今年の CP+ はオンライン開催になりましたが、本来ならそれに向けて各社新製品を発表するタイミングであり、富士フイルムも今月27日に新製品発表会があることを予告していますね。

という書き出しで記事掲載を放置していたら既に発表済みとなってしまいました😅22時からの発表会動画を見ようと思っていたのですが、晩ごはんののち仕事しながら待っていたら寝落ちするという…まさかの22時で寝落ち😩夜10時なんて夕方やん!とかほざいていた頃が遠い昔です。

X-E4_Release


にしても、GFX100S は大型センサー、大口径マウントなのにボディがメッチャ小さくてビックリです。正面からマウントが開いた状態の写真を見ると迫力すぎ。完全にフルサイズ機を食いに来てますね。像面位相差センサーだし、処理能力が上がっていけば色々幅が広がって面白そうです。

X-E4 はサムグリップもボタンも削りまくりのデザイン優先ボディ。それは良いとして、富士だけでなく他のメーカーもデザインや薄型化のために意思を持ってグリップを削ったなら、ダサい後付けグリップを純正で出すのは二重に格好悪い気がするのですが…(完全に好みの話だけど)

ともあれ、手ぶれ補正はないけど、質感良さげ&性能は上位機と大差なしで10万切り!は安い。このあたりは X-S10 同様、現行世代のセンサー&処理チップの元が既に取れている強みが出ています。

X-E1 / X-E2 ユーザーだった私は気にならないことはないのですが、ノーグリップ&ミニマリスト的な方向性は今の私とは相容れないし、なにより買ったばかりの X-S10 をかなり気に入ってるので☺️

同じような価格帯で X-T30, X-S10, X-E4 と機能的には似つつもコンセプトが違うカメラを幾つも出せるのは、前述のセンサー/チップコストが最小限で済んでいる上、「本業」が好調なだけに先を見据えて試せる余裕を感じさせますね。(富士は国内はともかく海外市場の攻略が課題ですし)

GFX100S_Release


Xマウントレンズではパンケーキレンズ XF27mmF2.8 がリニューアル。初代 XF27mm は昔買ったのですが、XF レンズの中で一番記憶の薄いレンズと言ってもいいくらい。昔の記事をググってみると、発売日には「期待していたけど、高いし、なんか違うわ」と文句言ってたんですよね。でも気がついたら買ってるという😅

そんな記憶の XF27mmF2.8 ですので 2代目が出たからといって買うことはない、はず。魔がさす可能性はゼロではないけど😓その時は大量に出回るはずの(今でも出回ってるけど)旧型の中古を買うでしょう。レンズ構成は同じというし、X-S10 自身が防塵防滴ではなく、レンズに絞りリングがあっても大して意味ないカメラですから…

次回記事で記しますが、今回 X-S10 に購入にあたって望遠レンズについては「こだわりなし、画角があればそれで良い」方針でダブルズームキットを購入したので、XF70-300mm も

このクラスの望遠ズームでテレコン付けられるんだ、へえ〜
可変F値の 70-300mm ズームなのにインナーズームなんだ!
XF55-200mm は古くて APS-C 専用 200mm ズームの割に重めで描写も並だったし、同じ重さ、サイズ感で LM 銘が付いた高画質ズームが出るのは良いね!
昔はこだわるも何も XF55-200mm しかなかったので、Xマウントに多くの望遠レンズが出ているのをみると 5年の歳月を感じるねぇ


と思いますが、とりあえず今の私には関係ないかな、という感じ。XF100-400 が APS-C 専用なのにやたら重くて高いから、人気になりそうなのも頷けます。

5年ぶりの富士フイルム機 X-S10 を使い始めての雑感【1】ボディ、充電関連、全体の操作感編
5年ぶりの富士フイルム機 X-S10 を使い始めての雑感【2】再生画面、AE、WB、AF編
5年ぶりの富士フイルム機 X-S10 を使い始めての雑感【3】EVF・背面液晶、ボタン・ダイアル、設定メニュー編

とまぁ、なんか前置きというか関係ない話で1記事分あったような気がしますが、本題。

X-S10 を使い始めて感じたことの印象を細々とメモしていたをまとめてきましたが、今回が最後です。購入直後の楽しいテンションもそろそろ落ち着いてきたり、正直 X-S10 について書くことに飽きていますが、とりあえず区切りということで。



13.メディア関連

  • 今回のミラーレス機選びは細かいスペックは何も調べず購入したので(性能より使い勝手的なものを優先)、開梱してメモリーカードを挿す段になって「今どき SD カードは UHS-II 対応だよね?」と思ってホームページへ見に行って UHS-II 非対応でビックリ(大げさ)

  • 富士フイルム機を買ったのだから基本的に JPEG 専用機であり、動体を撮るためのカメラじゃなく連写も最小限だから UHS-II 非対応で書き込みが遅くても問題ないし、廉価機だから仕方ない。

  • とは思うものの、手元に何枚も余ってる UHS-II カードの有効な使い場所が…という超個人的落胆😅

  • 廉価機ゆえバッファも少なく、カード書き込みも速くないので、試し撮りでも RAW + JPEG だと秒の速度で詰まって、その後は連写とは呼べない速度になるのを見ると、改めて JPEG 専用機で、と決意。

  • 画像エンジンが上位機と同じなのに 4K 60p が撮れないのは UHS-II 非対応のせいかな?もしそうなら、それだけは残念。(動画を撮る場合は 60p で撮りたい人なので)

  • ただ、パソコンにデーターを読み込ませる時のことを考えたら、カメラは UHS-II 非対応でも UHS-II カードを使った方が良いと判断。カメラ側で UHS-II カードを使うことでの速度ロスが多少あっても、使い方としてバッファフルにすることは殆どないので問題ないかな、と。

  • 廉価機にダブルスロット云々は流石に言わない。XQD や CFExprees シングルスロットならともかく、SD シングルスロットは多少不安はあるけど、廉価機だから納得。(上位機は次世代 X-Processor 5 で CFExpress 対応にしないとダメでしょうけど)

  • SD カードのディスク名が untitle 固定なのを変えたい。正直パソコンにマウントするたびに微妙な気分。Mac だと目立つので。

  • 久しぶりにメディアカードをカメラ底面バッテリーボックスへ入れるタイプのカメラを購入。小型軽量かつ廉価機ということを考えれば仕方ないが、使い勝手はクソだよね……

  • JPEG メインで撮ってるので、バッテリーボックスから SD カードを出し入れせず、撮影画像のパソコン取り込みも Wi-Fi 転送したいところだが、後述するスマホ転送で富士フイルムのワイヤレス絡みに嫌気がさして転送用のソフトウェアもインストールしていない…


14.ワイヤレス・スマホ連携(アプリは主に iOS 14 にて)

  • ひと言で言えば、一から作り直して欲しいレベル。5年前なら「まだ初めての実装だし、こなれていなくて仕方ないねー」で済んだが、今どきこれは酷すぎ。

  • スマホ転送というのは迅速な転送が第一であり、なおかつ画像転送時などの接続安定性が求められるものだが、その一番重要なところがダメすぎ。

  • 接続が迅速かつ持続安定している Bluetooth 接続と、速いけど接続に時間がかかる Wi-Fi 接続を組み合わせるのは良いやり方というか、今どき一番ノーマルな方法だが、使い分けが間違っているとしか思えない。

  • カメラ側の Wi-Fi 起動と接続を Bluetooth 接続したアプリ側で全て制御して、カメラ側で何もせずにできるのは良い👏富士フイルムのワイヤレス機能で唯一良い点。
    (カメラ側の操作でも接続生起できるけどアプリ側で全部行えるのはスムースで判りやすい)

  • とにかく Wi-Fi 接続に時間がかかる&不安定でウンザリすることが多い。廉価機ゆえに 5GHz 帯が削られているせいもあるだろうが、Wi-Fi 接続に「10秒ほどお待ちください」表示って10秒でも遅いのに、もっとかかってることが多すぎだし、接続失敗も珍しくない(屋内外問わず)
    X-S10_22
    (カメラが通常状態でもこんなエラーを見たり)

  • 画像転送は Wi-Fi に接続し直してからになるが、画像転送途中で何度止まったことか。縮小せずフルサイズのままの転送を10枚以上行うと、最後まで行かないことの方が多いくらい。

  • リモート撮影(スマホでのライブビュー撮影)は使い物にならない、と断言しても良いくらい不安定。撮影設定を完全にしておいた状態でスマホアプリを起動してライブビュー撮影選んで、1回だけタッチ AF して撮影なら上手くいくことが多いが、何度かタッチ AF したり、撮影設定を変えてライブビューを確認ということをやっていると、高確率でレスポンスが無くなったり、ライブビューが反映されなくなったり、(スマホ上の)シャッターボタンで聞かなくなったりで使えなくなる。
    (撮影設定やフォーカスをカメラ側でやるなら、Bluetooth 接続のままできるリモートレリーズで良いわけでライブビューする意味がない)

  • 画像転送だけでなく、転送処理中やリモート撮影中に Wi-Fi 接続中に強制切断や、切断メッセージが出ずに止まってうんともすんとも言わなくなって、アプリ終了再起動&カメラ電源オフ再投入で復帰、ということが頻繁すぎる。

  • 転送画像選択画面やリモート撮影画面からメイン画面に戻る際、アプリが Wi-Fi を切断して Bluetooth 接続に戻そうとするのだが、結構な確率で失敗して Bluetooth 接続もされないままになる。(カメラ側の電源再投入で復帰するが、当然復帰に時間はかかる)

  • とにかく、何をしていても頻繁に Wi-Fi 接続が切れる、処理が止まってフリーズする、のオンパレード😡廉価なカメラだから決して 100% は求めないし、上手くいくこともそれなりにあるけど、ダメな確率が高すぎてストレスが溜まりすぎる。
    X-S10_23
    (画像転送中に切断される)

    X-S10_24
    (スマホ画像選択画面でサムネイルが途中から表示されずも頻繁)

    X-S10_25
    (画像転送後に再度画像選択しようして切断。驚かない)

    X-S10_26
    (リモート撮影時もよく切れる。背面液晶ライブビューしかないね)

    X-S10_32 X-S10_33
    (14枚転送中で7枚で打ち切って終了したぜメッセージには殺意が…)

    X-S10_30 X-S10_31
    (転送中にサムネイルが表示される時とされない時があるのも謎)

  • そもそも Bluetooth で繋がっているのに画像転送は全て Wi-Fi に繋ぎ直して転送するというのは今どきどうなのか。3M 縮小転送のオプションがあるのだから、3M 縮小転送くらいは Bluetooth で行っても問題ないはず。何度も書くが、スマホ転送で一番重要なのは、迅速かつ安定。

  • そもそもサムネイル画像しか使わない(=転送データー量の少ない)スマホの転送画像選択画面くらい接続が安定した Bluetooth 接続で良いのではないか。転送のことまで考えて Wi-Fi 接続にしているのかもしれないが、それで不安定なら意味がない。

  • スマホ側で画像選択して転送させる際、画像選択のタップ部分(サムネイル画像の左上の◯)が小さくて使いづらい。他のメーカーでも似たようなのを見たけど、素直にサムネイル画像全体にオンタップ処理を付けて欲しい。(何故そんな使いづらい仕様にしたのか理解できない)

  • カメラ設定の「撮影後画像自動転送」という項目を ON にしても全く自動転送されず、どうなってんだ?と接続設定を一度リセットしてやり直したりして、だいぶ悩んだ。マニュアル見れば自動転送なんて機能はなく、設定項目の意味するところは「画像自動転送」じゃなくて「自動転送予約」だった…項目名の日本語ちゃんとせえや ┐(´д`)┌
    X-S10_08

  • スマホと位置情報&日時または位置情報同期にしていると、スマホと Bluetooth 接続して GPS 情報が得られない時はずっと GPS マークが赤点滅してメチャクチャ目障り。屋内とかでスマホがなかなか位置情報を拾えない時、スマホと接続できていない時は延々と続いてウンザリする。せめて一定時間で点滅やめるとか赤じゃなく別のマークにするとかに改善してほしい。(そもそもアイコンの場所が目障りだが)

  • スマホ転送後の画像ファイル名にカメラ内のファイル名を反映させずメチャクチャである。いくら何でも ID そのままとは手抜きしすぎ。
    X-S10_28
    X-S10_27

  • スマホ転送させると、カメラ内メディア(SDカード上)のファイルタイムスタンプが転送を行なった時間に書き換えられる。EXIF 内の撮影時間は書き換えられないけれど、この仕様はないと思うねんけどなぁ。転送フラグを書き込んでタイムスタンプ書き換えられて、そのままなのだろうけど、もう少し考えて欲しい。

  • セットアップメニュー→接続設定→共通設定で「ワイヤレスボタン設定」という項目があるが(ワイヤレスは無線LAN のマーク)、そもそも X-S10 に無線LAN のマークが付いたボタンはなく、マニュアルを見ないと ISO ボタンのことと判らない。いささか不親切に思う(私も当初迷った)。

  • はっきり言って、ニコンのワイヤレス転送のストレスの少なさに比べると酷すぎて話にならないレベル。キヤノンも時々転送エラーとかは起きるけど、ここまでストレス溜めることはなかった。

  • スマホ転送に必要な、優先する要素を考えて作り直して欲しいと思う。カメラ側のこともあるから現行世代のカメラはファームウェア更新で根本的な解決は難しいかもしれないが、次期 X-Processor ではもう少し考えてもらいたいと思う。


15.本体その他諸々

  • 音量設定が一番小さくても結構大きめで合焦音が結構響くため、無しにするかどうか迷う。もう半分くらい、いや3分の1くらいの、かすかに聞こえる程度の音量が欲しかった。

  • RAW + JPEG でフィルムシミュレーションブラケットで撮影した場合、同じ RAW ファイル(内包パラメーターは違うだろうけど)が 3枚生成される無駄仕様は変わってないのね…

  • フィルムシミュレーション名が EXIF の makernote にあって、Adobe 系を始め多くのアプリで撮影したフィルムシミュレーション名が判らないのは不便すぎる。
    (Adobe とかソフトウェア会社が悪いのだが、EXIF は元々富士フイルムが開発したものなのに…という思い😅)

  • 富士フイルムが公式に推奨して無料で使える Capture One の富士フイルム専用版をインストールしてみたが、フィルムシミュレーション名は見えないし、しょっちゅうフル版に課金しろとうるさいのでアンインストール。(昔のライセンスはあるけど現行のはないので)

  • Mac ではプレビューのインスペクタを開いてピクチャスタイルタブで確認できるが、多数の写真を見通しながら使うには不向きだし悩ましい。結局、ApolloOne が ExifTool をライブラリとして内部で使っていることが判ったので、Mac は ApolloOne に課金して解決。Windows は悩み中。

  • PDF マニュアルに目次くらい作って欲しい。紙にもある巻頭や巻末の目次ではなく PDF ファイル自身の目次。しおり機能くらい使ってよ…

  • 1ヶ月少々使ってきて、ハングアップの経験は2回。どちらもメモリーカードのアクセス時っぽい。(一度は画像再生時、もう一度は撮影直後。2回の事例のメモリーカードは異なる)
    X-S10_29

  • 上記とは別に、他社カメラで使用したメモリーカードを入れてフォーマットせずに再生ボタンを押すとハングアップすることがある。(全ての他社製カメラではないが再現性あり)

  • 全てのハングアップ時はバッテリー抜きで対応。

  • バッテリー残量が%表示されない適当表示なのは廉価機とはいえ残念。と思っていたら、背面液晶を撮影時に情報表示画面に変えるとちゃんとバッテリー残量の%表示がされるのね…購入後半月してから気づいた。奥が深いぜ…
    X-S10_07

  • むかし使っていた富士フイルムのリモートレリーズがあったので使おうと思ったら、microUSB 端子で全然違った…X-E2 や X-T1 で使ってたヤツだった。X-S10 じゃなく X-S1 では使えるみたいだけど😅

  • φ2.5mm ピンジャックのリモートレリーズがあったので、これなら使える!と思って差し込もうと思ったらスカスカ。マイク端子と共通だから φ2.5mm じゃなく φ3.5mm で変換アダプターがいるのね…それくらいあるはず、と思ったけど、逆しかなかった。近いうちに買わねば。

  • 最初、リモートレリーズ端子がどこにあるのか、カメラを散々見渡しても気が付かず、マニュアル見て初めて気づきました…😅

  • フラッシュ内蔵は素晴らしいのだけど、フラッシュオープンのレバーがやや軽いせいか、カバンの中で当たって勝手にフラッシュが開いてることが時々あるのは微妙。

  • たまに、左肩ファンクションダイアルを回す時にフラッシュオープンのレバーが当たって開いてしまうこともあるが、それは自分が悪いとしても、誤動作がないように、もうちょっと重い方が良かった。

X-S10Testshot_1512


というわけで、X-S10 を使ってきて1ヶ月、色々と感じたことを書き連ねてきました。重箱の隅を突きすぎた嫌いもありますが、実際にはワイヤレス周り以外は概ね満足しています。

発表されたばかりの X-E4 もそうですが、上位機と同じセンサー、同じ画像エンジンを使って画質は同等、機能的にもさほど引けを取らずに、ボディのみなら10万円ちょい、というのは素晴らしいコストパフォーマンスと改めて思います。

連写能力や防塵防滴、EVF といったコストに直結する部分で削られるのは止むを得ないですが、このサイズでこれだけ詰め込んで、それでいてグリップも良いし、使い勝手もまずまずストレスなし(ワイヤレス周り以外)。

それだけ満足度が高いだけに、時々 X-S10 が廉価機だということを忘れて色々不満を思っちゃうわけで、その点はご容赦いただければと思います。

1ヶ月使ってきて、レンズも追加で数本買っていく中で、ちょっと接し方というか、購入時とは X-S10 を使っていく形や思うところも変わってきたのですが、それはまたいずれ。

今回で X-S10 本体に対する雑感は終わりますが、次回はキットで付属していた2本のレンズについてちょっとだけ。の予定。