このところダラダラ長々と誰も得しないであろう

昨夏のセールにて十万円台半ばで買った Core i7-12700H & GeForce RTX 4060 Laptop の廉価ゲーミングノートPC で、Microsoft Flight Simulator 2020(以下 MSFS)をどれくらいプレイできるのか、WQHD 解像度の最高画質 ULTRA プリセットベースという想定以上の環境でどれだけ頑張れるか


について書いてきました。

この話、遅くとも2月中には蹴りをつけようと思っていたのに、早や3月😅サッカーもモータースポーツもシーズンインでブログの更新頻度はさらに落ちそうなので、こんなどうでもいい話は早めにカタをつけなければ…

と思いながらの4回目。今回は最近 SamScene3D からリリースされて速攻で購入したものの、RTX 4060 クラスの GPU では最高画質で飛ぶのは難しい激重な大阪中心部のシーナリーアドオン「JAPAN OSAKA CITY WOW」について、その再現性と激重具合について記しておきたいと思います。

MSFS2020_202402_106JapanOsakaCityWow


当方の MSFS の遊び方として、できるだけ忠実なシミュレータープレイより気楽な気分転換遊覧飛行派、だからこそできるだけ綺麗なグラフィックで飛びたい「見た目最優先」派であることは過去何度も記してきました。

RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【1】〜条件付きなら高画質でも意外と飛べる
RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【2】〜詳細に造られた観光地・大都市は、画質を取るか動きのスムースさをとるか悩ましい
RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【3】〜シーナリーアドオン/空港アドオンを使った場合の見た目・負荷比較例

過去3回において、RTX 4060 Laptop という下位 GPU 搭載の廉価ゲーミング PC でも高高度で飛んだり、低空飛行でも山間地や田舎、地方都市レベルなら最高画質ベースの設定でもまずまず問題なく飛べること、その反面
  • 地上オブジェクトが衛星航空写真からの自動生成ではなく手作業が入って細密に再現された観光地や都市
  • 高層ビルが林立する大都市中心部
  • 再現性を高めたシーナリーアドオン(空港アドオン含む)を適用したエリア

については、視点変更時に瞬間的なフレームレート低下やスタッタリングが必ず発生し、地上高 1,000ft ≒ 300m 以下の低空飛行時や急旋回時には継続的なフレームレート低下、スタッタリング頻発があって、それを許容して飛ぶか、画質を1段階下げて HIGH END プリセットベースにするかの二択になることを記してきました。

MSFS2020_202402_141AkashiKaikyoMSFS2020_202401_75TwilightTokyoCockpit


「見た目最優先」派の当方としては多少のフレームレート低下、スタッタリングには目を瞑っても、できるだけ綺麗な地上絵の上を飛ぶことを優先して、廉価ゲーミング PC でのプレイには相応しくない ULTRA プリセット画質設定をベースにしていますが、そんな私でも

OSAKA CITY WOWアドオンだけは
最高画質でプレイするのは厳しいなぁ


というのが今回紹介するアドオンへの正直な感想。

MSFS では GeForce RTX 40 シリーズで使える DLSS Frame Generation 機能(以下 DLSS FG)がかなり有効に働いてくれて、RTX 4060 Laptop が本来持つポテンシャル以上の快適性、クオリティ設定で遊ばせてもらっていますが、

作り込まれた激重アドオンは
VRAM 8GB だと厳しい


ことを改めて実感させられました。

MSFS2020_202401_29GraphicSettings(普段のプレイ画質設定)


前々回触れたように、セントマーティン島など一部の詳細細密化されたエリアを低空飛行で飛びたい場合は、HIGH END プリセット画質に落としてプレイする妥協はありますし、着陸時にフレームレートが大きく低下するようなエリアでも画質を落として操作優先の設定にします。

詳細細密化された重いエリアでも画質設定を HIGH END にすることで随分と軽く、スムースに飛べることは前回記事で述べたとおり。ULTRA と HIGH END プリセット設定における画質差も、前々回記事の最後の方で記したように、光の表現、立体感に差はあるものの、大きく劣るほどではありません。



それでも「挙動の滑らかさより見た目最優先」派としては、超低空飛行や急旋回といったアクロバティックな飛行をせず、視点変更時のフレームレート低下、スタッタリングさえ許容できれば、本機でもマシン負荷の高い(=作り込まれて再現性の高い)エリアを最高画質 ULTRA プリセットで飛ぶのはギリ何とかできる、と判断してプレイしています。

しかも RTX 4060 が想定している FULL HD 解像度より一回り高い WQHD 解像度でプレイしているのですが、挙動の滑らかさに妥協をするところはあれど、個人的には「まぁ何とか飛べるだろ」って感じで飛んでいます。

「こんなところをこんな廉価な PC で最高画質にして飛ぶのは無茶だなぁ」と思いながら、多少のフレームレート低下やスタッタリングを許容しながら飛んでいますけど、「JAPAN OSAKA CITY WOW」ではさすがに無理でした。最大の理由はフレームレート低下やスタッタリング頻度ではなく、

OSAKA CITY WOWを入れて
無理やり最高画質で飛んでいると
アプリが不安定になり時々落ちる


こと。

正直なところ、JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンを購入してプレイし始めて以降、ちょくちょく MSFS サプリ自体が落ちることも増えてきたので、アドオンそのものを何度か削除して、やっぱりインストールし直して…の繰り返しで悩んでいます(ダウンロードサイズが 6GB くらいあるので再インストールにも時間がかかる)。

激重な割には大阪市中心部以外は放置だったり、大阪城周りが微妙など全部が全部良いわけではないのですが、大阪市中心部の再現性は過去の大阪市内シーナリーアドオンの中ではダントツだけに、地元民としてはできるだけ外したくない思いとの板挟みであります。

MSFS2020_202402_131EveningKita_OsakaWow


というわけで、今回はその「JAPAN OSAKA CITY WOW」アドオンの再現性(見た目)、負荷の高さを、
  1. 何もシーナリーアドオンを入れない純正状態(地上オブジェクトは衛星航空写真からの自動生成)
  2. Shige 氏の大阪シーナリーアドオン適用時
  3. taku0707 氏の OSAKA City Package アドオン適用時
  4. SamScene3D 「JAPAN OSAKA CITY WOW」アドオン適用時

の4つを比較してみます。


【9】激重だけど再現性の高い SamScene3D 新作「JAPAN OSAKA CITY WOW」を無料の大阪シーナリー、アドオンなしの地上オブジェクト自動生成時と比較

まずは大阪市内の描写、見た目の比較から。何もアドオンを入れない場合と Shige 氏taku0707 氏それぞれの手によるフリーのシーナリーアドオン適用時、そして SamScene3D 「JAPAN OSAKA CITY WOW」を購入インストールした場合の4つについて、以下順に、北から大阪市内を通過していく過程のスクリーンキャプチャを載せます。

まずは、何もアドオンを入れない純正シーナリーのみの状態。この場合、地上オブジェクトは Bing 衛星航空写真からの自動生成となっています。

MSFS2020_202402_69noAddon2OsakaMSFS2020_202402_70noAddonYodogawa2Osaka(遠目にはそれっぽいが…)
MSFS2020_202402_71noAddonNakatsu(近づくと色々違うし無いし…)
MSFS2020_202402_72noAddonOsakaStation
MSFS2020_202402_73noAddonMinamiSenba(中之島を超えると寂しい風景)
MSFS2020_202402_74noAddonNoHalkus(ハルカスは影も形もなし)
MSFS2020_202402_75noAddonOsakaCity(天王寺付近から梅田方面を望む)


遠目に見れば(現実では超目立つ)ハルカスがないことを除けば、何となく大阪のビル群っぽくないこともないですが、近づけばビルの形状、色が全く違うし、そこそこ高いビルの数も全然足りていないことが分かります。

建築物生成の地図データーが10年前の 2014年ベースらしいので、ハルカスがギリ完成していなかったタイミングゆえに存在しないとしても、昔からある阪急グランドビル(阪急32番街)もないし、梅田スカイビルの独特な形状も無視されていれば、アプローズタワー(ホテル阪急インターナショナル)やドコモDTタワーなども無し。

実際の大阪も梅田界隈から南は高層ビルが多少減るとはいえ、いくら何でも中之島より南にビルが無さすぎ状態。上記画面キャプチャにはないものの大阪城も酷いものです。大阪市内から遠く外れますが、周辺部では太陽の塔すらありません…


そこで、PLATEAU 都市モデルを利用して純正シーナリーの悲惨な状態を改善してくれる Shige 氏の大阪シーナリー を適用すると以下のようになります。

MSFS2020_202402_76ShigeAddon2Osaka(遠目では変わらなく見えるものの…)
MSFS2020_202402_77ShigeAddonYodogawa2OsakaMSFS2020_202402_78ShigeAddon2Nakatsu(ある程度近づけばビル形状、色が再現)
MSFS2020_202402_79ShigeAddonHEPFIVE(HEP FIVE屋上観覧車も再現)
MSFS2020_202402_80ShigeAddonMinamiSenba(中之島より南の寂しさはアドオンなしと同じ)
MSFS2020_202402_81ShigeAddonNoHalkus(ハルカスがないことも同じ)


純正シーナリーの自動生成オブジェクトと比べると高層ビルの形状や色が現実に近づき、それぞれのビルがひと目で判別つくようになり、だいぶマシになります。遠目に見えていますが大阪城もちゃんと城になっていますし、画面キャプチャ外ですが京セラドームもちゃんと独特のドーム形状になっています。

基本的には大阪市内のシーナリーアドオンですが周辺部の一部ランドマークにも手が入っており、太陽の塔も追加されていますし、阪神高速のアドオンも別途用意されています。個人的には HEP FIVE の屋上観覧車も再現されているのがお気に入りです☺️

ただ、純正シーナリーで自動生成される高層ビルを対象に手を入れられているようで、純正シーナリーで自動生成されないビルについてはハルカス含めて存在しないままになっています。

ハルカスに関しては以下で紹介する taku0707 氏によって単体の Halkus アドオンとして提供されているので、それを併用することでハルカスは再現することができます。

大阪のシーナリーアドオンとしては軽い部類に属するので、この Shige 氏の大阪シーナリーtaku0707 氏のハルカスアドオンを併用して楽しむことが基本でした(過去形だけど JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンが重すぎるので戻すかも)。


次に、無償で提供されている大阪市内のシーナリーアドオンからもう一つ、Google マップのデーターを元にした taku0707 氏の OSAKA City Package アドオンを適用した状態が以下のとおり。

MSFS2020_202402_82taku0707Addon2Osaka
MSFS2020_202402_83taku0707AddonNakatsuMSFS2020_202402_84taku0707AddonUmekita(ビル数も多く再現され、形状もリアル)
MSFS2020_202402_85taku0707AddonUmedaSideWindow(梅田界隈のリアルな街並み)
MSFS2020_202402_86taku0707AddonNakanoshima(中之島以南のビルもある程度再現)
MSFS2020_202402_87taku0707AddonHalkus
MSFS2020_202402_88taku0707AddonHalkusSideWindow(ハルカスは独立アドオンにて)


taku0707 氏のアドオンは広域アドオン以外に、ハルカスだけでなく梅田スカイビルや京セラドームが単体アドオンとして提供されていますので、それらも併せて適用した状態で飛んでいます。

この taku0707 氏のアドオンは大阪キタエリア、梅田周辺が中心のアドオンですが(将来的にはミナミエリアも追加される可能性があるらしい)、中之島より南もビル数が少なめであるものの、前2つと比べるとちょこちょこビルが生えていて、遠目で見た感じの「らしさ」は増しています。何よりハルカスがあるとないとでは大違い。

色合いは Google マップベースのデーターらしい色調になっています。Shige 氏の大阪シーナリーや SamScene3D の JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンのようなハンドメイドで着色されたモノと、どちらが良いかは好みになるでしょうか。


そして最後に、SamScene3D の JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンをインストールした場合。

MSFS2020_202402_90OsakaWow2Osaka(大阪都心部のビル数は現実に近い)
MSFS2020_202402_92OsakaWowOverYodogawaMSFS2020_202402_93OsakaWowOverUmeda(ビルの形状、色も再現性高い)
MSFS2020_202402_94OsakaWowHEPFIVE(HEP FIVE屋上観覧車も再現☺️)
MSFS2020_202402_95OsakaWowOverHonmachi
MSFS2020_202402_96OsakaWowMinami2Halkus(中之島以南、本町〜ミナミのビル再現は本製品のみ)
MSFS2020_202402_97OsakaWowPassedKita(ミナミからキタを望む)
MSFS2020_202402_98OsakaWowHalkusSideWindow(ハルカスだけでなく周辺高層マンションも)


東京や名古屋でも作り込み度が高かった SamScene3D のアドオンでしたが、最新リリースの大阪シーナリー「JAPAN OSAKA CITY WOW」は(中心部だけだけど)ガッツリ作り込まれていて、有償だけある、金を出す価値のある内容になっています。

とにかく中心部で再現されているビル数の多さは圧倒的。高層ビルだけでなく中層程度のビルを作り込んでいて、特にフリーで提供されているシーナリーアドオンでは手が回っていない中之島以南、ミナミエリアのビル群がちゃんと多く再現されているのは素晴らしいですね。

大阪駅付近から中之島界隈の再現性は地元民ですら、おおっ!って感じですし、天王寺付近もハルカスだけでなく、あべのグラントゥールやシティタワーグラン天王寺といった高層マンションも再現されていて、リアル度が高く2千数百円が安く感じられるくらいです。

MSFS2020_202402_91OsakaWowYodogawa2Osaka


細かいことを言えば、梅田すぐ北側の淀川河川敷。他の3条件では純正シーナリーの地表面で緑いっぱいの河川敷になっていますが、「JAPAN OSAKA CITY WOW」だけは土色の河川敷になっています(特に手前側の右岸)。

これは茶色の河川敷が正解で、このあたりの淀川河川敷は現実には、野球やサッカーその他球技用の土のグラウンドが連続しています。何でもかんでも河川敷を緑にしてしまいがちな純正シーナリーの自動生成ミスですが、海外の野球やサッカーのグラウンドで土地面なんてことはなく、普通に芝生ですからねえ。仕方ない気がします。

また、この「JAPAN OSAKA CITY WOW」では外国人観光客に人気の道頓堀、新世界エリアの造り込みが激しく、グリコなど道頓堀界隈の看板やドン・キホーテ道頓堀店の観覧車なども再現されています。普通に飛んでいては見えませんけどね…😅

MSFS2020_202402_99OsakaWowShinsekai(新世界界隈)MSFS2020_202402_100OsakaWowOverEbisucho(恵美須町付近から繁華街を見下ろす)
MSFS2020_202402_132EveningOsaka_OsakaWow(四天王寺上空から難波・恵美須町・動物園界隈)
MSFS2020_202402_101OsakaWowOverTaishoKu(大正区上空からの景色もリアル)


とまぁ、大阪市中心部の造りは文句なし、でありますが、このクオリティだけでなく作られているエリアが本当に大阪市中心部のみで周辺のランドマークその他は全くの放置プレイ。そのため、周辺エリアはちょっと残念な感じになっていて、

飛んでいたらほぼ見えない道頓堀界隈の看板を細かく作り込むくらいなら、もうちょっと中心部以外も作り込んでくれよ…お値段が倍でも良いから…


という不満は正直あります(↓)。

MSFS2020_202402_102OsakaWowHigashiOsaka(上本町駅より東側は何もなし)
MSFS2020_202402_105OsakaWowExpoCity(太陽の塔もOSAKA WHEELもなし)
MSFS2020_202402_103OsakaWowOsakaCastle(城はあるが、いささか酷い大阪城公園)
MSFS2020_202402_104OsakaWowOsakaPort(天保山は何もないし阪神高速は全然ちゃうで…)


大阪市中心部の造り込みが素晴らしいだけに周辺部の何もない感じとの差が激しくなって、落差が大きい分だけ微妙な気持ちになってしまいます。特に弁天町の高層マンションまで作り込みながら、なぜ大阪港界隈、天保山の観覧車や海遊館がないのか基準が不可解です。

ちなみに阪神高速に関しては Shige 氏の大阪シーナリーの追加オブジェクトとして阪神高速のアドオンが用意されており、 Shige 氏の大阪シーナリーとともに使った場合は以下のように真っ当な大阪港界隈になります。

MSFS2020_202401_16OsakaPortMSFS2020_202401_18USJandAround

天保山の観覧車もあり、阪神高速湾岸線もきちんと淀川を渡って神戸方面へ伸びています。「JAPAN OSAKA CITY WOW」では阪神高速が此花大橋から舞洲へと繋がる道へ曲がってしまっていますので、大阪民としては違和感大有りです。

ま、Shige 氏の大阪シーナリー+阪神高速アドオンでも阪神高速湾岸線と淀川左岸線〜此花大橋方面とのジャンクションである北港 JCT がきちんと再現されていませんが、湾岸線が淀川の先へと伸びていることの改善に比べれば些細なものです。

関係ないですが、上記画面キャプチャの USJ が作り込まれているのは、上記で紹介した taku0707 氏が提供してくれている Universal Studios Japan アドオンを利用しています(↓)。

MSFS2020_202401_17FlyOverUSJ


さて、ここまでは見た目の比較でしたが、当然ながら

作り込まれて再現性が高まるほど
マシンへの負荷も高くなる


と想定されます。ので、ここからは上記で紹介した大阪市内のシーナリーアドオンなし純正のみ環境と3種類のシーナリーアドオンを追加した時のフレームレート/スタッタリング比較を示しておきます。

寝る前とかに、ほんの少しだけ MSFS で気分転換フライトをプレイしよう、と思った時に幾つか定番にしているコースがあるのですが、その一つとして大阪伊丹空港から大阪市内を超えて八尾空港までのショートフライトをプロペラ機で行うこともあります。

今回はセスナ 208 B 大阪伊丹空港 RWY 14R から真っ直ぐ離陸し、大阪市中心部を高層ビル群のすぐ上 (高度 1,000ft ≒ 300m 前後)でフライトしながら八尾空港 RWY09 へ降りていく過程を計測しています。

本来ならリプレイで全く同じ挙動で比較しないと意味がないのですが、諸々の関係上、その都度プレイし直していますので、あくまで参考程度、大まかな傾向として見てください。梅田界隈〜天王寺付近の大阪中心部はグラフの 100〜350秒あたりの区間となります。

MSFS2020_202402_40CFX_ITM2YAO_withoutAddonMSFS2020_202402_41CFX_ITM2YAO_withoutAddon_Sensor(アドオンなし自動生成のみ)
MSFS2020_202402_42CFX_ITM2YAO_ShigeAddonMSFS2020_202402_43CFX_ITM2YAO_ShigeAddon_Sensor(Shige 氏の大阪シーナリー適用時)
MSFS2020_202402_44CFX_ITM2YAO_taku0707AddonMSFS2020_202402_45CFX_ITM2YAO_taku0707Addon_Sensor(taku0707 氏の OSAKA City Package 適用時)
MSFS2020_202402_46CFX_ITM2YAO_SamScene3DAddonMSFS2020_202402_47CFX_ITM2YAO_SamScene3DAddon_Sensor(JAPAN OSAKA CITY WOW適用時)


シーナリーアドオンなしと無料シーナリーアドオン2種類については平均 FPS や 0.1% Low Average などボトムの数値、スタッタリング比率も大差なく、完全に同一なフライトでないことを考えれば、ほぼ誤差の範囲と言っても良いかと思います(taku0707 氏のアドオンは大阪市内でフレームレートの変動が激しめですけど)。

シーナリーアドオンなしでは地上オブジェクトは自動生成になる大阪エリアですが、先の画面キャプチャでも示したように自動生成でも大阪市内はそれなりに高層ビルなどのオブジェクトが多いため、シーナリーアドオンなしでもそれなりに負荷は高めです。このあたりは第1回目の記事の最後の方で触れたとおり。

それに比べると JAPAN OSAKA CITY WOW アドオン適用時は、明確にフレームレートが下がっているのが判ると思います。スタッタリングや Low FPS の比率も高くなっています。

JAPAN OSAKA CITY WOW アドオン適用時の平均 53.2 fps は決して悪い数字ではないのですが、0.1% Low Average が一桁、P0.1 も 15 fps 未満というのは割とフレームレートの低い瞬間が頻発していて、見た目最優先派の私もちょっとストレスが溜まる状況。

視点変更や旋回などをせず、高層ビル群の上を真っ直ぐ飛ぶだけでも描写、動きがギクシャク気味なレベルなので、せっかく作り込まれた大阪市内を飛びたいけれど、最高画質ベースでは無理がありすぎる印象です。

MSFS2020_202401_91OsakaCityWowDistantView


また、明らかに VRAM 不足、描写が間に合わない状況が多発し、上記画面キャプチャのように広大な草地、地上オブジェクトがほとんど描かれないエリア(上記例では空港の向こうから淀川まで)が発生しがちで、こうなると「見た目重視派」としても少々興醒めです。

本機における実際のプレイ体感としては ULTRA 画質プリセットベースだと、真っ直ぐ&軽く方向修正程度で飛ぶなら(私のような見た目重視ならば)ギリギリ許容できても、せっかく綺麗に再現された大阪市中心部の上を超低空飛行でストレスなく飛び回る、のは無理です。

MSFS2020_202402_133OsakaFromAmagasaki_OsakaWow


とまぁ、「挙動のスムースさより見た目最重視」派の私でも、本機のような RTX 4060 Laptop 搭載廉価ゲーミングノートPC では JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンを入れて最高画質ベースで飛ぶのは厳しいことは理解せざるを得ません。

ということで、もう一つ。

激重OSAKA CITY WOWアドオンを
ULTRA & HIGH END画質で挙動比較


してみることにして、生駒山から伊丹空港への ILS 着陸でフレームレートなどを計測比較してみました。

IKOMA ポイントを過ぎたあたりから伊丹空港 RWY32L へ ILS に乗ってオートパイロットにて着陸する過程、飛行機で伊丹空港へ来る際にA席(左側窓席)ならば、機窓で大阪市中心部や大阪湾が見えて景色が楽しめる、夜なら大阪平野〜大阪市街の夜景を見ながらの絶景着陸になる、以下のような景色が見られるルートで試しました。

MSFS2020_202402_124RJOOAppOsaka_ShigeAddon(Shige 氏の大阪シーナリー適用時)
MSFS2020_202402_129RJOOAppOsaka_OsakaWow(JAPAN OSAKA CITY WOW適用時)


ILS に乗ってオートパイロットに任せてのフライトで、視点はコクピット視点を斜め左側へ向かせて大阪市街を見ながら降下し、淀川を渡ってからは視点を正面に戻して着陸までを、以下の3条件について CapFrameX にてフレームレート計測しています。
  1. Shige 氏の大阪シーナリーを適用して ULTRA 画質プリセット
  2. JAPAN OSAKA CITY WOW アドオン適用時 ULTRA 画質プリセット
  3. JAPAN OSAKA CITY WOW アドオン適用時 HIGH END 画質プリセット

MSFS2020_202402_110CFX_RJOOApp_ShigeAddonMSFS2020_202402_111CFX_RJOOApp_ShigeAddon_Sensor(Shige 氏の大阪シーナリー適用 ULTRA プリセット)
MSFS2020_202402_151CFX_RJOOapp_OsakaWowMSFS2020_202402_152CFX_RJOOapp_OsakaWow_Sensor(OSAKA CITY WOW適用 ULTRA画質プリセット)
MSFS2020_202402_155CFX_RJOOapp_OsakaWowHIGHMSFS2020_202402_156CFX_RJOOapp_OsakaWowHIGH_Sensor(OSAKA CITY WOW適用 HIGHEND画質プリセット)


アドオンが大きく影響する大阪市中心部が最接近するのはグラフの 30秒付近〜180秒付近で、後半は伊丹空港への着陸シーンになります。

JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンと比べると負荷の軽い Shige 氏の大阪シーナリー適用時は平均 FPS が高く、またフレームレートが低下するのはアドオンの影響が強い大阪市内付近より着陸直前の低高度になってから、ということがグラフから判ります。

それに比べると JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンを適用して最高画質 ULTRA プリセットで飛ぶと、平均 FPS が大きく下がるだけでなく、フレームレートの推移を見ると着陸直前の低高度になるより前、大阪市内に近いあたりで平均値よりずっと下回る状況が続いているのが判ります。

大阪市内からある程度距離があり、ILS にのってオートパイロットにしたまま真っ直ぐ空港へ向かっているだけなのに結構高い負荷が続き、(視点変更などもしていないのに)断続的にフレームレートが落ち込み、スタッタリングの発生がグラフからも窺えると思います。

そして JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンを適用しながら画質を1段階下げて HIGH END プリセットで飛んだ場合はフレームレートは平均、最低値とも一気に改善し、スタッタリングもほぼ起きないレベル。

グラフ上では1箇所だけ謎の落ち込みがあるものの、大阪市内を通るところまでは平均フレームレート以上で推移し、着陸直前の低高度になってから平均以下のフレームレートに下がる、という Shige 氏の大阪シーナリーと同じ傾向で、大阪市内のアドオンの負荷が十分下がっていることが判ります。

MSFS2020_202402_128RJOOAppOsakaAll_OsakaWow(ULTRA)
MSFS2020_202402_134RJOOAppOsakaAll_OsakaWow.HighEnd(HIGH END)

MSFS2020_202402_130RJOOAppKita_OsakaWow(ULTRA)
MSFS2020_202402_136RJOOAppKita_OsakaWow.HighEnd(HIGH END)


上記は JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンを適用して ULTRA 画質プリセットで飛んだ場合と HIGH END 画質プリセットで飛んだ場合の見た目(画面キャプチャ)比較です。

伊丹空港へのアプローチ上からの遠目ということもあって、この距離で地上オブジェクトの見た目の差は小さく、こういう場合なら見た目重視の私も HIGH END でスムースに飛ぶことで全く問題ない、って感じです。雲の表情や空気感は若干変わりますが、全く許容範囲。

むしろ、なぜか HIGH END 画質に落として飛ぶ方が地上の遠い部分の草地化面積が広くなり、

本機のような廉価ゲーミングノートPC で高画質設定にてプレイする時は、遠め地上の草地化現象が一番萎えるよなぁ


という思い、そしてハイパワーなゲーミング PC が欲しくなる一瞬でもあります。

MSFS2020_202402_146RJOOappOsakaWOW_GrasslandizedGround1MSFS2020_202402_148RJOOappOsakaWOW_GrasslandizedGround3(近づくと草地が描画される毎度の現象)


とまぁ、今回もダラダラと検証にもならない適当比較をやってきましたが、とにかく

見た目最重視派の私でも JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンを入れての最高画質ベースは本機では無理

という結論に達しました。

高負荷すぎてフレームレート低下やスタッタリング頻度の高さも問題ですが、先にも書いたように

OSAKA CITY WOW アドオン+最高画質設定で無理やり飛んでいると、ちょくちょくアプリが落ちる/フリーズする

ことを経験しており、グラフィックドライバのエラーダイアログを何度も見ています。

MSFS2020_202402_24StopAndError


ちょっとやそっとのフレームレート低下やスタッタリングがあっても、できるだけ高画質で飛びたい、と思う私でも

RTX 4060 クラスで JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンを ULTRA プリセット画質で飛ばすのは無理があるよなぁ


と諦めざるを得ません。

ただ、 設定を変えつつ JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンを何度か外したりインストールし直したりした中で、上記の CapFrameX 計測結果でも示したとおり、

アドオンを外す/軽いものに変えるより
画質を1段階落とした方が効果絶大


ということが判りましたので、せっかく買った JAPAN OSAKA CITY WOW アドオンをアンインストールすることはなく、このエリアを飛ばすときは画質設定を ULTRA → HIGH END に落としてプレイすることにしています。

MSFS2020_202402_138NightOsakaSideWindow_OsakaWowMSFS2020_202402_139NightShinsekai_OsakaWow(OSAKA CITY WOWアドオン適用時の夜景)


結局のところ、前々回記事で書いたように、

最高画質で厳しいシーナリー/状況でも
画質1段階下げればかなり快適


であり、見た目最重視派としても、本機のような廉価ゲーミングノートPC を使っている限りは適宜妥協していくべきだという当たり前の結論でありました。

とはいえ、今回のテーマである

「昨夏のセールにて十万円台半ばで買った Core i7-12700H & GeForce RTX 4060 Laptop の廉価ゲーミングノートPC で、MSFS をどれくらいプレイできるのか?それも外部 WQHD ディスプレイで」

これへの個人的な結論は、
  • 高高度や山間地、田園地帯、地方都市なら本機で最高画質 ULTRA プリセットベースでも問題なし

  • 負荷の高い高層ビル群の影響が出る大都市近郊は ULTRA 画質でも概ねイケるけど条件により妥協あり

  • 手の入った細密化された観光地、観光都市は ULTRA 画質だと妥協込みでイケることもあるが、厳しいことも

  • 高層ビルの林立する大都市中心部は、広い心を持って挙動に妥協しつつ遊覧飛行なら悪くない

  • 観光地、大都市など詳細細密化されたエリア、負荷の高いシーナリーアドオンを使う場合も HIGH END 画質に1段階落とせば意外とスムース

といったところでしょうか。ULTRA 画質で頑張れるエリア、フレームレートが確保できるエリアも多いですが、1段階画質を妥協すれば負荷の高いエリアも割と快適に飛べる印象です。

ただ、何度も書いてきたように
  • 視点変更時には瞬間的なフレームレート大幅低下、スタッタリングが発生(スクリーンショットを撮る瞬間も)

  • 細密化されたエリアやシーナリーアドオンを追加したエリアおよび周辺で超低空飛行やアクロバティックなフライトをするのは厳しい

  • 中景あたりの地上オブジェクトが描画しきれず草地状態になることが多い

この3点だけでは Core i7-12700H & GeForce RTX 4060 Laptop という本機レベルの廉価ゲーミング PC では妥協せざるを得ません。が、私としてはこれくらいは十分妥協できるし、十万円台半ばで購入してここまでできれば御の字であります。

MSFS2020_202401_33TripleDisplayNY


ということで、MSFS の通常プレイに関してはひとまず(ようやく)これで終わり。残りは
  • 内蔵ディスプレイまたはiPadを利用した2〜3画面マルチディスプレイ環境でのプレイ

  • meta Quest 2 を使った VR プレイ

  • について軽く触れておきます。というか、元々この2点をこんな廉価ゲーミングノートPC でプレイしたらどうなるか?について軽く書くだけだったはずなんですけどねえ…😩

    (続き)→ RTX 4060な廉価ノートPCでMSFS 2020がどれくらいプレイできるか?って話【5】〜無理やりマルチディスプレイお試し編