寝モバ(ベッドサイド用)タブレット端末として長年使ってきた Nexus 7 (2013) をようやくリプレイスした先が Huawei の MediaPad M5 Lite 8 でした。

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ここらへんの買い替え経緯については昨年終盤に何度か記事にしてきました。

6年使ってきた小型タブレット Nexus 7 (2013) がもう限界(半分壊れてる)なので、絶滅寸前の小型タブレットを新しく買いたい
迷った挙句に結局買った Nexus 7 (2013) に代わる小型タブレットは……
Nexus 7 から移行した MediaPad M5 Lite 8 ファーストインプレ15のこと【前編】
Nexus 7 から移行した MediaPad M5 Lite 8 ファーストインプレ15のこと【後編】

上記記事でも散々書きましたが、7〜8インチクラスの小型タブレット端末については

とにかく選択肢がない現状


であり、ファーウェイは気が進まないとか言ってられる状況ではありません。

多種多様な端末があるはずの Android でも「最新または1つ前の Android OS バージョンで、今どきのアプリがそこそこ快適に動く」という最低限の条件を満たす端末ですら見つけるのが難しいほど、小型タブレット市場はなくなってしまいました。

今年になって NEC から安価な 7インチ Android タブレットが発売されるというニュースがありまして、「おぉ!これは買うのを早まったか!?」と思ったのですが、よく見れば 7インチモデル (TE507KAS) は、

さすがNEC、2020年なのにメモリ2GBで
ゴミCPU&低解像度液晶の糞端末


で、ガックリ_| ̄|○



それで2万円以上の値段を付けているうえに、8インチの上位モデル (TE708/KAS) もメモリこそ 4GB 積んでフルHD液晶なものの、Snapdragon 4xx すら使わない廉価低速 CPU 積んで3万円以上の値付けですから、

中華は嫌だ、国内メーカーを応援したいっ!


と思ってる人の気持ちに付け込んだ値付けと言うか(作ってるのは同じ国だし)、まぁ私はそんなことを思うのは無駄だととっくに諦めてますが……



それはともかく、6インチ台のスマートフォンが普通になった現在、ちょっと大きいだけのタブレットに需要がないのは止むを得ません。ですから、作ってくれるだけでも御の字であります。(とはいえ、NEC みたいなのは酷すぎて他に無くても買えないレベルだけど)

そんなわけで、MediaPad M5 Lite 8 が自分の理想どおりとは言わないまでも、購入したことに全く後悔はないですし、愛用というほど愛着のある端末ではないですが、毎日それなりの時間を使っています。

ですので、2カ月経ってからの改めての感想を以下に記しておきたいと思います。購入直後と変わらない感想もあれば、変化した感想もあります。


(1)今どきAndroidでメモリ3GBは物足りない(買うなら上位モデル推奨)

MediaPad M5 Lite 8 は Wi-Fi 版と LTE 版があるだけでなく、当初から発売されていたメモリ 3GB/ストレージ 32GB の下位モデルと、メモリ 4GB/ストレージ 64GB の上位モデルがあります。(それぞれの組み合わせで計4モデル)



私が購入したのは「どうせ寝モバ用途だから」とメモリ 3GB/ストレージ 32GB の下位モデル(Wi-Fi 版)でした。上位モデル、下位モデルの値段差は Amazon の通常時で5千円差。

自宅のみで使う用途を想定していましたし、並みのパソコンより遥かにパワーのある iPad Pro と違って処理能力はそう高くない本端末ですから、そう多くのアプリやデーターを入れる予定もなく、また microSDHC カード対応ですから内蔵ストレージが 32GB なのは全く不満ありません。

というか、内蔵ストレージは今でも半分くらいしか使ってないですし、余っていた 64GB microSDHC カードを突っ込んでいますが、全然使っていません(^_^;)

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ただ、2カ月使ってきて思うのは、

2020年のAndroid端末でメモリ3GBは少ない


ということ。

「メモリ 3GB では使い物にならない」とまでは言わないし(メモリ 2GB だとそれに近くなりつつある)、現状「メモリ 3GB では足りない」とまでは言い切れない。

ただ、2019〜2020年現在の Android アプリを Android 9 で動かしている状況でメモリ 3GB だと、ライトな使い方しかしていなくても頻繁にバックグラウンドアプリ終了が発生するし、処理能力もそこそこなので、その時にラグが発生するのを体感できます。

メモリ 3GB が足りないとまではいわないが全く物足りないし、数年で辛くなりそう

これが正直な感想。他に所有している Android 端末を使っている感覚からも、2020年はメモリ 4GB がミニマム、メモリ 6GB が快適のボーダーラインになるんじゃないかな、と感じています。

スマートフォンみたいに次々と新機種がリリースされていれば「どうせ数年したら買い替えるから」と言えますが、なにせ絶滅寸前の小型タブレットですから長く使わざるを得ないこともあります。

なので、もしこれから MediaPad M5 Lite 8 を買う人が見ているなら

5千円ケチらず上位モデル買っとけ


と思いますね。

動画をバカスカ保存するようなことでもなければ上位モデルの内蔵ストレージ 64GB あれば、ひとまず外部 microSDHC カードを買う必要もないでしょうから、その分を本体代金に回すのが良いかと。メモリーカードは後からでも買って足せますからね〜


(2)寝モバ電子書籍読書だと、やはり8インチはちと大きい…

過去に何度も書いてますが、ベッドやソファーに寝ころびながら使う「寝モバ」では目と端末の距離はかなり近いことになります。

ですから、10インチクラスのタブレットはもちろん、iPad mini のような 8.x インチ端末でも少々大きすぎます。端末との距離が近いのに画面が大きいと視線移動が大きくなって疲れますし、大きな端末を手に持ち続けるのも大変です。(目に悪いのは何であれ一緒)

寝モバには Nexus 7 や Kindle Paperwhite のような 6〜7インチくらいがジャストだと個人的には思っているのですが、前述のとおり選択肢がなかったため、8インチの MediaPad M5 Lite 8 を使い始めました。

その結果として、電子書籍でもコミックなら 8インチの大きさは問題なく受け入れられています

というのも、電子書籍でもコミックは紙書籍の判型をスキャンしているので、9:16 の画面比率だと上下に大きくトリミングされた中央にしか表示されませんので、視線移動の距離も 6.x インチ画面並みですから問題ありません。

ところが、電子書籍でもリフローされるテキスト書籍は 8インチ画面の隅から隅まで文字があるため、視線移動の距離が長くなって正直疲れます

Nexus 7 の時はテキストものの電子書籍を好んで読んでいたのですが、MediaPad M5 Lite 8 では画面が大きいのが少々辛くなり、2カ月経った今は殆ど読んでいません。

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テキストものの電子書籍については Kindle Paperwhite や BOOX Poke Pro という適度なサイズの電子インク端末があるので液晶タブレット端末にこだわる必要はないのですが、やはりちょっと読みづらくなったのは否めないです。

ぶっちゃけ、テキストものの電子書籍を 8インチの MediaPad M5 Lite 8 で読むくらいなら、6.4インチの OPPO Reno A で読む方が楽だし、疲れない。

縦長スマートフォンでコミックを読もうとすると中央に小さく表示されるので 6.4インチでもコミックを読む気にはなれませんが、テキスト書籍なら(判型的には未だ慣れないが)問題ありません。

SNS とかも、やはり寝モバで 8インチ画面で見るのはちょっと大きいかな。ゲームや動画も若干そう思う。寝モバじゃなく椅子に座って膝に置いてとかなら問題ないのだけど、だったら 10インチクラスの iPad / iPad Pro でも…となりますから。

そういうところを思うと、この手の小型タブレットの需要がなくなっていってるのも仕方ないよなー、と実感できますね。


(3)照度センサーがないのはやっぱり不便

本機の欠点の一つとして、照度センサーと地磁気センサーがないことは過去記事でも書きました。液晶の自動照度が使えないことと、地図アプリで自分の方向が示されない(ナビもかなり使いづらい)ことになります。

このうち地磁気センサーがないのは、LTE モデルを買わずに寝モバ、自宅利用専用としているので特に問題になっていません。今までのように LTE モデルを買って外で使っていたら不便を感じることもあったでしょう。

逆に、自宅だけで使っていても照度センサーがないのは、やっぱり不便です。

見づらくなったり明るすぎたら手動で照度を変更すれば良いとはいえ、ちょっとした手暗がりや照明との位置変更でいちいち手動変更するのは正直面倒だし、変えるまでの間が眩しすぎたりするのも嫌。

タッチパネルの感度があまり良くないとか、メモリ 3GB では少ないとか、色々細かいところの微妙さが少なくない本機だけど、

使い続けてると一番の欠点はコレ


と私は感じるようになりました。

ただ、選択肢がなかったから仕方ないですね…


(4)IME とジェスチャーアクションが干渉しやすい

Android 6 までしかアップデートできなかった Nexus 7 (2013) から本機に買い替えたこともあって、常用している Android 端末は全てナビゲーションモードはジェスチャーを使うようにしています。

ところが何故か本機だけ、日本語入力 IME を使う時にホームボタンのナビゲーションが誤発動しまくるのです。IME が ATOK であれ、Google 日本語入力であれ、画面下部の IME キーを操作する時に、結構な確率でホームアプリへ戻ってしまう。度々起きるので、超イライラですわ。

他の Android 端末でも(設定によっては)起きることはあるのですが、ここまで頻発しないので、MediaPad M5 Lite 8 とジェスチャーモードとの相性の問題かなぁ、と思っていますが、Android 側の問題なのかもしれません。

ただ、他の Android 端末含めてジェスチャーナビゲーションを使っていて言えることは、

iPhone X/11 のジェスチャーはよくできてる!


ということですね。IME やアプリの操作と干渉、誤操作することは殆どない(絶対ないわけではない)。このあたりは Android の今後の改善に期待するしかないですね…


(5)ゲームプレイに向いた端末ではない

プロセッサはミドルクラスのもので、なおかつその中でも処理能力がある方ではないのですが、ウェブブラウズ、SNS、動画閲覧、電子書籍閲覧などタブレットらしい受動的な使い方が主ならば、現状は特にモッサリ感を感じることはありません。

ただ、ゲームは昔ながらのオールドスタイルなゲームやリアルタイム性や 3D 処理のないゲームじゃないと快適にプレイはしづらいです。処理能力も高くないし、メモリも多くないので、昨今のゲームをする端末ではないですね。

プロセッサは一クラス上、メモリは倍の 6GB である OPPO Reno A でのプレイと比べると、意外とプレイ快適性に差があります。3D アクション系のゲームでなくガチャ系のゲームでも、グラフィックを美麗にするために結構重いシーンはありますからねぇ。

ひととおり試して今は本機からゲームアプリは無くなっています(^_^;)


(6)ログイン認証関連はダメダメ

以前の記事でも書きましたが、本機は指紋認証がありません。顔認証は一応ありますが、通常カメラによる画像だけのなんちゃって顔認証であり、写真はもちろん、顔が半分隠れていてもぶっ通しであり、かといってメガネ替えるだけで通らないし、暗所だと全くダメという酷いものです。

ですから顔認証はマトモに信用できるものではありませんし、かと言って指紋認証はないので、昔ながらの PIN コードやパターンロックになります。あまり持ち出して周りに人がいる車内とかでは使いたくない端末です。

また、Smart Lock も Bluetooth 機器によるスマートロックは可能ですが、場所や VOICE Match が使えません。このあたりは Huawei 端末共通ですが、ちょっと不便です。


(7)細かい不満はあれど、まずまず満足

この画面サイズで 1080x1920 pixels (FHD) は特に解像度が高いわけではないものの、800x1280 とか 600x1024 pixels といったゴミ解像度の液晶ではないので特に問題なし。

Nexus 7 と比べると(やや狭額縁でも)画面サイズが大きくなった分、幅が広がって片手で持つにはちょっと大きいと思うけれど、薄さ、重さはまずまず問題なし。

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以前も書いたけど、音は悪くないので動画を見るのには悪くない。寝モバだと画面がやや大きく感じるけど、座っての手持ちならちょうど良い。

普通ならあるべき照度/地磁気センサーがない、マトモな生体認証や防水仕様が欲しかった…という思いはあるものの、小型タブレットを買うにあたって

購入選択は間違っていなかったし
今でもコレしかない


と思います。

ただ、6.x インチクラスの大型スマートフォンと併用すると、このサイズ感のタブレットを使わなければならない理由は本当に少なくなる、と実感できます。

小型タブレットを愛する私でも、今この8インチ画面を使うのが最適だと思うのは、コミック読書とウェブブラウズくらい。

それも寝モバや立って手に持ったまま使うのでなければ、10インチクラスの大型タブレットの方が視認性は良いと思うので、今後もこのサイズのタブレットが生き残っていくのは難しいのかもしれません。

それこそ折り畳みスマートフォンが一般化されれば絶滅しちゃうでしょうねぇ。