既に開発ロードマップに載っていたニコンの廉価な望遠ズーム&超望遠ズーム Z 70-180mm f/2.8 と Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR が正式発表になりました。
■ NIKKOR Z 70-180mm f/2.8 - 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
■ NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR - 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
お値段が18万円と25万円なので廉価という言葉は全く似合いませんが、ニコン Z システムの望遠・超望遠レンズはそれ以上にお高いレンズばかりでしたので、従来と比べればまだ現実的なお値段とも感じられます。
特に、超望遠ズームの Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR の 25万円という価格は、その焦点距離域の純正レンズと考えれば、比較的リーズナブルと言っても良いくらい。昨今、諸情勢からカメラ機材は(も)鬼のように値上げされていってる中を考えると、
ある意味で戦略価格と言っても良いでしょう。Z8 とのセットで売れて欲しい、売れるだろ、という意欲が伝わってきます。
■ NIKKOR Z 70-180mm f/2.8 - 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
■ NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR - 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
お値段が18万円と25万円なので廉価という言葉は全く似合いませんが、ニコン Z システムの望遠・超望遠レンズはそれ以上にお高いレンズばかりでしたので、従来と比べればまだ現実的なお値段とも感じられます。
特に、超望遠ズームの Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR の 25万円という価格は、その焦点距離域の純正レンズと考えれば、比較的リーズナブルと言っても良いくらい。昨今、諸情勢からカメラ機材は(も)鬼のように値上げされていってる中を考えると、
180-600mmは良心的価格
ある意味で戦略価格と言っても良いでしょう。Z8 とのセットで売れて欲しい、売れるだろ、という意欲が伝わってきます。
Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR の直接的なライバルは 4年前に発売されて超望遠ズームとしては人気を博しているソニー FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS であるのは言うまでもありませんが、
と、ここまで似せるか?ってくらいの仕様です。

とはいえ、4年前のレンズ FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS と比べての優位点として
という差別化はされています。
テレ端が 400mm 程度までの望遠ズームならともかく、600mm を目指す超望遠ズームレンズでワイド端が 200mm から 180mm になったことにさほど大きなメリットがあるとは思えませんが、最短撮影距離の短さも含め、少しでも引けた方が良い(助かる)場合があるのも事実。
反面、
という違いもあります。絞り羽根数は多ければ多い方が良いわけでないでしょうが(形状も重要だし)、AF 速度に影響するレンズ駆動方式で STM と OSS というのは気になりますね。
ニコンは望遠、超望遠レンズでも百数十万円以上のレンズ以外は全部 STM 採用で、私自身 STM 採用の望遠・超望遠レンズを使っていて AF 速度については「高いレンズのくせに」と不満しかないです(静かとか知ったこっちゃねえ)。食いつき速度は Fマウントの AF-S レンズと比べると劣っていると感じます。

とはいえ、STM でも一度食い付けば規則的もしくは動きが読める被写体への追従はまずまず問題ないので、600mm の超望遠域を欲するマニアな人たちにとっては良い選択肢の一つでしょう。
Fマウント時代の同クラスレンズ 200-500mm と比べて F5.6 通しじゃなくなったものの、その分 100mm 延長されたことを思えば不満がないどころか、むしろ歓迎のはず。400 と 500、500 と 600 は寄れる具合が結構変わってきますから、これでニコンユーザーも FE 200-600 を羨むこともなくなるはず☺️
また、サンプル画像が少なくて画質云々は言えない状態ですが、一応 MTF 曲線を見てみると(↓)ワイド端と比べてテレ端の落ち込みは少なめ、7割8割をテレ側で撮る人が多いと想定されるレンズとしては見事、よく分かってるって感じではないでしょうか。

いずれにしても、この画角レンジ、想定される画質で今どき 25万円となると、
という気しかしません。シグマの 150-600、60-600、タムロンの 150-500 といったサードパーティの超望遠ズームレンズは Z マウントにありませんし、Fマウントの 200-500 を Zボディで使ってる人には待ちに待ったレンズでしょうから。
FTZ II は、キヤノンのマウントアダプターみたいな工夫のないただの筒だけに、荷重のかかる超望遠レンズで付けていると色々と嫌ですから、可能ならとっとと Z マウントの同クラスレンズに買い替えたいと思うことは多いですしねえ。
予約開始は明後日 6月23日10時から、発売は8月予定。秋の航空祭シーズン、渡り鳥シーズン、運動系イベントシーズンを前に、できるだけ早く、できれば発売と同時に手に入れたい人で予約殺到の悪寒。売れるといいですね☺️間違いなく売れるだろうけど。

さて、発表されたもう一本は Z 70-180mm f/2.8。70mm スタートのニッパチ (F2.8 通し)レンズといえば、70-200mm F2.8 なのに、これは 70-180mm F2.8。VR(手ぶれ補正)銘も S 銘もなし。
スペックがあまりにも特徴的なので、ロードマップに追加された時からタムロンの 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056) の Z レンズ版であろうことは想像できることでした。レンズ構成図を見ても明らかですね。

(Z 70-180mm f/2.8 のレンズ構成)

(タムロン70-180mm F/2.8 Di III VXDのレンズ構成)
とはいえ、そこはニコン純正 Z レンズとして出すわけですから、ニコンの基準をクリアし、またニコンの Z テレコンが使える仕様になっています。当然の話ですけど、キヤノンみたいに 70-200mm にテレコンが付けられない事例もありますから…
そして Z 70-180mm f/2.8 の良さは何と言っても、タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD 譲りの
何といっても 795g は驚異的。何の軽量化も施されなかった Z 70-200mm f/2.8 VR S (1,360g) の半分強の重さ。サイズも Z 70-200mm f/2.8 の Φ89×220mm に対して Φ83.5×151mm と、こちらも長さ 3分の1。良いですねー
ってか、
仕様になっているのは素晴らしいですね👏 テレ側が 20mm 短縮されていることや手ぶれ補正がないネガティブさを許容してしまえるような軽さ。

もっともニコン純正レンズとして出すわけですから諸々違うところがあるせいか、同じタムロン製品ベースの Z 28-75mm f/2.8 と同様
になっていますが、これくらいは仕方ないですかねえ。
点検調整に出す時、ボディと一緒に出せるメリットは大きいですし、ミラーレス機ではレンズとの通信部分がキーファクターになるのでボディ性能を引き出す、安定性を考えると純正のメリットは大きいです。中古で売る際のリセールバリューも違いますしね。
それに18万円台と思うとお高めに感じますが(絶対的金額としては高いんだけど)、Z 70-200mm f/2.8 VR S と比べるとだいたい半額ですからねぇ。それを思うとリーズナブルと感じてしまうのが怖いですね😅

(Z 70-180mm f/2.8のMTF)

(Z 70-200mm f/2.8 VR SのMTF)
私自身は Z 70-200mm f/2.8 VR S という、この画角レンジでは最も評価の高い部類に属するレンズを持っていますし、
なので、買い替え、買い増しの対象にはなりません。が、ボディ内手ぶれ補正でオレは十分だぜ!三脚標準装備だから手ぶれ補正とか関係ねえ、という人には魅力的なレンズでしょう。
ボディ内手ぶれ補正がキヤノンやオリンパスほど強力なら私も少し心が揺れたかもしれませんが、Z9 を購入した際に同じく手ぶれ補正のない Z 24-120mm f/4 VR の購入を迷って、Fマウントの 24-120mm f/4 の手ぶれ補正を切って試したことがあり、私の場合 Z9 の手ぶれ補正では 100mm 以上だと不安が残ってスルーした経験があるので、本レンズもちょっと厳しいかなぁ、と。手ぶれ大王としては、VR なしでも大丈夫な人が羨ましいです。
(重い以外は何の不満もないが高いからなぁ)
とまぁ、ニコンから正式発表された2つの望遠・超望遠ズームレンズ、個人的には購入対象、物欲対象にはなりませんが、きっと売れるんじゃないかなぁ、と思います。
(個人的には Z 28-75/2.8 が 10万円切れば欲しい…と思ってるけど、さすが純正扱いのレンズなので全然値段は下がりませんね)
超望遠ズームが 180-600mm という焦点距離レンジになったことで 70-180mm f/2.8 とセットで買いたくなりますし、Z8 との望遠・超望遠セットで売り込める体制になったことで、Fマウントボディからの買い替えも進むのでしょう。
秋の航空祭では結構見ることになりそうなレンズで楽しみです☺️
(もうZ9は普通に在庫ありなことが多いね)
- サイズ:φ110×315.5mm (Z) vs φ111.5x318mm (FE)
- 重さ:2,140g (Z) vs 2,115g (FE)
- どちらもズームでレンズ長が変わらないインナーズーム
- 開放F値も(ワイド端テレ端は)同じ
- お値段も両方20万円台半ば
と、ここまで似せるか?ってくらいの仕様です。

とはいえ、4年前のレンズ FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS と比べての優位点として
- ワイド端が 200mm じゃなく 180mm に延長
- 最短撮影距離がワイド端で 1.3m(テレ側は FE と同じ 2.4m)
という差別化はされています。
テレ端が 400mm 程度までの望遠ズームならともかく、600mm を目指す超望遠ズームレンズでワイド端が 200mm から 180mm になったことにさほど大きなメリットがあるとは思えませんが、最短撮影距離の短さも含め、少しでも引けた方が良い(助かる)場合があるのも事実。
反面、
- 絞り羽根数:9枚 (Z) vs 11枚 (FE)
- レンズ駆動モーター:ステッピングモーター (Z) vs 超音波モーター (Z)
という違いもあります。絞り羽根数は多ければ多い方が良いわけでないでしょうが(形状も重要だし)、AF 速度に影響するレンズ駆動方式で STM と OSS というのは気になりますね。
ニコンは望遠、超望遠レンズでも百数十万円以上のレンズ以外は全部 STM 採用で、私自身 STM 採用の望遠・超望遠レンズを使っていて AF 速度については「高いレンズのくせに」と不満しかないです(静かとか知ったこっちゃねえ)。食いつき速度は Fマウントの AF-S レンズと比べると劣っていると感じます。

とはいえ、STM でも一度食い付けば規則的もしくは動きが読める被写体への追従はまずまず問題ないので、600mm の超望遠域を欲するマニアな人たちにとっては良い選択肢の一つでしょう。
Fマウント時代の同クラスレンズ 200-500mm と比べて F5.6 通しじゃなくなったものの、その分 100mm 延長されたことを思えば不満がないどころか、むしろ歓迎のはず。400 と 500、500 と 600 は寄れる具合が結構変わってきますから、これでニコンユーザーも FE 200-600 を羨むこともなくなるはず☺️
また、サンプル画像が少なくて画質云々は言えない状態ですが、一応 MTF 曲線を見てみると(↓)ワイド端と比べてテレ端の落ち込みは少なめ、7割8割をテレ側で撮る人が多いと想定されるレンズとしては見事、よく分かってるって感じではないでしょうか。

いずれにしても、この画角レンジ、想定される画質で今どき 25万円となると、
Z 180-600mmは爆売れじゃね?
という気しかしません。シグマの 150-600、60-600、タムロンの 150-500 といったサードパーティの超望遠ズームレンズは Z マウントにありませんし、Fマウントの 200-500 を Zボディで使ってる人には待ちに待ったレンズでしょうから。
FTZ II は、キヤノンのマウントアダプターみたいな工夫のないただの筒だけに、荷重のかかる超望遠レンズで付けていると色々と嫌ですから、可能ならとっとと Z マウントの同クラスレンズに買い替えたいと思うことは多いですしねえ。
予約開始は明後日 6月23日10時から、発売は8月予定。秋の航空祭シーズン、渡り鳥シーズン、運動系イベントシーズンを前に、できるだけ早く、できれば発売と同時に手に入れたい人で予約殺到の悪寒。売れるといいですね☺️間違いなく売れるだろうけど。

さて、発表されたもう一本は Z 70-180mm f/2.8。70mm スタートのニッパチ (F2.8 通し)レンズといえば、70-200mm F2.8 なのに、これは 70-180mm F2.8。VR(手ぶれ補正)銘も S 銘もなし。
スペックがあまりにも特徴的なので、ロードマップに追加された時からタムロンの 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056) の Z レンズ版であろうことは想像できることでした。レンズ構成図を見ても明らかですね。

(Z 70-180mm f/2.8 のレンズ構成)

(タムロン70-180mm F/2.8 Di III VXDのレンズ構成)
とはいえ、そこはニコン純正 Z レンズとして出すわけですから、ニコンの基準をクリアし、またニコンの Z テレコンが使える仕様になっています。当然の話ですけど、キヤノンみたいに 70-200mm にテレコンが付けられない事例もありますから…
そして Z 70-180mm f/2.8 の良さは何と言っても、タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD 譲りの
ニッパチ望遠ズームとは思えない軽さ
何といっても 795g は驚異的。何の軽量化も施されなかった Z 70-200mm f/2.8 VR S (1,360g) の半分強の重さ。サイズも Z 70-200mm f/2.8 の Φ89×220mm に対して Φ83.5×151mm と、こちらも長さ 3分の1。良いですねー
ってか、
本家Eマウント版より軽い
仕様になっているのは素晴らしいですね👏 テレ側が 20mm 短縮されていることや手ぶれ補正がないネガティブさを許容してしまえるような軽さ。

もっともニコン純正レンズとして出すわけですから諸々違うところがあるせいか、同じタムロン製品ベースの Z 28-75mm f/2.8 と同様
お値段は本家より3割増
になっていますが、これくらいは仕方ないですかねえ。
点検調整に出す時、ボディと一緒に出せるメリットは大きいですし、ミラーレス機ではレンズとの通信部分がキーファクターになるのでボディ性能を引き出す、安定性を考えると純正のメリットは大きいです。中古で売る際のリセールバリューも違いますしね。
それに18万円台と思うとお高めに感じますが(絶対的金額としては高いんだけど)、Z 70-200mm f/2.8 VR S と比べるとだいたい半額ですからねぇ。それを思うとリーズナブルと感じてしまうのが怖いですね😅

(Z 70-180mm f/2.8のMTF)

(Z 70-200mm f/2.8 VR SのMTF)
私自身は Z 70-200mm f/2.8 VR S という、この画角レンジでは最も評価の高い部類に属するレンズを持っていますし、
いくら小型軽量でも望遠レンズで手ぶれ補正なしは無理!手ぶれ大王としては無理!
なので、買い替え、買い増しの対象にはなりません。が、ボディ内手ぶれ補正でオレは十分だぜ!三脚標準装備だから手ぶれ補正とか関係ねえ、という人には魅力的なレンズでしょう。
ボディ内手ぶれ補正がキヤノンやオリンパスほど強力なら私も少し心が揺れたかもしれませんが、Z9 を購入した際に同じく手ぶれ補正のない Z 24-120mm f/4 VR の購入を迷って、Fマウントの 24-120mm f/4 の手ぶれ補正を切って試したことがあり、私の場合 Z9 の手ぶれ補正では 100mm 以上だと不安が残ってスルーした経験があるので、本レンズもちょっと厳しいかなぁ、と。手ぶれ大王としては、VR なしでも大丈夫な人が羨ましいです。
(重い以外は何の不満もないが高いからなぁ)
とまぁ、ニコンから正式発表された2つの望遠・超望遠ズームレンズ、個人的には購入対象、物欲対象にはなりませんが、きっと売れるんじゃないかなぁ、と思います。
(個人的には Z 28-75/2.8 が 10万円切れば欲しい…と思ってるけど、さすが純正扱いのレンズなので全然値段は下がりませんね)
超望遠ズームが 180-600mm という焦点距離レンジになったことで 70-180mm f/2.8 とセットで買いたくなりますし、Z8 との望遠・超望遠セットで売り込める体制になったことで、Fマウントボディからの買い替えも進むのでしょう。
秋の航空祭では結構見ることになりそうなレンズで楽しみです☺️
(もうZ9は普通に在庫ありなことが多いね)
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