前回記事では、1ヶ月少々 ASUS ROG Ally を使いながら諸々メモしていた内容をもとに、ROG Ally に感じたこと、良かったこと悪かったこと、残念な点などを以下、
に分けて箇条書きにまとめて記す予定だったのですが、あまりにも長くなってしまいましたので、最初の3項目「ROG Ally 全般的印象編」「使い勝手、操作性編」「ネガティブなことを言われがちな仕様編」だけをまず記して、今回は残りの「ゲームプレイ編と「老眼er とゲーミング UMPC 編」となります。
■ ゲーミングUMPC「ASUS ROG Ally」購入から1ヶ月【前編】 〜老眼erでもうUMPCは無理と思いつつ買ってしまった3つの理由
■ ASUS ROG Ally の microSD カードスロット熱的不具合問題 〜当方も経験済み
■ ゲーミングUMPC「ASUS ROG Ally」購入から1ヶ月【後編の前編】 〜割り切って割り切って、だけど悪くない
元々「ゲームプレイ編」は適当に雑感だけ書いてお茶を濁すだけ、ベンチマーク結果やプレイ動画その他は発売前から山ほどあるので今さら書く必要もない、Microsoft Flight Simulator 2020 だけ少し詳しめに書いて終わり、にするつもりだったのですが、結構アレコレ書いてしまったので超長くなって記事を前後編に分割する羽目になりました。
といっても、当方もはや、ライトゲーマー、ヌルゲーマーどころか、雰囲気組でしかないので、しっかりとしたプレイアブルレベルを評価する能力はありません。予めご了承ください。
とまぁ、やたら長くなりましたが、こんなところでしょうか。
とにかく「割り切り」という言葉を多用せざるを得ないのが、ゲーミング UMPC であり、ROG Ally もそうなのですが、逆に
というところはあろうかと思います。
普通にゲーミング PC、ゲーミングノートPC を買おうとすると、どうしても「あとちょっと足せば…」で切りがなくなりますし、予算その他の理由で、ある程度のところで割り切ったとしても、その先があるだけに割り切った後のモヤモヤ感は残ります。特に MSFS は求め始めるとハイエンドまで切りがありません。
が、ゲーミング UMPC の場合は、このスタイル、このサイズ、重量感で実現できる性能というのは世代毎に明確な限界があって、それ以上を望むことができません。割り切って買った先には(ゲーミング UMPC である限り)次世代まで何もない、そういう潔さというか、しっかり割り切った感があって、気持ち的にも楽です。
それでいて、10万円ちょいのポータブル機でここまでできるなら上出来では?と思えることができたのも大きな収穫、理解で、買ってみて良かったと思っています。
また、ゲーミング PC が欲しいと思っても個人的にずっと大きな抵抗要素になっていた、
これらの点を気にしなくて済む、プレイ環境の自由度の高さから遊ぶ、手にする時間が多くできるという点でも満足しています。先にも書きましたが、据え置きっぽく使う場合も場所を取らない、置き場所を考えなくて済むのは(狭い部屋に置くには)とても良いです。
繰り返しになりますが、
と、プレイスタイルを自由に変えられるのは自分に合っているかな、と知ることもできました。
メイン環境の Mac もデスクトップ機とノートの併用を廃してノートに一本化、自宅では外部ディスプレイと外部キーボード/トラックパッドに繋いで完全にデスクトップ代わりとしつつ、そのまま外へ持ち出して作業継続、外で行った作業を自宅でも移行措置なしに継続、というスタイルに慣れ、もはや変えたくもないほど気に入っていますが、ゲーミング PC もそのスタイルの方が自分に合っているようです。
前述の SDカードスロット問題もあって、ROG Ally お勧め!とは言いかねる状況ではありますが、最新世代の性能を有しながら、お値段は従来同種製品と比べて比較的リーズナブルですから、
というのが、この1ヶ月半の結論です。
日進月歩の世界ですし、本体とゲームパッドが一体化しているという特性から、長く使えるマシンかと言えば微妙なところもあるでしょうが、まずは自分の Windows ゲーム機一歩目としてはちょうど良かった、買って良かったですね。
- ROG Ally 全般的印象編
- 使い勝手、操作性編
- ネガティブなことを言われがちな仕様編
- ゲームプレイ編
- 老眼er とゲーミング UMPC 編
に分けて箇条書きにまとめて記す予定だったのですが、あまりにも長くなってしまいましたので、最初の3項目「ROG Ally 全般的印象編」「使い勝手、操作性編」「ネガティブなことを言われがちな仕様編」だけをまず記して、今回は残りの「ゲームプレイ編と「老眼er とゲーミング UMPC 編」となります。
■ ゲーミングUMPC「ASUS ROG Ally」購入から1ヶ月【前編】 〜老眼erでもうUMPCは無理と思いつつ買ってしまった3つの理由
■ ASUS ROG Ally の microSD カードスロット熱的不具合問題 〜当方も経験済み
■ ゲーミングUMPC「ASUS ROG Ally」購入から1ヶ月【後編の前編】 〜割り切って割り切って、だけど悪くない
元々「ゲームプレイ編」は適当に雑感だけ書いてお茶を濁すだけ、ベンチマーク結果やプレイ動画その他は発売前から山ほどあるので今さら書く必要もない、Microsoft Flight Simulator 2020 だけ少し詳しめに書いて終わり、にするつもりだったのですが、結構アレコレ書いてしまったので超長くなって記事を前後編に分割する羽目になりました。
といっても、当方もはや、ライトゲーマー、ヌルゲーマーどころか、雰囲気組でしかないので、しっかりとしたプレイアブルレベルを評価する能力はありません。予めご了承ください。
- 【4-A】ゲームプレイ編 〜総論
- ベンチマークテストの類いは発売前から山ほど記事や動画が上がっていますので、今さらで繰り返すのも意味がないので他を当たってください。
- と言いながら、以前自分で試し測定したものをちょっとだけ載せますが、基本的にはごく個人的な印象をつらつらと。
- 先にも書いたように今やヌルゲーマーとすら言えない雰囲気組レベルの私ですから、「興味あるゲームをちょっと楽しめるかどうか」レベルの評価であることは、どうぞご留意ください。
- 全体的な印象としては、ソロゲーなら「サイバーパンク 2077」クラスやそれ以上の激重ゲームでなければ、最低クラスの画質にしなくても程々のプレイは可能かな?という印象。雰囲気組のプレー的には、激重クラスのゲーム以外はまずまず遊べるんでは?って感じ。
- ただ、協力プレーで処理落ちが他人に迷惑がかかるような FPS/TPS はタイトルを選ぶでしょうし、タイムアタックの類はもちろん、一定以上のプレイヤーが本気でアクションゲーム攻略をこなすには程遠いデバイスであることは言うまでもなく。逆に言えば、私みたいな雰囲気組がライトにプレイする、雰囲気を味わう程度のプレイなら割とイケる印象です。
- RPG、シミュレーション系はポータブルデバイスの特性を活かせるのでピッタリですが、「それならニンテンドースイッチで良いんじゃね?」という話にもなりがち(ポータブルと据え置きの併用という点でも)なので、その点はあまり強く出せる感じではないですね。
- ニンテンドースイッチよりは高解像度で綺麗なグラフィックをポータブルで楽しめるから、Windows でしかないタイトル、絶対任天堂では出せないタイトルもプレイできるから、というのが自分への言い訳になる(最後のはまぁある)。
- また、Cities(都市シミュレーター、現代の SimCity)は「ROG Ally なら寝ながらプレイもできるしちょうど良い」と思っていたのですが、ジョイスティックでの操作が微妙なため(ジョイスティックの軽さも相まって)ひとまず断念。Cities はマウスでやるべきでしたわ…(元々 Mac 版として買ったのですが、今の MacBook Pro だと落ちることが多くて😰)
- Steam や Xbox Game Pass 以外でのゲーム、特に古めのタイトルをダメ元でもインストールできるのは、やっぱり Windows 機のメリット(何が、とは言えないけど💦)。
- ROG Ally 購入で Xbox Game Pass Ultimate が3ヶ月無料なのは有り難かった。Xbox Game Pass は初めてだから初心者には嬉しいオマケ。多分お金払ってまで継続しないけど、それまで色々試せるのは良いですね。
- Xbox Game Pass と Steam に同じゲームタイトルがあったので試してみたところ、Xbox の方はユーザーの手を入れなくても最初から日本語化されているとか、インストール時から日本語だとか、やっぱりコンシューマー機前提だから、そのあたりはしっかりローカライズされているなぁ、という印象(Game Pass は諸々制限もあるけど)。
- ただまぁ、前回記事までに書いたとおり、内蔵ストレージが 512GB しかなく、SDカードスロットの使用も事実上不可能となればインストールできるゲームタイトルにも限りがあるので、色々試すといってもつまみ食い程度…orz
- MSFS だけでなく DCS World もプレイしてみたいが、ストレージの関係上諦め。MSFS もワールドアップデートなどコアコンテンツ以外の追加は、ちまちまと。
- 内蔵ストレージ交換用の 1TB SSD は購入したものの、前回記事にも書いたとおり、諸々考えて ROG Ally には必要以上に投資せず、有りのままでできる範囲で楽しむ方向に変えたので、購入した SSD は知人に譲って内蔵ストレージの増量はせず。
- 【4-B】FORZAとサイパンを例に適当ベンチを出しつつ自分的設定編
- 以下、参考になるかどうか分かりませんが、購入当初に試し録りしたベンチマークとかプレイした感想を、適当に少々。
- [追記]初出時にうっかり書き忘れましたが、以下全てのベンチマーク結果は全て 25W ターボモード AC 接続時で計測しています。
- まず、負荷やや高めの「FORZA Horizon 5」のベンチマークを、解像度とグラフィックプリセットの画質プリセット設定を変えながらテストしたものを(↓)以下に並べておきます(以下の画像は全てクリックで拡大表示)。
(FHD 1080p、画質:中)
(FHD 1080p、画質:高)
(HD 720p、画質:中)
(HD 720p、画質:高) - 1080p フルHD の画質:中で平均 60fps、最低値も 56 fps 出ているので、雰囲気勢としてはそれで悪くないと思って私は FHD、画質:中でプレイしています。
- 本体の7インチディスプレイでプレイしていると FHD、画質:中の設定で十分綺麗だし、本体画面では中と高との画質差をあまり感じないこと、720p HD に解像度を落としても大きくフレームレートが上がるわけでもないことが理由。
- FHD、画質:エクストリームの設定はメモリ不足が顕著なので ROG Ally だと快適にプレイできると言えませんが、巷のベンチマークテスト比較で使われいる設定なので計測しました(↓)。
(FHD 1080p、画質:エクストリーム) - FHD、エクストリーム設定の計測結果を巷のベンチマーク結果と比較してみると、(今でも最廉価ゲーミング GPU として使われる)GTX 1650 と同じか若干上程度、GTX1650Ti や 1660、RTX 20 世代のローエンドにも遠く届かないレベルですね。
- 次に、高負荷、激重タイトルとして有名な「Cyber Punk 2077」のベンチマーク結果を、FHD/HD 解像度と画質プリセット3設定をそれぞれ試した結果を(↓)以下に載せておきます(以下の画像は全てクリックで拡大表示)。
(FHD 1080p、画質:高)
(FHD 1080p、画質:中)
(FHD 1080p、画質:低)
(HD 720p、画質:高)
(HD 720p、画質:中)
(HD 720p、画質:低) - FHD 1080p だと画質を下げても平均 40〜45fps くらいで、オフラインのソロゲーとしてもやや厳しめ。何より最低 FPS が一桁、実際プレイしていてもカクカクになる場面があります。
- HD 720p に解像度を落とせば、画質:低または中で平均 60fps 前後を確保できるのでまずまずですが、やはり最低 FPS がかなり低く、プレイ中にスムーズさを欠くシーンがあります。
- HD 720p に解像度を落としても ROG Ally 本体画面でのプレイでは描写の粗さはさほど感じないのですが、文字は結構読みにくくなります。老眼er には特にキツい。ので、私も一時期はスムースなプレイには仕方ない、と割り切って HD 720p に解像度を落としていたのですが、今は FHD 1080p に戻してまったりプレイしています(理由は後述)。
- 発売前のレビューで画質設定を下げれば結構遊べる的なレビューを複数見たのですが、この最低 FPS の低さ、実プレイでシーンによってカクツキが酷いことを考えると、「ROG Ally でサイパンは無理!」と判断する人も少なくないでしょうし、当方みたいな雰囲気組の適当お気楽プレイとしてもギリギリ何とか、って感じですね。
- という判断だったのですが、最低 FPS の低さは ROG Ally の BIOS で VRAM 割り当てを変更することで大きく改善することが判りました。それについては後ほど。
- 現状、私が ROG Ally で「サイバーパンク 2077」をプレイする時の設定は、BIOS で ROG Ally の VRAM を 8GB 割り当てにした上で FHD 1080p、画質プリセット:中としてます。
- ただ、サイバーパンクは有料追加シナリオ実装に伴って、最低動作環境が 720p から 1080p へ底上げのリリースもあったので、今後さらに厳しくなるのかもしれません。
- なお、巷のベンチマークテスト比較ではサイバーパンク 2077 の場合、画質プリセット:ウルトラもしくはレイトレーシング:ウルトラで計測するのが一般的ですので、一応それらも計測したので掲載しておきます。
(FHD 1080p、画質:ウルトラ)
(FHD 1080p、画質:レイトレーシング・ウルトラ) - レイトレーシング・ウルトラ設定のベンチマークは、途中でよく落ちなかったな、というくらいの動作でした😅あとこちらも VRAM 8GB 割り当てで最低 FPS は改善します(後述)。
- 【4-C】ROG Ally で MSFS 2020 編
- 自分が一番好きでプレイ時間も多い Microsoft Flight Simulator 2020(以下 MSFS)についてですが、ROG Ally でのプレイ評価記事があまり見当たらないので、少し細かく(長く)書き連ねておきます。
- 激重(GPU だけでなく CPU 酷使)で有名な MSFS ですから、FHD 1080p でプレイする場合は4段階の画質プリセット(ローエンド、ミドル、ハイエンド、ウルトラ)のうちローエンドでやるしかない、と思っていましたが、MSFS の初期推奨設定は FHD でミドル (MEDIUM) でした。
- 実際に私自身も、場所によってフレームレート低下はあるものの、ROG Ally では基本的に FHD、画質プリセット:ミドルで MSFS をプレイしています。
- ROG Ally でも 3Dオブジェクトの多くない一般エリアを飛行中は FHD、画質ミドル設定でも概ね 30fps 前後かそれ以上出て、操作遅延もあまり感じることなく、まずまず快適にプレイできます。
- ただ、「コアコンテンツで最も詳細な都市であるニューヨーク」「ワールドアップデート日本適用後の東京都心部」といった詳細表現化されたエリア、3Dオブジェクト満載なエリアは、プロペラ機で飛ぶ場合でも平均 30fps を切って 20fps台半ば〜後半といったフレームレートになりがち、さらに一瞬フレームレートが落ちる場合もある、という状況です(具体的な計測値は後述)。
(こういうシーンでは20fps台後半) - ROG Ally で MSFS をまずまず実用的にプレイできると判断するかどうかは、画質ミドル設定でも 3Dオブジェクトの多い都市部では平均 25fps 前後になったり一瞬カクツクことがある点を許容できるかどうか、になると思います。そこは人それぞれ。
(詳細エリアで平均20fps台後半出れば私は満足だが) - 「風景眺めゲー」の MSFS だけど、ROG Ally 本体の小さな 7インチディスプレイで楽しむかぎり、FHD、画質ミドルでもそう不満は感じられない(上位画質設定と比べれば差はあるにしても)。
(雲の表現は画質設定で大きく変わるが、ミドルでもまずまず?) - 画質設定もミドルなら「風景眺めゲー」としてもまぁまぁ観られるし、3D オブジェクト少なめのエリアだと概ね快適に飛べるし、詳細エリアの都市部でも遊覧飛行程度の操縦に問題になるほどコマ落ちしないので、その用途なら(割り切って)楽しめる、というのが私の印象(画質ローエンドはミドルとの落差が激しくて哀しくなるので使いたくない)。
- ただし、画質ミドルでもメモリ不足まくりで遠景どころか中景あたりから地表を描ききれないのはよく見られる。特にオブジェクト多数のMODを入れると顕著になる。これだけは割と辛い。
(23区北部は池袋付近の高層ビルだけあって周りは更地状態…)
(遠く大阪市内は梅田のビル群のみであとは単なる平野) - この点だけに目をつぶれば、大規模な MOD、アドオンシーナリーを使わずにセスナやビジネスジェットで遊覧飛行を楽しむ程度なら ROG Ally で MSFS も意外と悪くない、というのが個人的結論。
(ナポリ遊覧飛行で24〜30fpsくらい) - ただし、徹底的に現実の風景に近づけた詳細な追加シーナリー、3Dオブジェクトを多数追加する MOD などを入れるとフレームレートが平均 20 fps 前後になることもあり、操作レスポンスの遅延も多くなって繊細な操縦は難しくなるため、MSFS を ROG Ally でプレイする限りは「景色を綺麗にするアドオンか、真っ当な操作レスポンスか、いずれかを諦めることが必要」です。
(SHIGE氏の東京シーナリー追加で都心は19〜24fps)
(同じくSHIGE氏の神戸追加、綺麗だが20fps台前半に) - とはいえ、MSFS がそこそこ綺麗な画質で、どこでもポータブル機でプレイできる、というのはマジで隔世の感を感じるし、MSFS をポータブルゲーム機でやろうとすると Windows のゲーミング UMPC しかないので、それだけでも ROG Ally を買った甲斐があった感。
- 「MSFS をシミュレーターとして現実どおりキッチリ操作したい人」には全く厳しいレベルだと思うが、そもそもキーボードや操縦系周辺機器がないと多数の計器スイッチに対応するキーの数が全く足りないため、その方向で使うのは最初から論外。
- というわけで、ROG Ally にて MSFS におけるフレームレート簡易測定例として、3D オブジェクト多めの東京都心部を飛行した時の結果を以下に載せます。
FHD、画質プリセット:ミドル、ディスカバリーフライト:東京を使用、スタートから AI 操縦で真っ直ぐ飛ぶ状態で2分間のフレームレートを CapFrameX で測定しました(以下の画像は全てクリックで拡大表示)。
(設定の一部)
(朝焼けのレインボーブリッジ手前からスタート)
(陰になって判りづらいが、浜離宮、築地付近)
(判りづらいが、八重洲のビル群上空を飛行中)
(2分間のFPS計測値グラフ) - 上記結果を見ると最初の方が低めではあるものの、全体平均は 29.4 fps、上位 95% は平均 37fps、下位 5% が平均 24 fps、最低値は 15 fps 程度で、たまに 20fps を割り込む瞬間はあるものの、真っ直ぐ遊覧飛行で飛ぶ分には東京都心部でもまずまずと言えます(あくまで参考値)。
- もう一つ、コアコンテンツでは最も重いと言われるニューヨーク・マンハッタンを。
こちらも FHD、画質プリセット:ミドル、ディスカバリーフライト:ニューヨークを使用、スタートから AI 操縦で真っ直ぐ飛ぶ状態で2分間のフレームレートを CapFrameX で測定しました(以下の画像は全てクリックで拡大表示)。
(セントラルパーク上空からスタート)
(このフライトでAIを使うと何故か途中で失速がちに)
(エンパイヤステートビルを過ぎたあたりまで)
(2分間のFPS計測値グラフ) - こちらもやはり前半が低めで(遠景に多数の3Dオブジェクトが多いため)、またディスカバリーフライト東京で計測した時より悪化し、平均 26.4 fps、上位 95%が平均 34 fps、下位5% が 21fps、最低値も 12fps と結構厳しくなります。
- 先にも書いたように、詳細なシーナリーでこれくらいまで落ちることを許容できるかどうかが、評価の分かれ目だと思います。有料無料問わず、追加 MOD、アドオンで風景を詳細なもの、綺麗にしたくなるのは人の性なので、そこを ROG Ally で、ゲーミング UMPC で、どこまで割り切れるか、ですね。
- 個人的には、上記ニューヨークの重さくらいなら許容範囲。お気楽遊覧フライトなら十分ストレスを感じずにフライトできるので、「風景楽しみゲー」としての MSFS としては悪くないと思ってます(が、こればっかりは人それぞれ)。
- 【4-D】VRAM を 8GB に増量割り当ててみた編
- MSFS 2020 の CapFrameX 測定結果を見ていて(本来爆食いのはずの)メインメモリの使用量がそうでもなく、逆に(ROG Ally デフォルトでは)4GB 割り当ての VRAM がカツカツになっていることで、
「BIOS でメインメモリ(16GB)からの VRAM 割り当てを 4GB → 8GB にすればフレームレートが多少改善するかも?」
と考えて試してみました。 - MSFS 2020 だけでなく、「サイバーパンク2077」のベンチマーク結果でも平均 FPS は画質プリセット設定に応じて上下するものの、最低 FPS がどうにも低すぎる(一桁)のは実プレイ時の挙動を見ても VRAM 少なすぎ問題だろうということで、VRAM に 8GB 割り当て変更してからこの両者のベンチマークを録り直してみました。
- 結論から言うと、MSFS 2020 は VRAM 4→8GB 割り当て直しの恩恵は殆どないが、サイバーパンク2077 の最低 FPS の改善には顕著な効果がありました。サイバーパンク2077 はプレイ時のスムースさも体感で多少上がったと感じるほど。
- まず、MSFS 2020 を先ほどと同じく、「FHD、画質プリセット:ミドル、ディスカバリーフライト:東京およびニューヨークで、スタートから AI 操縦で真っ直ぐ飛ぶ状態で2分間のフレームレートを CapFrameX で測定」してみました。
(ディスカバリーフライト:東京)
(ディスカバリーフライト:NY) - VRAM 割り当て 4GB と 8GB、それぞれのテスト結果を以下、表にしてみます。
東京 VRAM 4GB VRAM 8GB P95 37.1 35.4 平均 29.4 28
P5 24.2 22.5 0.1% LOW 14.7 14.2
ニューヨーク VRAM 4GB VRAM 8GB P95 34.3 36.5 平均 26.4 29.2 P5 20.9 23.8 0.1% LOW 12 16.2 - 結果を見るかぎり、VRAM 割り当てを 4→8GB に増量した場合、ディスカバリーフライト:東京では全体的に微妙にフレームレートが落ちていますが、ニューヨークではちょっと改善しています。VRAM 増量で良くなったとは言い切れない結果です。
- VRAM 割り当てを 4→8GB に増やすということは、通常ワークメモリを 12→8GB に減らすということですから、メモリ食いの MSFS の場合、どちらを優先すれば良いかは難しそうです。
- 次に、サイバーパンク 2077 のベンチマークを FHD 1080p で画質を変えながら測定してみた結果です。
(FHD 1080p、画質:低)
(FHD 1080p、画質:中、下記注意書きを参照)
(FHD 1080p、画質:高)
(FHD 1080p、画質:ウルトラ)
(FHD 1080p、画質:レイトレーシング・ウルトラ) - レイトレウルトラは元々問題外として、それ以外はVRAM 4GB 割り当てでは一桁だった最低 FPS が VRAM 8GB で大きく改善されているのが分かると思います。以下、表にまとめてみました(上段:平均FPS、下段:最低FPS)。
画質プリセット VRAM 4GB VRAM 8GB FHD/低 45.16
(9.36)49.78
(26.86)FHD/中 38.83
(11.01)42.71
(23.15)FHD/高 29.87
(9.41)33.74
(20.50)FHD/ウルトラ 27.15
(8.88)28.71
(21.19)FHD/レイトレ 8.36
(5.05)11.30
(8.97) - 改善されたところで最低 FPS 20台というのは微妙かもしれませんが、激重サイバーパンクを ROG Ally のようなポータブル機で平均 40〜50fps、最低 25fps くらい出せるというのは、なかなか悪くない結果ではないでしょうか。
- なお、なぜか画質:中だけ測るたびに結果、特に最低 FPS の値が大きく変わる状況になっていて謎です。他の画質設定と同じく最低 FPS が 20台になることもあれば、以下のように VRAM 4GB 時と大差ない時もあり、平均 FPS ともどもブレ幅が大きく、どう結論づけていいやらです。
- ちなみに、他の画質プリセット設定では低も高もウルトラも何度か測り直しましたが、こちらはどれも同じような結果でブレ幅は少なく、画質:中だけ結果の変動が激しいものでした。当方の測り方が悪いのかもしれませんが、面倒臭いのでこれ以上は追求しません😓
- ともあれ、ゲームタイトルによっては ROG Ally の VRAM 割り当てを増やすことでプレイアビリティが改善する場合もあるのは慣れたユーザーには常識でしょうが、実例の一つということで。
- それにしても、こういう結果を見ると「処理能力的にメモリ 16GB で妥協できると思っていたけど、メモリが 32GB あれば、VRAM に 8GB 割り当てても残る通常メモリに余裕があって良いかもなぁ、と考えてします。平均 FPS を上げたり大きく画質を改善するためには処理性能が足りませんが、VRAM 不足によるフレームレート落ち込みは避けることができそうですから、ROG Ally としてはそこも割り切って、となります。
- MSFS 2020 の CapFrameX 測定結果を見ていて(本来爆食いのはずの)メインメモリの使用量がそうでもなく、逆に(ROG Ally デフォルトでは)4GB 割り当ての VRAM がカツカツになっていることで、
- 【5】老眼er とゲーミング UMPC 編
- ROG Ally に限らない話になりますが、ゲーミング UMPC を初めて使ってみて
「老眼er にゲーミング UMPC は意外と悪くない、少なくとも自宅内モバイル機とし使う場合は(メガネ等を外して)自分の好きな距離でプレイすれば思いの外、イケる。ノートPC より良いかも?」
という個人的結論になりつつあります。 - 老眼er になり始めてから UMPC で諸々仕事したり、ウェブブラウズその他の作業をしようと思わなくなり、実際厳しいですが、ゲームなら&他人の目を気にしないで済む場所なら(眼鏡やコンタクトを外して)自分の目に適した距離まで顔を近づけてプレイすれば、ど近眼&遠視でもスイートスポットを探せます。
- 他人の目があるところではそんなプレイスタイルは厳しいものの、そもそもええ大人、オッサンが他人の目のあるところで堂々とゲーム機をプレイするのは難しいから問題ありません。
- 自分のおメメにあった距離感、時には画面にかなり顔を近づけてプレイするのが可能なのも、ポータブルゲーム時と同じゲーミング UMPC のスタイルだから、デスクトップPC はもちろん、ノートPC でも少々無理があります。
- ROG Ally は完全にゲーム専用機と割り切っているので、それ以外のこと、それこそ SNS やウェブ、メールその他を見る用途には一切使っていませんから、事前に心配していた老眼ゆえの細かいところが見えずに使えない、というのは最小限です(目の状態は人によって違うので、あくまで私の場合)。
- とはいえ、設定その他を UMPC の画面でやり続けるのは難しいですし、ソフトウェアキーボードもストレスなので、素直に外部ディスプレイに Bluetooth キーボード/マウスを繋げて作業することも多くあります。
- ゲーミング UMPC を買うにあたって老眼が一番のハードルでしたが、少なくともゲームプレイを前提にする限り、今のおメメ程度の老眼なら予想していたほど障害にならない、ゲーミング UMPC だからこそ老眼er でもプレイしやすい点はある、と感じましたね(あくまで個人的な見解)。
- ROG Ally に限らない話になりますが、ゲーミング UMPC を初めて使ってみて
とまぁ、やたら長くなりましたが、こんなところでしょうか。
とにかく「割り切り」という言葉を多用せざるを得ないのが、ゲーミング UMPC であり、ROG Ally もそうなのですが、逆に
UMPCスタイルだから割り切れる
割り切って楽しめる
割り切って楽しめる
というところはあろうかと思います。
普通にゲーミング PC、ゲーミングノートPC を買おうとすると、どうしても「あとちょっと足せば…」で切りがなくなりますし、予算その他の理由で、ある程度のところで割り切ったとしても、その先があるだけに割り切った後のモヤモヤ感は残ります。特に MSFS は求め始めるとハイエンドまで切りがありません。
が、ゲーミング UMPC の場合は、このスタイル、このサイズ、重量感で実現できる性能というのは世代毎に明確な限界があって、それ以上を望むことができません。割り切って買った先には(ゲーミング UMPC である限り)次世代まで何もない、そういう潔さというか、しっかり割り切った感があって、気持ち的にも楽です。
それでいて、10万円ちょいのポータブル機でここまでできるなら上出来では?と思えることができたのも大きな収穫、理解で、買ってみて良かったと思っています。
また、ゲーミング PC が欲しいと思っても個人的にずっと大きな抵抗要素になっていた、
- 発熱(この地獄のような暑さの中で熱源は置きたくない)
- 設置場所(特にデスクトップ機はとっくに全廃してもう置きたくない)
- プレイ時間の捻出
これらの点を気にしなくて済む、プレイ環境の自由度の高さから遊ぶ、手にする時間が多くできるという点でも満足しています。先にも書きましたが、据え置きっぽく使う場合も場所を取らない、置き場所を考えなくて済むのは(狭い部屋に置くには)とても良いです。
繰り返しになりますが、
- じっくりプレイする時は外部ディスプレイ&キーボード・マウスを繋げてデスクトップ機っぽく
- でも腰が痛くなれば、ソファやベッドで横になりながら
- 必要に応じてリビングでプレイしたり、たまには持ち出したり
と、プレイスタイルを自由に変えられるのは自分に合っているかな、と知ることもできました。
メイン環境の Mac もデスクトップ機とノートの併用を廃してノートに一本化、自宅では外部ディスプレイと外部キーボード/トラックパッドに繋いで完全にデスクトップ代わりとしつつ、そのまま外へ持ち出して作業継続、外で行った作業を自宅でも移行措置なしに継続、というスタイルに慣れ、もはや変えたくもないほど気に入っていますが、ゲーミング PC もそのスタイルの方が自分に合っているようです。
前述の SDカードスロット問題もあって、ROG Ally お勧め!とは言いかねる状況ではありますが、最新世代の性能を有しながら、お値段は従来同種製品と比べて比較的リーズナブルですから、
気楽なWindowsゲーム復帰の一歩目に
ROG Allyを買って試せて良かった
ROG Allyを買って試せて良かった
というのが、この1ヶ月半の結論です。
日進月歩の世界ですし、本体とゲームパッドが一体化しているという特性から、長く使えるマシンかと言えば微妙なところもあるでしょうが、まずは自分の Windows ゲーム機一歩目としてはちょうど良かった、買って良かったですね。