5月に Apple Silicon M1 チップ搭載の 24インチ iMac が発売された際、本体とは別に話題となったのが、付属キーボード Magic Keyboard に指紋センサー Touch ID が付いたことでした。

当時は Touch ID 指紋センサー付き Magic Keyboard は iMac の付属品としてのみ販売され、単体購入ができなかったのですが、今週から単体発売が開始されました。

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(今回キーボード・マウス・トラックパッドが更新)


MacBook Air/Pro や iPhone SE、iPad と同じように、デスクトップ Mac でも各種認証をパスワード入力なしの指紋センサー一発でクリアできることは iMac / Mac mini ユーザー待望の機能の一つだったと言えます。

Mac のログインや一部のアプリのセキュリティ解除については、Apple Watch を持っていると Apple Watch 側でロック解除や認証が行えますが、Touch ID 指紋認証ほど幅広く対応していませんし、そもそも、

サードパーティ製アプリのセキュリティロック解除は Apple Watch で可能なのに、なんで Safari のパスワード入力は Apple Watch に対応してないねん?


と思いながら、ブラウザ記憶のパスワード入力を可能にさせるのに Mac のパスワードを入れるアホさ面倒さを感じることが度々あるわけです。

TouchID_MagicKeyboard2
(ウェブのパスワード自動入力のためにMacのパスワード入力)


また、今まで Touch ID が使えなかったのは、デスクトップ Mac ユーザーのみならず

MacBookをクラムシェルモードで
使う場合もTouch IDが使えなかった


ので、MacBook Air/Pro をデスクトップ代わりにして外部キーボード接続で使う場合にも Touch ID 搭載 Magic Keyboard は待望でした。(クラムシェルモード= MacBook の蓋を閉めたまま外部ディスプレイやキーボードを接続して使う形態)

Apple Silicon M1 MacBook Air 購入後、自宅ではクラムシェルモードで使うことが多い私にとっても、ようやく来てくれたか!という感じで、単体発売を心待ちにしていましたので、早速購入して使い始めました :-)


指紋センサー Touch ID 搭載 Magic Keyboard のお値段は、テンキー付きが 18,800円、テンキーなしが 15,800円。テンキーなしの通常タイプの Magic Keyboard が 10,800円ですから、

指紋センサーだけで+5千円、お値段1.5倍


というのは、正直ちょっと高い。相変わらずのアップル価格だけど、高いのは高い。目を剥く値段だった '80年代 Mac 用の Apple Keyboard の価格を思い出せば安いけど、高い。

TouchID_MagicKeyboard3


おまけに、今年初めに経年劣化した Magic Keyboard を買い替えたばかりばかりなので、ちょっぴり勿体なさも感じたわけですが、それでも先に書いたように、

デスクトップMacとして使う時の
認証解除の手間を考えたら買う一択


でありました。ま、仕方ないです。必要経費です。

TouchID_MagicKeyboard09
(Magic Keyboard 三世代)


ちなみに、

Touch ID付きキーボードは
Apple Silicon搭載Macのみ対応


であり、旧来の Intel Mac には対応していません。本体搭載のセキュリティチップとの兼ね合いがあるでしょうから仕方ないのでしょう。(Bluetooth を通して指紋情報をやり取りするわけですし)

TouchID_MagicKeyboard5


で、肝心の使い勝手ですが、

Touch IDが搭載された以外は
従来のMagic Keyboardと何ら変わらず


です。

背面の充電端子も USB-C にならず Lighting のまま(Mac はもう基本 USB-C なんだから変えて欲しかった)、充電が満タンになったかどうかのインジケーターもないまま(接続した Mac の Bluetooth 設定画面で確認可能)、背面右側に小さなオンオフスイッチがある、全て同じです。

TouchID_MagicKeyboard10


キーボード自体も右上隅のロックキーが指紋認証 Touch ID 兼用になっただけで、キー配列、ピッチ、タイプ感覚などは全て充電式になった現行 Magic Keyboard と同じです。当たり前と言えば当たり前でしょうけど。

TouchID_MagicKeyboard4


ですから、Touch ID 指紋センサーが付いたところで Magic Keyboard は Magic Keyboard であり、キーボードとしてタイプしやすいかどうかと言われれば、使ってる私自身、

現行Magic Keyboardの
タイピングのしやすさはウンコ💩


だと思ってます。

同じペタペタキータッチの Magic Keyboard でも、乾電池式だった先代 Magic Keyboard はキーボードに適度な傾斜があってまだタイプしやすかったのですが、充電式になった現行 Magic Keyboard は最悪の部類だと思ってます。

とはいえ、私自身 HHK (Happy Hacking Keyboard) や東プレのキーボードはむかし何台も買ったのですが、MacBook Air や仕事用の Windows ノートパソコンなどを併用しているため、

デスクトップ機だけタイプしやすい立派なキーボードを使うと、ノートパソコンを使う時とあまりに違いすぎてタイプミスが逆に増えてストレスになる


と、ある日気づいてから素晴らしいキーボードは使われなくなり、Magic Keyboard みたいな糞ったれ💩キーボードを使って低きに流れて、環境差がないように合わせているので、なんだかなー気分はありますが、ここらへんは人それぞれ考え方でしょう。

(傾斜があまりにもない現行 Magic Keyboard にしてからは、後ろ側に滑り止め兼用で傾斜をつけるものを置いてありますが)

TouchID_MagicKeyboard08A

TouchID_MagicKeyboard08B

TouchID_MagicKeyboard08C
(パッケージングも同梱物も従来と変わらず)


とまぁ、Magic Keyboard の使い勝手、タイピングのしやすさは褒められたものではないままですが、それでも

Touch ID搭載で使い勝手は
MacBook内蔵キーボードと同等に


なったわけで、Mac へのログインは Apple Watch なしでも外部キーボード Magic Keyboard の指紋センサーでログインできますし、Safari などのパスワード入力もキーボードの指紋センサーで楽々解除。

うーん、コレだよ、これ
これで MacBook Air/Pro を通常スタイルで使う場合と、デスクトップ代わりとしてクラムシェルモードで使う場合との使い勝手の差がなくなったわ


と言えるものになりました。欲しかったのは、まさにコレ。

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(MacBookの蓋を閉めていても指紋認証OKに)


特に壊れたわけでもないのに、また1万5千円出すのは安くなかったけれど、パスワード認証まわりの使い勝手は断然違います。

たった一つの違いだけど
認証関係のストレスが大きく軽減


されます。

特に Apple Watch を使っていない Mac ユーザーなら尚更便利のはずですし、さらに言えば、

これからiMacやMac miniを買うなら
5千円高くてもキーボードはTouch ID付きで!


と断言しちゃいます。

もちろん、「いや、ワシは東プレのキーボード使うんじゃ」「茶軸じゃないとキーを叩く気がしないから Magic Keyboard なんて無理」という人は、単体の Touch ID デバイスが出すようにをリクエスト出し続けるなり、Magic TrackPad に Touch ID が付く奇跡を望むなり、Apple Watch 認証が Touch ID 同様になるのを願うしかないでしょう。

TouchID_MagicKeyboard11


というわけで、キータイプのしやすさ、快適さは横に置いといて、

今後Magic Keyboard買うならTouch ID付きで


というのが、結論でございます。

従来の Touch ID なし Magic Keyboard ユーザーが買い換えた方がいいかどうかは、パスワード入力の手間をどう考えるかですね。既に数年使っていて、キーがへたっているなら買い替えチャンスでしょう :D