プリセット、iPadに計器表示時)


ULTRA プリセットでは激重シーナリーアドオンの「JAPAN OSAKA CITY WOW」を入れた状態でも十分重いのですが、計器飛行で真っ直ぐ着陸しているくらいでは iPad に一部計器を表示させたからといってプレイできなくなるほどガタつくことはなく、またちょっと重くなったなー、な感覚です。

JAPAN OSAKA CITY WOW を入れても比較的スムースに飛べる HIGH END プリセットのように、通常の1画面構成でそこそこ飛べている状況ではフレームレートが数割落ちるものの、iPad に計器表示させたからといって一気に厳しくなる印象はないですね。

MSFS2020_202403_16CFX_ITM2IKOMA2ITM_OSAKAWOW_ULTRA_208BMSFS2020_202403_15CFX_YAO2IKOMA2ITM_OSAKAWOW_ULTRA_208B


上記はセスナ 208 B で iPad に計器表示させながら八尾空港 RWY 27 から離陸し、大阪市南部を旋回して生駒山上空から伊丹空港 RWY32L へ着陸、そのままタッチ&ゴーで北摂エリアを遊覧飛行したのち、再び生駒山上空から伊丹空港へ着陸した時の CapFrameX 計測結果です。OSAKA CITY WOW および KADO_t 氏による伊丹空港アドオン適用して ULTRA プリセット条件。

フレームレートがかなり低めに推移している時間帯もありますし(激重 JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンが強く影響する部分)、スタッタリングも Low FPS 認定も多少ありますが、お気楽遊覧飛行派の私としては、これくらいなら楽しめています。

シチュエーション毎の負荷状態によって印象が変わるのは言うまでもないですが、「見た目最優先派」でお気楽遊覧飛行メインユーザーの実感としては

これくらいの負荷増大なら本機レベルの廉価ゲーミングノートでも、iPad をセカンドスクリーンにして計器表示させるくらいは実用的に使えるんじゃないかな?


という印象です。

ただ、

iPad 上に計器表示は遅延がある


上に、

負荷高めシチュエーションでは
リアルタイム更新の数字がカクツク


ことがあって(カクツクのは iPad 上の計器のみ)、せっかく iPad に独立して計器表示させているのに見づらくなることもあります。このあたりも廉価ゲーミングノートPC の処理性能の低さ故ですから致し方ないところ。VFR マップを表示させてる場合は概ね大丈夫っぽいです。

また、実際にやってみてから気づいたのですが、

別ウィンドウに表示可能な計器も機体も限られる


ので、遊覧フライトでよく使っているセスナ 152 とか 172 の計器パネルを iPad へ表示することができず、個人的には残念感があります。

MSFS2020_202403_10AirManagerAppStore


と思っていたら、Air Manager というソフト/アプリがあるようで、セスナ 152 / 172 のパネルを別ウィンドウ、別 PC やタブレットに表示させることができると知りました。

iPad アプリもあって Windows PC のデュアルディスプレイ化作業をせずとも直接アプリ上で独立パネル表示できるようで効率的にもこちらの方が良いかな?と思っていますが、まだ試していません。

有料課金は問題ないのですが、iPad 版は PC 版と比べて機能制限もあるようで、どこまで使えるか、自分がどれくらい使えるか、もう少し考えてから購入、試してみようかと思っています。


【11】タブレットや普段使っていない内蔵ディスプレイを使って2画面3画面プレイ

前項で示したように、「1画面でも(最高画質だと)ギリギリで動かしてるのにマルチディスプレイなんて無いわ〜」とマルチ画面プレイをスルーしていたにも関わらず、「iPad に計器を独立表示」させてみることを試したからには、ついでにフツーの2画面表示のプレイも試してみたくなるのが人の性。

MSFS2020_202401_30DualScreeniPadNY(左ウィンドウがiPad mini)


普段アームで固定された iPad mini を手元デバイスとしてメインディスプレイの左手前に設置してありますので、まずは iPad に左側面を表示させてのマルチディスプレイ・プレイ(↑)。

で、今まで禁則事項?にしていたマルチ画面プレイを iPad で試してみたとなれば、ノートパソコンを使っているのに今まで全く使ってこなかった内蔵ディスプレイと併用しての2画面表示を試すのは当然の行動。サードパーティ製アプリを使って Wi-Fi 接続の iPad 表示より内蔵ディスプレイとの2画面プレイの方が負荷が低そうですし。

と言っても、1画面でも(最高画質ベースでは)ギリギリで飛んでる性能なので、2画面プレイの時点で厳しいわけですが…(負荷については後述)。

MSFS2020_202401_20DualScreenITM


使っているゲーミングノートPC、ASUS TUF Gaming F15 (2023) FX507ZV4 は机正面のメインディスプレイの右手の方から出ているノートPC 用アームの一つに乗せられています。ので、右側面を表示させて飛んでみました(↑)。

とまぁ、メインディスプレイの左に iPad、右側にノートPC の内蔵ディスプレイがあるわけですから、ここまで来れば当然のことながら

フライトシム、夢の3画面プレイ


を試したくなるのも道理。iPad もノートパソコン内蔵ディスプレイも、メインディスプレイの左右に配置されているわけではないし、まともに動くマシンパワーもないので、あくまで簡易的なお試しですが、3画面配置は VR と並ぶ理想的なプレイ環境ですから、一度はやってみたいこと。

MSFS2020_202401_31TripleDisplayArrangement(Windowsのディスプレイ配置設定)
MSFS2020_202401_32TripleDisplaySetting(MSFSのウィンドウ追加)


ロクにマニュアルもググりもせず、Windows でディスプレイ設定すれば何とかなるやろ、と思って MSFS を起動したもののマルチウィンドウの設定がよく判らず少々迷いました。

実験的 (Experimental) メニュー欄でレンダリング・ウィンドウを追加してから、先の計器独立表示のように追加したウィンドウを左右のディスプレイに持っていく、というやり方は自由度としては高いけど、使い勝手としては正直判りづらい印象。VR の設定が独立して存在して割と楽なのと比べると手間がかかるなー、って感じでしたね。

(VR は VR で MSFS を起動するまでの手順をミスると上手くいかなかったり、本機のようにとても VR に耐えられる性能じゃない PC で動かすとニッチもサッチもいかなくなったりと、別の点で苦労しますけど)

MSFS2020_202401_33TripleDisplayNYMSFS2020_202401_34TripleDisplayNYMSFS2020_202401_35TripleDisplayNYMSFS2020_202401_36TripleDisplayNY


画面比率は解像度が違うためスクリーンキャプチャでの左右画面のサイズが違いますが(実際のディスプレイサイズも同じくらい違うけど)、

雰囲気だけは3画面プレイ😅


で飛べました、一応。

後述するようにフレームレートが低くて「挙動の滑らかより見た目重視」派の私でも、さすがこれは厳しいね、という動きになりますけれど、

左右の景色を(画面上の視点変更せずとも)自分の首を動かせば見られる3画面構成は、やっぱりええなぁ…


と痛感してしまいます。雰囲気3画面プレイでも魅力的すぎますし、もっと高性能な PC を買って本気で3画面構成をしたくなります(メインディスプレイの左右に置く3画面構成ではなく自分自身の左右側面に置きたい…無理だけど)。

MSFS2020_202401_38TripleDisplayITMMSFS2020_202401_37TripleDisplayITM
MSFS2020_202401_40TripleDisplayTOKYOMSFS2020_202401_41TripleDisplayTOKYO


ちょっとお試しに(ベンチマークにしている)ディスカバリーフライトのニューヨークと東京を AI で飛ばして CapFrameX でフレームレート計測するだけのつもりが、マンハッタン界隈の遊覧飛行をしてみたり、伊丹空港でタッチ&ゴーして大阪北部を巡ってみたりと、深夜まで遊んでしまいました(1月の三連休の頃の話😓)。

で、肝心要のマルチディスプレイでプレイした時のフレームレート、負荷ですが、当然のことながら厳しいものがあります。以下、CapFrameX での計測結果を順次載せてみます。

まずは、ディスカバリーフライトのニューヨーク。スタート地点のセントラルパークから AI でほぼ真っ直ぐ(スタッタリングが発生する)視点変更もせずにマンハッタン島を抜けるところまでの計測値です。画質は ULTRA プリセットで DLSS SR バランス、FG 有効です。

TUFG_F15_MSFS_WQHD_NY_Performance_ULTRA_FG(以前WQHD外付ディスプレイのみで計測した参考値)
MSFS2020_202401_54CFX_NY_AI_DualDisp(内蔵ディスプレイと2画面構成時)
MSFS2020_202401_55CFX_NY_AI_TripleDisp(iPadも使った3画面構成)


マンハッタンは純正シーナリーの中では高負荷なエリアですが、AI フライトで真っ直ぐ飛ばす一番負荷の少ない飛ばし方、尚且つフレームレート低下やスタッタリングが発生する視点変更なしだと、Core i7-12700H & GeForce 4060 Laptop という廉価なゲーミングノートPC でも、ほぼスムースに飛ぶことができます(一番目の記録値)。

そんな1画面では全く問題ない条件でも2画面プレイになった途端、スタッタリングが頻繁に発生し、Low FPS 認定される時間が全体の 10%。スタッタリングと合わせて飛行時間の 7分の1 が快適性を著しく損なう状況になります。

そして3画面構成にすると、もはや全体の7割が Low FPS 状態。ただ、スタッタリングが激減しているのは、ずっと低フレームレートのままなのでスタッタリングを起こすことすらできないこともあるでしょうが、

3画面構成だと左右が見えて視点変更不要

視点変更で起きるスタッタリング激減


というところもあると思います。

どんな条件下でも視点変更はフレームレート低下やスタッタリングの原因の一つなので、3画面構成だと視点変更の手間や、視点変更時のフレームレート低下/スタッタリング発生の不快さから逃れられるのは非常に良い点です。

MSFS2020_202401_61CFX_TOKYO_TripleDispMSFS2020_202401_62CFX_TOKYO_TripleDisp_Sensor


同様にディスカバリーフライトの東京を3画面プレイした場合が上記ですが、こちらは AI フライトではなく、手動で操縦して品川〜新橋〜八重洲のビル群のすぐ上を飛び、旋回するなど負荷をかけたおかげで、全く話にならない、プレイ不可能なレベル。P5 未満の値が軒並み一桁で、P0.1 や 0.1% Low Avg. は 1fps と、紙芝居にもんなりません。

廉価 GPU で最高画質 ULTRA プリセットの3画面構成では当然の結果ですが、こういう条件だと画質プリセットを MIDDLE まで2段階落としてギリ普通に飛べるかな?であり、廉価 GPU で3画面構成なんて無茶無理であることを改めて判らせてくれます。

ちなみに上記結果は純正ワールドアップデートの JAPAN を適用済みですが、SamScene3D の「Tokyo Landmarks Enhanced」アドオンは適用していない(見た目最優先派としては少し控えた)状態です。

MSFS2020_202401_48CFX_ITM(WQHD 1画面のみ)
MSFS2020_202401_50CFX_ITM_DualDisp(内蔵ディスプレイとの2画面)
MSFS2020_202401_52CFX_ITM_TripleDisp(iPadも含めた3画面)


上記は大阪伊丹空港 RWY 32R を離陸し、周回して RWY 32R へ着陸という1周のフレームレートを CapFrameX で記録した値です。こちらは、Shige 氏の大阪シーナリーKADO_t 氏による伊丹空港アドオンは適用していますが、激重な SamScene3D「JAPAN OSAKA CITY WOW」は使用していません(リリース前だったため)。

もっとも JAPAN OSAKA CITY WOW は通常の1画面プレイでも何度か飛んでいるとグラフィックドライバがエラー吐いて MSFS 自体が落ちるので、本機のような RTX 4060 クラスで JAPAN OSAKA CITY WOW を使ってマルチディスプレイは試そうとも思いません…😓

というか、JAPAN OSAKA CITY WOW を使っていなくても3画面プレイでは途中でハングアップしたり MSFS アプリが落ちたりして 3画面プレイのちゃんとした計測を諦めた結果が、上記3番目の計測値が 1〜2番目の半分の時間しか記録がない理由です。

どちらにせよ、1画面プレイだと(視点変更時や着陸寸前などで)スタッタリングが多少あって最低フレームレートは一桁であるものの、P0.1 以上は 20fps 以上でまずまず飛べていますが(廉価ゲーミングノートPC と考えれば文句はない)、2画面構成になると Low FPS が半分近くになり、3画面構成になると Low FPS が 4分の3。

2画面構成になった途端 69 ⇨ 33 fps と落ち込む平均 FPS だけでなく、P0.5 以下のフレームレートも半減以下、3画面構成に至っては P5 以下が一桁と、先のディスカバリー東京の都心部を遊覧飛行した時に近い状況で、

「RTX 4060 Laptop では最高画質 ULTRA プリセットベースで3画面プレイはプレイできるレベルにない」

という、そんなもん試さなくても判ってるだろ!という結論になりました。まぁそれでも試さないと納得できない私なので…😓

MSFS2020_202401_57CFX_NY_TripleDisp(NY遊覧飛行 ULTRA プリセット)
MSFS2020_202401_59CFX_NY_TripleDisp_HIGH(NY遊覧飛行 HIGH END プリセット)


最後に、もう一つ。ディスカバリーフライトのニューヨークを3画面構成でプレイした時、最高画質 ULTRA プリセットと、画質設定を1段階落とした HIGH END プリセットではどれくらい変わるか?を試したのが、上記の測定結果。

こちらは AI フライトではなく、第2回目の記事でも事例を示したのと同じく、

スタート地点のセントラルパーク上空からマンハッタン中心部の超高層ビル群の上を掠めるように通過、マンハッタン先端部の高層ビル群のすぐ上を抜けた後は海面上 50m くらいまで降下して自由の女神を右窓から眺めながらリバティ島をぐるっと回って、低空飛行のままイースト川を北上、ブルックリン橋のすぐ上を通過しながら左窓でマンハッタンの摩天楼を眺める


といった、実際の遊覧飛行プレイをしてみた時の測定値です。

RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【2】〜詳細に造られた観光地・大都市は、画質を取るか動きのスムースさをとるか悩ましい

最高画質 ULTRA プリセットベースでのプレイはディスカバリーフライト・東京や伊丹空港の周回離着陸と同様、スタッタリングと Low FPS が飛行時間の 4分の3 近くを占め、P5 未満が全て一桁、0.1% Low Avg. は 2 fps と、全くプレイにならないレベル。

それが画質を1段階落とすことで、相変わらず Low FPS が飛行時間の 2割以上を占め、P5 未満は 20fps もない低フレームレート状態ではありますが、フレームレートの変動がまだ穏やかで

HIGH END プリセットでは低いなりに安定


という感じのプレイになります。

先にも述べたように、3画面構成だと視点変更しなくても左右が見えるので、視点変更に伴う瞬間的/断続的なフレームレート低下やスタッタリングが抑えられる点も悪くないところです。

HIGH END プリセットにしたところで快適なフライト、プレイになるとは言い難いですが、ULTRA プリセットの時とは異なり、HIGH END だとプレイできないことはないという印象です。まぁ見た目優先派の言うことなので、操縦性に重きを置く人には全く論外でしょうけれども。

さらに画質を落として MIDDLE プリセットにすると随分とフレームレートが改善して安定して飛べますが、見た目優先派としてはそこまでして3画面プレイのお試しにこだわっていないので、そこは割愛します。

MSFS2020_202401_39TripleDisplayExpo70Park


とまぁ、以上「1画面でも(最高画質だと)ギリギリなのにマルチディスプレイなんて無いわ〜」と思っていたのに、「タブレットに計器を独立表示させたら便利だね」と iPad をサブディスプレイにしたことから、「無理やりやってみた」程度ではあるものの2画面3画面を使ったプレイを試してみた次第です。

iPad に計器を独立表示させるところまでは(負荷は増大しても)まだギリギリ許容範囲内だったかもしれませんが、さすがにマジなデュアル/トリプルディスプレイでのプレイは RTX 4060 Laptop な廉価ゲーミングノートには無理無謀すぎました。特に最高画質 ULTRA プリセットベースでは動かすのもやっと、なくらいでした。

とはいえ、ほんの触りだけでも試してみると

視点変更ボタンを押すことなく、リアルと同じように首を振れば左右の景色が見られる3画面構成は、やっぱり良いなぁ…風景眺めて気分転換するための適当遊覧飛行志向な人間にこそ欲しいなぁ


と、心動かされました。3画面構成は MSFS をプレイするなら理想だと思っていましたが、実感させられました。

とはいえ、置き場所の問題もあって(仕事用 PC もあるし)現実的にはトリプルディスプレイは難しく、できて曲面ウルトラワイドディスプレイあたりでしょうが、如何せん写真編集用のハードウェアキャリブレーション付きディスプレイを使っていますので、写真撮影趣味をやめないと踏ん切りがつきそうにありません。まぁ、写真撮影趣味はそろそろ止めてもいいのですけど…

Amazon_LGUltraWideMonitor_34WQ75C-BLG 曲面型ウルトラワイドモニター 34WQ75C-B


そもそも、マルチディスプレイにせよ、ウルトラワイドディスプレイにせよ、それ以前にまず PC のパワーアップが必要になるわけで、そうなるとデスクトップのゲーミング PC に手を出すことも将来的には考えざるを得ないかなぁ、という気が、また起きてしまうわけです。

でも、今の現実的希望である Ryzen7 7800X3D + GeForce RTX 4070Ti Super あたりでもそれなりの消費電力と発熱を考えると、少なくともこれからの季節は我慢して、具体的に検討するのも再び涼しくなってからですかねえ。

あと、マルチディスプレイするくらいなら VR の方が感動は大きかったし、省スペースではあるので、どちらかと言えばそちらの方向ですかねえ。VR は VR で準備が面倒だし、ヘッドセットを被りっぱなしというのも微妙ですが。

ということで、次回は RTX 4060 Laptop というボトム GPU な廉価ゲーミングノートPC で無理やり第2弾、MSFS の VR プレイを強行してみた話。超不安定だけど、一応動いたし、感動しました。

(続き)→ RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【6】〜性能的に厳しいけどVRプレイは最高にイカす体験