先週からずっと腰痛で死んでおり、椅子に座り続けるのも厳しいので、活躍するのは横になりながらでも入力できる音声テキスト入力。割とまともに使える便利な時代になりました。そして電子書籍に動画コンテンツは横にならざるを得ない時こそ、活躍してくれますし。


(今に至る過程を推測するのに参考になる?一冊)


さて、先週は世界的にも注目されているカメラショー CP+ が開催されていたものの、今年もコロナ禍でオンライン開催となりました。地方ユーザーとしては、いちいち横浜まで行かずとも色々なセッションが見られるのでオンライン大歓迎です。

CP+ に向けて発表された新製品を展示して試せるのは魅力ですが、大阪だと撤退したオリンパス以外のカメラメーカーはショールームがあるため、発表当日か翌日にはそちらでお触りお試しができる今、必ずしも CP+ に行く必要もないわけで。

混んでいるイベントで順番待ちを気にしながらちょっと触っただけで分かることは知れていますから、新製品以外、特にレンズは気になったらレンタルして試してから、購入を決めるのが近年は多い私です。

それでも唯一、ああいうイベントへ行く価値があると思うのは、メーカーの人に直接疑問をぶつけられることでしょう。ぶつけたところで必ずしも聞きたかったことが返ってくるとは限りませんし、盛って話されたことも一度ではありませんが、それでもカタログにはない点、取説にも書かれてない挙動について聞ける機会は貴重です。

(そういう意味では買う前だけでなく、買った後の質問や要望を伝える場であると認識していますが、要望などは記録のあるメールで送るのが大前提でもあります)

ともあれ、この2年の CP+ オンライン開催の反響もあるでしょうし、今後は現地イベントの YouTube Live 中継やアーカイブ配信が今まで以上に増えるのではないかと思っています。(face to face で〜という昭和の香りが残る業界ではありますが、そういう時代でもないですし)

CPplus2022_1


そんなことも思いながら、今年もオンライン開催だった CP+。腰痛やらなんやらで動けない分、CP+ のコンテンツを今年は割と多く見たこともあって、ちょっと思うところがあったので少し記しておきたいと思います。


(1)新製品紹介系コンテンツはオンラインで見ると余計に…

CP+ で各メーカーで行われるセッションの内容を分けると、だいたい以下の区分になるように思います。
  1. 新商品・主力商品紹介系(開発者トーク含む)
  2. お抱えプロによる新製品でこんなの撮れるよ系
  3. カメラや純正ソフトの使いこなしレクチャー系
  4. 各ジャンルのプロによる写真トーク(新製品に触れるけど少なめ)
  5. メーカーのファンに向けてトークセッション

アクセサリー系メーカーでは多少変わると思いますが、カメラメーカー、レンズメーカーではだいたい、こういう切り分けになるのでは?と思います。

CP+ 本来の意義からすれば、1. または 2. が主眼に置かれるところでしょうし、そこに基本を置くメーカーが大半です。当然ですね。

ただ、オンライン配信になってから感じるのは、

新製品紹介系は元々大して面白くないが
オンラインで見るとより一層微妙


であること。現地にいれば見続けることができても、オンラインではなかなか厳しい部分もあったのではないでしょうか。

特に 1. については、社員とお抱えプロさんの対談形式でも、数人の開発者とのトークセッションでも、基本的に淡々と進められていくことがほとんどで、私としては正直見ていて眠たくなり、もうええわって切っちゃうことばかりでした。

中には新製品発表時によく見かける、カタログに書かれた内容を動画で喋ってるだけのコンテンツもありました。そういう義務的に出してるようなモノをイベントでやるのは、オンラインだけでなくリアル会場でもそろそろ軌道修正があっても良いと思うのですが、前例踏襲になっていて変えるのは難しいのかもしれません。

それら新製品紹介系について言えば、CP+ に合わせて目玉新製品を出すことが少なくなった分、余計に魅力薄に拍車をかけているように思います。開発者トークでも言えることは限られているでしょうから、既発売の製品だと「どこかのメディアインタビューで見たような内容」になっちゃいますし。

これがリアル開催なら現場の雰囲気でポロリなんてことも全くないとは言えないのでしょうけど(まぁないけど)、オンラインで、特に収録済みコンテンツの再生だけだと余計に微妙さが増します。

CPplus2022_2


あと、2. の「お抱えプロによる新製品でこんなの撮れるよ系」も CP+ コンテンツとしては定番中の定番でありますが、ぶっちゃけ

コンテンツの魅力は担当プロのトーク力
または司会者の引き出し方次第


になっているのは、リアルで見る以上にオンラインだと感じますね。

メーカーお抱えプロカメラマンさんが一人で「新製品でこんなの撮ってきましたよ」と撮影秘話?とともに撮影写真を淡々と紹介していく、というのもよくあることですが、よっぽど担当プロさんのトーク力がないと厳しいように毎回思います。

メーカーなどの写真教室講師をやられている方々は話し方も上手ですし、そもそも聞きやすいので良いのですが、そうでない場合は、いくら良い写真が出てくるとしても、そのプロカメラマンさんに興味あるか、その撮影カテゴリーに興味がないと面白いと感じるのは難しいように思います。

レクチャー系なら多少説明側のトーク力がおぼつかなくても得られる知識があれば満足できますし、そもそも興味がある人しか見ないコンテンツですから、製品紹介系、新製品で撮ってきました系ほどの「引き込み」は求められないと思うんですよね。

そして、そもそも論として、カメラマンに高いトーク力を求めるのは無理があるわけで、それだからこそ、進行を司ってテンポを制御できる司会者をおいての対談形式にすべきだったのでは?と感じさせる惜しいコンテンツもありました。

そのあたりの塩梅が判っているメーカーと判っていないメーカーがある、そんな気が昨年以上に感じられたのが今回の CP+ で一番思うところでしたね。

CP+ でメーカーが宣伝としてやるべき内容をやるのは大前提でしょうが、オンラインコンテンツとして考えた場合、それこそ「映える」「楽しめる」「見てもらえる」「最後まで見続けてもらえる」かどうかは重要ですし、それはリアル開催での内容にも通じるように思います。


(2)当日のスケジュールはYoutubeライブ配信の概要欄に書くべき

一部のメーカーでは当日のイベントスケジュールがメーカー公式サイトの CP+ ページに行かないと見られず、不便しましたね。

見たいと思っていたコンテンツがあってライブ配信を見てもまだだったりして、「あれ何時からだったっけ?」と確認するのに、概要欄に書いてあればすぐですが、メーカー公式サイトまで行かなきゃならないとなると面倒過ぎでした。

これはできれば改善してほしいですねぇ。


(3)アーカイブは残してほしい、でもセッション毎で

CP+ で配信された内容のアーカイブはできれば残してほしいものです。ずっと、は無理でも最低限、見逃し配信的にしばらくは全部見られるようにしてほしいものです。今年はライブ配信を残されているメーカー、後でアーカイブ配信すると明言しているメーカーが大半なので嬉しいです。

カメラやソフトウェアの使いこなしセッションなどは年単位で参考になる場合が多く、大事なユーザーサポートだったり資産だと思います。メーカーが既に同じようなレクチャー動画を公開している場合もありますが、それより分かりやすいことも多いです。

そうでなくても、現場で見て面白かったセッションとかは後から、1年後でも思い出して見たりしますし。昔のキヤノン CP+ のルーク・オザワさんのセッションとか今見ても面白い。



ただ、残していくメーカーさんも昼から夜までのライブ配信アーカイブをそのまま残される場合と、改めてセッション(イベント)毎に切ったものを配信アーカイブとする場合に分かれますが、できれば後者であってほしいな、と。見る側としては手間が減るので。

それに配信アーカイブをセッション毎に切り分けておけば、セッション(コンテンツ)ごとの再生回数や途中離脱率などを見て、来年以降の(リアル開催のコンテンツについても)参考にできるんじゃないかと思いますしね。

RF1200mm_Release1


とまぁ、CP+ 2022 で色々見てきた中で思うことを適当に、そして勝手なことを書かせていただきました。

ちなみに、CP+ 2022 関連で発表された新製品で特に購入意欲をそそられるものはありませんでしたが、超望遠馬鹿としてはキヤノンから発表された RF800mm F5.6 L IS USM と RF1200mm F8 L IS USM は興味を惹かれるものでした。

キヤノン:RF800mm F5.6 L IS USM|概要
キヤノン:RF1200mm F8 L IS USM|概要

どちらも200万円オーバーですけど、昨今の超望遠レンズの流れで大幅な軽量化。F8 とはいえ、1200mm を出してきたのは RF 時代のキヤノンレンズ戦略らしいアクティブさで、羨ましいですね。買えないとしても。(予約開始直後に納期遅延のお知らせが出るのは、もうカメラ業界の様式美)

1200mm とはいえ F8 にしたことで 3kg 台前半の重量ですから、過去の 600mm F4、800mm F5.6 を使っていた人にとっては余裕で手持ち振り回しが可能でしょう。航空祭が復活となった暁には、1200mm を振り回してる人を見られそうで、それが楽しみです☺️

ただ、「新型なのに MTF が〜」と言っている MTF おぢさんが今回も散見されており、なんかまぁアレですよね。当方にも、むかしゴーヨン (AF-S 500mm f/4E FL ED VR) ユーザーから見たゴーゴーロクPF (AF-S 500mm f/5.6E PF ED VR) の印象を書いた記事に対して

ゴーヨンよりゴーゴーロクPF の MTF 曲線の方が圧倒的に上で、 ニコン史上最高画質のレンズです


とか言われて、「はぁそうですか。最高のレンズ買えて良かったですね」としか言いようがなかったこともありました。

両レンズを1年半以上併用してる私としては、お手軽撮影や観客席から撮るような場合の小型軽量さが必要な時以外は 556PF を使いたい理由はないんですけど、MTF 曲線で購入するレンズを決めるなんて人もいると初めて知りました。(そういうことにしておきます)

RF1200mm_Release2


ま、個人的には、MTF が張り付いていようがちょっと曲がっていようが、そんなことよりも
  • EFレンズ時代からキヤノンは90度毎のクリックがあって一脚・三脚使用時の横位置縦位置変更が極めて素早くできる
  • RF超望遠レンズには既発売の400mm F2.8 / 600mm F4 も含めてショートフードがオプションで用意されている

こういう撮影時の利便性を考えた仕様の方がずっと魅力的に感じますね。

前者についてはキヤノンの方が使いやすいと思う点の一つですし、後者のショートフードは EF 300mm F2.8L IS USM ユーザー時代に簡易のものを自作したり、キヤノンにも要望したことがあったので、正直羨ましいです。

あと、そんなこととは別にして、
  • キヤノンは RF レンズの 70-200mm や 100-400/500mm などではテレコンが付けられなかったり制限付きになったり、また絞り開放値を暗くしても、利便性重視、小型化に振っていたのに、超望遠単焦点レンズでは軽量化だけで従来と同じ仕様にてリリース

  • ニコンは超望遠単焦点を出すまでの Z レンズで、ずっと一眼レフ用レンズと同じ仕様ばかりでコンサバな感じだったのに、超望遠単焦点ではテレコン内蔵 400mm F2.8 や PF レンズ採用&絞り開放値を暗くした 800mm を出すなどチャレンジ志向

と、なんか好対照で面白いな、と感じています。

話は CP+ からえらく逸れましたが、適当に思うところを音声入力してたので(レンズ名とかは後で手直し必須ですけど)、毎度のことながら散漫なまま、この辺にて。