先週末は国内最大のカメライベント CP+ がありました。ガンバ大阪のホーム開幕戦もあって現地に行くことはなかったのですが(なくても時期的に行くのは難しいけど)、オンライン中継で多くのコンテンツを楽しませてもらうことができました。

CP+2023 カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+(シーピープラス)」

キャッチコピーが色々な意味でズレてるとも言われたりしていましたが、久しぶりにリアル開催というか、オンラインと合わせたバイブリッド開催となって、多くの来場者を集めたようで何よりです。

CPplus2023


開催前に各社のステージ登壇者と内容をザッと見渡して、「あれ?あの人、長年使ってた某社から某社へ移行したと言ってたのに、戻ってきたん?」みたいなことも思いながらも興味あるコンテンツをチェックしていたのですが、特にスポーツ系フォトグラファーのステージはレアなので予定表に入れて見逃さないようにしておりました。

各社の CP+ 向けコンテンツ、ステージ内容を見ていると、動体撮影系では飛行機、鉄道、鳥、動物あたりをカバーするのは定番ですが、それらに加えてスポーツ、モータースポーツまでカバーしているカメラメーカーはキヤノンとソニーくらい。

ヒコーキ、鉄、鳥、動物あたりは CP+ でなくても写真家さんのイベント、トークショー的なものもあれば、それこそメーカー系を始めとする写真教室的なモノでも扱われる被写体ですが、スポーツ系はなかなか少ないですから CP+ は貴重な機会で有難いですね。(動体向けの新機種体験イベントでもありましたが、コロナ禍以降は…)


ただ、所有するニコンのステージコンテンツにスポーツ系がないのを見ると、やっぱりねえ感。D一桁期と違って Z9 の振り方を見てもなんかそちら側には顔を向けていないような印象ですし、CP+ のステージ/オンラインコンテンツをみていても、「それ、Z9 を使ってやることなの?」的なモノも散見された気がします…

まぁ、この変動期に1年数ヶ月も全く新しいフルサイズ機を出せず、Z9 以前となれば他社と比べて世代遅れ周回遅れなカメラになるので、今はとにかく一昨年発売の「最新」フルサイズ機を推すしかないとはいえ、無理やり Z9 使ってる感のあるコンテンツが散見され、微妙さを感じずには要られませんでしたね。Zxx みたいなモックアップを出してる場合じゃなかったと思うんですが。

スポーツ系はむしろレンズメーカーの方が力を入れていた感じで、実際スタジアムで望遠レンズつけてカメラを構えている人(パナスタでは女性の方が多い)にはキヤノンやソニーの 100-400 と並んで、シグマやタムロンの 100-400 or 150-600 クラスのレンズが同じか、むしろ多いくらいですから、そこは納得できるところでした。



いずれにせよ、動体撮影系のステージイベントの充実度もキヤノンとソニーでしたが(登壇者のベシャリの巧さも)、見せ方、オンライン視聴者向けの充実度、配慮はキヤノンが毎年のことながら抜けていた感じは否めません。

W杯を撮影した共同通信のカメラマンが撮影画像とともに語るステージや、F1カメラマンの第一人者である熱田氏のステージではハースに協力を得てF1の写真を出す許可を得て語るステージなど、それらオンライン中継、見逃し配信(おそらくアーカイブも)含めて許諾を取ったのは素晴らしいし、オンラインで見させてもらってる身としては感謝しかなかったですね。

コロナ禍でリモートだのなんだのが進んだ割には、CP+ 現地のステージは中継しない、ライブ中継はしてもアーカイブどころか見逃し配信すら残さないメーカーが未だ多数なのは残念です。この数年間、何をしてたんだろう?と思います。

せっかく金も人もかけたコンテンツを作ってるなら、多くの人に見てもらって自社の製品を「いいな」「欲しいな
」と思ってもらうことが大事だと思うんですけどねぇ。自分が見られる見られない以前に、なんかもったいない話です。現場だけのプレミア性なんて、今どき流行らないことに気づいて欲しいものです。

ステージイベントでその会社の製品をやたら持ち上げるような内輪褒めトークをされても(信者でなければ)冷めちゃて見ていられませんが、自分が興味あるカテゴリのプロ中のプロが、機材の特長、性能を活かした魅力ある写真を題材に、どのように撮ったのか、どう使っているのかを語ってくれれば、無駄に持ち上げるよりずっと魅力は伝わってくるものです。それが CP+ のようなイベントの良さでしょう。

私なんぞ、熱田氏が昨シーズンの F1 撮影画像を示しながら、

HALO の向こうのヘルメットをしっかり追い続けてくれるので、構図の自由度も上がったし、結果もついてくる
このように一眼レフ時代には試せなかった条件で撮ることができました


みたいなことを言えば、心動かされちゃうわけです。同じフラッグシップクラスのカメラで被写体認識に「車」はあっても、箱車はともかくフォーミュラもバイクもロクにヘルメットを追えないカメラを使ってる身としては、隣の芝生が真っ青に見えるというものです ┐(´д`)┌

いずれにしても、こういうイベントでの見せ方、ファン、信者以外への惹きの要素については、そこらへんが上手いメーカーとそうでないところが CP+ 以前の PIE の時から明確にあるわけですが、案外ずっと変わらない気がしますね。もったいない話です。



個人的に、Z9 購入から半年くらいの間に去年は大散財しましたので(それでいて満足もしきれず)今年はできるだけ大人しくする所存ですが、CP+ に合わせて各社から新製品発表があって、個人的にも惹かれる製品も少なからずありました。

また、コロナ禍前のミラーレス機はミドルクラスまでが中心だったのが、ここ数年でフラッグシップ機を含むアッパーミドル〜ハイエンド機のミラーレス移行が一気に進み、一眼レフからミラーレスへの移行需要もそろそろ後半戦ないし終盤戦の雰囲気。

そのせいか、ここが勝負どころとシェア拡大を目論む競争力ある製品が出てきたり、矢継ぎ早に上から下まで全方位に新製品を出しまくるメーカー、どっしり構えて堅実なモデルチェンジで行くメーカーもあれば、新機種を出せない代わりにライカでもないのに高付加価値路線と世迷言を曰うところありです。

新機種個々で見れば、前モデルユーザーの反応をフィードバックさせたモデル、上位モデルのエッセンスを入れ込みつつコストダウンで廉価に出してきたモデル、せっかく良いのに「どんな円安想定やねん!?」という為替レート国内価格で製品の良さをスポイルさせているモノもあったりと様々。

10〜20年に1度の変革期はメーカー間の勢力図を塗り替える絶好機であり、変革期で塗り替えられた結果が、その先の生き残りに直結しますから、ここ数年の新機種攻勢というのは心動くものです。これが落ち着けば、何らかのブレイクスルーがない限り、また順当進化ばかりになってしまいますからねぇ。

cpplus2023B


そんな中、自分がメインで使っているマウントについては、レンズは順次リリースされているもののボディは沈黙あんど沈黙で、CP+ でも微妙な内容に思えたのは先に書いたとおり。

映像部門の四半期決算が随分と好転したのも、「そりゃまぁ去年全くフルサイズ新ボディを出さずにいたら販管費も広告宣伝費も開発費も圧縮されたでしょうなぁ」という印象で、全然新しいボディを出せないのを「当社はファームウェア・アップデートを重視してます」なんてインタビューで誤魔化すユーザーの皆様に好印象持たせられるなら安いものでしょう。

ま、スリムに身の丈サイズの収支バランスにすることが先決だったとも考えられますが、このところ盛んに「今後は高付加価値路線で〜」と言っているインタビューを見るにつけ、バブル崩壊後の日本企業でそう言って沈没していった会社が数知れずであることを思ってしまいます。

特に Zfc や Z50 からステップアップできるカメラも全く出せないままであり、それでいて中上位機種に注力なんて、どうやって(数が少なくなった)新規ユーザーを掴み、そのユーザーを繋ぎ止めて将来に渡る利益の源泉にできるのか。いま信心深くついてきている爺、オッサンたち(私含む)が死んだ後も大丈夫なのか。頭の良い人たちは先細りにならない施策どう考えているのか。知りたいものですね。

今月末には Z8 やら Z6 III やらの発表(開発発表?)があるという噂が流れておりますが、何か発表するにしても CP+ じゃなく年度末ギリギリというのは、まぁ…って感じもしなくもなくもなく。

オンラインで見られる、ニコンの CP+ コンテンツがちょっとピーだった響かなかったこともあって、ついまた愚痴がついて出てしまいましたので、このへんにて。