1年前に購入したブリヂストンの電動アシスト自転車 TB1e。諸々で記録している分だけで乗車距離は 1,200km 弱。いちいち計測せずに乗ってることも多いので、実際にはもう少し乗っていることになるでしょう。

購入前後の記事でも書いたように、元々使っていた激安折りたたみ自転車が故障気味なことも含め、スタジアムへ観戦に行く際の登り坂対策、夏場の汗だく対策として電動アシストを導入したわけです。

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そのスタジアム往復で乗った距離は1年間で精々 150km に満たないと思いますので、残りは 1,000km 少々は本来の購入目的とは外れて「自転車に乗って楽しむ」用途で乗っていたことになろうかと思います。(駅まで乗る、買い物に使う、ことはほぼないので)

ただ、6月以降の夏場は暑すぎてスタジアム往復くらいしかしていないですから、本来の購入目的以外である「自転車ぶらぶら」に使ったのは秋〜春までで、それは今後も変わらないだろうと思います。

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(購入から8ヶ月でブラブラした範囲)


電動アシスト自転車でポタリング、サイクリングしたところで、ロードサイクルその他フツーの自転車で漕ぐほど運動にはなりませんが(同距離のウォーキング程度のカロリー消費という説も)、それでも多少なりの引きこもり防止、運動不足解消、気分転換に使えていたと思います。

また購入動機や購入直後の感想でも書いたように、近隣は平地でも少し動くと坂の多い土地ですから、

坂のあるエリアで自転車を乗る気になる
電動アシストを買って正解だった


というのは、1年間経った今でも率直に思います。自転車でブラブラするのは好きな方ですが、登り坂は嫌いです。巷のチャリダーのようにヒルクライムを楽しめるような頭のイカれたマゾな性格はしていませんので…(暴言)

いずれにせよ、買う前も買った後も

駅も買い物エリアも余裕で徒歩圏内で自転車なんてロクに使わんのに、十数万円もかけて電動アシスト自転車を買うなんて勿体なくね?


という気持ちはあったのですが、本来の購入目的であるスタジアム往復以外に気分転換その他でポタリングなり何なりで使ってきた、使う気持ちになったことでそんな危惧はなくなりました。

今後もその気持ちを忘れずに使っていければ十分に元は取れると思います(1年ではまだ元は全然取れてない)。使用頻度に比してバカ高いカメラ機材に散財するよりずっと元が取れて健康的なので、納得感も高いです!(笑)

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さて、1年前には購入の経緯から購入後のファーストインプレッションまで何回かに分けてウダウダ書いていました。ただ、その後追加の記事を書こうとして、感じたことの感想を書き溜めていたのですが、記事にすることなく2ヶ月、3ヶ月、半年…と過ぎて今に至る、よくあるパターンです😅

大阪ダービーで大敗した鬱憤晴らしに電動アシスト自転車 TB1e を買った話【1】〜電動チャリとか考えたこともなかったのに…
大阪ダービーで大敗した鬱憤晴らしに電動アシスト自転車 TB1e を買った話【2】〜TB1eに決めた理由
大阪ダービーで大敗した鬱憤晴らしに電動アシスト自転車 TB1e を買った話【3】〜購入、色、オプション
大阪ダービーで大敗した鬱憤晴らしに電動アシスト自転車 TB1e を買った話【4】〜納車、初乗りファーストインプレ

購入から数ヶ月間、色々とメモったことは沢山あって、書き散らかしたのテキストも結構な分量があるのですが、正直なところ、電動アシスト自転車を買ったことへの評価とは別に、TB1e という自転車については

購入から半年間と今では
根本的に感想が異なる点がある


ので、1年間経った今、回生充電を売りにした TB1e について良かった点、イマイチに思った点を率直に書き直したいと思います。


■ 回生充電(走りながら充電)は諸刃の剣だった

昨年電動アシスト自転車を購入する際 TB1e に決めた理由は、
  1. 回生充電に惹かれた
  2. クロスバイク/スポーツバイク風だけど街乗り仕様
  3. 当初予算から多少逸脱したけど許容範囲だった

  4. であり、細かな理由も含めて当時の記事に記したとおりです。

    eBike と呼ばれる、お高い本格的な自転車の電動アシスト版もありますが、予算オーバー以前に「お高く見えない」「街乗り仕様」という点は外せなかったので、そーゆーのは out of 眼中でした。チャリヲタではなく一般民ですので、スタンドすらない自転車とか無理ですから…

    (30万40万するような自転車とか有り得へんわ〜、と友達に言ったら、30万40万するようなレンズ買う方が有り得へんわ〜、と言われて、どっちも狂ってるということで納得しました😅)

    ともあれ、

    TB1e 最大の特徴は回生充電


    であり、

    回生充電?おもしれーじゃん、試してみよ!


    というのが TB1e に決めた最大の理由でした。

    購入前から購入後半年くらいは、
    • 他にはあまりない回生充電が面白そう、試したい
    • バッテリー走行距離が長いのは良いね!
    • バッテリー充電回数が減らせるのは面倒臭がりにはピッタリ

    とメリットばかり見て、デメリットはあまり見てなかった、感じていませんでした。購入前にネットの使用感体験談をチェックしていても実感が湧かなかった、というのもありました。

    ただ、購入後、サッカー観戦時のスタジアム往復という本来の目的、近所を乗る程度ではなく、30〜60km 程度のポタリング/サイクリングもどきを時々するようになって、回生充電を搭載していることによるデメリット(後述)も強く感じるようになってきました。

    駅までの往復、片道15〜30分程度の通勤通学、私の場合だとスタジアム往復のような近所を実用的に乗る目的なら回生充電のデメリットはあまり感じないと思うのですが(メリットの方が大きい)、ポタリング/サイクリング的なことをする場合には回生充電による抵抗のデメリットを強く感じます。

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    そもそも、ポタリング/サイクリング的なことを月数回程度でもするようになるとは割と想定外だったこともありますが、そのため今では

    回生充電のメリットも感じるけど、これなら回生充電のないフツーの電動アシスト自転車の方が良かったかもなぁ


    と思っているのも事実です。

    試して使って初めて判ることも多く、メリットもあるので TB1e を買ったことに後悔はないですが、ぶっちゃけ

    次は回生充電のないフツーの電動アシストだなぁ


    と思っています😅

    e-Bike のようなお高いモノではなくても、もう少しお金かけても良いかな?とは思ったりしていますが、買い替えは最低でも数年後ですから、その時にどうなっている、どう思っているやらではありますが。

    いずれにしても、回生充電はメリットだけでなくデメリットもあって、使い方によってその比重が変わるというのは1年間で実感しました。そのあたりを以下に。


■ 回生充電(走りながら充電)はバッテリー充電回数を減らせるのは確か

回生充電(走りながら充電)でバッテリー走行距離が長持ち=バッテリーの充電回数が減らせる、というのは確かで、この1年間十分に実感しています。

特にアシストモードをエコモードをメインに使っていると、本当に減らないです。乗り出しが秋で、バッテリーに厳しい冬がまだバッテリー状態が良かったこともあるでしょうが、冬場でも 150km くらい乗ってから(それでも 20〜25%くらい残っている状態で)充電という感じでした。

バッテリーの保ちが良くなる夏場は、逆に人間の方が負荷かけて大汗をかきたくないのでアシストモードをエコよりオート、パワーモードにして使うことが多く、それなりに減りはしましたが、年間 1,200〜1,300km くらい乗って充電回数は10回そこそこでした。

それも途中からバッテリーに優しい 75% 充電モードを利用して満充電にしたことは半分くらいだったわけで、そういう点では自転車からバッテリーを外して自宅で充電する回数が少ないのは便利でしたね。

バッテリー盗難が多いということで追加のバッテリーロックも使っていますので、取り外しが面倒というほどではないにせよ、脱着して充電の手間が少ない方が良いのは確かです。不精者、面倒臭がりには特に。

その点を考えると、

日常の足として使う場合に回生充電はとても便利


だと思います。通勤通学に日々使っていれば、充電回数も増えるでしょうから、それが半分とまではいかなくても2割、3割減になるのは馬鹿にならないと思います。

それにまぁ、回生充電で(運動)エネルギーを無駄なく使う、充電回数を減らせるというのは、

本当の意味でのエコモード


ですから、その点を考える人にも良いのかもしれません。私はそんなこと気にして TB1e を、回生充電を選んだわけではありませんし、そんなこと言うてる人が電動アシストなんて電力を消費するものに乗っちゃいけないでしょうけど。


■ 回生充電システムによる走行抵抗は意外と大きい

TB1e は回生充電の仕組みがあるため、アシストのためのモーターが前輪に付いているのが特徴です。そのため、アシスト力があるときは押してくれる感のある一般的な電動アシスト自転車と異なり、前から引っ張ってくれる感じになります。最初は違和感がありますが、登り坂では引っ張られるのはむしろ好ましいくらいです。

ところが、回生充電のためのモーターが前輪にあって車輪とともに回っているわけですから、アシストが発生していないときは逆に前輪のモーターが抵抗となるわけで、これが TB1e 最大の欠点、回生充電搭載機に共通する欠点です。

アシストによる補助がない、または少ない場合は、ほぼ常に抵抗を感じていると言っても良く、平地ではペダルを漕がないと回生充電モーターによる抵抗であっという間に速度が下がります。下り坂でも緩い下り坂程度ではペダルを止めると速度が落ちていきます。

その抵抗、速度低下が発電の元なわけですが(速度エネルギーの一部を電力に変えている)、その抵抗感およびペダルを漕がない時の速度低下が意外と大きい。これは(試し乗り程度ではなく)実際に使い始めて強く感じたことでした。

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日本の場合、電動アシスト自転車がアシストを行えるのは時速 24km までと制限されており、また時速 12km 以上では徐々にアシスト力が減衰されるように規制されています。

ですから、アシスト力をそれなりに感じられるのは時速 15km くらいまでで、それ以上だとアシスト力は「ほんのちょっと」程度になり(エコモードだとないも同然)、時速 20km 以上ではほぼアシストはなくなります。

なので、アシスト力が小さい〜なくなる時速 18〜20km 以上で走ることが多い場合は、回生充電のモーター抵抗を感じることが多くなり、アシストされてる時間より抵抗感を感じている時間の方が長くなってしまいます。

このことから TB1e のような回生充電の仕組みというのは、
  • 低速で近距離移動の日常の足として使うならあまりデメリットとして感じない(メリットの方が大きい)
  • サイクリングのようにそれなりの速度で快適な走りを楽しもうとすると大きなデメリットになる

ということをこの1年で実感しました。

アシストがない時は常に抵抗感がある


わけで、とにかく空走する(ペダルを止めた状態で惰性で走る)ことが非常に苦手です。

その為、ポタリング、サイクリングのように自転車で走ることを楽しむことには全く不向きであると言っても良いように思います。

逆に言えば、回生充電という仕組みを取り入れたことで TB1e は通常の電動アシスト自転車よりも実用車志向になっていて「自転車に乗る」という娯楽には向かない、極めて移動のための自転車になっていると感じています。

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アシスト力が供給される漕ぎ出しや登り坂以外では通常の自転車、通常の電動アシスト自転車では感じない、小さくない負荷があり、ペダルを止めると急速に速度が低下するのは、自転車で走る気持ち良さからはいささか遠いものです。

私自身、スタジアムとの往復など近距離移動をメインに購入したはずが、実際にはポタリング、サイクリングを時々楽しんでしまうなど当初の使用目的と変わってしまっているが為に、そのデメリットを強く感じることになってしまい、結果

回生充電のメリットも感じるけど、これなら回生充電のないフツーの電動アシスト自転車の方が良かったかもなぁ


と、1年経って思うようになっているわけです。


■ バッテリーの減りは抑えられるけど充電するほどではない

前項で書いたように、回生充電のモーター抵抗は普段走っていても結構あって、ペダルを止めると急速に速度が低下する、ちょっとした下り坂程度ではペダルを止めれば速度が上がるどころか下がるくらいの抵抗があります。

それだけ回生充電のモーター抵抗があれば、「これは結構な充電を行えているはずだ」と思ってしまうのですが、実際にはそうでもありません。

最初の方で書いたように、確かに TB1e ではバッテリーが長持ちして充電頻度は低いものです。ただ、
  1. 回生充電でバッテリーの減りは抑えられる
  2. けれどバッテリーが充電されるほどではない

レベルです。回生充電、走りながら充電、と聞くと、バッテリーに蓄電されていくようなイメージがありますが、そこまでではなく、バッテリーの使用量を少し抑える程度、って感じです。

TB1e のバッテリー残量表示は 5% 刻みですが、どうやっても 5% 刻みの残量表示が増えることはありませんでした。

ただ、バッテリー残量 15% を切ると残量表示が 1% 刻みになるので、試しに高度 150m くらいを一気に駆け下って、できるだけ回生充電にエネルギーを回してやってみたところ、それでようやく 2% 増えた程度でした。ぶっちゃけ

回生充電といっても自転車だとこんなもんか…


と思ってしまったのも事実。充電というよりは、バッテリーの減りを抑える技術と見るべきもので、このあたりは買う前のイメージとは違いました。


■ 回生充電の抵抗が運動不足解消に?

とまぁ、回生充電のメリットもあれば、使い方によってはデメリットも少なからずあって、良し悪し両方ある TB1e への感想なわけですが、

「ペダルを止めると急速に速度が低下するので空走できない、思いのほかペダルを常に漕ぐ必要がある」

というのは、自転車で走ることへの気持ち良さをスポイルしているのは事実ですが、逆に考えると

「電動アシスト自転車で楽ができるときもあるけど、時速 20km くらいでポタリング/サイクリングする時は抵抗感がある分、カロリー消費が多くなって運動不足になってええんとちゃうか」

そう前向きに捉えられなくもない…ちょっと無理はあるけど、そう考えてもいます😅

実用的に移動するときはアシストモードをパワーモード、オートモードにして最大限、電動アシストの補助を活かして楽をし、運動不足解消で走る時はエコモードにしてアシストより回生充電モーターの抵抗感の方を多めにしてカロリー消費を促す。悪くない気が…

あまり深く考えると、だったら何のために電動アシスト自転車を買ったんだよ?って話に繋がってしまうので、これ以上思考を進ませることはせず、回生充電のデメリットを前向きに捉えていく、ということで。

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あと、回生充電モーターによる抵抗感のデメリットを前向きに考えていけるもう一つのポイントとしては、

下り坂でエンジンブレーキ代わりになる


ということはあります。意外と大きな回生充電モーターの抵抗が、下り坂での速度出し過ぎを抑える役割、強いブレーキを行う機会を減らして少しでもセーフティに走れることにはなっていると思います。

まぁ、こういうのは副産物というか、言い訳というか、強がりというか、そういう感じでもありますけどね😅


■ あくまでシティサイクルなのが良い

購入理由の記事でも書いたのですが、TB1e はあくまで日常利用の実用自転車であり、タイヤの泥除け、スタンド、ライトなどは標準装備だし、前かごやリアキャリアのオプションも用意されています。

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巷では通勤通学でロードサイクルに乗っている人も少なからず見かけますが、ライトを付けず(≠点けず)夕暮れ以降もライトなしで走ってる馬鹿も見かけますが、標準装備で自動点灯なら嫌でもそんなことはないですからね。(TB1e 標準のフロントライトは決して明るくないけれども)

TB1e を買い物に使うことはないと前述しましたが、ブラブラしたついでちょっと買い物くらいはあるので、オプションでリアキャリアを付けたのは正解だったと思いますし、リアキャリアバッグも便利に使っています。

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eBike と称される本格?電動アシスト自転車も魅力的ですが、私にはこういう実用自転車でむしろ正解だったかな、という感じですね。

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(涼しい〜寒い季節は空港まで行くことが何度も)


以上、ブリヂストンの「走りながら充電」を採用した電動アシスト自転車 TB1e を1年間使ってきた感想でした。メリットは買う前から想像できていて期待に違わぬものでしたが、デメリットの方は(事前にネットのレビューで知ってはいたものの)使い始めてしばらく経ってから実感するものでした。

とはいえ、デメリットの方はそれはそれとして付き合っていけるものと受け止めていますから、今後も楽しく使ってきたいと思っています。