3年ぶりに復活した今季の航空祭は入場人数制限あり、抽選で当選した人のみ入場可の航空祭が多く、その中で3連続で入場抽選に外れた私でしたが、ようやく先月の小松基地航空祭の一般入場に当選!

……だったはずが、駐車場の抽選には外れたため鉄道利用での小松行きとなり、けれども台風で航空祭本番の日は午後から計画運休するということとなって、止むなく前日予行だけで帰って航空祭本番は断念することに。

小松は人多すぎゆえ滅多に航空祭時の基地内に入ることがないのですが(写真的にも外で撮る一択だし)、今年は人数制限がある分だけ空いていそうで、久しぶりに基地内で「祭り」を楽しむつもりだったんですが、仕方ないですね。

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そんな小松基地航空祭の本番に行けなかった鬱憤を晴らすわけではなかったのですが、先週末滋賀県北部にある航空自衛隊饗庭野分屯基地の基地祭、開設50周年記念祭に行ってきました。

航空自衛隊饗庭野分屯基地の開設50周年記念イベントとしては、8月にブルーインパルスが展示飛行を披露して注目と人を集めたわけですが、それに比べると基地祭の方はひっそりというか、あまり話題にもならず、でもその分まったりと楽しめるかな、と感じで行きました。

お隣りの陸上自衛隊今津駐屯地の駐屯地祭へは行ったことがあるのですが、饗庭野分屯基地の方は行ったことがなく、また小松基地航空祭では本番日に行けず「航空祭」感は味わえなかったので、饗庭野分屯基地で少し「祭り」成分を補給したいな、という目的でした。

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基地祭の内容も、饗庭野分屯基地に所在している第4高射群・第12高射隊によるペトリオット(パトリオット)システムの訓練展示やお隣り陸上自衛隊今津駐屯地からの戦車、陸上ヘリの展示、体験搭乗などが行われるだけでなく、小松基地から第306飛行隊の F-15 2機が、岐阜からは飛行開発実験団の F-15, F-2 が飛来しての飛行展示があるということで(なかなか豪華!)、それも楽しみに行くこととなりました。



饗庭野分屯基地開設50周年記念祭の開催時間は8時半〜12時半、イベントの類は9時スタート。でしたが、前日アメフトとサッカーのダブルヘッダー観戦を行なって少々お疲れモードだったこともあり、

10時からの訓練展示、11時からの飛行展示×2を見られれば良いから、9時すぎに(シャトルバス乗り場の)新旭駅へ着く電車で行けば十分かな


という感じで、湖西線経由の新快速で新旭駅へと向かいました。

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(バス待機列の反対の湖岸側、公衆トイレはこちら側)


湖西線の北の方は(ほとんど通過するだけの特急を除くと)基本的に新快速が1時間に1本通るだけ。朝夕は1時間に2本の列車が走ることもありますが、輸送力は最小限なので8月のブルーインパルスの時は臨時列車が何本も出ていました。

が、今回の饗庭野分屯基地祭では全く臨時列車もないため、

結構電車は混むんじゃないかな?秋晴れの絶好の天気だし


なんて心配をしていましたが、新快速は(新旭駅の先の)近江今津駅まで12両編成ということもあって、がら空きの空きまくりで拍子抜けしました。おかげで、朝ごはんのパンを気兼ねなく食べることができましたが。

「がら空きだったなー、やっぱり航空祭とは違うよなー、シャトルバスもサクッと乗れて行けそうだな」と思いながら駅を降りてシャトルバス待機列を見ると、西側の駅前ロータリーに結構長い列。

と思いきや、待機列最後尾へ向かうと、駅前ロータリーを超えて駅の横の道路沿いにもずーっと並んでいて、新快速のがら空き具合からは想像できない待機列の長さ

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(当日9時頃の待機列の長さ。一番長かった頃?)


前の前に見える山の奥というか上にあるのでシャトルバスの乗車時間は10分程度ですが、小さな分屯基地の基地祭ですから手配しているシャトルバスもそう多くないでしょうから、待機列はなかなか進みません。(私が行った時間帯が一番混んでいたのかも)

ぶっちゃけ航空祭や F1 日本 GP 時のシャトルバス待機列に比べれば全然マシでありますが、待ってると前日の疲れが出てきたこともあり、

こりゃ1時間くらいは待つなー、帰りはみんな一斉に帰るからもっと混んで、もっと待つよなー。うーん、帰ろうかな…


と思ったり、いっそ歩いた方が早いんじゃないか?と思ったり(早くないし、徒歩など自力入場は禁止)したものの、それでも我慢強く?待つこと50分。ようやくシャトルバスに乗ることができました。

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シャトルバスは観光バス使用で、全員着席で向かいます(山道を行くので当然ですかね)。後述するように帰りのシャトルバス待ち時間は行きより短く済んだこともあり、行きのシャトルバス待ちが一番のハードルでした。

駅周辺の平野部を過ぎるとバスの行き違いが困難な部分もある山道を登っていき、10分くらいで饗庭野分屯基地に到着。

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バスを降りると、まず歓迎ゲート。

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そして、その先には記念塗装機ならぬ記念塗装発射機で来場者を出迎えてくれました。

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バッグからカメラを取り出して記念塗装発射機を撮っていると、ちょうど「これから訓練展示を行います」というアナウンスがあったので、記念塗装発射機のあるエリアから一段高いところにあるメインステージ?のエリアへと向かいました。

訓練展示を見せていただく場所は小学校の校庭か、もう少し狭いくらいのところで、来賓の方々が居られる反対側には一般来場者が幾重にも取り囲んでいました。

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ただ、航空祭のような混み方や殺伐さはなく、後から来た分だけ後ろの方からで多少の見づらさはあっても、心地よく訓練を拝見させていただくことができました。

最初は基地に不審者が潜入してきた場合への対処の訓練展示。

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(人の輪の後ろの方からだったので、写真は手に持ったカメラを上に伸ばして EVF や背面液晶を見ずに撮ったのですが、Z9 の全面オートエリア AF で撮ってたら手前の訓練してる隊員じゃなく後ろの小さく写る来賓たちにフォーカス当てまくるという Z9 あるあるのアホ AF ぶりを発揮してくれたので、真っ当に撮れたのは一枚だけ…スマホで撮れば良かった😭)

その後は饗庭野分屯基地所在第12高射隊のメインウェポンであり、日本に侵攻する敵航空機や弾道ミサイルの撃破を担うペトリオット(パトリオット)システムの訓練展示。北朝鮮からのミサイルが頻繁に飛んでくる昨今としては、地対空ミサイルの訓練展示はとても関心を惹かれるものでした。

発射機の車両だけでなく、レーダー装置、射撃管制装置、アンテナマストの各車両に電源車といったペトリオット(パトリオット)システム車両が訓練展示エリアに続々と入ってきて、隊員たちがペトリオットミサイルの発射準備を行なってくれました。

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(続々と入場するペトリオットシステムの各車両)

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(車両停止後、速やかに作業にかかる隊員たち)

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(まずは電源車から電源の確保)

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(意外と細かい作業が多い)

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(レーダー装置周りを見ていたが工程数は想像より多かった)

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(折り畳まれたレーダーを伸ばして行くのも人力)

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(レーダーを立ち上げるのも人力手回しであった…)

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基地祭のメインイベントとも言える訓練展示、12高射隊のペトリオットシステム発射準備訓練の展示が終わると、メインエリアにはそのままペトリオットシステムが展示され、来場者は三々五々場内の展示その他を見に行くという感じに。

私もひと通り見て回って、小松では断念せざるを得なかった「祭」感を楽しんだり。航空祭と違って激混みじゃない分、気楽に、穏やかに見て回れるのが良いですね。規模も小さいので30分〜1時間もあれば展示はひと通り見て回れますから疲れも最小限☺️

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(こちらは基地防空用SAM)


11時になると、いよいよ飛行展示の時間。最初に11時過ぎから小松基地第306飛行隊の F-15 2機が体形を変えて饗庭野分屯基地上空を4度の航過飛行、そして11時半からは岐阜基地の飛行開発実験団 F-15, F-2 各1機も4度の航過飛行。合計8回もとは、なかなか豪華。

まずは小松基地から飛んできてくれた第306飛行隊 F-15 2機がフライパス。琵琶湖側から南→北へと2機編隊で飛行。

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2回目は基地上空で1機ブレイクしてくれたのですが、結構ひねってくれていて望遠レンズを使えない状況だったのが残念でした。(まぁ寄って撮れても陽炎メラメラだったでしょうが)

それでも事前に勝手な想像で思っていたよりもずっと低いところを飛んでくれて、とても良かったですね。基地が山の上の方にあるおかげで、町のある平野から一定の高度を保っても基地のところからは低めになったのでしょうか。

いずれにせよ、ペトリオットミサイルの発射機と絡めて撮りたいと広角で構えていたのですが、機体がそれなりのサイズになってくれるくらいの高度でした。

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小松基地からの F-15 ×2機による航過飛行が15分程度で終わり、11時半を回ってからは岐阜基地からの F-15 & F-2 航過飛行。こちらも4回の航過飛行。

こちらでもまた展示されているミサイル発射機との絡み狙いでしたが(高射隊の基地祭だしね)、こちらは入り口近くにある記念塗装発射機との絡みで。

地上スナップも含めてずっとレンズは Z 24-200mm を使っていたけれど、最後だけ全然使っていなかった望遠レンズ (Z100-400mm) を使って F-15 を寄りで一枚。ド逆光でもあるし、記録写真でしかないけれども、重いレンズを持ってきたので一応使っておかないと、ということで😅

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ちなみに、2回の飛行展示のうち、後からの飛行開発実験団の2機を記念塗装発射機と絡めたのは、シャトルバス乗り場に近かったため。飛行開発実験団の航過飛行が終わったら、いち早くシャトルバス待機列に並んで帰りの待機列待ち時間を減らそうという目論見でした。

ところが、2回の飛行展示が終わるより前、最初の小松基地からの F-15 航過飛行が終わったくらいからシャトルバス待機列に並ぶ人が一気に増えて、見る間に長蛇の列。航過飛行が2回あるのに気づくことなく、もしくは1回見たら十分ということで、帰りの列に並び始める人が多かったのでしょう。

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上の写真を見て判るように、シャトルバス乗り場から流れてきた待機列が記念塗装発射機の周りを二重にグルッと囲うようになるまで長くなり、飛行開発実験団の航過飛行を記念塗装発射機と絡める時も当初考えていた立ち位置は待機列に飲み込まれてしまいました。

そして、あっという間に長くなっていく待機列にビビって(帰りもまた1時間近く待ちたくないし、電車は1時間に1本しかないので)、最後の F-15 の寄り写真は待機列に並んでから撮りました😓まぁ、ああいう写真はどこから撮ってもいいや、って感じだったのもありますが。

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そんなわけで、帰りの待機列は朝来る時の待機列よりずっと長かったため、「1時間どころか1時間半くらいかかるかもなぁ…」と列に並んで待っていましたが、行きの新旭駅よりはずっと列の進みが良く、行きより短い40分待ちくらいで饗庭野分屯基地を離脱することができました。

また途中から、待機列より正面に見える陸上自衛隊今津駐屯地の UH-60J の帰投準備が始まって、それを眺めていたり、シャトルバスに乗る少し前には離陸、しばらくの間、基地上空をデモフライトみたいなことをしてから帰投してくれたので、意外と飽きずにバス待ちすることができました。(感謝🙏)

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(基地上空を何周も飛び回る今津駐屯地のUH-60J)


帰りも基地から10分くらいで新旭駅に到着。帰りは山からの下りのせいか、バスの車窓からは隊員の制止を無視して歩いて帰る人をちらほら見かけましたが、曲がりくねった決して広くない道をバスが行き交う状況ですからちょっとリスキーな感じで、基地が徒歩入退場禁止しているのも納得でした。

ともあれ、この新快速には乗って帰りたいな…と思っていた電車の30分前には新旭駅に着いたので、駅前にひっそりあるスーパーで昼ごはんを買って補給。分屯基地には飲食販売はありませんでしたので、飲み物持参と事前事後の食事は必須です。

そんなわけで1週間前の饗庭野分屯基地開設50周年記念祭、体力無しおぢさんとしては若干の疲労をおして行ってみたわけですが、行って良かった、ちょうど良い規模、人出、内容の基地祭でした。また機会が合えば、行ってみたいですね。