昨年末に発売され、年越し直前の頃に届いた、電子インク (E-Ink) 画面の 6インチ Android タブレット「BOOX Poke Pro」。
使い始めて10日〜2週間くらいの時点で、以下のレビュー記事を書きましたが、それから2か月以上使ってきてのセカンドレビューを簡単に記しておきたいと思います。(と書いてる間に3カ月近くになってるけど ^^;)
■ 電子インク(E-Ink) 6インチ Android タブレット「BOOX Poke Pro」、ひとまずの箇条書きレビュー【概要・外観・基本操作・設定編】
■ 電子インク(E-Ink) 6インチ Android タブレット「BOOX Poke Pro」、ひとまずの箇条書きレビュー【一般アプリ、ブラウザ、電子書籍アプリ編】
上記記事でも書いたように、本端末最大の唯一最大の特徴は
であり、バックライトで目に負担をかけることのない電子インク画面のため、
でありますが、反面、
という問題があり、これは慣れの問題、時間が解決する問題ではありません。
それゆえ、読書目的か数寄者以外には向かない端末であることは最初から自明でしたが、しばらく使い続けて
という思いは更に強くなりました。
逆に、そういう目的だけで使う、そういう目的でのみ使えることを判って買うのならば、価格なりの価値はあると思います。
というわけで、2か月使ってきた雑感やら問題点やらを以下に記しておきます。
とまぁ、ダラダラとこの2〜3か月使ってきて感じたところを書きましたが、まとめると
といったところでしょうか。
個人的には Kindle 以外の BOOK☆WALKER、Reader Store、紀伊国屋 Kinoppy あたりの電子書籍ストアアプリを電子インク端末で(多少の不自由さはありつつも)読める点だけで、
と思っていますが、とはいえ
端末ですね。なんだかんだ言ってもキワモノ端末ですから。
使い始めて10日〜2週間くらいの時点で、以下のレビュー記事を書きましたが、それから2か月以上使ってきてのセカンドレビューを簡単に記しておきたいと思います。(と書いてる間に3カ月近くになってるけど ^^;)
■ 電子インク(E-Ink) 6インチ Android タブレット「BOOX Poke Pro」、ひとまずの箇条書きレビュー【概要・外観・基本操作・設定編】
■ 電子インク(E-Ink) 6インチ Android タブレット「BOOX Poke Pro」、ひとまずの箇条書きレビュー【一般アプリ、ブラウザ、電子書籍アプリ編】
上記記事でも書いたように、本端末最大の唯一最大の特徴は
画面が液晶ではなく電子インク
であり、バックライトで目に負担をかけることのない電子インク画面のため、
目に優しい読書向け端末
でありますが、反面、
- 液晶や有機ELと違って画面書き換えが遅い電子インク画面では、読書や文字中心のウェブおよびアプリ以外の用途には使えない
- 世の中のアプリはカラー画面を前提にしているのでモノクロの電子インクで真っ当に使えるアプリは稀
という問題があり、これは慣れの問題、時間が解決する問題ではありません。
それゆえ、読書目的か数寄者以外には向かない端末であることは最初から自明でしたが、しばらく使い続けて
Kidnle/Kobo以外の電子書籍ストアの書籍を
電子インクでじっくり読書する人だけの端末
電子インクでじっくり読書する人だけの端末
という思いは更に強くなりました。
逆に、そういう目的だけで使う、そういう目的でのみ使えることを判って買うのならば、価格なりの価値はあると思います。
というわけで、2か月使ってきた雑感やら問題点やらを以下に記しておきます。
- ■ 汎用ゆえ Kindle/Kobo専用端末に使い心地は及ばない(当然)
- 何度も書いているとおり、本端末は、
「Kindle や Kobo 以外の電子書籍ストアの書籍を目を優しい電子インク画面で読むことが可能な希少な端末」
です。Kindle や Kobo 以外の電子書籍ストアで大量の書籍、特に小説や新書などの文字モノ書籍を多く所有、頻繁に購入していて多読する人にとっては、目の負担を軽減するという点で試す価値のある端末です。
けれども、当然ですが Kindle や Kobo の各電子インク端末と比較すると、
使い勝手や読みやすさは
専用端末と比べると格段に落ちる
のは間違いなく、
「普段使っている電子書籍ストアが Kindle や楽天 Kobo であるならば、Kindle Paperwhite/Oasis や Kobo aura H2O/clara HD などの専用電子書籍リーダー端末を使った方が断然良く、本端末をわざわざ使う必要性は皆無」
と言い切れます。
もっとはっきり言っておくと、
普段 Kindle や Kobo ストアを使ってるけど、専用端末より汎用 Android 端末の方が色々使えそう
と思って買うのは全くお勧めしません。大人しく Kindle や Kobo の電子インク専用端末を買うべきです。
Kindle Paperwhite と本端末で Kindle アプリを使い比べてみると、
- フォントレンダリングが電子インクに最適化されているか否かの差で文字の見やすさが相当違う
- フリックによるページめくりは Paperwhite でも快適とは言い難いが、本端末での Kindle アプリはそれ以下
- 電子インク画面特有のリフレッシュ処理が最適化されていないため、アプリ起動後やページめくり後に前の画面の跡が残りやすい
という小さくない差があります。
Kindle や Kobo 以外のストアのように専用端末がないならともかく、専用の電子インク端末があるなら、それを購入した方がずっと快適に読書生活を送れます。(そもそも一般的な Android 端末として使うには無理のある端末ですし、専用端末の方が安い)
特に Kindle で言えば、専用端末ではフォントの種類を選べるだけでなく、フォントウエイト(文字の太さ)を細かく自分好みに設定できたり、行間や余白も含めて自分好みの設定を複数保存して切り替えられるなど、かなり使い勝手が増してるだけに、読み心地の差はかなり大きいと感じます。
なので、私自身、本端末にも Kindle アプリをインストールして使えるようにしてあるものの、今は Kindle ストアの書籍を読むのに本端末を使うことはなく、Kindle Paperwhite を使っています。ストレスの無さ、読みやすさに明確な差がありますからね。 - ■ アプリが電子インク(モノクロ)を想定していないのは電子書籍ストアアプリも同じ
- これまた何度となく書いてきたとおり、
- 電子インク画面で Google Play ストアが使える汎用 Android 端末
- だけど、ほぼ全ての Android アプリは液晶や有機EL のカラー画面を前提に作ってるので、モノトーンの電子インク画面では使えない/使いづらいアプリがほとんど!
というのが、本端末の立ち位置。それは電子書籍アプリでも同じです。
電子書籍アプリの場合、カラーイラストや写真が主体ではない、特に文字ベースの書籍を読むかぎりでは電子インクのモノトーンでも問題が出にくいのは事実ですが、電子書籍アプリ以外と同じく、
メニューやダイアログの内容がカラー画面前提の配色だから、モノトーンの電子インク画面では内容が判らない、大変見づらいことがある、場合によってはボタンの内容が見えずに押せない(^_^;)
なんてこともあります。ですので、普通の Android スマホ/タブレットで常用するアプリに慣れておく、必要に応じてそちらで確認できる環境があるのが望ましいです。
(カラー画面前提のアプリゆえの不自由さ…)
私自身も本端末を使っていて、決して多くのアプリを利用しているわけではありませんが(ストレスなく使えるアプリが少ない)、たまにですけれど、ダイアログの内容が分からず、液晶画面の Android タブレットを開いて確認することもあるくらいです。
また、メニュー、ダイアログ周りの問題だけでなく、電子書籍アプリでは
フォントがカラー液晶画面向けなので
電子インク画面では必ずしも見やすくはない
ことが殆どです。コミックなどではページめくりのフリックのレスポンスも良くないアプリがありますしね……
と書くと、本端末の存在意義が問われてしまいますが、前項でも書いたように Kindle/Kobo の電子書籍を専用電子インク端末で読むのと比べると、読みやすさも使いやすさも随分劣ります。
あくまで「Kindle/Kobo 以外の電子書籍ストアを使っていて、書籍を目に優しい電子インク端末で読みたい人の代替端末」と割り切る必要があります。
フォント選択やサイズその他の設定を事細かに調整したり、時には小説を読むのに違和感はあっても読みやすさを優先にゴシック体のフォントを使う、といった妥協は必要になるかと思います。
ただ、「そこまでして電子インク端末で読む価値があるのか?」と言われれば、目の負担の差を考えれば十分に価値あり、と私は思っています。
そこは人それぞれなので押し付けはしませんが、寝る前など夜間の読書で液晶画面を見るのは明らかに睡眠に良くないので、そういう点では随分と違います。(就寝前読書という点では明確に違いを感じる) - ■ 長時間 Wi-Fi 接続しっぱなしだと要再起動に
- 本端末はバッテリー消費を抑えるためか、初期設定では15分(だったかな?)で Wi-Fi が切れるようになっています。
ところが電子書籍を読んでいて本を閉じたり、アプリを終了する時に Wi-Fi が切れていると、しおり(読書終了位置)の同期が行えません。これは複数端末での読書が当たり前になっている人にとっては少々困りものです。
本端末だけで読書しているなら問題ありませんが、別の端末で続きを読もうとしたら、しおりの位置が読み終えた位置になっていないのは、電子書籍での読書に慣れていると、ちょいストレスです。
また、いわゆるウェブ小説の類いを読む時は当然 10分や15分で Wi-Fi がオフになるのは困ります。
ですので、Wi-Fi の自動切断機能をオフにして、ずっと繋ぎっぱなしにしておくわけですが、そのまま読書に耽って長時間 Wi-Fi オンにしたままだと、Wi-Fi がオンのままなのに通信ができなくなっている時が間々あります。
そうなると、Wi-Fi のオンオフを繰り返しても再接続できず、端末を再起動させないと再び Wi-Fi に接続できず通信不可となります。原因は判りませんが、長時間の読書での厄介事の一つです。
キワモノ中華端末なんだからこれくらいの問題は大したもんじゃないよ
という話でもあるのですが、とりあえず一応そんなこともあるということで。
ちなみに、本端末における本来の用途である中国の BOOX 電子書籍ストアのアプリを使っている場合は、Wi-Fi がオフになっていても(しおり同期など)必要時には自動的に Wi-Fi をオンにしてネット接続するようになっています。
専用端末/アプリではそういった仕様が当たり前でしょうが(バッテリー持続時間の観点からも)、本来の用途とは違う汎用 Android アプリを使っていると、そういった気の利いた処理はできないようです。 - ■ たまにフリーズする
- 頻度はそんなに高くないのですが、やっぱり長時間読書に耽っている時、なにかの拍子に二進も三進もいかなくなる時があります。電源ボタン長押しによる強制電源オフを行うしかありません。
ま、頻繁に起きるってほどでもないので、前項同様
キワモノ中華端末なんだからこれくらいの問題は大したもんじゃないよ
ではあるのですが、Android 端末も昔(4.x の頃まで)と違って最近はフリーズするようなことも滅多になくなったので、ちょっと新鮮?ですね(^_^;) - ■ 電子インク端末だけどバッテリーは意外と保たない
- Wi-Fi を常時オンにしておくか、10分15分で自動切断するか(ネット接続が必要な時は手動接続する)によって随分とバッテリーの保ちは違うのですが、Kindle Paperwhite と比べると随分短いと感じます。
Wi-Fi をオフにして電子書籍アプリ(BOOK☆WALKER や Reader Store など)を使っていて、Kindle Paperwhite の半分+α程度。3分の2 までは保たない印象。
Wi-Fi をオンにして、ちょくちょくネット接続していると 4〜5時間で残量 10% くらいになります。
このあたり Kindle Paperwhite での読書と比べると、長時間読書する時はバッテリーの残量が気になりますね。 - ■ 汎用 Android 端末だけど読書以外は無理して使う意味がない
- 購入からしばらくは色々なアプリを試していましたが、結局のところ前述したとおり「世の中のアプリはカラー画面を前提にしているのでモノクロの電子インクで真っ当に使えるアプリは稀」という問題で、電子書籍以外のほとんどのアプリは使わなくなりました。
以前の記事で書いたとおり、ブラウザですら内蔵ブラウザ以外はフォントが見づらくて実用になるとは言い難いわけです。(内蔵ブラウザはページ読み込み終了後に自動的に文字を太くする機能がある)
(使えなくはないけど頑張って使う意味は…?)
文字ベースなら使えると思って Twitter とか一部のアプリを入れたものの、結局フォントが電子インクに最適化されていないと読みづらく、
これなら専用アプリより(文字を自動的に太くする機能がある)内蔵ブラウザで使った方が見やすい、使いやすいわ
となり、もっと言えば、
スマホや他のタブレットがあるのに、この端末でわざわざやる意味がなかったわ
と気づいて、電子書籍アプリ以外は使うことがなくなりました。
というわけで、現在は電子書籍アプリと内蔵ブラウザでウェブ小説の類いを読むくらいですね。汎用性は無視して、そうやって割り切った方が幸せに使える端末です。 - ■ 敷居は低くないのかも…
- 以前の記事を書いてから、周りの友人知人のなかで一人だけ興味を示した人がいたのですが、実際の電子書籍アプリの画面(BOOK☆WALKER や Reader Store など)を見せるまではポジティブだったのに、使えるようになるまでの手順を話したところ、急にテンションダウン。
以前の記事で書いたように、本端末は Android ベースで作られているだけで本来は中国の電子書籍ストア用端末なので、そのままでは Android 端末として使うことはできません。Google Play ストアを使えるようにする「おまじない」が必要です。
その追加設定や環境設定は必ずしも難しいものではなく、ある程度 Android に慣れていれば全く迷うところはないと思うのですが、Android 端末について何も知らない、よく判らない人には敷居が少し高めのようです。
個人輸入品と違って国内代理店扱いの製品では↑のような日本語ガイドが付属しているのですが、ぺら紙1枚で懇切丁寧な日本語マニュアルが付いているわけでもなく、Google Play ストアの有効化という手順は、普通に Android スマホ/タブレットを使っていると経験することは皆無ですから判らなくもありません。
私自身は特に何も敷居を感じなかったわけですが、この手のデバイスに慣れない人が抵抗なく使えるかというと、どうやら違うようです……
とまぁ、ダラダラとこの2〜3か月使ってきて感じたところを書きましたが、まとめると
- Kindle / Kobo ストア利用者なら汎用性に惑わされず、絶対 Kindle Paperwhite など専用の電子インク端末を使った方が良い
- Kindle / Kobo 以外の電子書籍ストアの書籍を電子インクで読めるメリットは大きいが(目の負担軽減)、必ずしも読みやすい/使いやすいわけではない(妥協は必要)
- 電子書籍ストアの読書と文字ベースのウェブサイトを閲覧する以外に使うのは全く不向き(個人的には無意味に思うレベル)
- 色々な観点から他に Android 端末がない、使ったことがない人にはお勧めしにくい
- たまに再起動、強制電源オフなどの措置が必要になるのはご愛敬
といったところでしょうか。
個人的には Kindle 以外の BOOK☆WALKER、Reader Store、紀伊国屋 Kinoppy あたりの電子書籍ストアアプリを電子インク端末で(多少の不自由さはありつつも)読める点だけで、
思ってたより使える範囲は狭かったけど、とりあえず買った甲斐はあった
2〜3カ月ほぼ毎日使っるし、もう元は取った
と思っていますが、とはいえ
安易に人に勧めるのは難しい
端末ですね。なんだかんだ言ってもキワモノ端末ですから。
コメント