ライバルがフラッグシップ機をとっくに発売したり、東京五輪で開発機が堂々とたくさん使われたりされている中、開発発表からサッパリ音沙汰なし、直前になって信者向けの餌としか思わないどうでもいいティザー広告を出してきて、よーーーーーーーーーやく発表になったニコン Z9。
発表会が始まると同時に、ニコンプラザでタッチ&トライイベントやるんだろうな〜と思って見に行ったら、本日から予約制の Z9 体験会を行うということでしたので、早速本日、午後アポの前にちょっぴり触ってきました。

Z9 については色々言いたいこともありますが、ひとまず Z9 体験会で感じた印象を記しておきます。
先に断っておきますが、買う予定のない冷やかしではなく真面目に購入(予約)検討してるが故の試用ですが、後述するように、ごく狭い体験会イベントで確認できることは限られているので、実際に Z9 ボディを使っての試用では
といった使い勝手の確認と EVF と AF の基本的な部分の試用くらいだろうと思っていましたし、実際そうでした。あの狭いスペースで試せるレベルでは、脳みそが正常なら AF が凄いだとか普通は言えないと思います。
ただ、個人的にはそういった Z9 ボディの試用よりも、
について疑問があるため、それを既に Z9 を使っている説明員にお聞きしたい、というのが主目的で行きました。
その疑問点というのは、
といったところ。
過去の D一桁シリーズから一転、高画素機にしてしまった Z9 で気になるのは高感度画質。ナイトゲームのスポーツ撮影で ISO 6400 や 10,000 を常用する身としては、その点をわざとスルーしまくってるのは、どうにも不安です。(高速読み出しセンサーは他社を見ても、その点において良い材料ではないですし)
9種の被写体認識が売りではあるものの、車認識は GT カーばかりで、はっきり言えば GT カーを追うのは初心者でも少し慣れればできるレベルで、車の被写体認識で欲しいのはハロが付いてから難しくなったフォーミュラーカーのヘルメット狙い、ですからねぇ。
そのあたりは体験会で実機確認できるものでもありませんから、説明していただく方に少しでもヒントをもらえれば、と思いながら行ったのが今回の Z9 体験会でありました。
(言うまでもないですけれど、私個人の感想、主観でしかないので、他人の感想とは全く異なる場合もありますし、場合によっては客観的な事実と異なる場合があります)
発表会が始まると同時に、ニコンプラザでタッチ&トライイベントやるんだろうな〜と思って見に行ったら、本日から予約制の Z9 体験会を行うということでしたので、早速本日、午後アポの前にちょっぴり触ってきました。

Z9 については色々言いたいこともありますが、ひとまず Z9 体験会で感じた印象を記しておきます。
先に断っておきますが、買う予定のない冷やかしではなく真面目に購入(予約)検討してるが故の試用ですが、後述するように、ごく狭い体験会イベントで確認できることは限られているので、実際に Z9 ボディを使っての試用では
- 基本操作(グリップ、レリーズ、親指AF、フォーカス移動など)が D5 と比べてどれだけ違和感なく使えるか
- 通常状態での EVF の見え味、違和感
- 基本的な AF-S / AF-C の操作感
- 変更になったボタン類の操作性確認
といった使い勝手の確認と EVF と AF の基本的な部分の試用くらいだろうと思っていましたし、実際そうでした。あの狭いスペースで試せるレベルでは、脳みそが正常なら AF が凄いだとか普通は言えないと思います。
ただ、個人的にはそういった Z9 ボディの試用よりも、
ウェブでも発表会でもニコンが触れない点
について疑問があるため、それを既に Z9 を使っている説明員にお聞きしたい、というのが主目的で行きました。
その疑問点というのは、
- ニコンが Z9 で一切触れない(触れたくない?)高感度画質は D5/D6 と比べてどれくらい落ちるのか?D850 や Z7 II と比べてどうなのか?
- ミラーレス機が苦手とする低照度での AF-C は?
- 車認識をアピールする動画では全部GTカーで、フォーミュラーカーのハロ越しのヘルメット認識はしないのか?
といったところ。
過去の D一桁シリーズから一転、高画素機にしてしまった Z9 で気になるのは高感度画質。ナイトゲームのスポーツ撮影で ISO 6400 や 10,000 を常用する身としては、その点をわざとスルーしまくってるのは、どうにも不安です。(高速読み出しセンサーは他社を見ても、その点において良い材料ではないですし)
9種の被写体認識が売りではあるものの、車認識は GT カーばかりで、はっきり言えば GT カーを追うのは初心者でも少し慣れればできるレベルで、車の被写体認識で欲しいのはハロが付いてから難しくなったフォーミュラーカーのヘルメット狙い、ですからねぇ。
そのあたりは体験会で実機確認できるものでもありませんから、説明していただく方に少しでもヒントをもらえれば、と思いながら行ったのが今回の Z9 体験会でありました。
(言うまでもないですけれど、私個人の感想、主観でしかないので、他人の感想とは全く異なる場合もありますし、場合によっては客観的な事実と異なる場合があります)
ちなみに、Z9 体験会の仕様は概ね以下のとおりです。(初日、大阪の場合です)
前置きが長くなりましたが、当方がしばらく触って(上記のとおり「使う」と言える程ではないので)感じた点は、以下のとおり。

ま、こんなところですかね。
正直なところ、熱心なファンの皆様が革新的なカメラなんていうほど革新的でも何でもないと思うけど、今まで周回遅れだった分を取り戻す、しっかりとした進化を得て、ようやくライバルに負けないカメラになったのは、十分感じました。
個人的に Z9 は、「過去にない最新の機能も、派手な飛び道具もないけど、ニコンらしいインターフェースの細部を重視した堅実なミラーレス・フラッグシップ機」という印象ですけどね。実機を触ってみて、余計にその思いを強くしました。
もちろん、8K 動画の録画時間に代表されるように、幾つかの点はライバル機より一歩先行した部分もあって、単なる後追い機ではない意地も見せていますしね。
電子シャッターしかないのに連写速度が秒 20コマに留まった点とかライバルの後陣を拝している部分もありますが、勝ってる部分もあれば負けてる部分もあって、抜きつ抜かれつはお互い様。(勝ってる部分しか見ないでテンション上がりきってる人たちも多いですけど)

まぁ、s商法大好きニコンのことですから、2年後にはまた Z9s (Z9 II) を出して「秒30コマで撮れるようになりました」とかやってくるんだろうなぁ…と思うので、そこも Z9 を買うハードルとしてはありますねえ。
あとは、Z9 がライバル機と比べて安いと評判ですけど、フラッグシップ機として大きなコストがかかるメカシャッターとミラーを削ったことを考えれば、十分利益率の高いカメラになってる気はします。今のニコンには重要なことですし。
あとは、Z9 に相応しいサブ機がないことですかねぇ。動体撮影能力も操作性も雲泥の差である Z6 II / Z7 II が Z9 の本当のサブ機にはなりようもないですし…どうするんでしょうね。
というわけで、Z9 の発表全体について思うことは別の記事で、また。
- ウェブからの予約制で、予約枠は30分単位だが、実際に Z9 に触れる時間は原則として10分程度(2グループ交代制)
- 使えるレンズは Z 24-70mm f/2.8 S と Z 70-200mm f/2.8 VR S のみ
- 新発表の Z 24-120mm f/4 S や Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S は無し
- FTZ 経由で Fマウントレンズでの試用は不可(将来、人が少なくなったら可能かも?という話)
- 新しい FTZ II の展示は別途ありました
- 時間になると予約した人が順に呼ばれて、Z9 体験会のエリア(3m 四方程度)の中に入れられる
- Z9 のカタログとシールをもらい、体験会エリア内の許可証を首からかける(カタログはニコンプラザ内に別途置かれています)
- 最初に、昨日 Z9 発表会冒頭で見せられた動画をまた見せられる
- その後グループ毎に10分間の試用タイム
- AF というか被写体認識については、前にあるプロジェクターで流されている映像にファインダーを向けて試して、とのこと
- プロジェクターで流されてる映像は昨日発表会の冒頭で流れてた、各種動体のザッピング動画
- 移転して狭くなったニコンプラザの一部を仕切ってる中なので、ごく狭いエリアしかないため、レンズ振って AF や EVF の挙動を確認したり、暗所を狙うのは無理。
- 確認できるのは、主に使い勝手や静止体撮影で判る点。
- 撮影画像は持ち帰り不可なので、画質確認も背面液晶や EVF のみで見て感じる程度。
前置きが長くなりましたが、当方がしばらく触って(上記のとおり「使う」と言える程ではないので)感じた点は、以下のとおり。
1. 操作性
- 最初に持った第一印象として、グリップ感は D5 と比べて違和感なし。
- 半回り程度小さく、やや軽くなっていて、握った瞬間、特に小型軽量さを感じることはないが、非力な私でもしっかり握れて 70-200/2.8S を付けたボディを片手で持った状態で15分以上、説明員の方と話していたが全く負担に感じることなく、ホールディング、しっかり握って振り回せる感が D5 より向上していると実感。
- D5 の縦グリップは自分が使った中でもトップの良さ(握りやすさ、通常グリップとの違和感のなさ)だったが、Z9 はずっと良い出来で、縦横グリップを握った時の差、レリーズに至る感触の差がほぼ無い。(ボタンに関しては縦横差はある)
- ただし、このグリップの感想は、男性としてはやや手の小さな、D一桁のグリップが若干手に余る人間の感想なので、手の大きな人だと逆に少し窮屈に感じる人もいるかもしれない。
- レリーズ、親指 AF といった動体撮影で一番使用する部分の操作感も D5 から違和感なく使える。
- 電子シャッターだけになったのにレリーズタイムラグが大きく短縮した感はなかったなぁ(これは結構期待してる点だったのに。0.01秒でも短縮が欲しい)
- D一桁、三桁機で液晶左側で縦に並んでいたボタンが、液晶右側下部に集まった点は慣れが必要。
- 再生ボタンを左上隅から、わざわざ液晶右下に移設したのはアホかと言いたいくらい意味不明で、併用するときに障害になりそう。(縦使用時を考えたとしても削除ボタンと並んでいるのが判りやすかったのに…)
- ミラーレスになって多用することになりそうなインフォメーションボタンが使いやすい位置になったのは◯、縦位置用にも新設されたのは◎。
- 各種ボタンの感触は D5 と比べても違和感なく、フラッグシップ機として納得。
- 左肩のドライブモードダイアルがなくなって、撮影モードやブラケットと同じ変更方法になったのは良いが、フラッシュボタンができて測光ボタンがなくなったのは全部自動でやらせろ、ってことなのか?と感じたり。
- ボディ左側面にあったフォーカスモード切り替えレバーがボタンになったのは◯。
- だけど、フォーカスモード切り替えボタン自体がこんな位置にあるのは大型レンズを構えながら変更が難しく、多少改善はされたけど根本的なところでダメだと思うし、ニコンの使いづらいところの一つだと思ってる。(使い勝手の継承という点で位置変更が難しいのは理解しているが)
- 全体的に、ボディの使い勝手、操作感については、D5 から移行しても概ね違和感なく使える、グリップ感はより良くなってる、という点で満足できるものだった。
- D5/D6 と併用という点では再生ボタン位置変更だけはどうかと思うが。
2. AF
- 前述のとおり、極めて狭いエリアなので AF-C をしっかり試すようなことは、ほぼ無理。(プロジェクターに映ってる映像を AF したところで意味はないし)
- AF-S は D5 と比べて、おそらく多くのシーンで速いだろうなぁ、という印象は受けた。
- AF-C は振れる範囲で振ったり、明暗差を行き来して試したが、室内の一区画程度では(最新フラッグシップ機なのだから)当然破綻もせず。
- 暗所を探して(至近距離だけど)AF-C の挙動を見ていた時に、ん?ということはあったが、如何せん限られた条件すぎて明確なことは言えず。
- プロジェクターの映像相手の被写体認識は馬鹿馬鹿しすぎて、ちょっと試してフーンで終わったので何とも。
- AF-S だと合焦するとフォーカス枠が赤から緑になって合焦が判るのに、AF-C だとフォーカス枠は常に緑のままで(説明員に確認済み)、合焦したかどうか判りづらく不親切。
- 聞きたい点だった、フォーミュラーカーのドライバーヘルメット認識について聞いたが、車体認識と人物認識があるので、それを切り替えて〜とかよく分からん説明をしていたので、無いっぽい。(CやOにあるんだからファームウェア・アップデートで追加するやろ、と思ってるけど)
- 電子シャッター音は💩(個人の感想です、あれはないわ)
3. EVF
- Z9 で一番良い点は AF でも動画でもなく EVF、と思った。
- 感想を書き忘れるくらい自然な見え味で、ミラーレス機を使ってる感覚がないくらい。
- というか、D5 よりクリアで見やすく、けれど違和感がない。
- 上記で自然な見え味と書いたが、決して本当の自然(生のまま)ではなく、人間が快適に見える自然さ、という意味。
- EOS R3 の OVF ビューアシストも素晴らしかったけど、Z9 は光学ファインダーに似せるのではなく光線状態に最適化した光学ファインダー的見え方を追求した EVF って感じ。(ちょっと方向性が違う印象)
- 高速連写中のブラックアウトフリーとかは、まぁ当たり前だから特筆することもなく。
- Z9 の売りである、高速連写中のブラックアウトフリーでもコマ飛びがなく滑らかに見える、という点については、あの限られた環境で把握するのは無理なのが残念ではあった。
- 低照度時の EVF の見え方、リフレッシュレートの下がり方、低照度時における超スローシャッターでの実用性など α1 や EOS R3 がクリアしてきた部分を Z9 でも確認したかった。(ニコンは発表会でもプロカメラマンのトークでも夜の動体撮影について情報が少なすぎた)
- とはいえ、これは動体撮影における D5/D6 に対して Z9 最大の優位点は間違いない。
- 湿度の高いフィールドでの光学ファインダーの見え方、連写中の 0.1秒で被写体の動きが変わる時のブラックアウト時間のもどかしさ、それを解消できる可能性があるのは魅力。
4. 高感度画質
- D5/D6 と比べてどうなんですか?どれくらいの差がありますか?と聞いて「うーん」としか言わない説明員の方😅
- 説明員の方も Z9 は使ったけど画像持ち帰り確認できたわけじゃないから、というので、いつもお使いのカメラと比べて印象はどうですか?Z7 II と比べてどうなんでしょ?と問い詰めるも、苦笑いで答えてくれず。
- D850 と比べて…とか聞くと「良くはなってますよ」と言うけど、どれくらいかは言葉を濁して、色々と事情があって答えられないのだろうけど…(D5/D6 で ISO 6400 以上を常用するユーザーの Z9 に対する最大のハードルがそこなので、問い詰めて申し訳なかったけど…)
- 自分で暗所狙って ISO 6400〜12,800 あたりで撮って背面液晶で拡大して見ていたところでは、撮って出し JPEG は(RAW 内 JPEG も)ノイズ消す方向でうまく処理されてるとは思ったが…それくらいでは何も分からん。
- D850 と Z7 II の中間くらいなのかなぁ、という根も葉もない適当な印象。
- 最後まで「差」については口を割ってくれなかったし、ニコンがちゃんと説明して欲しいもんやわ、と実機を使っても思ったり。
- DPreview のサンプルが出るまでどうにもならんかな。

ま、こんなところですかね。
正直なところ、熱心なファンの皆様が革新的なカメラなんていうほど革新的でも何でもないと思うけど、今まで周回遅れだった分を取り戻す、しっかりとした進化を得て、ようやくライバルに負けないカメラになったのは、十分感じました。
個人的に Z9 は、「過去にない最新の機能も、派手な飛び道具もないけど、ニコンらしいインターフェースの細部を重視した堅実なミラーレス・フラッグシップ機」という印象ですけどね。実機を触ってみて、余計にその思いを強くしました。
もちろん、8K 動画の録画時間に代表されるように、幾つかの点はライバル機より一歩先行した部分もあって、単なる後追い機ではない意地も見せていますしね。
電子シャッターしかないのに連写速度が秒 20コマに留まった点とかライバルの後陣を拝している部分もありますが、勝ってる部分もあれば負けてる部分もあって、抜きつ抜かれつはお互い様。(勝ってる部分しか見ないでテンション上がりきってる人たちも多いですけど)

まぁ、s商法大好きニコンのことですから、2年後にはまた Z9s (Z9 II) を出して「秒30コマで撮れるようになりました」とかやってくるんだろうなぁ…と思うので、そこも Z9 を買うハードルとしてはありますねえ。
あとは、Z9 がライバル機と比べて安いと評判ですけど、フラッグシップ機として大きなコストがかかるメカシャッターとミラーを削ったことを考えれば、十分利益率の高いカメラになってる気はします。今のニコンには重要なことですし。
あとは、Z9 に相応しいサブ機がないことですかねぇ。動体撮影能力も操作性も雲泥の差である Z6 II / Z7 II が Z9 の本当のサブ機にはなりようもないですし…どうするんでしょうね。
というわけで、Z9 の発表全体について思うことは別の記事で、また。