発表直前には仕様から販売価格から全部リークされてしまって、一部ネットメディアは発表後に公開するはずの予定稿が流出してしまったりで、ストリーミング発表会は正式発表の合図だけになってしまいました。



が、いま発表会のストリーミング見ながら書いてますけど、かなり微妙。内容はちゃんと紹介されているのですけどテンポも抑揚もなくて、コロナ禍で様々な発表イベントがストリーミング形式になっていて色々見た中でもちょっと…

それはともかく、EOS R5 / R6 と新しい RFレンズ群が発表になりました。

キヤノン:your EOS.|EOS R5 特長紹介
キヤノン:your EOS.|EOS R6 特長紹介

コロナ渦がなければもっと早く大々的な発表会を開いたでしょうし、本来なら上位機 EOS R5 を正式発表・発売してから EOS R6 を発表・発売するのがキヤノンのやり方だったように思いますが、いずれにしても、

これが本当のキヤノン本気ミラーレス機


が登場でありますね。

従来の EOS R / RP が悪いわけではありませんでしたが、如何せん、今どきのミラーレス機に必須のボディ内手振れ補正がなかったり、シングルスロットだったり、新しいコントロールUIを採用したけど使いづらかったり、いささかお試し感のある機種だったように思います。

それに比べると EOS R5 / R6 は、

EOS Rに対する反応を十分取り込み
デジイチEOS中上位機種ユーザーも満足させる


不足ない仕様。バッテリーまわり一つとっても従来と互換性取りつつの新大容量バッテリーにUSB PD 給電・充電対応というのも抜かりない。

さらに、6シリーズが従来の廉価機扱いと違って 6 がミドルクラス、5 はアッパーミドルと再定義されて、R6 を 6D 扱いしてはいけないのだなぁ、と。

EOSR5_Release


また、RF レンズ群は従来から積極的にリリースするだけでなく、一眼レフ用EFレンズとは同じじゃない、EFレンズのミラーレス最適化版や改良版じゃない、新マウントのレンズならでは感を強く出してきて、個人的にはかなり好印象ですが、今回もまた同じ。

キヤノン:RF800mm F11 IS STM|概要
キヤノン:RF600mm F11 IS STM|概要
キヤノン:RF85mm F2 MACRO IS STM|概要
キヤノン:EXTENDER RF1.4x|概要
キヤノン:EXTENDER RF2x|概要

これら EOS R5/R6 と新 RF レンズに思うところを端的に少々記しておきたいと思います。



(1)動画だけでなく動体撮影にも期待させるスペック(数字上は)

動体に対する AF 性能や EVF まわりは実戦で使わないと判らないものであり、発表内容やそれに伴う提灯系早期貸し出しレビュー記事では何とも言えませんが、

数字上は動体撮影にも期待をもたせるスペック


なのは間違いありません。
  • EOS-1D X Mark III と同じエンジン、AF アルゴリズム、iTR AF X、デュアル CMOS AF II
  • 人間および動物(犬/猫/鳥)の瞳、顔、全身検出
  • AF 測距範囲は画面全域(任意選択範囲は縦100%、縦90%)
  • 開放 F22 でもAF可能!
  • AF 測距輝度限界 -6.5EV(R5 は -6EV)
  • 連写速度はAF/AE追従でメカシャッター最大12コマ/秒、電子シャッター最大20コマ/秒(EOS R5 は条件により3段階の上限変化)
  • EVF のリフレッシュレートが約 120fps にも設定可能(EVF 画素数は R5 が 576万、R6 が 369万画素)
  • 防塵防滴(R5 はマグネシウム合金ボディ、R6はポリカ)
  • シャッター耐久回数は R5 が 50万回、R6 が 30万回

数字だけ見ればなかなかのもので、ニコンとともに動体撮影の雄だったキヤノンですから、数字は凄いけど実戦で動体はちょっと…なんてこともないと期待してしまいます。実際には判りませんけどね!(発表会中でも連写や AF はスポーツ撮影をアピールしていたけど)

経験上、EVF のリフレッシュレートが 60p 前後では動体を追うのは厳しく 120p 前後は必須ですが、画像の遅れはそれ以上に重要ですし、どこぞの会社のように EVF のリフレッシュレートを上げたら AF 性能に影響が…なんてことは(キヤノンだし)ないと思いたいところ。

さらに、犬猫だけでなく鳥まで瞳、顔検出可能にしたり、

開放 F22 でもAF可能!


というあたりは、尻に火が点いて追いつき追い越せという、キヤノンの本気度が伺えてよいですね。なかなかフルサイズ機出せなかったニコンが D3 でゲームチェンジャーになって以来じゃないでしょうか。

開放 F11 の超望遠レンズ出してくるだけでなく、2倍テレコンまで出してきて F22 で AF どうするの??と思ったら、F22 まで AF が効くなんて、それこそデジタル一眼レフでは想像外。(実戦でどこまで使い物になるかは知らないけどw)

いずれにせよ、提灯じゃないプロや一般ユーザーの本気撮りレビューを待ちたいところです。EOS R5 はα9 と方向性が違うし、R6 ではα9 と比較するにはクラス違いですが、先行するソニーの AF との比較は楽しみですね(^^)


(2)最強動画機&スチルも抜かりなくコスパ抜群 EOS R5

開発発表時に「8K RAW 動画!?ホントに?放熱大丈夫なの?クロップじゃないの?EOS-1D X 並みの価格になるのでは??」なんて憶測が飛ぶほど、ぶっ飛んだスペックの EOS R5。

キヤノンとしては

一眼レフ動画市場を切り開いた EOS 5D Mark II の再来


を狙っての戦略機なのは間違いないところ。

一眼レフ動画市場も近年はすっかりミラーレス機が幅を利かせ、ソニーやパナソニックが玄人向けの動画機を出してきて押されっぱなしでしたから、業務使用可能な 8K RAW 動画機を迅速に投入したのでしょうし、同時に価格的にも

戦略価格と言えるレベル


絶対的な価格は安くないけれど、これだけの仕様↓で量販店価格50万円強、専門店で40万円台半ばは競争力あるでしょう。

キヤノン:EOS R5 | 仕様

スチル機としても十分な内容で、ほどほどの高画素機 (4,500万画素)で、機能的にも

概ね全部入り


であり、条件によって変わるとはいえ連写性能も高画素機としては高レベル。(条件によって3段階に変わると明記されてるのも良い)

ただ、連写性能は EOS R6 と同じとはいえ、高画素機ということもあってそちらは制約が色々とありそうですから、そこらへんを詳しく知りたいですね。

画素数に差はあるにしても、同じ高画素機でお互い特徴あるα7R IV と EOS R5。キヤノンとしてはこれでどこまで、このクラスのシェアを追いつけるかは見ものです。


(3)画素数以外は申し分ないが、価格はもうひと踏ん張り欲しかった感 EOS R6

スペック的には 2,000万画素という中級機では一昔前の画素数ということを除けば、ほぼパーフェクトな中級機。AF は R5 と同じで、操作性もほぼ同じ、SD だけどデュアルスロット、動画も 8K は無理だが 4K 60p。

2,000万画素というのも、デジタル一眼レフ最終形と言われてライブビュー撮影も高いレベルにある EOS-1D X Mark III 由来のセンサー、そして画像エンジンをそのまま使ってのカメラと思えば、その筋の人には納得できなくもないところ。

もちろん、キヤノンのことですから EOS-1D X Mark III 由来とか言っても信用はできませんが、実際、高速連写機としてもなかなかのスペックですから悪くない。個人的にはずっと 2,000万画素ばかり使ってるんですが、そう不満ないし、パソコンやストレージへの負担も軽い(^-^)

ただ、フルサイズ中級機として見ると、個人的には

ボディ単体で30万円以上は、ちと高い印象


EOS 6D とは違って廉価機じゃないのは判りますが、ボディ単体価格は量販店で20万円台、できれば20万円台半ばであって欲しかったし(年末くらいにはそうなりそうだけど)、できればレンズキットで30万円以下じゃないと少々微妙な感じ。

EOS R5 と比べて画素数の違いや 8K 非対応、上面液晶パネルがなかったり、ボディ材質や EVF のクオリティが落ちるだけでなく、細かいところを見ていくと、DPRAW 現像ができない、背面液晶も1ランク落ちる、Wi-Fi は 5GHz帯非対応といった違いもあります。

そんなこともあって、

R5 と比べると若干推しが弱い価格


に思えるのは私だけでしょうか。

特に、α7 III および、そう遠くないうちに出るであろうα7 IV との直接対決機になった場合、

α7 III (IV) と同等クラスか以下の価格なら一気に巻き返しできただろうけど、画素数が1クラス少なくてα7 III より1クラス高いお値段では、ソニーと比較するような層への訴求力は不利になって、ソニーの牙城をひっくり返すのは厳しいかもなぁ


というのが個人的な印象です。今回の EOS R5 / R6 はキヤノンにとっての正念場だけに、もう少し頑張っても良かったんじゃないかなー、と。

あと、もし自分が買うとして考えると、この価格まで上げるんだったら EVF と背面液晶は R5 と同じで、ダブルスロットも片方は CF Express が良かったなぁ、と思いますね。

EOSR6_Release


(4)超望遠撒き餌レンズ登場!

超望遠馬鹿としては、リーク情報出てからかなり気になっていた RF 600mm F11 / 800mm F11。

開放F11という前代未聞の暗さ!
というか絞り機構削ってるからF11固定!
開放F11なのに1.4倍/2倍テレコン装着可!
テレコン付けてF16/F22でもAF可!
600mmが930g!800mmが1,260g!
600mmが10万円弱!800mmが12万円強!


とリーク情報が出てくるたびに驚かされてばかり。沈胴式を採用して収納時にはコンパクトにできる仕様(600mm F11 だと 70-200mm F2.8 クラスの長さ)も含めて、よくまぁこんなレンズを作って発売するんだなぁ、と感心するくらい。

小さく軽く安くだけを考えた超望遠レンズ


なわけですが、元々大口径超望遠レンズを使っているユーザー的には

F11?暗すぎでしょ、晴天日中というか日なた専用レンズじゃん
そもそも格好悪い


という意見が大半であり、まぁそりゃそうですよね、と私も思います。

とはいえ、個人的にはたとえ使いどころが制限されても、こういうレンズは有りじゃないかと思いますし、こういうレンズが出てきてこそミラーレスという気もします。EVF のミラーレス機ならではのレンズですし。

それに、10万円前後で600mm、800mm というのは超望遠単焦点レンズの世界への撒き餌レンズであり、

既に大砲レンズを持ってるマニア向けではない


ので、既に超望遠単焦点レンズ持ってるような糞ヲタは相手にしていないレンズでしょう。

売れるかどうかは微妙かもだけど、F11 ながら超望遠単焦点らしいビシッとした描写を見せることのできるレンズならば、「廉価超望遠ズームとは違うんだよ」という超望遠単焦点沼への第一歩になり得ると思うので、そこは期待したいかな、と思います。

が、画質への言及は公式サイトでもないのであまり期待できないかな…

とりあえず 500mm F8 とか 400mm F5.6 とテレコンという出し方じゃなく、600/800mm F11 というのもホント意味不明ですが、絞り機構削って安く出す、という値段先行で開発が始まったレンズなのかもですね…(個人的には小型軽量な 500mm F8 が出たら心動いた)

まぁ、晴天日中なら F11 でも ISO 400 で 1/1000秒くらい切れるから、ISO 3200 くらいまで許容するなら明るい曇天くらいまで行けるのでは…あとは流し撮りで!(笑)


(5)銘レンズ 100-400 が 100-500 になったわけだが

EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM は初代も2代目も銘レンズだったと思いますし、私も長く愛用しました。(そもそも昔キヤノンにマウント移行したのは EOS 5D と EF100-400mm のせい)

ミラーレス RF マウントで 100-400 を出すにあたってキヤノンは
  • テレ端 400mm を 500mm に延長(でも持ち運び時の長さは同じ)
  • テレ端の開放F値を F5.6 から F7.1 に

となりました。テレ端を 100mm 伸ばしたけどサイズは同程度(重量は軽く)にする代わりに開放F値が暗くなったのは、ミラーレス機で EVF だから、ということで理解はできます。

ただ、400mm の時点で従来の F5.6 より暗くなっていたら微妙に思う人は多いでしょうし、きっと F6.3 くらいにはなっているような予感……

あと、100-500mm は価格がまた爆上がり(量販店価格30万円台後半)したわりに、

100-500では蛍石レンズ使われてない


ので、100-400 の暖色傾向の色合いが変わってしまってるなら残念だなぁという思いはありますね。

ってか、ソニーもそうですけど、レンズの価格が上がりまくっていて、そりゃカメラもレンズも売れなくなるわ…って思う貧乏人の僻みでございます(>_<)

とまぁ、こんなもんですかね。RF85mm F2 IS については専門外なので、特になく。廉価レンズだったはずの F2 シリーズ(旧F1.8シリーズ)も高くなりすぎですわ、くらいしか。

RF800mmF11_Release


とりあえず私は、デジタル一眼レフ回帰後この2年でニコン Fマウントに数百万くらいかけて得たものには満足していますし、まだ何とか重い機材を持てるので、本気のミラーレス機購入はまだしばらくない、はず。

だけど、以前から、

次にミラーレス機をメインとして移行する場合はニコンだと将来に不安がありすぎるからキヤノンかソニーだけど、(連れ合いが使っている)ソニーは手が合わないので、キヤノンに戻りたいよなー、出してくるレンズがコンサバってないのにも惹かれるし。


なんて思っているので、手を出すことはなくてもずっと興味持って見ていますし、競争力あるモデルが出てきて何となく嬉しいところではあります。

それに、操作性は未だに3年前まで使っていた EOS が良かったなぁ…と思っていますしね。ニコンが悪いとは言わないけど、世の中の摂理と反対のマウント回転方向は未だ慣れないし、AF 切り替えボタンの位置は永遠に好きになれないので…

ミラーレス機では富士フイルム X マウントも魅力的ですし(本気の動体撮影は諦める必要があるけど)、メインマウントをミラーレス機へ戻すのはまだ先の予定なので様子見ではありますけど、EOS R5 / R6 は気になりますねえ。