前回は、2月初めに国内でも発売されたニコン Z システムの超望遠ズームレンズ Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S を1ヶ月半使ってきた雑感を述べました。今回はその続きというか、まとめきれずダラダラ長くなった2分割の後半みたいなものです。

Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 購入から1ヶ月半で色々思うこと

Z 100-400mm の感想については、AF や使い勝手の部分に関して不満な数点に対する文句の文字量が多かったので、ネガティブな印象に読めたかもしれませんが、画質はお値段に対して納得できるものですし、100-400mm の便利さもあって多少の不満は飲み込んで使っていけるレンズであります。

もっとも、絶対的な価格とコストパフォーマンス的に褒め褒め賞賛とまでは言えませんし、購入を迷ってる人の背中を押せるほど推奨でもありませんが、如何せん

ソニーやキヤノンと違って
Z 望遠レンズには選択肢がない


ので、買うとなれば値段はどうあれ一択😩

コスパに優れたサードパーティー製レンズが揃ってるソニー、あっという間に望遠・超望遠レンズまで「松ないし竹の L レンズ」と「梅クラスの廉価レンズ」を揃えたキヤノンと違って、プラスティックマウントの廉価単焦点レンズ2本を除けば基本、松か竹レンズしかないのがニコンですから致し方ありません。システム価格を思うと、なかなか勧めにくいメーカーになりました。(他社も高くなったけど)

ともあれ、前回記事で書いたとおり、EF マウント時代には長く2代にわたって愛用していた 100-400mm を手元に復活させたいと Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S を Z9 と同時予約して購入したわけですが、Z 100-400mm が発売されるまでの一時、レンタルして使ったのが Z 70-200mm f/2.8 VR S。

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NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S - 概要 | ニコンイメージング

Z9 を手にする前から「Z 100-400mm も欲しいけど Z 70-200mm f/2.8 も欲しいよなぁ」とは思っていましたし、EF マウント時代は 100-400 と 70-200/2.8 の両レンズを揃えて使い分けていました(70-200/2.8 は IS 初期型)から、理想は Z レンズでも両方揃えて使い分け。理想というか定番でしょうけど。

とは言え、Z9 と合わせて両方のレンズを買える余裕はなく、さらに標準ズームの代わりとして 200mm までの高倍率ズームレンズ Z 24-200mm f/4-6.3 VR を試したくて、Z9 購入後に買おうと思っていましたから、(写りの差はあるとしても)画角レンジ的にも 200mm までのズームレンズは優先度が下がったわけです。



ところが、Z9 を使い始めてから画質や AF 面で色々感じることが出てきて、その時点で F/Z マウントでは絞り開放 F4 未満のレンズを持っていなかったため、

こりゃあ一度、明るいレンズを使って Z9 の撮影を確認してみないとなぁ


と思い、正月明けに1週間近く借りたのが Z 70-200mm f/2.8 VR S。

実際に使ってみると「噂通りの S Line の Z レンズ凄えなあ」と描写に惚れただけでなく、Z9 の AF 的にも明るいレンズの必要性を実感。

Z 100-400mm を買うことに決めていたけど、Z 70-200mm f/2.8 VR S もやっぱり欲しい、というか Z9 には必要なレンズだわ、これ…


となった次第。

当時 Z 70-200mm f/2.8 VR S はヨドバシカメラにも在庫なし(納期3月)だったため、とりあえず 1.4倍テレコンとともに注文を入れ、ここから1ヶ月近く「100-400mm を買うか、70-200mm f/2.8 を買うか」で悩み倒しました。

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悩んだ挙句、望遠バカの私は結局焦点距離の長い方を優先&新しいレンズ優先で Z 100-400mm を購入。Z 100-400mm か Z 70-200mm f/2.8 のどちらかを買って、どちらかはキャンセルしようと思っていたので、Z 70-200mm f/2.8 VR S は後ろ髪引かれつつも諦め……

…たはずだったんですが、Z 100-400mm 購入後に改めて Z 70-200mm f/2.8 を借りて使ってみて、

高感度ドンと来い、暗所、露出アンダー条件でも動体撮影 AF がそれなりに頼れる D5 と違って、それらに信頼の置けない Z9 を使う場合、できるだけ明るいレンズで感度を下げる or 露出を維持して AF 合焦率を確保するしかない


という結論に。

Z 70-200mm f/2.8 VR S は必要な時にレンタルでいいや、と思ったのですが、気に入ったレンズになってしまいましたので、何度もレンタルするくらいなら…と。

そんなわけで結局 Z 70-200mm f/2.8 VR S も購入となりました。Z 100-400mm を買って Z 70-200mm f/2.8 VR S を諦めたはずなのに1ヶ月半後に Z 70-200mm f/2.8 VR S も買ってしまった具体的な理由は以下に。


  1. 低照度の動体撮影で、Z 70-200mm f/2.8 VR S(F2.8 絞り開放)と手持ち F4 以上のレンズで AF 合焦率に明確な差、D5 における同条件より大きな差があり、これだけでも買わざるを得ないと思うに至った

  2. D5/D6 から高画素化されてしまった Z9 は高感度の画質クオリティが下がっているので(特に暗部)、シャッター速度を確保したい被写体相手では明るい F2.8 ズームの必要性が増した

  3. ぶっちゃけ Z 70-200mm f/2.8 VR S の描写に惚れた

  4. Z9 と Z24-200mm、Z100-400mm および、それまでの買い物によるヨドバシポイントが十数万円分溜まっていたのと、貰い物のギフトカードを全部つぎ込めば購入金額の3分の2を充当できるので、しばらく節約生活をしてサッカー遠征を2つ諦めれば何とかなる、か、な…と😅
    (ちなみに一定金額以上のポイントを使おうとすると本人確認で時間がかかります)

  5. 正直気に入ったレンズになってしまったので、今後も1回1〜2万円のレンタルを繰り返すのは無駄

  6. 部品・材料不足その他の影響で各社カメラボディもレンズも値上げに走っていて、ニコンも今後値上げする可能性はあるし、その場合は2020年ごろまでに発売されたレンズが対象になると思えるので、買うならその前に買っておきたい。(Z 100-400 と同程度に値上げになる可能性が高いと判断)

  7. 飛行機撮りに関しては秋〜冬の遠距離撮影、昼間でも撮影可能な季節が終わって、これからは夕方〜夜の撮影が増える季節になるから、買うならこのタイミング。

  8. 二度レンタルして使って手に入れたいと思ったわけで、買って後悔することはないはず

といったところでしょうか。とりあえず Z9 で他のレンズと比較しながら使っていて、特に最初の理由が無理を押して Z 70-200mm f/2.8 VR S まで買ってしまった最大の要因でありました。

D5 でも F2.8 ズームが必要になる時には借りて使うことがありましたが、普段の適当夜撮では D5 の高感度画質と暗所での AF の信頼性に頼っていました。が、Z9 ではそういう誤魔化しは通用せず。

特に Z9 の AF は光量および露出条件に大きく左右され、条件が悪くなると D5/D500 よりも大きく AF 能力を落としますので、画質以前に被写体を捉えるという時点で明るいレンズがより一層必要となりました。

実際にヒコーキや車などの夜撮影をしていても Z 24-200mm や Z 100-400mm と比べて AF 合焦率が随分と違うことを実感しました。D5 でも暗所ではレンズの明るさによって AF 合焦率は変わりますが、Z9 はよりセンシティブだと感じています。(単純に絞り開放値の差だけの問題ではないですけど)

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写りに関しては、最初に借りて使った際、一発で気に入りました。繊細だけどキレる描写。過去に使ってきたズームレンズではダントツに No.1。私みたいな何も分かってないド素人でも、ファインダー覗いてる時から「こりゃ素晴らしいや」と感じさせるレンズ。

Z 100-400mm の描写も悪くはなくて 400mm までの超望遠ズームレンズとしては満足しているのですが、本レンズと比較すると少々分が悪いというか。個人的な印象では Z 100-400mm が鉈、Z 70-200mm f/2.8 は日本刀、という感じですかね。ヒコーキみたいなデカ物を、それこそ流し撮りをしていても、違いは感じますね。

ま、それだけ気に入ったレンズであり、画角や飛行機撮影における利便性優先で Z 100-400mm を選んだ後も Z 70-200mm f/2.8 の描写が忘れられなかったことは、結局買ってしまった大きな要因でした。

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残る購入理由の多くは主に金銭的なことですが、一番重要な点です。製品の値上げはいつあってもおかしくないと思っているので、モノがある時に買っておくべきかな?というのも、かなりの購入要因でした。

あとはまぁ、近年、家庭の事情的なこともあってあまり夜の撮影に出られず、今も状況は大きく変わっていないのですが、宵の口くらいの撮影は何とかやりくりできないかなぁ、と思っているので、動機付けという意味でも 70-200 F2.8 は手元に復活させたかったですね。

というか、これだけ機材を揃えてしまったからには、もう一度腰を据えて、気合い?を入れ直して、というところはあります。端にも棒にもかからない写真しか撮れないにしても、自身の体力的身体的なことを考えるともう、「いずれ」なんて先延ばしにできない年頃ですから。

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ぶっちゃけたことを言うと、懐具合を考えれば、Z 100-400mm と Z 70-200mm f/2.8 の二者択一で迷った際に Z 70-200mm f/2.8 VR S を選んで 100-400mm 域は2倍テレコンで誤魔化しておいても良かったかな、と今さら思うところはあります。

Z 70-200mm については、ポイントその他をだいぶ充当したとはいえ、Z9 の後に2本の望遠ズームを買ったのは散財しすぎました。

Z9 が高画素機で DX モードでも十分な画素数を確保できることを思えば、2倍テレコンを使わなくても 1.4倍テレコン+DX モードで 147-420mm 相当の画角を確保できますし、その先は 2本の 500mm 単焦点レンズを持ってることを思えば、ちょっと欲望に走りすぎた感はあると反省してます。

前回記事でも書いたように、Z 70-200mm f/2.8 VR S を買ったからには Z 100-400mm を手放そう、と内心思っていたけれど、やっぱり代用はしづらい点はあって 100-400mm も手元に置くことになっちゃいましたから…

ともあれ、こうなっては今さらなので、しっかりこれら2本のレンズを使って、大枚叩いた元を取ったと言えるようにならないといけない、と気持ちを一新して前向きで行きたいと思っています☺️

で、しつこくこの話はもう1回続きます😅