そろそろ発表だと噂されていたオリンパスの E-M5 Mark III が発表になりました。イベントの案内も来ていましたからね(^^)。同時に E-PL10 も発表になっています。

E-M5MarkIII_Release1

OM-D E-M5 Mark III | デジタル一眼カメラ OM-D | オリンパス
OLYMPUS PEN E-PL10 | デジタル一眼カメラ PEN | オリンパス

先代 E-M5 Mark II から4年も経っているので先代モデルからの進化は十分ありますが、

ほぼ、3年前の E-M1 Mark II の小型軽量版


ですので、特に目を惹くような機能・性能は全くないモデルチェンジになっています。

E-PL10 も実売価格調整のための超マイナーチェンジっぽいですし、オリンパスは出せるタマがない状態なのかと危惧しますが、ともあれ E-M5 Mark III の主な特徴を挙げると以下のとおり。



  • センサー:2037万画素マイクロフォーサーズ
  • 画像処理エンジン:TruePic VIII
  • ボディー内手ぶれ補正:5.5段
  • EVF:236万ドット・視野率100%・倍率最大1.37倍
    (E-M1 Mark II は倍率最大 1.48倍)
  • 背面液晶:3インチ・104万ドット・バリアングル
  • AF:顔認識あり121点クロスタイプ位相差AF/コントラストAF
  • メカシャッター:1/8000〜60秒
  • 露出モード:324分割デジタルESP測光など5種類
  • 露出補正範囲:±5EV
  • メカシャッター時連写:最高 10fps
    (E-M1 Mark II は最高 15fps)
  • 電子シャッター時連写:最高 30fps
  • 動画記録モード:C4K 24p 237Mbps、4K30p 102Mbps、FHD120p
  • メディア:SD/SDHC/SDXC(UHS-II対応)1スロット
    (E-M1 Mark II は 2スロット、UHS-II 対応は1スロットのみ)
  • ハイレゾショット:5000万画素相当、手持ちハイレゾショットなし
  • 各種撮影機能:HDR 2種、ライブデジタルシフト、フィッシュアイ補正、ライブバルブ/ライブタイム、ライブコンポジット、インターバル、多重露出
  • 内蔵フラッシュ:なし(外付け小型フラッシュ同梱)
  • Wi-Fi: IEEE802.11b/g/n
  • Bluetooth:Ver.4.2 BLE
    (E-M1 Mark II は Bluetooth なし)
  • USB:USB 2.0、micro B 端子(本体充電対応)
    (E-M1 Mark II は USB 3.0、USB-C 充電非対応)
  • バッテリー:BLS-50、残量4段階表示 (E-M5/M10 シリーズと共通)
    (E-M1 Mark II は BLH-1、残量%表示可)
  • 撮影可能枚数:310枚
    (E-M1 Mark II は 440枚)
  • サイズ:125.3×85.2×49.7mm
    (E-M1 Mark II は 134.1×90.968.9mm)
  • 重さ(本体のみ/諸々込み):366g/414g
    (E-M1 Mark II は 498g/574g)
  • ボディのみ量販店価格:162,800円
    (E-M1 Mark II は 207,070円)

上のリストで注記がない点は全て E-M1 Mark II と同等な点です。仕様ページでは E-M5 Mark III の AF検出輝度範囲や水準器の記述がないのがちょっと気になりますが…

E-M5MarkIII_Release3


こうしてみると機能的な部分で差異があるのは
  • EVF の倍率が低くなった(小型化のために EVF が小さくなった)

  • メカシャッター時の連写速度が秒15コマ→10コマに減った

  • SDカードスロットが1スロットのみ(小型なミドルクラスのカメラなので当然)

  • Bluetooth が追加された(むしろ E-M1 Mark II が他社に出遅れてた)

  • USB 端子が USB-C から microUSB と時代に逆行する形になって、インターフェースも USB 3.0 から USB 2.0 に劣化

  • USB 端子は microUSB に戻ってしまったが、本体充電可能になった(これも E-M1 Mark II の時点で他社に出遅れてた)

  • バッテリーが従来の E-M5/M10 シリーズと共通な BLS-50 のままなので、バッテリー残量が数字で判らない10年遅れバッテリーのままになってしまった

  • E-M1 Mark II より軽いのはもちろん、先代 E-M5 Mark II と比べても小型軽量になった

こういったところでしょうか。EVF や連写速度が低下しているのは小型軽量化のためにやむを得ないところですが、時代遅れのバッテリーを継続したり、せっかく本体充電可能なのに端子が USB-C から micro B に戻ってしまったり、色々残念な点もあります。オリンパスらしいとも言えますが…

グリップ周りは小型軽量化重視なので、E-M1 Mark II と比べるのは酷ですが、先代 E-M5 Mark II よりはマシっぽいですね。

E-M5MarkIII_Release2


よく言えば、上位機 E-M1 Mark II 機能・性能から、現状ミドルクラスへ落とし込めるものを全部落とし込んで盛り込んだ、という内容。

ただ、出し惜しみはないものの、新冒頭で書いたように特に目を惹くような機能・性能は全くなくて、

先代から4年、E-M1 Mark III から経って、ようやくコレなの??


という気はしますし、それでいて価格が E-M1 Mark II と4万円しか変わらず、先代と比べてもかなり強気な値付け。ミドルクラスというよりはミドルハイの価格レンジ。

E-M5 ユーザーの買い替え以外に
売る気あるの?という値段設定


には、さすがにちょっとなぁ、って感じです。E-M1 Mark II 発売時の値段設定と好調な売れ行きを鑑みてのことかもしれませんが、あれから3年、もう時代は進んでいるのですけどね…

E-M5MarkIII_Release4
(後付けグリップを付けると相変わらず格好悪い…)


以前書いたこともありますが、私にとってマイクロフォーサーズはもう動体撮影をすることはなく、完全にお散歩・旅スナップカメラになっていますので、

E-M5 Mark III の内容と価格次第では、センサーサイズの割に大きく重い E-M1 Mark II から買い替えても良いかも?


と思っていたのですが、この内容と価格では無理ですね。そのうち手ごろな価格になりそうなら、多少の残念な点を我慢してでも小型軽量化のために、と思ったかもしれませんが。

キットレンズは 14-150mm だけで、E-M5 Mark II の時にあった 12-40mm F2.8 PRO とのキットもないですし、今年発売の 12-200mm とのキットがないのは不思議。やはり古くなった E-M5 ユーザーの買い替え需要だけしか見てない気もします。

とりあえず、ミラーレス機の中でも E-PL シリーズ中心に台数シェアはまだ確保してるっぽいオリンパスですが、この次のタマをそれなりに惹くことのできる内容で出してこれるのか……ねぇ。

発表から3年となる E-M1 Mark II 後継機もそろそろ噂が出てきておかしくないのですが、どうなんでしょうかね。画素数増し?E-M1 X と同じ被写体認識は入るでしょうけど、それだけでは……


(ヨドのE-M5 Mark IIIとアマゾンのE-M1 Mark IIの値段が同程度…)