X-S10 購入で Xマウントに復帰して半年、その間に購入した Xマウントレンズは 8本。そのレンズたちを買って使ってみた、レビューとかではない戯言雑感を前回書きました。

X-S10 購入から半年で使ってきたXマウントレンズの極めて適当な雑感【前編】

上記前編記事では、X-S10 レンズキットに含まれた2本の XC レンズを含む
  • XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
  • XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II
  • XF35mmF1.4 R
  • XF10-24mmF4 R OIS

について記しましたが、今回は残る4本、
  • KamLan 50mm F1.1 II
  • 7Artisans 25mm F1.8
  • XF60mmF2.4 R Macro
  • 7Artisans 12mm F2.8

これらについて思うところを少々記しておきたいと思います。


5. KamLan 50mm F1.1 II


今回の Xマウント生活において、良くも悪くも予定していた路線から外れるキッカケになった1本であり、半年で想定より多いレンズ本数を手にした原因となった1本でもあります。

随分昔ですが、一時期マウントアダプター遊び、MF レンズ遊びに手を出した時期があったものの、オールドレンズに何の思い入れも魅力も感じはない&絶賛 AF 頼み世代の私としては、ちょっと手を出して「自分には合わん趣味」と断ち切っていました。

今回のサブ機再導入、Xマウント復帰にあたっても MF レンズに手を出すことはしない、という想定だったのですが、幾つかのレビュー記事を読んで興味を持ってしまい、信頼できるレビュー記事を書かれるプロカメラマン氏からも推薦されて購入してしまいました。

購入した結果といえば、大満足のひと言であり、MF レンズとはいえ、3万円弱で大口径のこんな心地よいレンズが買えたのは良かったですね。全く視野外だっただけに、キッカケを与えてくれた人たちには感謝しかないです。

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ただ、如何せん手持ち Xマウントレンズの中で圧倒的に重いため、

一番気に入ってるけど出番も一番少ない😅


状況になっています。

Xマウントはお気軽お手軽セットを方針として揃えてきただけに、特に暑くなってきて、単焦点レンズを2〜3本選んでバッグに入れる際、本レンズを選ぶとバッグがズッシリ来て、「うぅ、今日は(今日も)ご遠慮願っておくかな…」となってしまう昨今。

重さ 563g なんてメインマウントで使ってるどのレンズよりずっと軽く、この「ガラスのカタマリ感」のあるレンズは好きですし、造りも2万円台のレンズとは思えないほど良いので、決して嫌な重さではないのですが…

機材を防湿庫の肥やしにするのは大嫌いなので(肥やしになるくらいなら売る)、涼しくなったらまた使う、だけではなく、暑い季節も頑張って使ってみようと反省している次第です。

最近になって、超広角、準広角、中望遠の MF レンズ3本セットが揃ったので、その組み合わせの MF 縛りで出かけるのも、撮影に落ち着きのない私には良いギプスかもしれません……


6. 7Artisans 25mm F1.8


前項の KamLan 50mm F1.1 II を購入したことで、

MF レンズ1本だけでは何だし、中望遠の KamLan 50mm F1.1 II と組み合わせて持っていける準広角〜標準域の、できれば 35mm くらいの安価な MF レンズを買おうかな?


と思って調べたら、新品で 9千円を切る激安レンズがあると知って、物は試しと思って購入したのが本レンズ。

激安すぎてトイレンズ覚悟で買ったら
思いの外まともに写ってビックリ?


というのが、正直な印象。それは今でも変わりません。

周辺描写、特に四隅は絞り開放はもちろん絞っても厳しいものがあります。が、

細かい描写の良し悪しは別にして、普段のお気楽撮影ではコレでも全然オッケーかな?小さく軽いし。


と思えるくらいのクオリティはあり、レンズキャップ代わりどころかお気楽撮影でちゃんと使ってます。まぁ小型軽量なのでレンズキャップ代わりにもしていますが😓

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周辺描写はそれなりであっても9割はしっかり写りますし、比較的寄れるのも使い勝手が良いです。新品で 9千円切る値段だから大抵のことは許せる、という前提条件がなくても悪くないな、と思うくらいには満足。

(だからと言って、これが4万円5万円のレンズなら、また評価も変わりますが)

このあたり、Xマウントがメインマウントで撮る時とは違う、肩の力を抜いて撮るためのカメラ、レンズだから、ということが自分的評価へ大いに影響しています。撮影することを楽しむ撮影だから、写りをシビアには考えていないのはあります。

いずれにせよ、将来メインマウントミラーレスに移行した際も、本気撮り以外の撮影用に、こういう安価な中華レンズを揃えて楽しむのも良いかもなぁ、と思うくらいにはなりましたね。ホント、コスパ良すぎです。


7. XF60mmF2.4 R Macro


マクロレンズは過去に何度も買っては売りを繰り返して、長く使ったことはないのですが、X-S10 購入時から

中望遠単焦点レンズの役割も含めて1本買っておいても良いかなぁ?ハーフマクロだけど昔使っていた XF60mm を買い直すかな?でも、どうせまたロクに使わないだろうしマクロで使うなら MF 専用でも問題ないから、中華レンズの安いマクロレンズでお茶濁しておくかな?


と購入を検討、悩んでいました。

それでもすぐには購入せず、「花の季節になったらマクロ欲しくなるかもしれないから、その時に考えよう」と思っていたところ、中望遠レンズの需要?は先の KAMLAN 50mm F1.1 II にて、ある程度満たされてしまい、ひとまずは見送り方向に。

ところが、ゴールデンウィークも近くなってきた頃、同じ Xマウントユーザーの友達が新型 XF レンズ購入のため、本レンズを下取りに出そうとしていたことを知り、カメラ屋へレンズを送ってしまう直前滑り込みで譲ってもらうことができました。

ただまぁ、せっかく手にしたところで4度目の緊急事態宣言発令、近所の公園も花の季節なのに全面クローズとなり、かれこれ2ヶ月、ほとんど使っていないという……😩

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それでも久しぶりにちょっと使ってみると、

記憶にある以上に使いづらかった


感じはありますね。Xマウント最初期のレンズですから仕方ない面はありますけど…

AF は X-T1 で随分改善されて使い物になった記憶があったんですが、改めて X-S10 で使ってみると「改善されてもこんなに遅かったっけ?」ですし、ギーコギーコ言うて合わせる AF 駆動音、さらにピント合わせの最後はガリガリとフォーカスを前後させる挙動、むかし懐かしですわ。

マクロレンズだけど AF と MF の切り替えもカメラ側依存でスムースではないですし、レンズ本体は小型なのにやたら嵩張るフード、それでいてハーフマクロなので「マクロレンズ」と思って使うと、もうひと寄りができない。

なんかネガティブなことばかり書いてしまいましたが、正直な本音を言わせてもらえれば、

Xマウントレンズが全然揃っていなかった頃だから(あまり)文句も言わずに使えていたけど、2021年に使うレンズとして見ると、どうかなぁ?
友達が下取りに出すところをリーズナブルに譲ってもらったから我慢できるけど、新品(実売7〜8万円)はもちろん、中古屋での価格でもちょっと割高に感じていただろうなぁ


というのが、本レンズを5〜6年ぶりに使ってみての率直な印象ですね。少なくとも人には勧めづらい。中古も意外と安くないですしねぇ。



とはいえ、富士フイルム純正マクロレンズは本レンズ以外は等倍マクロ可能&ご立派な価格な XF80MMF2.8 R LM OIS WR のみ。二者択一となれば、なんちゃってお気楽撮影しかしない私としては本レンズの選択は必然だったでしょう。あとは安価な MF レンズ、また 7Artisans や LAOWA のマクロレンズとか。

XF35mmF1.4 R もそうですが、むかし楽しく使っていたレンズの記憶というのはストレスを忘れていることも多いものだと実感させられた次第です。

とはいえ、接近戦用レンズ、中望遠 AF レンズとして今後使っていく所存です。どこかでギーコギーコ AF に耐えられなくなって「これなら MF レンズの方がマシや!」とキレる可能性は否定しませんけど…😅


8. 7Artisans 12mm F2.8


前編記事の XF10-24mmF4 R OIS の項で書いたように、

XF10-24mmF4 R OIS の写りそのものやコスパ、サイズと写りのバランスには満足しているけれど、他の小型軽量な単焦点レンズとバランス良く持ち歩ける小型軽量な超広角単焦点レンズがやっぱり欲しいなぁ


と思い続けて、最近購入したのが本レンズ。

はっきり言っておくと、本レンズより本当は

LAOWA 9mm F2.8が買いたかった
けど、お金の都合で妥協した


のです。なにせ、お値段は3倍差。



ネットでも数少ない実写画像を見るかぎり描写も色のりも断然 LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D の方が良さそうだし、そもそも最近、画角 18mm だとイマイチ超広角感がないんですよね。だって、今やスマホで普通に搭載されている超広角レンズの画角が 13mm とか 16mm とかですから。それに慣れてしまってる。

ただ、LAOWA 9mm F2.8 の 13.5mm 相当だと(iPhone の超広角レンズとほぼ同じ画角)本当に超広角を使いたい時にしか使えないけど、本レンズの 18mm 相当だと広角スナップ撮影として気楽に使えるのも事実。

それに、今まで書いてきたように、Xマウントではあまり画質、レンズ描写にやかましいことは言わない方針なので、ちょっとくらいイマイチでもまぁいいでしょ、と。

それよりも本レンズと LAOWA 9mm F2.8 ではお値段が違いすぎるので、早めに買えるならとっとと本レンズを買って、広角側が欲しくなっても XF10-24mmF4 R OIS を毎回持ち出さずに済むようにしよう、と。

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そう思って購入した本レンズ、使い始めてまだ間がないので確たることは言い難いのですが、
  • 小さいけど、サイズに比してそんなに軽くはない
  • 開放での周辺描写は目を瞑るしかないが(価格的にも)、絞れば改善され悪くない
  • 逆光で派手なフレアやパープルフリンジ大爆発にはならず、意外にやるやん感
  • 歪曲補正も値段を考えると結構ちゃんとしてる
  • 色乗りはボディとの相性もあるのか好みじゃないかも
  • イマイチ寄りきれないのは一番不満
  • フォーカスブリージング大きめ
  • 個体差のせいか、レンズ脱着がしづらい

こんなところでしょうか。そのうち気が向けば独立した記事で感想を書くかもしれません。

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最短撮影距離は 20cm なので全然寄れないわけではないですが、もう一声寄れてほしかったなぁ、と。超広角は踏み込みたい時もあるので、あと 5cm、数cm でも欲しい。LAOWA 9mm F2.8 が 12cm と見てしまうと、余計に😓

超広角感や写りに妥協して買ったレンズですが、普段の使いやすさとしては 18mm 相当の本レンズはむしろ良好で、歪曲補正や逆光耐性が価格以上にあるので、一本挿しっぱなしの広角スナップお散歩レンズとしても良い印象。

ただ、X-S10 は EVF の解像度が高くないので、超広角の画角でマニュアルフォーカスを厳密にやるのは少々しづらいですね。そこは使っていて気になったところ。

あと、画質は周辺は見ない、見たいなら絞る、色については後から微調整する(カメラの WB でやるのは X-S10 だと EVF、背面液晶とも信用しきれないので…)、という方向で使えば、十分納得して使えるなぁ、と思っています。


とまぁ、X-S10 購入で Xマウントに復帰してから購入したレンズ8本に対する雑感は、こんなところですかねぇ。全部が満点、大満足というわけでもないし、後から思えば「ちょっとお金の使い方を間違ったかな?」と思うレンズもあります。

とはいえ、使えない、使いたくないレンズは1本もないですし、防湿庫から出てこないレンズもありません。持って出たけど結局使わないことの多いレンズはありますが、だいたいのレンズは軽いですから、重りで1日過ごしても苦にはなりませんしね。



今後の Xマウントレンズ購入計画としては、自分のスナップ撮影における標準画角でもある 35mm 相当、XF23mm の F1.4 か F2 のいずれかは買わねばなぁ、と思っていますが、世界的な部品・素材不足による品薄で実売価格も安くないし、悩みどころですね。

あと、昔マウントアダプター遊びをしていた時に使っていた Voigtlander APO-LANTHAR 90mm F3.5(一眼レフ用の SL じゃなくて Lマウント用、と言っても昔の方のLマウント)を買い戻したいと思って、ちょくちょくネットで中古検索しているのですが、なかなかお目にかかることがなく…

前回購入したのは十年か十数年前だったと思いますが、当時も既に中古のみで、それでもリーズナブルな価格で程度の良い新品同様品が買えた記憶があるんですが、今はちょっと厳しいですかねぇ。程度が良くて納得できる価格なら買ってしまいそうですけど。

いずれにしても、廉価なレンズばかりとはいえ、そろそろ打ち止めにしておかないとキリがなくなってしまうので、物欲もしっかり抑制していきたいところです。

将来メインマウントをミラーレスに切り替えた場合、Xマウントの処遇はどうなるか判りませんしね。富士フイルムの絵造りやフィルムシミュレーション機能は気に入ってますが、メインマウントの新たなシステム構築の“犠牲”になる可能性がないわけではないですから……😅