今週、Photoshop CC の Apple Silicon M1 ネイティブ対応が正式版としてリリースされました。M1 Mac が発売されたから4ヶ月弱、ようやくという感じですが、大歓迎であります。

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Apple シリコン搭載Mac対応のAdobe Photoshopの提供開始-選択のスピードアップ、フィルターの高速化、パフォーマンスの向上を実現
Adobe Photoshop ships on Macs with Apple Silicon: Gains speedier selections, filters and performance boosts

個人的には Photoshop で CPU に負荷のかかる激重な作業の頻度は低いため(デジタルカメラも低解像度なカメラしか持ってないですし)、

Rosetta 2 でもまずまず満足できる速度で動いていたし、Apple Silicon ネイティブ対応したからといって重いフィルター処理でも掛けなきゃ、ちょっと速くなった気がする程度でしょ?


などと高を括っていたら、

起動からして体感できる高速化


されていて、いやちょっとビックリしましたね。

単純に起動速度だけでも(キャッシュが効いてないであろう状態で)Rosetta 2 起動で通常 7秒前後だったのがネイティブで 4秒くらいになっていて、Adobe Blog が言うようにスプラッシュスクリーンは一瞬くらいでしたね。(ちなみに Rosetta 2 初回起動はエミュレーション処理のため 37秒)

従来の Rosetta 2 エミュレーションでもさほど不満はなく、2,000万画素クラスの画像では殆どのフィルターで待ち時間が5秒10秒もかかることは少なかったのですが、ネイティブになってサクッと見る間に終わるレベルになるなど、おおよその動作でレスポンスが上がっているのを体感できます。

10万円くらいの廉価パソコンで、この処理速度は絶対コスパええよなぁ…


と改めて思うと同時に、M1 MacBook Air 購入後の雑感で書いたように、

アプリのネイティブ対応により
一粒で二度美味しい M1 Mac


というのを実感しますね。

ただ、ネイティブ版はクラウド関連で一部まだ未実装のままリリースされています。私も使い始めた翌日になって気づいたのですが、他マシンや iPad との「プリセットの同期」なんかもできません。

それについては、以下のように Adobe Blog およびヘルプに記述されています。


今回のアップデート内容に書いた Adobe Blogでは、

一方で、新しいM1チップ上で動作させるための移植が完了していない機能もあります。具体的には、クラウド上での「編集に招待」や「プリセットの同期」のような、最近加わった新機能の一部は、M1ネイティブで動作しません。

しかし、アプリケーションの他の部分におけるパフォーマンスの向上が非常に効果的だったため、チームは一部機能の移植の完了を待たずにリリースすることを決断しました。もし、これらの機能がワークフロー上欠かせない場合は、公式ビルドへの移植が完了するまでは、Rosetta 2エミュレーション環境に切り替えてお使いください。


ヘルプ(英語版)ではネイティブ版で現状使えない機能として、以下のものが挙げられています。
  • Import, Export, and playback of embedded video layers
  • Shake Reduction filter
  • Preset Syncing
  • Share an image button / Quick Share
  • Create new Library from document / Libraries Panel menu command
  • Home Screen > Shared with you and Invite to edit / Collaborative Editing features. To learn alternative ways to access files shared with you, see Access and edit shared cloud documents.
  • Opening or placing U3D formatted files
  • Starting Bridge from Photoshop menus

Photoshop for Apple Silicon

加えて、現状 Photoshop M1 ネイティブ版におけるバグも上記ページに書かれています。

個人的にはしばらくプリセット同期が使えなくても困らないので、ネイティブ版を使っていきますが、コラボレーション編集をしている人は Finder で Photoshop の情報画面を開いて「Rosetta 2 で開く」にチェックする必要はあるでしょう。

そのあたりの未実装機能は次のアップデートで解決してくれるでしょうし、多少のみ実装機能があってもネイティブ版の速度の恩恵は大きいので、今回のアップデートは本当に有り難いですね☺️

あとは、私の主戦場は Photoshop より Lightroom Classic なわけで、そちらの方が重い処理が多いので、

Lr Classicも早よネイティブ対応を!


と、今はそれを楽しみに願うばかりです。

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(RAWディテールの強化は既にLrにもある)


さて、今週の Photoshop CC & Adobe CameraRAW (以下 ACR)のアップデートでは、Apple Silicon M1 ネイティブ対応以外にも幾つか機能追加があり、中でもちょっと注目したいのが、ACR の “スーパー解像度” (Super Resolution) 機能。

この「スーパー解像度」機能は、一昨年末にくらいに ACR で追加された「強化」機能のバリエーションで、従来は「RAW ディテールの強化」だけだったのが、今回は「RAW ディテール」と「スーパー解像度」の2種類が選べるようになっています。

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Adobe Blog の説明では

写真を単純に拡大処理すると、大抵の場合ディテールがぼやけてしまいます。ところが、スーパー解像度技術は何百万枚もの写真でトレーニングされた高度な機械学習モデルを使い、クリーンなエッジと重要なディテールを保持しながらインテリジェントに写真を拡大します。さらに、その計算にはグラフィックカード(GPU)を活用するため、処理は超高速です。


と言っていますが、要は「2倍拡大する際に(最近流行りの)機械学習モデルで上手いことやりまっせ!」という機能ですね。

詳しくは Adobe Blog でも紹介されています。

新機能「スーパー解像度」の活用方法

でまぁ、私が試したデーターを元に書き始めていたのですが、昨日プロカメラマンの諏訪光二氏が懇切丁寧に、なぜこの機能が必要かを具体的に Youtube で説明しています



CP+ のセミナーセッション並みの素晴らしい説明動画なので、ド素人の私がどうこう言うより、↑この動画を見れ!なので、こちらの動画に全てお任せいたします😅



もっとも、写真展やらフォトコンなどに応募するわけでもない私の場合、本来なら「スーパー解像度」機能を必要とするほどの解像度は必要ありません。大きくプリントしたところでせいぜい A3。A3 なら 2,000万画素の低解像度カメラでも賄える解像度があり、A4 なら余裕。

ですので諏訪光二氏が説明するような大きなプリント、高い解像度は必要ないわけですが、このスーパー解像度は、

私みたいなトリミング大王が
プリントする時も助かる


わけです😓

トリミングしすぎて、と言うよりは、せざるを得ず、たまに「あれ?トリミングしすぎて、A4 (A3) でもちょっと足りない?」ということは発生するのです。プリントのために仕方なく解像度無理やり上げて補正していく、と言うのは、大判プリントをしなくてもトリミング大王なら恩恵があります。

もちろん、意識高く写真を撮っておられる方なら

ちゃんと構図を考えてしっかり撮ればトリミングなんて必要ないんだよ。トリミングするなんて邪道、下手くそのやることだ!


なんてことも言われますが、私としては知ったこっちゃないです ┐(´д`)┌

相手が止まっているものだったり、立ち位置が動けるものだったり、ズームレンズを使っていたりしたなら、そういうことも可能かもしれませんが、構図とかいう前にシャッター押さなきゃ始まらない相手だったり、1,500mm 相当でも足りない場所から撮ったりしてますから、トリミングありきですわ。自己満だけでやってるので、意識低くて結構。

また、後処理する際に RAW 元画像自体が像度低くて「トリミングしてないのに何故?」と思ったら、x1.3 クロップモードで撮っていた、なんてこともありますからねぇ。x1.3 クロップだと大きく伸ばすにはちょっと足りない解像度ですが、それじゃないと届かない画角の時もあるのでねえ…

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ともあれ、極端な例で言えば、2,000万画素クラスのカメラで、上記のようなクソ遠くで捻ってる写真をトリミングすると、

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このくらいまでやっちゃうと、長辺が 2,000 pixels。万が一これが気に入ってプリントしようとしても 2L サイズプリントでもちょっと足りない。

そんな時、バーンと縦横2倍に上手いこと解像度を増やして後処理をちょいとしてやれば 2L は余裕で行けて、A4 プリントまで何とかなったり。(解像度的には行けるけど)

さすがに、こういうのは極端すぎて実際にはないですが(これだけ遠いと「撮ってるだけ」なので結局全部捨てることに…)、実際にある例としては、

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こういう横写真から選手メインで縦に切り出して A3 または A2 ポスターサイズにしたいと思うと、2,000万画素という低画素カメラからのトリミングは全くもって厳しいので、解像度アップは必須になります。

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また、上記のようなスタジアムの反対側での劇的シーン写真は元々が遠いので、どうしても被写体サイズを考えると結構なトリミングになるので、大きめにプリントしたいと思えば、やはり解像度アップが必須になります。

けれど、ド素人で経験もない、そもそもプリントに対する知識もない私としては、先の諏訪光二氏のように解像度アップさせる際のテクニックも皆無。そんな私のような人にとって「スーパー解像度」機能は、

Photoshop 先生ありがとう😭


となるわけです。

ちなみに「スーパー解像度」にかかる時間ですが、2,000万画素 RAW 画像を M1 MacBook Air (16GB Memory) で処理した場合は、5〜10秒程度です。(DNG ファイル保存が終わるまでの時間。画像内容で処理時間が変わります)

最後に、実際に「スーパー解像度」機能を使ってどんな感じになるかを簡単に記しておくと、元々の RAW 写真から若干レタッチして等倍切り出ししたのが↓コレ。

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ここから「スーパー解像度」機能を使って縦横2倍の4倍解像度画像にしたものから、上記と同じ後処理をして等倍切り出しすると、

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こんなふうになり、なかなか自然。解像度アップ時のジャギーな感じがないです。

この「スーパー解像度」機能を使って縦横2倍の4倍解像度画像を今度は縦横 1/2 に縮小して、元の RAW 画像と同じサイズにして等倍切り出ししたのが↓コレ。

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なんか良い感じかも。

また、先の極端な例として上げたヒコーキ写真の場合、元々の RAW 画像を軽く後処理したものからトリミングして等倍切り出ししたのが、↓コレ。

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RAW 画像を ACR で後処理しながら「スーパー解像度」機能を使って縦横2倍の4倍解像度画像にしたものから等倍切り出しすると、

PhotoshopSuperResolution06B


「スーパー解像度」機能を使って縦横2倍の4倍解像度画像を今度は縦横 1/2 に縮小して、元の RAW 画像と同じサイズにして等倍切り出しすると↓コレ。

PhotoshopSuperResolution06C


画面上ではちょっと細部の処理が変わって解像感が増した感じくらいでしょうけど、プリントだと「スーパー解像度」機能を使って縦横2倍にしてから処理し直したら、大きく伸ばす時には結構有用かなぁ、と思います。

たとえ、元々の画像の解像度がプリントアウト予定のサイズに対して十分であっても、一度「スーパー解像度」で大きくしたのち処理してからプリントした方が良い結果が出そうです。

本来なら、すぐに自分で試すところですが、以前書いたように(邪魔にしかなってなかった)写真用 A3 プリンターは昨年の大掃除で撤去しましたので、またそのうちキタムラプリントあたりで試すことにしたいと思います☺️