新型 Kindle Paperwhite (2021) の上位版「シグニチャーエディション」が発売開始され、手元に届いて1週間が経つわけですが、早速毎日のお風呂読書に、電車移動その他出先での読書に活躍してくれています。

新型 Kindle Paperwhite シグニチャーエディションは絶賛しても良さげ? 〜シグニチャーエディションを選んだ理由、そして第一印象

秋も深まって涼しさが増す中、お風呂タイムも徐々に長くなっているわけですが、その時のお風呂読書のために持ち込む端末は最近、旧 Kindle Paperwhite (2018) よりスマホを持ち込む方が増えてきて、スマホを持ち込むと読書より SNS やウェブ巡回が多くなり、読書タイムが少なくなっていました。

が、新しい Kindle Paperwhite (2021) は画面拡大&レスポンス向上で実に心地よく使えて、特に積ん読が酷い状況になっているコミックがストレスなく読めるようになって積ん読消化できるようになり、しばらくお風呂端末はコレ一択になりそうです。

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さて、1週間使ってみてのファーストインプレションを記しておきたいと思うのですが、とりあえずまず結論を言っておくと

出せるなら旧型のセール特価に負けず
新しいPaperwhiteを買え


ですね。+5千円のシグニチャーエディションまで出すかどうかは各自の懐次第ですが、「まずは安く試したい」という人を除いては、金銭的に出せるなら新型を強く勧めます

この先しばらく、セールのたびに旧型が激安で売られ、特に今月末から始まるブラックフライデーセールでは結構お安くなるので、旧型の安さに惹かれる人も多いと思いますが、新しい Kindle Paperwhite (2021) には価格差だけの違いは十分にあります。それは断言できます。

(なお、前から言っているとおり、Paperwhite でも上位機 Oasis でもない一番安い無印モデルは止めておいた方が良いというのが持論ですので、値段最優先で無印モデルを考えていた人にはセールで安くなるであろう旧型 Paperwhite を断然勧めます)

特に
  • コミックを読む人
  • 文字サイズを5以上に設定してる人
  • 図表のある新書などを読む人
  • 固定レイアウトの書籍をどうしても電子インクで読みたい人
  • 充電を USB-C 端子に統一したい人

これらの人は新型一択です。

逆に、コミックなんて大人が読むもんじゃない、小説や新書その他リフロー可能なテキスト書籍しか読まない、老眼m9(^Д^)プギャー で文字サイズを大きくしなくても読める人なら、セール価格の際に旧型を買うのは悪くない選択だと思います。

シグニチャーエディションについては、+5千円という小さくないハードルがありますから各自の懐次第ではありますが、個人的には
  • 周囲の光量に合わせた画面輝度の自動(調光)調節
  • 5GHz 帯 Wi-Fi 対応のよる速いダウンロード速度
  • あったらやっぱり便利な Qi ワイヤレス充電

この3点でシグニチャーエディションを選んだことは満足しています

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いずれせよ、過去に Paperwhite 第1世代の 2012年版から 2013年、2015年、2018年と全ての世代を購入してきましたが、今回の 2021年モデルは

過去のどのモデルチェンジの時よりも
進化の幅が大きく使用感向上も大きい


のは間違いありません。見た目で判る画面サイズ拡大だけでなく、レスポンス向上など色々な部分で

こりゃ頑張ったなぁ、もう旧型には戻れないわ


と感じさせてくれます。ので、できるなら新型を勧めます、と断言したいわけです。

というわけで、今回の新型を強く薦めたい理由と、そして1週間使ってみて感じた若干の不満点も含めて、Kindle Paperwhite (2021) シグニチャーエディションのファーストインプレを以下に記しておきます。


1. 体感で十分感じられる動作速度改善

発表時の「処理速度20%向上」という謳い文句を見て、正直なところ、モッサリ君改善はあまり期待していませんでした。体感で速くなった、と感じられるのは概ね 50% 向上くらいからだと思っていますので(個人差あり)、ちょっとレスポンスが良くなったかな?という程度だろうと思っていました。

しかしながら、新しい Kindle Paperwhite (2021) は初回起動&セットアップが終わって使い始めた途端、「お、これは速くなってる」と体感できるものでした。
  • メニュー、設定画面操作
  • ダウンロード済み書籍を開くとき
  • コミックのページ送り

この3点について顕著に改善され、過去の Paperwhite モデルチェンジおよびファームウェア・アップデートでも1、2を争う体感速度向上、ストレス軽減の度合いだと思います。

もちろん、iPad や一定以上のマトモな Android タブレットデバイスと比べると動作レスポンスはまだまだ悪い、遅いので、そこは誤解なきよう。あくまで元々がモッサリな Kindle 比、Paperwhite 比の話。

それでも、従来機はメニューまわりの操作や設定画面の操作でいちいち待たされ、読書中以外の場面ではストレスを感じずに使うことは無理でしたから、使用時のストレスはそれなりに下がりました。従来機を使っている人ほど有り難みを感じるだろうと思います。


2. それでもモッサリ君返上にはもう一歩

購入時の記事でも、前項でも「モッサリ君返上で良いかも!?」と書いてきましたが、1週間使ってきて思い直しました。

随分と使用感は向上してストレスを感じる場面も少なくなったけれど、やっぱりまだ色々な場面でレスポンスの悪さはあるし、モッサリ君返上にはもう一声頑張ってもらわないとねぇ。


特に、まだモッサリ君を感じるのは、以下の場面。
  1. バックグラウンドで書籍ダウンロード中の操作は完全モッサリ君
  2. 比較的レスポンスが良くなったメニュー操作も、ちょくちょく反応が悪くなる
  3. スリープからの起動が顕著に遅くなった(遅くなる場合がある)

Kindle 端末は自社コンテンツ再生ができる範囲で省電力&コスト削減第一であり、搭載チップの処理性能やメモリその他は限界までケチっていて余裕ないスペックでしょうから、バッググラウンドで別のタスクが走ってる時の操作感が一気に悪くなるのは仕方ない、というか予想の範囲内ではあります。

ただ、このあたりは iPad や一定以上の Android タブレットで Kindle アプリを使っている時と比べると圧倒的な使用感の差を感じるところです。

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「スリープ解除が遅くなった」というのは常に遅くなったのではなく、一定時間以上使っていない時のスリープ解除の場合です。スリープ解除なのに「起動中…」という文字が表示されて数秒待つことがある仕様になりました。(上記画面)

ただし、スリープボタンを押してスリープ状態にしてから短時間でスリープ解除する時の起動は従来どおり、ほぼ待たされることはありません。

おそらくスリープモードが(さらに)多段階化して、しばらく使ってないとディープスリープ状態になり、パソコンで言えばスリープというよりハイバネーション状態になるため、そこからの復帰に時間がかかるのでしょう。

ストレスを感じるというほどではありませんが、ちょっとビックリというか戸惑いました。

反面、従来の Kindle Paperwhite にあった、スリープ解除直後に数秒〜10秒程度フリーズしたかのように操作できない状態が発生することがなくなったので、そういう状態にさせないための「起動中…」表示なのかもしれません。


3. 画面拡大&レスポンス向上でコミック読書が真に実用的となった

このことは購入時の記事にも強調しましたが、改めて書いておきたいと思います。

従来の Kindle Paperwhite でもコミックを読むことはできましたが、
  • セリフの文字が潰れやすい
  • 絵の細部も潰れやすい
  • ページ送り時の画面書き換え速度がギリギリ

という点があって、「Paperwhite でコミックは問題なく読めるけど、快適とは言い難い」のが正直なところでした。

絵柄の細かい描写が再現しきれないのは階調の少ない電子インク端末ゆえに仕方ありませんが、セリフは大きめ文字でないかぎり若干潰れ気味がデフォルトって感じでしたし、ページ送り時の画面書き換えは瞬時に描きかわるというより描き変わっていく残像が見えるページ送りでした。

セリフの文字は多少潰れてても読めますし、ページ送りの速度もストレスを感じるほどではありませんでしたから、従来機でもコミックが読めるか読めないかで言えば「読める」になるわけですけど、敢えて Kindle Paperwhite で読むことを選択するほどではありませんでした。

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それに比べて新型 Paperwhite (2021) は画面のサイズ拡大(解像度アップで 300dpi は維持)と動作速度向上で、
  • セリフの文字の読みやすさアップ(ルビは潰れることが多い)
  • 絵の細部も潰れも多少改善
  • ページ送り速度が体感で倍になり残像も一瞬でストレスなし

となり、

Paperwhiteでのコミック読書も
人に勧められるレベルで改善


されたと言って良いと思います。

もちろん、絵の描写や操作レスポンスは圧倒的に iPad や一定以上の Android タブレットの方が良いので(そもそもカラーではないし)、タブレットより快適とは絶対に言えませんが、目への負担が液晶画面と電子インクでは断然違うので、

長時間、電子書籍コミックを読み耽る人なら目への負担も考えて、新型 Paperwhite を検討する余地はあるんじゃないかなぁ


と思いますし、それを言えるくらいの読書感になったと思います。タブレットと同じ感覚では使うのは無理ですが…

私自身は、カラーで読みたい場合を除き、コミックも Paperwhite で読むようになったことが新しい Kindle Paperwhite (2021) が手元に来て一番大きく変化したことですね。



4. 画面が大きくなっても、持った感覚の差は最小限

画面のサイズアップは前項のコミックの読みやすさ大幅改善や、老眼er にとって文字サイズを拡大しても一画面の情報量が確保できる点で嬉しいことですが、反面、ボディサイズ拡大や重量アップにより軽快な読書感が失われるリスクもあります。

特に前モデル Kindle Paperwhite (2018) では防水仕様になると同時に軽量化も果たしていたため、今回のモデルとの差はそれなりにあります。

購入前はその点を心配していましたが、1週間使ってみての率直な感想は、

重量増&サイズ拡大はさほど気にならず
長時間片手持ち読書も従来同様にOK


でした。読書感、読書スタイルは従来モデルとほぼ変わらずで、タブレットと比べると軽快に端末を持って長時間読書できるメリットは変わらない、と感じました。

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画面サイズ拡大に伴って端末サイズも大きくなっていますが(縦横 167×116mm → 174×125mm)、厚みがほぼ変わらない(若干薄くなった)ことと、重量バランスに変化がないことが読書感の変化を最小限に抑えて、従来の感覚どおり使えているのだと思っています。

狭額縁というほどではありませんが、額縁を狭くして画面サイズ拡大によるボディサイズ拡大を抑える努力は見られます。このあたり第6世代 iPad mini に通じるものがあります。(褒めすぎ)

ただし、

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↑このように端末の端を持って読書する分には特に変わらず良いのですが、

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↑このように端末の両側面をガシッと握るパターンの場合、端末サイズが多少大きくなったことで持った感覚に変化はあると思います。男性としては小さな当方の手では、この端末両側をガシッと握って読書するのはちょっと難しくなりました。(握れるけど、ちょっと手に力が入るようになったため)

このあたりは人それぞれの感覚があると思うので、あくまで私個人の場合ですが、ボディサイズ拡大の影響はなくはないものの、端末の端を持って読書する分には従来機と変わらぬ感覚で読めています


ちょっと長くなりましたので、ちょっとした不満点や要改善も含めた残りは後編として次回記事で。

→(続き)新型 Kindle Paperwhite (2021) シグニチャーエディションと1週間【後編】 〜使えば細かい不満はあるが長く使えるフルモデルチェンジ