昨秋、防水対応になった Kindle Paperwhite (2018) に買い替えたのち、今まで全くその習慣がなかった「お風呂読書」を週に何度かするようになりました。(お風呂読書時間は20分かそこらですけど)

「お風呂読書」は電子書籍がなかった昔から、やる人はやっているようで、以前その習慣のある人に「良く紙の本を風呂場なんかに持ち込むねえ」と言って呆れていましたが、電子書籍による耐水化?が理由とは言え、まさか自分がお風呂読書なんかするとは思わなかったので、我ながら驚きました。

もっとも、6月以降の暑い季節になると、そもそも長時間風呂に浸かっていたくないので、お風呂読書はしなくなりました。冬になったら再開するかどうかは判りませんが、きっとお疲れの時に少し長めに風呂りたい時にまた Kindle を持ち込んで、そこからお風呂読書再開になりそうな気はします(^_^;)

hanshinyoku


さて、以前も書いたように、ここ数年は電子書籍メインというか、もう専門書籍と辞書的に使う本、そして稀に買う写真集(おんにゃの子の写真集ではない ^^;)を除けば、ほぼ電子書籍しか買っていない状況です。

読みたい本が紙書籍しか出ていなくて電子書籍がなければスルー or 欲しいものリストに登録しておいて電子書籍版が出るまで待つ、って感じですね。

作者が電子書籍を出さない、という方針なら、別に読めなくても問題ないや、と割り切ってます。時間は有限で、読みたい本は無限ですから、わざわざそんな偏屈な作者の本を読まなくても事足りるので。

そんな感じで電子書籍メインになって数年、そろそろ4〜5年は経っていると思いますが、

電子書籍メインであることの弊害


も幾つか感じています。



もちろん、電子書籍メインにしていることのメリット(場所を取らない、文字の大きさ可変その他色々)に比べれば大したことがないもので、電子書籍メインから紙書籍メインへ戻るなんてことは1ミリも考えてないのですが、今まで利点ばかり書いてきたので、個人的に感じている弊害?を以下列挙しておきたいと思います。

もちろん、ここに書く「電子書籍の弊害」は、あくまで私個人の特性(性格、習慣)に起因するもので、普遍的な弊害を挙げているわけではありませんので、誤解なきよう。あるある、と思ってくれたり、ないわー、と思ってくれれば良いだけのチラ裏です(^^)


【1】物理的に見えないから、どれだけ無駄に買ってるか現実味がない

電子書籍のメリットは幾つかありますが、中でも「どこでも好きな本を(クラウドからダウンロードして)読める」ことと「いくら本を買っても置き場所に困らない」の2点が大きな利点であることは明らかだと思います。

それなりに書籍を購入している人にとって、部屋や押入れが本で埋まって(私の場合はレコードやCDでも埋まっていた)置き場所に困る、という悩みは割と共通なことだと思っていますし、(自然と)床に積み上げていく、(本棚が足りず)本を入れた段ボールが積み上がって探すのにも一苦労、なんてことも日常茶飯事。

それが電子書籍では場所を一切取らなくなって、狭い家だけどどれだけ本を買っても大丈夫!という幸せな状況に(^o^)

本棚に入りきれない本、コミックを段ボールに入れていくのはいいけど、それを探すのに一苦労することもなく、アプリで検索すればすぐに出てきて読める便利さもあります。

(Kindle みたいな整理がロクにできない糞アプリでも、収拾のつかなくなった紙書籍を探すことに比べればずっと楽 ^^;)

となると、当然ながら

物理的な制限がなくなったため
購入に歯止めがかかりにくくなった


のも、また事実。

お、ちょっと気になっていた本がセールだから、とりあえず買っとくか
名前しか知らない漫画だけど、期間限定で最新刊を除いて全巻10円!?とりあえず買っとくか
このシリーズ、前巻がまだ読めてな行けど、とりあえず買っとくか


こんな調子で、電子書籍をメインにしてから

「とりあえず買っとくか」の嵐


ぶっちゃけ無駄遣いしている自覚はあります(^_^;)

特に、紙書籍では有り得なかったセール本の無駄な購入は、どうかと思いつつも、ついつい「今のうちに」感覚でポチってしまうことが多く、反省していても止まりません。近年、頻度は下がりましたが、全巻5円とか10円とかだと、つい……

逆にセールでも、既刊の単行本がたくさん出ているコミックのシリーズ最初の1〜3巻が無料セールという有り勝ちパターンには釣られなくなりました(^_^;)。さすがにそういうのに手を出してるとキリが無いので、本当に興味あるものだけに絞っています。

とはいえ、普通に買う本だけでなく、無料本やらセール本やらを購入してしまうので、電子書籍にして月あたりの購入冊数は相当増えたのも事実で、無駄に買ってしまった本も少なくないです。

購入した書籍が目に見えない


というのは、私のように計画性のない人間にとって歯止めがかからない点で弊害でもあるなぁ、と思う昨今です。

cardboard_book


【2】場所を取らない分、積ん読が異常に増える

前項の延長線上になりますが、電子書籍では購入した本の量だけでなく、未読書籍の量も、明らかに目で見える形では判りません

紙書籍の頃は買っても読んでいない「積ん読」が目に見える形で判りました。そもそも書籍というものが「買えば場所を取る」ものでしたから、読んでいない書籍は否が応でも目につきました。

もちろん、買ってから長く放置した書籍は「地層」の底、ダンボールの奥底に埋もれて判らなくなることもありましたが、それでもまだ読んでない本は見える位置に置いてあり(比喩ではなく積んであり)、積ん読の積み量が文字通りに視認できました。

しかし、

電子書籍は積ん読の量も見えない


ので、どんどん積まれます。

積ん読が見える形で山ほど積まれていれば、何か新しい本を買おうと思っても「まだ積ん読がこれだけあるから、これを消化してから買おう」などと自重作用が働くこともありますが(働かない時もある ^^;)、電子書籍では

物理的に未読量が見えない分だけ
新しい本を買うことに抵抗が小さくなる


のは大いにあるように思います(^_^;)

前項でも書いたとおり、電子書籍ではセールや無料という紙書籍ではなかったことが行われるので、「とりあえず買っとく」がちょくちょく起きるわけですが、買う意欲を持って買ってるのさえ読みきれていない状況では、当然それらは全部積ん読。

物理的制約(本の置き場所)がなくなると
金銭的制約しか意識せず
時間的制約(読書に充てられる時間)をも無視


して買ってしまっていることが常態化しています。判っていて反省はしているのですが、なかなか改善しません……(/_;)

積ん読(未読書籍)は、電子書籍ストアアプリによっては、検索で既読フラグが付いてない(もしくは未読フラグが付いている)書籍だけを抽出することができますが、そんな機能をいちいち使って確認してから買わないですしねぇ。

あと、電子書籍だと

いつでも読めるからと思うと余計に
積む、積んだままに抵抗がなくなる


のはありますね。いつでも読めると思うからこそ、気軽に積んでしまう……

以前は

次に入院するようなことがあったら、今度はきっと長期入院とかになるかもだから、積ん読していてもその時に読めば良いか


みたいな寝言を考えていたわけですが、入院中のしんどい時に本を読む気になるかというと実際には無理ですから、こういう考え方には無理があるわけで(>_<)

book_yoko


【3】制約が少ないので、連載モノ単行本購入を途中で切りにくい

これも、前項、前々項の延長線上のことですが、「本の置き場所を考えなくていい」「どれだけ積ん読があるか実感として見えない」こともあるせいか、

長期連載のシリーズもの単行本を
ダラダラと書い続けてしまう傾向に拍車


がかかっています。

元々、私の性格上、なかなかシリーズ途中で切れない性質でして(^_^;)、「最近マジで面白くないなー」と思っていても、ダラダラと買い続けてしまう人です。

(その典型例がグインサーガでした。70〜80巻あたりから目に余る酷さにロクに読まない巻が続出し、それでも百数十巻まで、風呂敷広げたまま畳む気配なく作者が亡くなられるまで買ったのは我ながら呆れてました。さすがに別の作者立ててまで刊行している続刊はスルーですけど)

それでも紙の書籍の時は、物理的な問題(書籍の置き場所)もあって多少の歯止めはあったと思うんですけど、電子書籍になってからは「明らかに面白くなくなって一度サクッと目を通して終わり」みたいな本でも、また新刊が出たら買ってしまいます。

本屋へ買いに行く必要がないのですから、せめて既刊を全部読み終わってから新刊を買えば良いのですが、配信予約購入しておくとキャッシュバックポイントが多いとかそういうのに釣られて、つい……orz

あと、切ろうと思わないまでも、積ん読が酷くなって

なんか展開がダラダラになって、買っても読まなくなってからしばらく経つのに、なんで新刊が出たら買ってるんだろ、俺?


なんてシリーズもありますしね……

例えば、「ちは○ふる」なんかは二十数巻までは紙書籍で買っていて、それを自炊して、その後電子書籍へ移行したのですが、もうどれくらいから読んでいないか記憶にないまま新刊は常に買うだけ買って、気が付けば40巻以上…まだ終わってないみたいだけど(^_^;) まぁそういうシリーズは幾つもあります。

book_hondana_syodana


【4】電子書籍は購入ではなく読書権貸与だから云々

電子書籍の最大の欠点であり、電子書籍使わない派の最も大きな理由だと思いますが、個人的にサービスが続くかぎり、この点をどうこうと思ったことはあまりないです。

民間の有料図書館


みたいなものだと思いますが、読めるかぎりはそこをあまり気にすることもないです。基本的に DRM 反対派ですが、現実問題として仕方ないかな、とも思っています。

ただし、そう言っていられるのは、あくまでもサービスが存続する前提であり、サービス中止になって移管先も用意されないような事態になったら、さすがにブチ切れでは済まないと思います。それくらいは出費しているので。

Microsoft Store、電子書籍から撤退。購入書籍は全額返金 - PC Watch

一定以上の冊数を購入している電子書籍サービスはそれなりの大手企業ベースなので、(死ぬまでどれくらいの年月か判りませんけど)たぶん大丈夫だと思っていますが、上記のようにマイクロソフトすら止めちゃうわけで、将来に不安がないわけではないです。

とはいえ、自分にとっては電子書籍の便利さが不安や制約を上回るので、この手の欠点はあまり気にならないというか、正確には、気にしないようにしてる、って感じですかね。

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【5】中古で売れない

物理的なものがなく読書権貸与でしかないので、中古で売れないのは電子書籍の欠点の一つと言えますが、「物理的なものがないから助かっている」ことも多く、それゆえに電子書籍を愛用しているので、近年は特にマイナス要素とは感じていません。

そもそも、過去に何度も売りに行っている経験上

中古で本を売っても、たいていは二束三文


であり、多少でも値が付くのはごく一部ですから、それを思えば別にそこをとやかく言うほどのことはないかな、と。

もっとも、中古で売れるかどうかは別にして

物理的な所有じゃなく読書権貸与なんだから
紙書籍より2〜3割安くしろよ


という思いは昔から変わっていません。

電子書籍のための処理が云々、読書で得られる価値は変わらない、という理由は耳にタコですし、電子書籍に別のメリットがあったとしても、物理的な所有と同じ価値ではないと思いますからね。

あと、中古で売れないのは仕方ないとしても、

同一電子書籍ストアのユーザー間での
書籍レンタルは制限付きで許されても良いのでは?


と思っています。(海外の Kindle / Kobo ストアではあった気が)

月に○冊まで、一度に×冊まで、という制約を課していれば十分に「個人の利用範囲」の延長線上で商売の邪魔にはならないと思うんですけどねぇ。紙書籍と比べて最大の欠点の一つですから、ここは何とかして欲しいものです。

というか、せめて家族間くらいはそれができないと、一つのアカウントを家族で共有する羽目になる(=購入書籍を全部家族に晒すことになる)ので正直厳しい。

大人のライブラリーを子供に、男のライブラリーを女性に、見せたくはないですし(^_^;)、そもそも Kindle の場合だと Amazon アカウントを共有する羽目になるので、ちょっと無理ですからねぇ。

hakase_book_hakobu


とまぁ、こんなところでしょうか。最後の2項目はともかく、物理的な制約から解放されての1〜3についてはホント自分の習性をちょっと直していかないとなぁ、と思っています。

とはいえ、一時期までの「紙書籍で買った本は自炊するから電子書籍では買わない」主義を改め、紙書籍で買って気に入っている本を電子書籍で買い直すための「まとめ買い」をしていたのも、ここ1年くらいで終わったので、月に何万円も大量買いをすることは、この先そうそうないとは思っています。

それに各電子書籍ストアも、黎明期〜成長期のように大盤振る舞いのセールもほとんどやらなくなってきていますし(BOOK☆WALKER なんか顕著)、そうそう無茶な買い方もしないとは思うのですが、何故かなかなか積ん読は減らないんですよねぇ(/_;)