お仕事関係の事情もありまして、なかなか OS をアップデートできなかった 9年物!になろうかとしている iMac (mid 2010) ですが、ようやくアップデートすべく macOS High Sierra (10.13) の USB ブートメディアを作ろうとしたら、今さらすぎたのか、少し手間がかかったので記録として残しておきます。

(当方の iMac は High Sierra (10.13) までは使えますが、最新の Mojave (10.14) はアップデート対象外なので High Sierra が最終アップデートです。とはいえ 7年も最新 OS に対応してくれて、セキュリティアップデートが8〜9年続いてくれれば御の字)

makeHishSierraBootUSB12


今さら Sierra より前の OS X から High Sierra へアップデートする人も少ないでしょうが、High Sierra まではアップデート可能な Mac は多いので(10年前の Mac まで可能な場合も!)、参考になる人がいれば幸いです。



まずは macOS High Sierra インストーラを入手する必要がありますが、これが少々厄介なところで、困ってしまうポイントとしては
  1. Mojave (10.14) リリース以降、MacAppStore では High Sierra (10.13) が非公開になってしまって、MacAppStore からダウンロードできない

  2. Apple サポートページの記述に従って High Sierra インストーラをダウンロードしても、ダウンロードする Mac の OS バージョンが古いとフルサイズのインストーラがダウンロードされず、USB メディアなどに起動可能なインストーラを作成することができない

この2点です。

まず最初の「MacAppStore では High Sierra (10.13) が非公開になってしまって、MacAppStore からダウンロードできない」点ですが、これは以下の Apple サポートページに方法が記載されています。

macOS High Sierra にアップグレードする方法 - Apple サポート

端的に言えば、以下のリンクをブラウザで開けば MacAppStore アプリが起動して、非公開になっている macOS High Sierra インストーラのページが表示されるのでダウンロードできます。


macOS High Sierra (MacAppStore)

makeHishSierraBootUSB1
(上記 URL をブラウザで開けば自動的に MacAppStore へ)

makeHishSierraBootUSB2
(非公開になっている HighSierra ページが表示される)


macOS Mojave (10.14) が起動している Mac でも上記リンクは有効ですが、Mojave ではシステム環境設定のソフトウェア・アップデート画面が開きます。

さて、これで一件落着のように見えますが、上記の方法でダウンロードした「macOS High Sierra インストーラ.app」のファイル容量は 20MB 前後しかありません。本来の macOS High Sierra インストーラは 5GB 以上あります。

makeHishSierraBootUSB3A makeHishSierraBootUSB3B
(左:中身なしインストーラ、右:フル版インストーラ)


これでは以下の Apple サポートページにある、インストーラ.app から USB などのメディアに起動可能なインストーラを作る方法も実行できません。(インストーラ.app に中身がないため)

macOS の起動可能なインストーラを作成する方法 - Apple サポート

上記サポートページには

この目的で macOS Mojave や High Sierra をダウンロードするには、macOS Sierra 10.12.5 以降または El Capitan 10.11.6 を搭載した Mac からダウンロードしてください。


と記述されていますが、El Capitan 10.11.6 では既に上記サポートページの方法だけではできなくなっています。これが2番目の厄介ポイントです。

USB などのメディアに起動可能なインストーラを作るためには《中身のある》macOS High Sierra インストーラが必要になりますが、OS X El Capitan (10.11) またはそれ以前の環境でフルバージョンの macOS High Sierra インストーラを入手するためには「MacOS High Sierra Patcher」というアプリを使用します

使用手順は以下のとおり。
  1. 以下の URL から「macOS High Sierra Patcher Tool」をダウンロードする。

    macOS High Sierra Patcher Tool for Unsupported Macs

    ダウンロードリンクは判りづらいが、以下画面キャプチャの赤丸の位置、Things you'll need: の小見出しにある小さな画面キャプチャの下に「Download here」と書かれている here をクリックすると入手できます。

    makeHishSierraBootUSB13

  2. macOS High Sierra Patcher Tool をインストールするため、システム環境設定のセキュリティで全てのアプリを起動可能にする。
    MacOS High Sierra Patcher で macOS High Sierra インストーラをダウンロードし終わったら必ず戻すこと
    makeHishSierraBootUSB4
    (ダウンロードした dmg ファイルを開くと中にアプリがある)

    makeHishSierraBootUSB5
    (ダブルクリックでアプリを開くと、いつもの警告。開くを選択すると…)

    makeHishSierraBootUSB6
    (システムがまともな設定なら、セキュリティ的に拒否される)

    makeHishSierraBootUSB7
    (システム環境設定→セキュリティで全てのアプリを許可する)

  3. macOS High Sierra Patcher Tool を起動し、メニューバーの「Tools」をクリックして表示される「Download macOS High Sierra...」を選択すると、フォルダ選択ダイアログが表示されるので、ダウンロード先フォルダを選択。
    makeHishSierraBootUSB8
    (アプリを再度開くと、このマシンにはこのツールは不要だと言われるがスルー)

    makeHishSierraBootUSB9
    (使うのはこの機能だけ)

    makeHishSierraBootUSB10
    (macOS をダウンロードするか?と言われるので Yes)

    makeHishSierraBootUSB11
    (ダウンロード先を選択する)

  4. ダウンロードサイズは 5GB 以上あるので、高速回線以外の人は気長に待つ。

  5. ダウンロードが終了して「Download Complete」のダイアログが表示されたら、USB ドライブにコピーするかどうか聞かれているので「Not Now」を選んで、macOS High Sierra Patcher Tool を終了する。
    (macOS High Sierra Patcher Tool 本来の機能は使用せず、ダウンロードのためだけに使う)

これで選択したフォルダに、ファイルサイズが 5GB 以上ある「本物の」macOS High Sierra インストーラ.app がダウンロードされているはずなので、アプリケーションフォルダへ移動しておきます。(アプリケーションフォルダの操作なのでパスワードを求められる)

ここまで来たら、Apple サポートページにある

macOS の起動可能なインストーラを作成する方法 - Apple サポート

が利用できます。

予め 12GB 以上ある USB メディアをディスクユーティリティで「Mac OS 拡張でフォーマット」にてフォーマットしておき(以下の例ではボリューム名を MyVolume とした場合)、ターミナル.app を開いて

sudo /Applications/Install\ macOS\ High\ Sierra.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume


を実行すれば(管理者パスワード入力後に)しばらく待ったのちにUSB メディアに起動可能なインストーラが作られます。

(細かい手順は上記 Apple サポートページの「ターミナルで 'createinstallmedia' コマンドを使う」を参照してください)

makeHishSierraBootUSB14


あとは再起動時に Option キーを押したままにしておけば、起動ディスクの選択画面が出て、USB メディアを選択すれば、macOS High Sierra インストーラが起動しますので、クリーンインストールにも非常用起動メディアにも使えます。

今さらのことですが、巷でググった記事からは状況が少し異なっていたので、場末ブログにメモを残しておきました :-)