どこぞのメーカーと違って発表まで詳しいスペックリークもなく、直前まで「α1」という名称のリークすらなかった、ソニーαシリーズ、真のフラッグシップ機が発表されました。

Alpha1_Release

α1 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

5010万画素という高画素機でありながら、AF・AE 追従 30コマ/秒の連写速度を誇り(AF追従30コマは一部レンズのみ)、そして EVF はα9 から受け継ぐブラックアウトフリーというだけでなく、

944万画素でリフレッシュレート240fps!のEVF


というのは、新時代の動体撮影に最適化された EVF と言えるでしょう。アイポイントも 25mm と高いので見るのも楽。素晴らしい👏👏👏

キヤノンに先を越された 8K 動画に、瞳AF は鳥にも対応し、今まで何故か対応してなくて批判されていた ロスレス圧縮 RAW に(ようやく)対応したり、Wi-Fi も 802.11ac 2×2 MIMO 対応にアップデートされていたり、

フラッシュ同調最速 1/400秒


というのも地味に凄いし(電子シャッター対応というのも)、そして従来のαシリーズ(α9)最大の弱点とも言えた

メディアが SD だけからようやく脱却


したことも含めて(CFExpress Type A + SD)、旧来ハイエンド機ユーザーの不満点をきっちり解消してきた、フラッグシップ機らしいカメラ。それでいて、αらしいコンパクトさも維持しています。(個人的には大型レンズと組み合わせるのにこのコンパクトさは微妙だと思うけど)

まさに

真の高画素・高速連写機
新時代の動体撮影機


と言っていい、1の数字に違わぬカメラが登場したという感じです。

AF はα9 でも相当なレベルでしたが、やはり EVF はブラックアウトフリーであっても光学ファインダーに劣る面があったので、今回の EVF は超越する期待が高まります。

そんな、ほとんど死角なしと言っても良いα1 ですが、気になる点が1点。


今回利用可能メディアは SDXC のみだった従来から変わって CFExpress Type A が採用されたわけですが、CFExpress でも Type A 採用はソニーだけで、メディアも今のところソニー純正のみ。

まぁ、ソニー機での採用が増えれば Type A メディアもソニー以外から出てくるでしょうが、個人的には高画素高速連写機ということからの処理速度面を考えてもフラッグシップ機では Type B を採用して欲しかった気がします。

そのこともあってか、連続撮影枚数は圧縮 RAW で約155枚、JPEG で約165枚という公称値。5000万画素の高画素機と思えば素晴らしい連続撮影枚数ですが、秒30コマの高速連写として考えると、

5秒で撃ち尽くすバッファ量


とも言えるわけで、今どきの高速連写機とすればちょっと心許ない数字ではあります。いくら高画素機としては凄いと言っても。

その点からも CFExpress Type A ではなく Type B なら書き込み速度はもっと上がる=バッファ食い尽くした後のコマ速もバッファクリア速度も速かっただろうになぁ…と思うわけです。

他が素晴らしいだけにその点だけは画竜点睛を欠いたかな、と思っちゃいます。(スポーツ撮影で最大5秒だと余裕はないので)



とはいえ、懸念はそれくらいで、他はホント圧倒的のひと言で、90万円のお値段も納得せざるを得ないところ。

キヤノンも今年 EOS-1R を発表するでしょうけれど、おそらくは従来同様に 2,000万画素ないし+αくらいの画素数でしょうから、α1 を出されてしまうとインパクトは弱くなりそうです。

お、キヤノンさんも頑張りましたな。じゃ、ウチはまた先に行かせてもらいまっせ


という感じで、今後もソニーが先頭を走り、キヤノンが追っていく構図は変わらなさそうです。(他メーカーはそれぞれの身の丈にあったペースでどうぞ的な)

ま、それでも個人的には、こういう時にはキヤノンの本気の本気が見られるので

EOS-1R がどう出てくるか楽しみ


で仕方ありません。

私個人として欲しい(必要な)カメラは、高画素高速連写機ではなく高感度高速連写機ですしね…。クロップしても 2,000万画素が確保できる高速連写機というのは魅力的ですが、ISO 6400 以上を常用するナイトゲームで使うことを思うと、やはり高感度優先ですので。

いずれにせよ、こうなってくると既に周回遅れのニコンは手も足も出ないでしょうし、キヤノンが頑張って競争してくれないとソニー一強になりすぎては面白くないですからねー。