CP+ が近くなってきたこともあって今週はカメラ関連の新製品発表ウィークとなりそうですが、まずは本日ニコンとオリンパスから。

ニコンからは一眼レフのフラッグシップ機 D6 と、Z レンズ2本。

D6 - 概要 | 一眼レフカメラ | ニコンイメージング
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR - 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
NIKKOR Z 20mm f/1.8 S - 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング

Z レンズ2本については、とりあえず無関係なので

お、ニコンもやっと S Line とかいうお高めレンズ以外の Z レンズを出し始めたのね。10万円以上するけど


くらいの印象しかないわけですが、フラッグシップ一眼レフ機の最新世代 D6 は D5 ユーザーとして当然気にする存在。

ソニー α9 IIから数ヶ月、キヤノン EOS-1D X Mark III からも1ヶ月遅れて、ニコンの最新フラッグシップ機 D6 が正式発表され、

画素数増やさず AF 性能強化


というコンセプトはライバル機と同じモデルチェンジ。

ただまぁ、α9 II が業務用フラッグシップ機として欠けていた部分の補強を行ったり、EOS-1D X Mark III がα9 との競争を意識した連写性能の確保や、もはや現代の業務用デジタルカメラとして必須になってきた動画機能も最高レベルまで実装したことを思うと、D6 は割と地味な進化

ニコン大好きな人たちからは「一眼レフとして着実な進化」などという評価が聞こえてきますし、それはそのとおりなのですが、ぶっちゃけ

D6 ってより D5S って感じだよなぁ


というのが、個人的な第一印象。ニコンは D4 まで中間年に S モデルを出していたけど、D5 では D5S が出せなかったのでコレに、という感じ。

4年に1度のフラッグシップ機モデルチェンジということを考えれば、同じ画素数というだけでなくセンサーが4年前の前モデルと同じ、というのはかなり微妙な話。

AF が進化しているから〜という信者様の声はありますが、フラッグシップ機のモデルチェンジで AF がきっちり進化してくるのは当たり前の話であり、それに加えて+αがあってこそですが、D6 にはその点のインパクトが薄い印象は拭えません。

オリンパスの E-M1 Mark III でもそうですが、

センサーを自社製造できないだけでなく
新しい専用センサーを注文できない懐事情


となると、やはりちょっと厳しいところが出てこざるを得ないのかなぁ、と思わざるを得ません。

その中で D6 は頑張っていると思いますが、それでも従来先頭(の一角)を走ってきたはずのニコンのフラッグシップ機としては…という寂しさは感じてしまいます。

D6_Release1


ともあれ、D5 → D6 の進化(一部は据え置きまたは退化)で個人的に注目するポイントと雑感は以下の点でしょうか。



  • センサーは D5 と変わらず、利用感度レンジも変わらず
    (センサー変わらずはニコンの現状の厳しさを表してると思う)

  • 画像エンジンは最新の EXPEED 6 に変更
    (これは4年に1度のモデルチェンジだから当然)

  • 新開発 AF センサーモジュールと AF 専用エンジンで、AF 周りは完全に一新
    (これもフラッグシップ機の新モデルなので当然)

  • AF 測距点数は 153点→105点と減っているが全点選択可能になり、選択可能 AF 測距点は 55点→105点 と倍増

  • D5 では AF 測距点数 153点のうちクロスセンサーが 99点だったが、D6 では 105点の全点がクロスセンサーに

  • D5 では一部ダブルセンサー配列だったのが D6 では全点トリプルセンサー配列に
    (これはかなり AF 精度、背景抜け防止に効きそう!いいね!)

  • とはいえ、肝心要の AF 測距エリアの範囲は変わらず
    (AF センサーが別になっている一眼レフの限界ですな…)

  • 一眼レフのファインダー撮影での瞳認識
    (凄いけどスポーツ撮影でどこまで捕捉してくれるのか… D5 も顔認識搭載していたけど、ミラーレス機に比べると捕捉能力はイマイチで当てにできなかったからなぁ)

  • キヤノンの領域拡大AF に相当っぽい「フォーカスポイントサイズ[広め]」新搭載
    (これはちょっと欲しい…)

  • グループエリア AF が17パターンからカスタム設定可能に
    (オリンパスっぽい機能。ジャンルによっては期待している人も多いみたい。個人的には測距エリアがαや E-M1X ほど広くないこともあって D5 の縦1列、横1列もあまり使ってないが広さをカスタムできるのは良いね)

  • オートエリアAFの「開始位置」設定
    (良さげだけど、ダイナミックエリアAF 105点と挙動の違い、被写体追従のアルゴリズムの違いが知りたい)

  • やっとニコンにも搭載された AF エリアモードの割り込み機能
    (レンズボタンにも割り当てできるこの機能、キヤノン→ニコンで無くなってしまってストレスが溜まったことの一つだった。D5 でも使えるようにしてくれ〜〜〜)

  • D780 から一眼レフでも搭載された、ズームレンズのワイド、テレ両端での AF 微調節
    (これもキヤノン→ニコンで機能ダウンして嫌だったことの一つ、D5/D500 でも使えるようにして欲しいんだけど無理だろうなぁ)

  • AF 測距可能な低輝度限界が -4EV → -4.5EV に
    (ライバル機をちょっとでも上回る頑張りました感 :-)

  • 連写コマ数が秒 12→ 14コマに増速、ただし E タイプレンズ以外は秒 13コマまで
    (やっとキヤノンの前モデル EOS-1D X Mark II に追いついた)

  • AWB に時系列解析アルゴリズム搭載

  • オートホワイトバランスロック機能追加
    (これはちょっと良いかもしれない)

  • CF Express / XQD 両対応ダブルスロット

  • CF Express 採用なのに何故か連続撮影可能コマ数が D5 より減少
    (D5 では RAW でも最大200コマ撮影可能だったのに、D6 では画素数変わらないのに JPEG のみ…)

  • JPEG のサイズ違い分割記録機能、別スロットの同時記録画像へのジャンプ機能
    (こういうのがプロ仕様、後者は RAW + JPEG 分割記録する私にも魅力的)

  • D一桁シリーズで初の Wi-Fi, Bluetooth 搭載
    (これは素直に羨ましい……)

  • 画像送信時のフリックによる最優先送信指定
    (こういうのもプロ仕様ですな)

  • GPS 内蔵
    (D一桁シリーズの長持ちバッテリーなら GPS 利用もしたくなるから羨ましい…)

  • 条件絞り込みフィルター再生機能
    (再生だけでなくレーティング条件絞り込みで削除できればメッチャ良いのだが)

  • ミラーレス機や廉価機と同じようなクリエイティブピクチャーコントロールを搭載

  • 盗難防止用のケンジントンロック対応
    (これは良い!)

  • お値段は爆上げした EOS-1D X Mark III と違って、+数万円程度

とまぁ、こうしてちゃんと見てみると、

第一印象より良さげな点は多い


ですね。

宣伝文句と判っていても

D6では、D5と同じ設定でも狙った被写体からピントが一段と外れにくくなっており、ラグビーやサッカーなどで、次々入れ替わるゲームの主導権を握る選手を撮りたいときや、陸上のトラック競技などで特定の選手を高倍率まで追い続けたいときなど、撮影者の狙いやスキルに合わせて設定できます。


なんて書かれると、ちょっと心穏やかではいられません(笑)

Wi-Fi, Bluetooth, GPS 搭載というのは大きな魅力というか D5 で最も欠けていた点ですし、「ズームレンズのワイド、テレ両端での AF 微調節」に「AF エリアモードの割り込み機能」も欲しい機能。

特に「AF エリアモードの割り込み機能」は、マウントの回転方向、大型レンズの三脚座リングの90度クリックがないのと並ぶ、私がニコン機を使っていてストレスが溜まる3大欠点の一つでしたからね…

D6_Release3


とはいえ、それらの新機能のうち AF 機能の強化を除けば、撮影の本質に関わることではありません。そういう意味では、やっぱり 4年に1度のフラッグシップ新モデルとしてはいささかインパクトに欠けると感じます。

D780 が D750 + Z6 + α だったので、今の時代に合わせてもうちょっと Z シリーズの機能性能を突っ込んでくるかと思いましたが、全くそんなこともありませんでした。

まぁ、「内容ゼロの開発発表は一番乗り、けれど正式発表は最後」というあたりで、なんとなく推して知るべしなのかな?という気はしていましたが、

順当進化と言えば聞こえはいいけど、ちょっとコンサバすぎやしませんか?


というのはありますね。飛び道具を入れる必要はないフラッグシップ機だけど、これで4年か(もしかすると一眼レフのフラッグシップ機最後かもだから)それ以上戦う機械ですからね……

ライバルと比べても
  • 他社は連写速度が秒20コマの世界なのに未だ14コマ(レンズ制約あり)
  • AF 一新された割には、テレコン入れた時の F8 測距点の少なさ
  • ライブビューや動画撮影に関しては周回遅れ気味

といったところを思うと、

ライバルと少し差がついたなぁ


という印象は拭えません。

Jリーグの試合などを見ていると、近年プロスポーツカメラマンのニコン率(黒レンズ率)は減少傾向で、今回の D6 では細かな改良改善はあるものの、D3 / D3S の時のような勢いの盛り返しは厳しいだろうなぁ、とは思います。

D6_Release2
(背面の操作系はほぼ変わらずっぽい)


EOS-1D X Mark III については発表時の記事でも書いたように、

Mark II 下取りしても追い金だけでも Mark II が買えそうなくらい高くなって手を出すのが辛い値段になったとはいえ、価格なりの価値はありそう
EOS-1D X Mark II ユーザーだったら、88万円!と馬鹿高くなっていても、Mark III 欲しいなぁ…となっていたに違いない


と思ったものの、D5→D6 はそこまでのインパクトはないせいか、

スゲー進化した感はあまりないし、これ欲しい!というテンションにもならないので、何年か先に D5 を買い替える必要が出てきた時に検討すれば良いや


というところでしょうかね。

もちろん、すぐに買い替えるだけの資金のない貧乏 D5 ユーザーの僻みかもしれないので、当方の印象は 120% くらい割り引いてもらった方が良いと思いますし、私自身としては

D5 を買ってまだ1年半、シャッター切ったのもまだ十数万回程度でまだ減価償却しきってないからねぇ


というところもあります。D6 で心底羨ましいと思うのは AF 周りより通信機能と AF エリアモードの割り込み機能くらいですし…

(D6 の AF で小さな被写体が背景抜けにくくなっているのは、ゴーヨンより背景抜けしやすいゴーゴーロクPF 利用時には魅力かもしれませんが、どれほどなのかは現状判らないので)

とりあえず

くそ〜欲しいけど当面買えないわ〜
と思わなくて済んで精神安定上良かった


というのが本音ではあります😓

EOS-1D X Mark III とか α9 II と比べて云々はあるでしょうけど、本数は少ないものの多少のレンズ資産がある上は、他社は隣りの芝生であって、あまり関係ないと言えばないですからね。

ま、Z50 はキャッシュバックキャンペーンもあってよく売れたけど四半期業績は減収減益のニコンとしては、これでがっつり利益を得たいフラッグシップ機リリースですが、どうなりますやら。

次は D880 あたりでしょうか。