前回記事の続きです。

ソニーの新型ワイヤレスイヤホン WF-1000XM3 を1週間使ってのアレコレ細かな感想【前編】

前編では、装着感(付け心地)、音質、ノイズキャンセリング/環境アンビエントモード、操作性、マルチペアリングについて感じたことを記しました。

音質、操作性、マルチペアリングについては納得ですが、ノイズキャンセリング効果は期待したほどではなく、付け心地も悪くはないけど、デカさを感じるのは事実で、私の耳では少しあたりがあったりもしました。(付けるのに支障があるほどではないけど…)

今回はバッテリーまわりなど残る諸々について使った感想を記します。


(6)バッテリーの保ち

イヤホン単体で公称6時間、ケースでの充電を含めると6時間×4ということらしいですが、確かによく保ちます。バッテリーの保ちは全く不満はないです。

私の場合、普段、連続でイヤホンを使うのは長くても3時間〜3時間半くらいですが、長時間の電車移動で4時間以上使いっぱなしにしても大丈夫でした :-)

行動を判別してモードを切り替えるアクティブサウンドコントロールは、有効にするとスマホのバッテリーがやたら消費されるので永遠にオフ、音質優先モード、DSEE HX オフ、イコライザは聴くものによって有効の場合あり、の状態で3時間使って、だいたいいつもバッテリー残量 50% くらい。なので公称どおりくらいでしょうか。

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(行動の自動判別みたいなお節介機能は不要 X-)


アプリのバッテリー残量表示は大雑把すぎて、残量表示はあまり当てにできませんけど、20%でバッテリー残量の警告が音声で知らされ、シャットダウンする時にも音声通知があります。

なお、DSEE HX をオンにするとバッテリーの保ちは公称3時間に半減しますが、DSEE HX オンで使ってみた時も確かにそんなものでした。オフ時の減らなさに慣れてるとビックリです(^_^;)

ま、個人的にはもう少しバッテリー減らしてもいいから、もうちょっとイヤホンを軽く小さくしてくれれば…と思うんですけどね(^_^;)


(7)急速充電

ソニーお得意の急速充電モード。10分充電で1時間半再生。まだ一度だけしか使ったことはないですが、これは良いですね。今まで使ってきたイヤホンにもあれば嬉しかったな……

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本機 WF-1000XM3 の場合はイヤホンのバッテリーを使い切るくらい連続使用することはないと思いますが、バッテリーがなくなっても充電ケースに入れて10分我慢すれば、また1時間半使えるのは安心の仕様です。


(8)充電ケース

デカすぎ。これをデカくないという人がいるのか?という馬鹿デカさ。常時持ち歩くものと判って、このデカいケースを考えた奴も許可した奴もちょっとおかしい。

個人的には、

イヤホン本体のデカさ重さは許容できても
充電ケースのデカさは許せないレベル


です。

他が良いから許せる、と言いたいが、この充電ケースのデカさが原因で使わなくなる可能性もあり得るくらいに思っています。

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(特別小さいわけでもないVerseのケースと比べると…)

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ERATO Verse の充電ケースのようにデニムパンツの前ポケットに違和感なく入る大きさではないのは自明だし、カバンに入れるのにも場所を取るうえ、そもそも薄手のカバンには入らない or 入れられてもボコッと大きくはみ出して格好悪くなります。

ネットメディアのレビュー記事では特に大きな問題として扱われていませんので、ケースのデカさに文句言ってるのは私だけかもしれませんが、

IT / ガジェット系ライターは、あれこれ機材を分厚いカバンに詰め込んで持ち歩いているから、充電ケースが少々デカくても気にならないんだろうなー、薄手のバックとか持たないんだろうなー


と勝手に思っている私です(^_^;)

充電回数が4回分もありますが、個人的にはそれを半分にしても、急速充電すらなくしてもいいから、半分くらいのサイズにして欲しかった。本当に嫌になるデカさです。ホンマ何を考えて作ったのか、らしくないわ…… ┐(´д`)┌

ただ、AirPods や Verse のように、ケースにイヤホンを入れた時に磁気で吸着して、充電ミスが起きない仕組みはいいですね。


(9)連携アプリ

アプリがなくても一応使えますが、各種モードやイコライザの設定に必要なのが「Sony | Headphones Connect」アプリ。

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‎Sony | Headphones Connect (App Store)
Sony | Headphones Connect (Google Play)

レビューの評判が悪いのはこの手のアプリでは毎度なのでスルーするとして、主に iPhone X で WF-1000XM3 の設定などをしていますが、特に問題ないですね。

Android ではアプリを開いても設定画面が割とすぐに表示されますが、iOS の場合はアプリを開いてからイヤホンへの接続に時間がかかります。しかし、これは iOS の制約上仕方ありません。

アクティブサウンドコントロールを有効にしていると iOS でも常時イヤホンと接続しているのでサクッと繋がるようですが、スマホのバッテリー消費過大と引き換えにはできません。

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アプリではバッテリー残量や接続状態が表示される他、アクティブサウンドコントロールの他、外音取り込みモードでの取り込み度合い(デフォルトでは最大の20)、接続モードの切り替え、イコライザの設定、高音質オプション DSEE HX のオンオフ、ボタンのカスタマイズ、ガイダンスの言語などが設定できます。

ガイダンスの言語変更は言語データーの転送に時間がかかって、思いのほか時間がかかったので、余裕のある時にやりましょう :D

以前の項目でも書きましたが、ボタンのカスタマイズは少し物足りないですね。音量コントロールはできるようにして欲しかった。(個人的には曲の送り戻しより重要なので)


(10)接続安定性

付け心地と並んでワイヤレスイヤホンを使う時の最も重要な項目ですが、

iPhone X との接続は安定して使えている


のひと言に尽きますね。1日3〜5時間ずつ使っていますが、接続性においてストレスを感じたことは全くないです。

10日間使ってきて通勤ラッシュのような混んだ電車内は2回しかありませんが、色々なシーンで使ってきて切れたことはありません。片耳だけ一瞬音切れしかけたことが一度だけありましたが、些細なものでした。

他に iPad Pro、P10 lite、Apple Watch とペアリングして使っていますが、特に問題は起きていません。iPad Pro は2時間ほどの映画を始め動画を何度も見ましたが、安定していましたし、遅延も最小限でリップシンクも違和感なかったですね。ゲームはプレイしていないので不明。

(このあたりは各自の視聴環境や端末との相性にもよるので、あくまで私の例です)

ただ、うちの環境(hp Spectre X 360)では

Windows 10 ノートPC では使えない


症状が発生しています。

ペアリングした時に Bluetooth プロファイルとして音楽を聴くための A2DP (Advanced Audio Distribution Profile) ではなく、ハンズフリーフォンとしての HFP (Hands-Free Profile) が選ばれてしまっているのが原因です。

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(本機に切り替えると音楽が出力されず、ハンズフリー表記も)

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(サウンド設定で出力バーは動いているがデバイスが空欄)

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(詳細設定では A2DP のデバイスも見えているが選択できない)


どうやらペアリング時に WF-1000XM3 が HFP デバイス(ハンズフリーフォン)として固定されてしまって、A2DP デバイスは認識されているけれど、接続も選択もできない状態。

HFP デバイスの方を切断したり無効化しても A2DP デバイスの方に接続できないので、ちょっとお手上げです。

ググってみると

価格.com - 『win10で音が出ない。』 SONY WF-1000XM3 のクチコミ掲示板

のように同じような人がいました。参考になりそうな回答もありましたが、当方ではダメでした。

ま、少なくない人が体験してクレームとしてソニーへ言っているようなので、気長にファームウェア・アップデートを待ちますかね。Windows 10 パソコンでイヤホンを使うのは、外出先で DAZN などの動画配信を(iPad がない場合に)見る時くらいですから待てます :-)


(11)その他

充電用端子が USB type-C というのは良いですね(^-^)

ただ、付属の USB type-A → type-C ケーブルの長さが、僅か 20cm。さすがにどうかと思うんですけど、ノートパソコンかモバイルバッテリーに接続して充電というのを前提にしているのでしょうか。

魑魅魍魎が跋扈する USB type-C ケーブルの世界ではメーカーも「充電は必ず付属のを使え」と書いてあるわけですが、コンセントに挿す USB 給電器を使っていると、さすがに 20cm のケーブルは使いにくいので…ねぇ。

トラブル防止のためにメーカーが付属ケーブル使えと言うのは理解できますが、だったらもう少し長めの 90cm とかにするとか、20cm だけでなく別途 1m くらいのも用意しておいてほしかったなー、とは思いましたね。

WF-1000XM3_22
(充電ケースも本体と同色なのはさすが)


あと、ですが、ブラックとプラチナシルバーの2色が用意される中、購入したのはプラチナシルバー。ぶっちゃけ

プラチナシルバーというよりベージュ
だけど、むしろそれが良い


ですね。初代モデルのシャンパンゴールドより落ち着いた色合いで肌色にも近く、デカいイヤホンが少しでも目立たなくなる色で気に入っています :-D

まぁ、そこかしこにすぐゴールドを使いたがる習性はまだあるようで、そのあたりのセンスはどうかと思いますけど……

WF-1000XM3_04
(同梱物一覧)


というわけで、機能的にも性能的にも

完全ワイヤレスイヤホンとしては高い完成度


を持つ一品であることは間違いありません。

ただ、個人の好みも含めて言うと

絶賛にはもう少し足りなかったかな…


というのが、本音。

ほとんどの点で満足しているのだけど、やっぱり
  • イヤホン本体の大きさ・重さは限度ギリギリ
  • 充電ケースのデカさは限界突破しまくり
  • ノイズキャンセリングはもう一声
  • イヤホン側でボリューム調整ができない
  • 現時点で(当方の)Windows 10 PC で使えない

これらは私にとって欠点もしくは及第点に届いていなかった、と印象です。(3万円もしないイヤホンにどこまで求めてるんや、って話になりますけど ^_^;)

WF-1000XM3_10


特に
  • 充電ケースが大きすぎる
  • イヤホン側でボリューム調整ができない

この2点は残念すぎるし、どんなに他の良い点と差し引いても、充電ケースの馬鹿デカさだけは許容範囲外。しつこいけど、あれはホンマ無い。

出かける時にスタイルや使用予定によっては

イヤホン本体で6時間保つなら、家から出る時にイヤホン本体だけ何かの袋に入れて持ち出そうかな?


と考えたくらいです。(ケースに入れないと電源オフされない点は、アプリからも電源オフが可能ということが判ったので)

ただ、そんなことするなら素直に今までの ERATO Verse を持って行けばいいかな、と気づきましたが(^_^;)

いずれにせよ、

価格だけの価値はあるし、おススメできる
けど、個人的には画竜点睛を欠いた部分も


って感じですね。私がちょっと欲張りすぎかもだけど、ソニーも(バッテリーまわりの)スペックを欲張りすぎたのかも。

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