今日、ガンバ大阪の宮本恒靖監督が解任(契約解除)され、松波強化部長が暫定指揮を採るという発表があった。



クラブ一番のレジェンドでもあるから、成績が悪くてもそう簡単には解任に踏み切られへんと思っていたし、今年はクラブ30周年の記念の年だから尚更。クラウドファンディングの返礼品にも恒さまグッズもあったし…

と思っていた人は、私だけではないはず。

このまま成績低迷、降格圏を脱出できない状況でも、クラブとしてレジェンド解任に踏み切る判断は限界ギリギリまで粘るだろうから、秋になってからだと思っていた。誰もが「降格よりは…」と思える時まで我慢するだろう、と。

それだけに予兆なしの、突然の発表には驚きました。全てのガンバ大阪ファン、サポーターも驚いたであろうことは SNS を見ていても感じとれました。

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恒さま解任に対する反応は人それぞれで、特にこういう時は反対の人は声高に批判し(クラブだけでなく恒さま批判していた人にも批判罵倒が見られる)、昨今の状況に疑問を感じていた人は、こういう状況になると、やはり気まずい感はあって控えめになります。

ぶっちゃけ言えば、私自身は現状を考えれば、解任は止むを得なかったと思うし、受け入れられる。

恒さまでタイトル取りたかったなぁ…


と心の底から思っているけれど、でも J2 降格を回避する最終手段としてクラブが辛い決断をしたなら支持したい、と思っています。



最近(長谷川健太時代以降)ガンバ大阪のファン、サポーターになった人たちや若い世代には心情的に理解し難いかもしれないけれど、一定の年齢、世代以上のファン、サポーターにとって、宮本恒靖というのは特別な存在。

クラブ生え抜き一期生のキャプテンとして、その後はガンバ大阪や日本代表のキャプテンとして、初優勝含めてクラブには多くの貢献をしてきたレジェンドだし、ファン、サポーターにも多くのものを与えてきてくれた。

それだけでなく、進学公立高校から一般入試で関西トップ私大に合格して通いながら、ガンバ大阪の選手として成長し、現役引退後は日本人として2人目の FIFA 大学院卒業という、まさに文武両道そのもので、その真摯な姿勢は誰もが尊敬する人であった。(なおかつイケメン…)

だからこそ、

恒さまとともにタイトル取りたい


というのはファン、サポーターの総意とも思えていたし、こういう事態になって、

コロナ禍がなければ…
去年も今年もちゃんとしたシーズンを送ることができていれば…
就任もシーズン途中に急遽だったし、まともにシーズン通して指揮できたのは1年しかなかったのは…


そう思うけれど、現実問題としてはそれを言っても仕方ない話。

とにかく大前提として、コロナ禍で昨季の J1 は降格がなかった分、今季は 4クラブもが J2 自動降格という特殊なシーズン。

その中で、クラスター発生などの事情があったとはいえ、シーズンの4分の1以上、10試合が過ぎた今も、降格圏の低迷から上がる気配はないまま、となれば、最終手段を取るのも止むない状況だったと思っています。

私自身、昨今の恒さま采配に疑問を感じていても、さすがに「もうちょっとは様子見しても…」と思わなくなかったのですが、5月の連戦の後には ACL 遠征が控えていることを考えると、クラブ側としては(ファン、サポーターが思うほど)時間も猶予もないと判断していたのでしょう。

【追記】メディア対応で和田強化アカデミー担当兼普及部長が以下のコメントをしていて、恒さまサッカーの問題点をしっかり把握した上で解任に踏み切ったことは理解できました。

選手たちを見ていると消極的になっている。ボールを失わないのが宮本サッカーだが、逆にボールを大切にすることばかりにいってしまった。ボールを失ってはいけない、怖がったプレーに見える。勇気を持って出して欲しい。ゴールを目指さないといけない、そういう気持ちを前面に出すことでランニング増えたり、相手の裏にボールが出たりする。それが攻撃面で生かされると分析している。今の意識を変えていこうと。意識改革が一番大切かな、と


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特に、宮本恒靖監督は戦術家というよりはモチベーターの色彩が強いように感じられていた中で、ここ数試合は選手のモチベーションすら上げられていないように見えていたのも事実。

緊急事態宣言でホームゲームは無観客試合が続いて、いつものようにスタジアムで見られず、あくまで画面越しの感想でしかないですが、先日の広島戦の最後にあった東口の(鬱憤晴らしのような)ロングシュート、広島戦で移籍後初出場したウェリントンシウバの試合後のコメント、それらも今のチームの内情を示したように見えました。

となれば、監督を変えてチームの心持ちを一新するしかなかったのでは?と思えるのです。

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恒さま解任絶対反対派の人たちにとっては、どんな理由があろうと許せないのでしょうが、いくらクラブのレジェンド監督とはいえ、クラブの屋台骨を揺るがす J2 降格は絶対に避けるべきことです。コロナ禍で、それでなくても厳しいクラブ運営状況で J2 降格となればスポンサー収入の激減、クラブの将来の危惧に繋がります。

そもそもクラブのレジェンドが監督やって J2 降格となるのは、もう二度とあってはならないことです。あんなことは一度で十分でしょう。もちろん、このまま恒さまが続投したからといって降格するとは限りませんが、そこはクラブ首脳の判断を見守りたい。

宮本恒靖というガンバ大阪にとって代え難い存在の経歴に傷をつけないためにも、選手時代を含めて今まで恒さまがクラブに寄与してきた貢献、功績を守るためにも、ここで一度休んでもらうことを支持したいと思うのです。

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個人的には、彼の写真を撮ってきて、今季のみならず厳しい状況が続くたび、それが彼の表情に出過ぎていて、見ていて辛くなることがありましたから、ここらでクールダウンして捲土重来を期して欲しいと思うんですよね。

ド素人の勝手な見解だけど、恒さまの性格上、またユース一期生の生え抜きでやってきた責任感の中で、「ガンバ大阪はタイトル争いをしなきゃならない」「サポーターの声に応えて好成績、勝利をあげなきゃいけない」という思いが人一番強い分、自分の高い理想を求めるだけでなく、少しでも勝ちながら理想も同時に求めようとして色々と難しくしてしまったのかなぁ…と思ったりしています。

そういう意味では、再び監督をされるなら、松波強化部長がそうであったように、必要以上のプレッシャーがかからないガンバ大阪以外で一度指揮を執られてみるのも良いのでは…なんて思うのです。良い副官とともに。

ま、個人的には監督よりも、パナソニックに責任持って預かっていただいて、数年間財務などの管理職研修と色々なコネ作りをしてもらってクラブ幹部として、将来の社長として戻ってきてもらう方が良いのでは?と勝手に思ったりしてるんですけどね😓

というか、松波さんの時といい、クラブのレジェンドを監督にして辛い思いをするのはもう勘弁して欲しいのが、今の本音です……


ともあれ、宮本恒靖監督、3年間本当にご苦労さまでした。いつかは、またクラブに戻ってきてくれることを願っています。ありがとうございました。

あとは、後任監督を誰に据えるかですね…ACL を知っている日本人監督…。まさか西野さんを戻すことはないと信じたい。楽しかった思い出は思い出のままで良いです。

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