先日、愛知県と静岡県の県境あたり、三河の山の中で行われた 2019年全日本ラリー選手権第2戦、新城ラリー 2019 をちょい観戦に行ってきました。

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以前から全日本ラリーを観に行きたい、できれば撮りたいという思いはあったのですが、なかなか行くタイミングが見い出せず、ようやくであります。

ラリー自体は初観戦というわけではなく、ずいぶん昔、東京在住時代に友達に連れられて嬬恋へ観に行った記憶はあるのですが、あの頃は右も左も分からず記憶もほとんど残っていないので、実質今回が初観戦みたいなものです(^_^;)

昔は写真を撮るなんて考えは1ミリもなかったので、カメラを持って観に行くのも初めて。ですが、いきなり実質初観戦のものへ行って、まともに写真が撮れる訳もないので、

今回はラリーイベント体感&ロケハン


という感じで、撮影は二の次感覚で気楽に行ってみました。

撮れれば撮る、撮れなくても問題なし。イベントの雰囲気を感じて、次に来る時に本気出せるように


そんな感じでしたので、カメラ機材も D500(バッテリーグリップなし)と AF-P 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR の軽量な 1セットのみ。



さらに軽い E-M1 Mark II + LUMIX 45-175mm でも良いかも?と思いましたが、ロケハン様子見とはいえ、動体相手の撮影なので信頼できるカメラで。

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今回はマッタリモードなので、朝イチのセッションに間に合うように未明から高速飛ばして行くことも、朝イチの新幹線に乗って行くこともなく、手元にあった青春18きっぷでマッタリ向かいました。

子供の頃から青春18きっぷ旅には慣れ親しんできた我が身も、そろそろ片道5時間近い鈍行旅には腰が引けるお年頃ですが、

忙しくて疲れてるから早朝から長時間車運転する気になれない
そもそも始発新幹線で向かったところで、朝イチのセッション(SS1)に間に合わない


ということと、様子見なので費用をかけずに「午後からの走行セッションを観られたらええわ」という感じで現地へ向かいました。

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(駅からラリー会場まで徒歩15分!)


ラリーは山の中で行われることがほとんどなので、どうしても車で行くしかなく、たとえシャトルバスが運行されても極めて制限された観戦になってしまうことが多い中、この新城ラリーは

鉄道駅からラリー観戦会場へ徒歩で気軽に行ける


というのは素晴らしいです。

歩く時間も15〜20分程度、電車もローカル線とはいえ 1時間に1本くらいはある路線なので、公共交通機関でのアクセスも無理がありません。

そんなこともあって、今回のお試しくらいは電車で観に行ってみた次第です :-)


夜中に降った雨は上がり晴れ間が見えているけれど、けれども再び西から雷雨を伴った寒冷前線が近づく中、日の出とともに出発。ちょいと腹痛と戦いながら…(^_^;)

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(出発後、大阪で雹を降らせた前線が気がかりだったが…)


青春18きっぷ有効期間の土日早朝の快速、新快速は、青春18きっぱーな乗客が多いわけで(私もですが ^^;)、普段なら大阪〜草津あたりまでは混んでいても近江八幡を過ぎれば空く車内は、立っている人が多いまま米原へ。

でもって、青春18きっぷ期間の東海道線では有名な米原ダッシュとか大垣ダッシュとか呼ばれる現象が発生するわけです。新幹線以外にはチケ臭い JR東海も昔と違って編成車両数を増やしてるので(特に青春18きっぷ期間)、一部時間帯以外はみんな座れたりするんですけどねぇ。

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iPad Pro でできる分の仕事をしたり、昨年の溜まっている写真の整理をしたり、ブログの草稿を書いたりしてると 4時間も割とあっという間。あれもこれも大してこなせないまま、豊橋着。

そして、久しぶりの飯田線。4〜5年ぶりくらいでしょうか。日帰り青春18きっぷ旅で、天竜峡下りに行って以来かな。行きも帰りも飯田線というのはダルいので、帰りは飯田から名古屋まで高速バスでワープした気が。(日が暮れたら景色も何もないし)

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秘境駅ブームになってから青春18きっぷ期間の飯田線は結構混むようになったし、新城ラリーもあるせいか車内はそこそこの混みよう。

さらに、豊橋を出発する頃は立ってる人は1両に数人レベル(2両編成)だったのが、豊川で名鉄から乗り換えてくる人が結構いて、車内はかなりの混み具合に。

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(いい感じのローカル線です ^^)


そして豊橋から1時間弱で、新城ラリー会場最寄りの大海駅に到着。西からやってくる前線も途中で弱まったようで、お天気も良い感じ!

東京では臨海エリアの「青海」(おうみ)駅と間違って山奥の「青梅」(おうめ)駅へ間違って行ってしまうことが時々話題になっていますが、この大海駅も「おうみ」だったりします。関係ないけど。

大海駅では乗客の大半が降り…ということもなかったのですが(やはり青春18きっぷで伊那まで行く人が多いのか?)、車内の半分くらいの人は降りたでしょうか。普段は無人駅であろう駅のホームにドッと人が降り、待合室には臨時の切符売り場と検札の駅員が配置されていました。

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駅員さんに切符を見せて大海駅を降りると、地元の人が新城ラリーのパンフレットを配っており、そして早くも遠くからエキゾーストノートを奏でているのが聞こえてきます。しかし、女性の悲鳴も混じってるような…同乗走行?

(あとで知ったところによれば、女子アナ?の同乗走行だったっぽい)

おそらく、このイベントの時以外は静かな山あいの集落であろう日本風景の中を多くの人が丘の方へ向かい、場違いなエキゾーストなサウンドが徐々に近づいてきます。

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こういう普通の田舎風景の中を歩いていくと、この新城ラリーが周囲の人たちの強い反対もなく、毎年開催され、周辺住民の方もよく許容・協力してくれてるなぁ、と思います。(感謝)

なので、公園への道すがら地元の人が売ってる団子でも…と思ったのですが、朝からお腹痛かったので断念。次来る時は……

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ラリー観戦というと WRC の写真などでよく見るように、山の中のコースで泥を跳ねあげながら爆走するラリーカーを観戦なんてイメージがありますが、日本ではそういう観戦環境はなかなか難しいようで、新城ラリーもメイン会場の「新城総合公園」とサブ会場の「鬼久保ふれあい広場」、それぞれの公園内の道路でのごく短い SS 区間(タイムアタック)のみ観戦できます。

と言いつつ、私は Jスポーツで WRC をテレビ観戦する程度のニワカ素人ですから、何も変わらず、判らない知らないイベントだけにワクワクしながら会場へ向かいました :D

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(新城ラリー HQ)


駅から15分ほどすると公園の入り口に。公園に入るとすぐに JAF の運営本部のプレハブ小屋が並び、その先の本来公園の駐車場であろうところはサービスピットになっていました。会場へはそのサービスピットの中の通路を歩いていきます。

国内ラリーは全日本ラリーでもアマチュアチーム/選手の参加が多いのせいか、ピットの雰囲気も楽しげですし、何より会場への行き来でそういった雰囲気の中を通るのは良いですねぇ。

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(他の場所で SS 実施中だったので殆ど車は居らず)


サービスピットエリアの一番会場に近いあたりは最上位カテゴリーのプロチームのピットのようでした。さすがに見た目からして違いましたが、こういう雰囲気はラリーを観に来た感じがします :-)

そして会場である公園へは長い階段を登ります。5時間近く電車に乗りっぱなしだったので(途中乗り換え2回だけ)強張った身体を動かすのは良いのですが、意外と長かった……(^_^;)

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(駅から会場までの最後の一登り)


長い階段を登って会場の公園エリアに着いた最初の場所(空の広場)では、人だかりができていました。ちょうどラリー SS1 と SS4 開催の間に行われていたデモランの最後、ユホ・ハンニネン氏によるデモ走行が行われていました。

が、後方からちょっとチラ見したら、ちょうどデモランの最後のひとっ走りだったようで、すぐに終わってしまうタイミングでした。うーん、残念。もう少し早く来れれば……

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(階段を登ったところにある空の広場)


メイン会場である「新城総合公園」で行われる全日本ラリーのセッションは、朝イチの SS1 と午後イチの SS4。今回は午後の SS4 を主目的に来たわけです。

が、SS4 開始時間までは1時間少々あり、デモラン&体験走行も終わったタイミングなので、会場というか SS1/SS4 が行われる区間とその周りの観戦エリアを見学することに。

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(新城ラリー2019 ガイドマップ PDF より)


メイン会場の新城総合公園はそこそこ広い公園で、色々な出店やイベントがあって公園の主要部全体を使っているのですが、SS 区間はその公園内の道路の一部だけを使い、本当に短くて 580m しかありません。

スタートしてゴールまで 30〜40秒。上位カテゴリーの車なら 30秒を切りますし、下位カテゴリーの遅い車でもトラブルがなければ 40秒はかかりません。

それくらい短いので、SS 区間を最初から最後まで見て回るのも30分くらいあれば余裕。ひと通りアングルは確認したけれど、やはりなかなか撮影ポイントが厳しい。

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(空の広場で人が一番多かったあたり。下ってきてターンインまで良い感じで撮れそう)

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(良いポイントなので朝イチから場所は確保されてるのは当然)

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(と思ったら少し横の最前列が空いた。ここで撮ろうと思ったが…)

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(SS 区間の道路と空の広場の観戦エリア)

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(空の広場横の観戦エリア)


手が届きそうとまでは言わないまでも、サーキットに比べれば圧倒的な近さでレースカーが走るわけですが、とはいえ、安全のために道路から 4〜5m の距離にロープが張られていてそこから観ることになります。

そしてサーキットとは違い、普通の公園の道路なので、道路と観戦できるエリアの間に樹々があったり、生け垣があったり、照明灯があったり、観てる分には全く問題はなくてもクリアに写真を撮ろうとすると障害物は意外と多かったりします。

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(良さげだけどメディアエリア仕切りロープが思いきり入りそう)


もちろん、良さげな観戦ポイントは朝から最前列をレジャーシートやレジャーチェアで陣取られているわけですが、今回はあくまでロケハンがてらなので脳内イメージと合いそうなポイントだけ覚えておく。いや覚えられないから写真メモしておきます(^_^;)

モータースポーツ・イベントの場合、最前列の人は椅子に座って後ろの人が観られるようにしてくれていることも多いですし、空気読めない亀ヲタも少なく、航空祭みたいな殺伐さはないので気楽ではあります。(SUPER GT を除く)

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(第1コーナー付近が一番観戦者が多かった感じ)

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(右奥から来てここを曲がるのだが、観るには良くても撮るのは微妙な気が…)

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(先の第1コーナーを曲がると登り坂)

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(ここは良いポイントだが当然先人はいるし、望遠レンズしか持ってきてないので近すぎて無理 ^^;)


ただ、先に書いたように観戦エリアと道路の間に生け垣とかちょっとした邪魔物があったりするので、

3段脚立があった方が撮影自由度はかなり高くなって良さげかなぁ、せめて踏み台でも持ってくれば良かったなぁ


というのはありました。というか、椅子代わりの踏み台は持ってくるつもりで忘れたんですけどね(^_^;)

メインステージや SS区間から少し離れた陸上競技場のスタンドを除くと意外と椅子に座れる場所はないので(階段くらい)、踏み台を持ってくるのを忘れたのは結構後悔しました(^_^;)

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(最終コーナー付近はビデオ組がたくさんいました)

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(奥から来て盛り土の向こうの角で左へ向かうSSコース)

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(奥の最終コーナーからこちらへ向かってくる)

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(最終コーナーを立ち上がると間もなくSSフィニッシュ地点)

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(街路樹と生け垣はSSコース全体にあるので悩む)


最終コーナーは道路と観戦エリアの間が盛り土になっていて、そのままでは突っ込んでくる車の上の方しか見えなさそうだったので諦めたものの、3段くらいの脚立があればバッチリ行けたかもしれません。来年来ることがあれば試したい。

とはいえ、脚立を持ち込んでいる人がいないわけではなかったが、SUPER GT などと違ってマッタリ観戦な雰囲気の中、3段脚立に乗って撮るのはかなり浮きそうな雰囲気でした…(^_^;)

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(仮設横断橋)

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ちなみに SS コース外側(駅やサービスピット、空の広場)とイベントエリアのある内側の間には仮設の横断橋が架けられていて自由に往来できるようになっていました。

SS コース全体を見て回るのに仮設横断橋を渡って内側へ入ると、結構な人出!SUPER GT や SUPER FORMULA と比べるとラリーは少々マイナーだし、どれくらいの人が来てるのかと思ったら、結構な賑わいでした。

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仮設横断橋を渡った SSコース内側のエリアはトヨタ GAZOO RACING を始め、色々な企業の展示・物販エリアになっていて、雰囲気は(鈴鹿サーキットの GP スクエアなど)サーキットの物販・展示エリアと同じ。

ただ、年齢層はさらに幅広く、ピクニック感覚で来ている親子連れ、ご夫婦が多くて、ご年配の方はサーキットより多い気がしました。航空祭と同じく(現在は)入場料が要らないイベントということがあるのかもしれません。(駐車場代は必要)

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(ラリーチームの人が解説してくれてたみたい?で人だかり)


私は行かなかった(時間的に行けなかった)のですが、奥の陸上競技場の方には屋台ストリートがあったり、陸上競技場のスタンドで休憩できたりしたようです。

駐車場とのシャトルバス乗降場もそちら方向なので、多くの人は行き来の間に屋台へ寄ってお腹を満たしたりできたのでしょう。(駅は反対方向だし、私は朝から腹痛モードだったので ^^;)

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(奥へ行くと休憩できるスタンドや屋台ストリートなどが)

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(芝生にレジャーシートひいて昼寝も良かったかも…)

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(風で看板が飛んだ跡。手作りイベント感が良いね ^^;)


そんな感じでウロウロしていたわけですが、SS 開始時間も近くなってきて、とりあえずの場所決め。自分がどんな写真を撮りたいか?ということにも寄るのだけど、横から流し撮りするよりは、

ターマック(舗装路)とはいえ、コーナーの進入もしくは立ち上がりで車を滑らせていたり、傾いてるようなシーンがラリー写真らしくて良いのかも…?


なんて初見ド素人らしく思っていたわけですが、なにせコースが短く、角度のあるコーナーは第1コーナーと最終コーナーのみで、そこを正面からクリアに撮るのは位置取り的に難しいかな、と。

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(ここらへんで流そうか?望遠レンズしかないから近すぎ?)

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(空の広場近くの階段の上からは…うーん)

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(ここなら緩いコーナーの途中を正面から撮れるが生け垣が…)

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(後ろからならここがキッチリ抜けるけど…)


30〜40分ウロウロしながらロケハンして、どこで撮ろうか悩んで、「逆光で生け垣が邪魔だけど、緩いコーナーの立ち上がりを正面で狙えるし、誰もいないからココで撮ってみるか」と思って、撮影場所を決定。

多くの人が集まる空の広場から少し外れた、立ち入り可能エリアの一番隅の方。木々に囲まれてるせいか、周りに人がいないのも良い感じ。

目の前にメディア専用エリアがあるのも、狙い目としては悪くないということでしょう。カメラマンが来て目の前を塞がれたら終わりだけど、その時はその時。(結局そのポジションにいるときは誰も来なかった)

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(SSスタート時間が近づき、空の広場には多くの人が)

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(スマホ50mm相当でコレ、望遠なら一瞬正面で抜けるかな? ^^;)


しばらくして道路状況確認のための先行車両が走って、いよいよ全日本ラリー第2戦、新城ステージ初日の SS4 が開始。

というところではありますが、長くなったので続きます。引っ張るほどの内容はないのだけど、お試し撮りの写真も次回にて。