持病の腰痛で椅子に座るのが辛くて苦しんでいる1月下旬の当方でありますが、皆々様にはいかがお過ごしのことでしょうか。腰が飛ばないように、できるだけ座ってキーボードを叩くのを避けたい状況で、非常に助かるのが音声入力。

Android での Google 音声入力の方が単純な精度は良いのですが、iPhone/iPad の方が個人的には使い勝手が良く(句点読点が入れやすい)、キーボードが叩けない時だけでなく、普段からよく利用してます。(外出時にするのは難しいけど)

口語調になりがちですので仕事の文書を書くのには使えなくても、こんな場末ブログの記事くらいは、ザッと話して入力して後から多少修正していく程度で意外とできるものです。

話す前にある程度文章を頭の中で作っておかないと修正量が多くなって非効率なのと、「X-S10」みたいな認識が不可能な語句や誤認識しやすい語句は、予め決めた認識しやすい代替語句を入れて後から一括置換がコツです。

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それはさておき、前回まで長々と X-S10 の話を続けましたが、X-S10 と同時購入というか同梱されていたキットレンズ2本についても少々雑感を記しておこうと思います。

X-S10 はボディ単体販売以外のレンズキットとして
  1. 廉価な電動標準ズームの XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ 付きレンズキット
  2. 1 に加えて廉価な望遠ズームの XC50-200mmF4.5-6.7 OIS II が付いたダブルズームキット
  3. 初期からある明るめ標準ズーム XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS付きレンズキット

この3種類用意されていますが、今回購入したのは廉価なXCレンズが2本付いたダブルズームレンズキット。



過去に標準ズームレンズとセットのレンズキット購入の経験はありますが(それも少ない)、ダブルズームキット購入は初めてで、ちょっとばかり新鮮な体験?でした。

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(箱の中に保証書が3枚も!とか)

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(レンズ2本入りというのも新鮮)


今回、ダブルズームキットを選んだのは、以下の理由から。
  • 動体撮らない&望遠系は基本的にデジタル一眼レフに任せるので、望遠レンズは最低限の方針(でも必要)
  • 昔使っていた XF55-200mm は重いわりにさほど秀でた印象がなく、それゆえ元々軽量な XC50-230mm を購入予定だった
  • XF18-55mm は何年も使った経験があり良い点も記憶しているが、XC15-45mm のワイド端の広さが魅力&使った経験のないレンズを使いたかった
  • 電動ズームは好きじゃないが他社で何度も経験あるし、単焦点レンズを使う方向の予定だから…

この選択については、後述のように多少予想外のところもあって思うところはありましたが、選択としては妥当だったと思っています。XF18-55mmF2.8-4 のキットとは随分迷いましたが、値段差もあったので今回は新鮮味?を取りました。

(XF18-55mmF2.8-4 のキットを買っていたら、軽量な XC50-230mm 購入予定と言いつつ今回発表の XF70-300mm が欲しくなっていたでしょうから、無駄遣いを防ぐためにも良かった気はします😓)

ということで、この2本の XC キットレンズについて少々。


16.両 XC レンズ共通のこと

  • レンズの方の説明書見たら「あれ?中国向けの製品を買わされたの?」と一瞬焦ったくらい中国語が目立った説明書であった(変な意図はないので念のため)。
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  • 両レンズともレンズリアキャップが通常のリアキャップじゃなくて白い簡易キャップ。というか、キャップではなく単なる蓋でビックリ。安い XC レンズは全部そうなのか、キットレンズだからなのか…

  • 富士フイルムに対する自分の勝手なイメージとは違ったが、コストダウンするところはしっかり徹底していると考えれば納得。(真面目とか真摯という外野からの言葉に浸って会社を傾かせていたら意味ないしね)

  • とはいえ、1本ならともかく2本ともキャップじゃなく蓋なのは少々困ったが、自分のカメラアクセサリー棚のキャップ墓場を探ってみたら、Xマウントレンズのリアキャップが1個あったので、とりあえずそれを利用。

  • さらに、キットレンズ2本のリアキャップが単なる蓋だったと SNS で呟いたら、富士フイルムユーザーの友達が「富士のレンズリアキャップは外れにくいから、それが欲しかったけど売ってなかったわ」と言ってきたので、XCレンズの白い蓋2個とXFレンズのリアキャップ1個の物々交換が成立☺️

  • キットの XC レンズとは関係ないけど、富士フイルムのリアキャップはロック外してもキャップが外れにくくて使いづらいのは、XF レンズのリアキャップを使い始めて実感。昔も感じていたことを思い出した。

  • 両レンズともプラスティックマウントで造りもチープだが、安いキットレンズだから全く許容範囲。
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  • むしろプラスティックオンリーな筐体の造りだからこそ、どちらのレンズも軽い!ので、個人的にはむしろ良かったくらい。


17.XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ

  • 操作性が最悪に近いことを除けば、使う前に想像していた以上に好印象の廉価標準ズーム
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  • 小型化のための沈胴式電動ズームだが、APS-C 専用と考えると凄く小さい印象はない(軽量さは文句なし)。画角レンジが多少違うとはいえα7Cのフルサイズ用キットレンズと大差なく、操作性を犠牲にした割には…と微妙な気分もなくはない。
    (収納時 XC15-45 がo62.6×44.2mm & 135g、FE28-60 が同o66.6×45mm & 167g)

  • ただし、画角が 23mm 相当始まりとワイド側に少しでも広いのは良い。かなり良い。

  • 四隅までビシッ!というほどではないが破綻ない描写で、自動補正もあって JPEG では歪曲も色収差もあまり気になるようなことはなく、手軽に使える小型軽量なキットレンズとして描写面では満足。
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  • ただ、ワイド側は結構いい描写だけどテレ側はそれなり、というズームに有りがちさは否めないけど。

  • 結構寄れるのも良い。スマホ感覚で使いやすい。
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  • 小型軽量を最優先とした沈胴式ズームの割に、逆光耐性もまずまず不満なし。
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  • 電動ズームゆえに、カメラ起動時の立ち上がりが遅くなるのは止むを得ないが、微妙でもある。

  • 電動ズームのズームリングのレスポンスがかなり悪く、思う画角に一発で止められる方が難しい。ソニーやオリンパスの電動ズームレンズを使ってきたが、一番使いづらいと感じる。

  • 操作するほど回らない、止まらずに回しすぎが多発。かなり使いづらく、描写面は悪くないだけに使い勝手にストレスを強く感じるのは、電動ズームとはいえ残念。

  • このズームリングの扱いづらさだったら、ステップズームを取り入れて欲しいと切に思う。これは富士フイルムに限らず、他社の電動ズームでもそう思ったけど…

  • どうせ電動ズームなら、別売りでもいいからオリンパスみたいに自動開閉キャップが欲しい。あれは便利。電動ズームなら必須オプションにして欲しいくらい。

  • 描写面は安価なキットレンズなのによく出来てる、と思う反面、使い勝手が悪すぎて、全体的な評価に困るレンズ。結構気に入りたいのだけど、いざ使おうとすると萎えるというもどかしさ。

  • ズーム操作のダメさ加減と、テレ側の描写がワイド端ほどではないこともあって、「標準域も使える 23mm 相当広角レンズ」という感覚で使ってます。

  • これ以上サイズアップさせたくないのでレンズフード付けずに使っているけど、キャップの付け外しが手間なので何ちゃってフードを付けるかどうか悩み中…

  • X-S10 に付けた時のバランス、佇まいは、まさにキットレンズというベストバランス。だけど、電動ズームでなくても良かったよなぁ…勿体ない、というのもまた本音。
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18.XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II

  • XC15-45mm 同様に、造りはチープだが写りは思いのほか悪くない。
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  • 昔 X-E1 を買った頃の望遠レンズといえば XF55-200mm 一択で、ずっと選択肢がなかったが、廉価機用に XC50-230mm が出た時、「暗いけど写りは引けを取らないよ」と言われたことが記憶にあってダブルズームキットを選択したが、今その言葉を実感。

  • 写りに惚れ惚れするとか、素晴らしい描写とか、そういう言葉とは無縁だけど、無難に「可」の点数はクリアしていくレンズ

  • 過去にキットレンズの廉価な望遠ズームレンズは2本くらいしか使ったことはないけど、そのどちらも描写に満足したことはなく、今回も「画角さえあればあとは我慢」のつもりだったが、そんなこともなく。

  • ビヨーンと伸びるタイプの望遠ズームレンズでロック機構もないけれど、レンズを下向けて歩いていても自重で勝手にレンズ鏡胴が伸びていくようなことは(購入直後の今は)ない。キットレンズレベルにしては素晴らしい。

  • でもレンズフードの脱着とか細かい部分は値段なりで微妙にストレス。

  • 標準ズームレンズとのキットから+2万円弱で買えるし、X-S10 では使用頻度が高くないはずの望遠ズームとしてコレを選択して正解だった。(望遠系はメインシステムで金を注ぎ込んでいるので…)

  • とはいえ、テレ端開放 F6.7 というのは暗すぎて晴天日中日向専用レンズかな、と。日中も日陰だとちょっとシャッター速度欲しい時は ISO 3200 では足りなくなるので、そこはキツい。

  • 極端に速い動きに追従できる AF 能力があるかどうかは微妙だが、そもそもボディ側の能力を考えると、ボディに見合った性能に感じる。飛行機の離着陸程度は、ほとんど問題なく使える。
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  • 手ぶれ補正については、300mm 域での効きを思うと可もなく不可もなし程度。E-M1 Mark II + 300mm F4 IS PRO のような鬼の手ぶれ補正からは遠いが、ちゃんと効いてる実感はある手ぶれ補正。

  • 小柄な X-S10 と組み合わせてもボディが浮くようなバランスではないので、問題なし。
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  • 本気望遠系はメインシステムに任せることもあって元々あまり出番のない画角だし、「もし必要になったら」という予備的に持っていく、使うレンズとしては、軽量かつ安価で 350mm 相当まであり、描写もまずまずなのでコレで満足☺️

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とまぁ、こんな感じでしょうか。不満点がないわけではないものの、全体的には

ボディ+3〜4万で買えるダブルズームとしては文句なし


ですね。昨今のキットレンズはどこも優秀ではありますが、望遠ズームの方も概ね満足できたので文句はないです。

元々、富士フイルム機を買った理由として「使うレンズは単焦点をメインにしたいし、ズームは予備で」という思いがありましたから、その役割としては(軽量さもあって)十二分に果たしてくれそうです。

XF16-80mm とか、XF70-300mm とか、ワンクラス上の XF ズームレンズに興味がないわけではないですが、あまりお金をかけず、お気楽に愉しむ方向でやっていきたいので、

何か思い直すことがなければ、ズームレンズはこの2本でずっとやっていけるかな


と思っています☺️

で、X-S10 を購入した先月はそれまでに色々と散財したこともあって我慢しましたが、年が明けてからなんだかんだでレンズを4本買いましたので、次回以降はそのレンズたちについて少しずつ触れておこうと思います。(レンズの評価とかは1ミクロンもできないので、またまた印象だけ😓)

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