平成を写真で振り返られるほど長く写真を撮ってもないし、振り返るに値する写真も撮ってないわけですが、(撮るのも撮られるのも撮る奴も全部)カメラ大嫌いだった私が、パソコンの周辺機器という観点から入って深みにハマってしまったデジタルカメラも平成を代表する製品の一つでしょう。

思えば平成の時代にカメラはフィルムからデジタルへの大移行があり、そして今、フィルム時代から続いた一眼レフという仕組みも平成とともに終焉を迎えつつあります。

そして、メーカーもユーザーもミラーレス機へ向かう流れは加速するばかりの昨今、そんな中、私はメインシステムをミラーレス(マイクロフォーサーズ)からデジタル一眼レフ(ニコン Fマウント)へ戻してからちょうど1年が経ちました。

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恥ずかしながら帰ってまいりました( ̄^ ̄)ゞ

ミラーレス初号機であるパナソニック DMC-G1 購入から、デジタル一眼レフをメイン機としつつもアレコレと各社ミラーレス機を買っては売りを繰り返した私(^_^;)

おまけに、一度は全てのミラーレス機を全て処分してデジタル一眼レフ(キヤノンEFシステム)だけにしたはずが、血迷って?長年使ったデジタル一眼レフシステム一式を売って、ミラーレス機(マイクロフォーサーズ)オンリーに移行したのが2年前。

どうしても実地に試したかった E-M1 Mark II を中心としたオリンパスのマイクロフォーサーズシステムはその良さを感じつつも、自分の求めるモノまでは厳しくて、結局1年かけて準備して、やっぱりデジタル一眼レフに戻ってきたのが1年前。

ぶっちゃけ自分でも「何をやってんだか」とか「無駄金使いまくった」とか思うところはありますが、

我ながら馬鹿だと思うけれど
自分で試してこそだから仕方ない


とも思うわけです(⌒-⌒;)

試すことが無理な機材ならともかく、そうでないなら、自分が撮りたい被写体を自分が手にした機材で存分に試さなければ、良いも悪いも判らない、と痛切に感じることが多かっただけに……

つくづくアホやと思うけれど、そこはもう「アホやからしゃーない」と自分で言うしかありませんし、人様が思うほどあまり後悔はしてません。(ゼロではないw)



そんなわけで、相変わらず右往左往しつつ無駄遣いもしながら、ちょうど1年前にメインシステムをデジタル一眼レフ(ニコン Fマウント)システムに戻したわけですが、そのことについての自己評価は、

120% デジイチに戻って良かった


に尽きます。思ってた以上に後悔は皆無でした :D


ミラーレス黎明期〜成長期の頃と異なり、近年はミラーレス機でも動体撮影が実用になってきたのは周知のとおり。特にソニーαは多くの動体撮影分野で(試用的な部分も含めて)徐々に使われ始めている感はあります。

Twitter の自分のタイムラインを見ていても、特に飛行機撮影を行っている(上手い)方はミラーレス機へ移行したり、併用するのが普通になってきています。

私自身、2年前にデジタル一眼レフ一式を売却してでもオリンパス機へのメインマウントを移してみたのはそういった可能性を十分に感じたからです。(マイクロフォーサーズで使いたい機材を揃えるには手持ち機材を売るしかなかった)

ただ、以前の出戻り記事でも書いたように、実際に自分で自分の被写体を撮ってみると求めるモノには達していなかった、もしくは自分の技量では機材が未達の部分を補えなかったわけです。

(上手い人は何を使ってもしっかり結果を残しますけど、下手くそはそういうわけにはいきません。機材に助けてもらってナンボです!)

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ひと言で動体撮影と言っても、様々なジャンルがあります。飛行機、鉄道、鳥、動物、モータースポーツ、室内外スポーツ、と言ったモノから、もっと広い需要で言えば子供の運動会や遊びの撮影も「動体撮影」です。(ビデオ回している人の方が多いけど、奥さんと動画、静止画の役割分担するのも普通でしょう)

人それぞれ違うにしても、子供の動きというのは意外とランダム性が強いので、線路の上を走ってくる鉄道や、動き的にランダム性が皆無の民間機の離着陸に比べると、子供の遊びをガチで撮るというのは意外と要求レベルが高いと思っています。

また、「飛行機」と言っても、速度(角速度)がゆっくりな民間機の離着陸と航空祭などでの戦闘機の機動飛行では全くカメラに対する負荷は異なります。「スポーツ」も当然ジャンルによって違う方向の難易度があります。

ですから、当たり前のことですが、

ミラーレス機も動体撮影能力がデジタル一眼レフと比肩できるレベルになってきた


と言っても、

現状ミラーレス機の動体撮影能力は、まだジャンルと撮影者の技量によりけりじゃね?


な状態なのは間違いないでしょう。

それゆえ、自分が撮影する被写体によって求められるカメラの能力は異なりますし、現時点のミラーレス機で私みたいな下手くそでも撮れるかどうか、どれくらいの結果を残せるかは実際に使って観ないと不透明なことが判らないことは多いと思います。

(周囲やその筋の人たちの話を聞いても、あながち外してはないと思うんですけど、そこはそれ、個人の見解ということで ;-)

過去にも書きましたが、いくらメディアの定点ベンチマークでは仕方ないこととは言え、迫ってくる電車や車の合焦率だけで動体撮影の性能を測る、結論づけるってのは個人的にはどうかと思いますし、いくら時間が限られているといってもライターカメラマンが民間機の離着陸を撮っただけの記事を見ても(私には)参考にならないことは良く分かりましたので……

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そういう意味では 2018〜2019年前半レベルでは「まだ」ミラーレス機よりデジタル一眼レフの方が動体撮影に対して汎用的に使える、平均して結果が残せることが多いように思いますが、それでも
  • EVFの遅延があまり問題にならない速度で、むしろEVFで露出確認できる方が便利な民間機撮影
  • 瞳AF が追従できるほどの子供の運動会その他の撮影
  • 動体撮影と言っても置きピン中心だったり、レンズを振り回すことのない被写体
  • E-M1X を皮切りに今後増えていくであろう被写体認識で捉えられる被写体

こういった被写体相手の撮影ならば

既に動体撮影でもミラーレスの方が有利な場合


もあるのは、デジタル一眼レフ、ミラーレス機両方を使っている人なら判ることかと思います。

それに、

動体撮影でミラーレス機が絶対的な優位点は
AF測距点が画面の大部分にあること


です。一眼レフでも APS-C 機ならともかく、フルサイズ機では今なお中央付近にしかありません。

フルサイズのデジタル一眼レフを使っていて、

もうちょっと AF 測距点が上(下)にあったらなぁ


と思ったことがある人は多いでしょう。というか、思ったことがない人の方が少ないのでは?と思います。

一眼レフの仕組み上、上下のフォーカス測距点を拡大するのはなかなか難しいことだと判っていても、ミラーレス機の測距点の自由度を一度味わうと、もどかしく感じざるを得ません。(個人的にデジタル一眼レフに対する一番の不満点かもしれません)

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ただ、それでも1年前にメインシステムを切り替える時、同じミラーレスのフルサイズ機であるαシステムではなく、デジタル一眼レフへ戻ってきたのは、

スポーツ撮影において、ミラーレス機がデジタル一眼レフと同じレベルの安定性を持って結果出せるのは、もう少し(あと1世代)時間がかかるかなぁ


と判断したことでした。

そして何より、一度デジタル一眼レフシステムを手放して自覚したのは、

自分にとってのカメラ選びは、スポーツ撮影を基準にしないとダメだわ


ということであり、そのためにはまだデジタル一眼レフじゃないと…そう思ったわけですが、1年使ってきて、その思いは(自分にとっては)正しかったと思っています。

それまで自分の主被写体として、飛行機、モータースポーツ、スポーツ(サッカー、アメフト)があるわけですが、自分で思っていた以上に横並びではなく、

自分にとってサッカー撮影が大前提


だったんだなぁ、と。

まず、サッカー(と撮影機会は少ないけれどアメフト)がナイトゲーム含めてしっかり撮れるカメラじゃないと、というのは、手放してみて気づくことでした。AF の問題だけでなく、タイムラグのないファインダー、90分間ファインダーを覗き続けても疲れないファインダーという点においても、です。

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ガンバ大阪を被写体とするのは、撮りやすくなった今のスタジアムになってから撮り始めたというレベルではなく、ずっと前から撮っていて気が付けばライフワークみたいになっています。

プロスポーツを撮る場合、プロカメラマンとは撮影できる場所が違い、上から目線でしかない時点で作品作りも何もない記録写真でしかないのですが、そんな記録写真でも(できるだけ)毎試合ずっと撮り続けて積み重ねていけば、記録に+αが出てくるように思います。

そして、気づけばガンバに限らずサッカーやアメフトなど自分の好きなスポーツを撮るのが、やっぱり楽しい。シャッターを切っていて一番テンション上がるのはそのカテゴリーだということに、対応しきれない機材を使って初めて痛感しました。

まぁ飛行機なんかは Twitter や Instagram で時間と技量のある人の素晴らしい写真を山ほど見てしまうので、それでお腹いっぱいになる昨今ですしね(^_^;)

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それを考えると、2018年の時点で確実にモノにできる、制約された撮影環境の中で結果が最も上げられる、ということを考えると、デジタル一眼レフへの回帰しかなく、この1年使ってきて、その自分の判断には十分満足するものでした。

α9 と(1年前はまだ未発売だった)ヨンニッパを常用していたらどうだっただろう?と思うことがないではないですが、現行システムを手放しても欲しいかと言われれば全くそれはないですし、そもそもα9レベルの APS-C 機や 300mm クラスの望遠単焦点レンズもない現状、システムとして私には無理ですしねぇ…

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もはや昔と違って、アレもコレも写真を撮りたいとは思っておらず、撮るのは思い入れのある被写体だけで十分。

旅先などの写真はコンパクトデジカメ代わりの小型ミラーレス機(マイクロフォーサーズ)がピッタリで愛用しているけれど、あとの写真整理が面倒だから、いっそスマホでも良いかもなー


と思うくらいの昨今ですので、メインシステムをデジタル一眼レフにしたからといって、アレを撮るためのレンズ、コレを撮るためのレンズという物欲はあまり湧かないのは有難いところです。

1年間でボディは2台(D5, D500)なのにレンズは3本のまま、望遠レンズばかりで標準、広角域のレンズは全く買ってないのも、そういうところにあります。

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そもそも齢とともに体力の衰えは顕著であり、航空祭やサーキットへ行くにしても、

遠征時に持っていく機材はなるだけ最小限に


となりつつあります。

ゴーヨン(AF-S 500mm f/4E FL ED VR)に x1.4 テレコン、ボディ1台(D5)という最小限?の体制を比較的軽いバックパックに入れても、ペットボトルやら何やらの携行品を合わせるとすぐ 10kg 近くになります。もう1台のボディやレンズを合わせれば十数kg ですから、これ以上色々レンズを買っても、どこまで使うやら…って感じですしね(^_^;)

もっと言えば、ミラーレス機にしてもレンズの重さが極端に軽くなるわけでもないので、

超望遠レンズを嗜好する限り
ミラーレスにしてもさほど軽くならない


わけで。超望遠のシステム重量を軽くするなら、ボディ側より 500mm f/5.6 PF のようなレンズ側の革新の方が有効です。

さらに言えば、ボディとレンズの重量バランスも考えれば、現時点でミラーレス機に強くこだわる理由はないし、逆に長時間ファインダーを覗くことが多いことを思えば EVF より光学ファインダーの方が目に優しいですからねぇ。

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とまぁ、書いていることは1年前と変わらないかもしれませんが、デジタル一眼レフに戻ってきて1年経っての雑感をダラダラと記してみました。戻ってきて良かったと実感し続けています。

もちろん、これはあくまで私のことであり、別の被写体を撮る他人に当てはめるつもりは1ミリもありません。ぶっちゃけ、他の人のことなんか知ったこっちゃないです。

さらに言えば、今回のシステム移行は 2018年での判断でしたから、この先1〜2年で状況は変わるかもしれません。(とは言え、2019年の現時点で選択するとしても結論は変わりませんが)

今年後半には東京五輪に向けて、キヤノン EOS-1D Mark III、ニコン D6 といったデジタル一眼レフ最後の?フラッグシップ機リリースに合わせて、ソニーもα9 II を出してくるでしょうし、400mm F2.8 以外足りていない超望遠レンズ群を出してくれば、スポーツ撮影においても転換期になるかもしれません。

キヤノン、ニコンのフラッグシップ機も、デジタル一眼レフは次が最後でしょう。2024年のパリ五輪を待たず、2022年のカタールW杯に向けてミラーレスのフラッグシップ機を出してくるかもしれません。

その時になったらその時ですし、流石に今から5年後ともなるとデジタル一眼レフかミラーレス機に関係なく、重量級の超望遠システムをどれだけ使える体力が残っているかは分かりませんからね。

ま、望遠レンズ担いでサッカーやモータースポーツなどが撮れる体力がなくなったら

もう別に撮りたいもん撮れんし、スマホだけで良いわ


となったりするかもしれません。というか、そういう割り切りができれば良いなぁ、と思います。(過去にあったように)病気でそうなる可能性もありますけど(^_^;)