仕事の関係上、美保基地航空祭に続いて防府基地航空祭も無理せずキャンセルしたおかげで、ちょっとヒコーキ成分が不足している昨今。この春のエアイベントは、日帰りでの岩国FD だけでしたからねぇ。

大阪から日帰り 岩国フレンドリーシップ へ行ったメモ【前編】
大阪から日帰り 岩国フレンドリーシップ へ行ったメモ【後編】

おかげで買ったばかりの D500 + ゴーヨンFL の出番もなかなかないので、平日ナイターの天皇杯2回戦なら観客もメッチャ少ないはずだし(実際3千人だけ)自由席なので、いつもはサンヨンだけどゴーヨンをお試し……と思って、周囲2ブロック誰もいない隅で撮っていたら、J1 クラブが大学生相手に初戦敗退という屈辱。撮った写真を見る気もしませんわ ┐(´д`)┌

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ということもありつつ、D500 も購入から1ヶ月…どころか、書き散らかした内容を放置してる間に1ヶ月半は経ってますけど、まだまだ AF 周りの挙動把握や設定がバッチリというわけにはいかないのですけれど、そのあたりは次回以降に触れるとして、とりあえずファインダーのことを少々。



去年は「デジタル一眼レフ→ミラーレス」でしたが、今年は「ミラーレス→デジタル一眼レフ」であり、その中で一番大きな変化があったのはファインダー。

動体相手の EVF については、去年 E-M1 Mark II 購入してから実感して書いたように、その後ブラックアウトフリーな(シャッター消失時間のない)ソニー α9 という化け物が出たように、

EVF は動体撮影に向かないのは過去の話


になりました。

動体でも小さな子供の運動会や民間機の離着陸といった大して動きの激しくない被写体はもちろん、スポーツや戦闘機の機動飛行でも「EVF が遅延して or カクカクして撮るのが厳しい〜」なんてことも(ほぼ)なくなりました。

現行のどんなミラーレス機の EVF でも、どのメーカーのミラーレス機の EVF でも動体撮影で全く問題ないかというと、そんなことはないと思いますが(リフレッシュレートや遅延の多少は機種間に差がある)、少なくとも動体撮影で問題ない EVF が存在する時代になりました。

そして、今後のミラーレス機の EVF は、動体相手でも問題ないことが当たり前になっていくでしょう。

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最初のミラーレス機 DMC-G1 を使った時に「将来はミラーレス機に全部置きかわる」なんてことまでは思いませんでしたが、可能性は十分に感じるものでした。

当時は民間機の離着陸を普通に撮るだけの、いわば動体撮影としては最も優しい部類に属するシチュエーションでもまだ AF-C は未熟でしたし、ピントを確認できるような EVF でもありませんでした。

しかし、次々と参入メーカーが増え、一時期のコンパクトデジカメよりも激しいモデルチェンジの波を繰り返してミラーレス機が急激に進化して行ったのは周知のとおり。

私自身、デジタル一眼レフとミラーレス機の間を揺れ動きながら、5年ほど前は

静止体撮影はミラーショックがなく、EVF の拡大表示でピントが追い込めるミラーレス機が主流になっていくだろうけど、動体撮影だけは当分一眼レフの独壇場でしょ。ミラーレス機での動体予測 AF の作り込みもあるけど、それ以上に EVF で動体をきっちり追えるようになるのは、まだ10年かかるのでは?


なんて思っていましたが、この1年くらいで状況がすっかり変わりました。

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過去、ミラーレス機で動体を撮る場合の問題点として、
  1. 動体予測アルゴリズムなどを含めた AF-C 性能・機能
  2. 動体を追ってレンズを振り回しても表示タイムラグがなく、スムースに表示できる EVF
  3. 電子シャッターの場合はローリングシャッター歪みが解消されること

この3点がネックになると思っていました。(今ではそれに加えて、動体撮影用の操作性が確保されていること、という項目を追加したくなりますし、E-M1 Mark II はもちろん、α9 でもそこが一番のネックな気がします)

個人的には数年前まで、上記3点のうち EVF が最も実現困難ではないかな?と思っていたのですが、α9 によって少なくとも 2 と 3 が解消されたのは間違いないところ。(1 については被写体次第)

ブラックアウトフリーという動体撮影にとっては画期的なファインダー (EVF) を搭載したα9 はともより、性能の劣る E-M1 Mark II でも EVF をリフレッシュレート 120fps の高速設定&電子シャッターにすれば、とても心地よい EVF であることは過去記事で何度も述べました。

AF-C の被写体追従能力は今ひとつだったとしても、高速設定の EVF &電子シャッターなら動体が追えるミラーレス機という自分の評価は今も変わりません。

(α9 と違って E-M1 Mark II は電子シャッターでローリングシャッター歪みがある程度出るので動体相手には使いどころが難しいですし、レンズを速く振っていると EVF の表示タイムラグを全く感じないわけではありません。念のため)

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ただ、“動体が追えるようになった EVF” を使っていても、やっぱりちょっと気になっていた点があり、デジタル一眼レフの光学ファインダーに戻ってくると

ずいぶん差が縮まったとはいえ、まだ高速 or 不規則に動く被写体相手では光学ファインダーの有利さを実感することもあるなぁ


と感じました。

というのも、

レンズを振りながら/動かしながらピント具合を見るのは
まだ EVF だと判りづらく光学ファインダーの方が把握しやすい


と感じるのです。

光学ファインダーでも速く不規則に動く被写体を追いながら完全にジャスピンかどうかを判別するのは難しいのですが、EVF だと現在はまだ、より一層難しいと思うのです。

飛行機相手やサーキットでは気になることはあまりないのですが、サッカーだと選手が交錯して撮りたい選手からピントが外れてしまうことが普通にあります。けれど、ピントが外れても大きくピンボケするわけではないので、なかなか判りづらい。(レンズは常に動かしているため)

そんな判りづらい状況でのピン甘を判断して AF ボタンを押し直して合焦し直せるかどうかの差は、ここまで進化してきた EVF でも光学ファインダーとの差が残っている部分かなぁ、と思います。

ま、そんな差で困る人はニッチですし、被写体が止まっていれば拡大表示が可能な EVF の方が圧倒的にピントを厳密に追い込めるので、万人に便利なのは圧倒的にミラーレス機の EVF です。

が、動体相手に拡大表示機能は掴めませんし、

EVF の解像度も随分上がってきて細くなったけど、拡大表示なしのパッと見ではまだ光学ファインダーの方がしっかり見えるなぁ


と思うわけです。

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加えて、もう一つ言うならば、昔の EVF と比べて高解像度化され、リフレッシュレートも 120fps まで上がると EVF 使っていての眼精疲労は昔のミラーレス機と比べて随分と減りました。顕著な差があります。(E-M1 Mark II で実感しまくった)

しかしながら

長時間撮影ではまだ光学ファインダーの方が断然、目が楽


なのも事実で、未だもう少し残る光学ファインダーの優位点だと思います。

もっとも、こちらも昔と比べれば差は僅かというか、常時高速設定(リフレッシュレート 120fps)にしていた E-M1 Mark II を使っている時は気にならないくらいでしたから、重箱の隅といえば隅でしょう。

ただ、サッカーで 90分間の多くをファインダーでにらめっこしていたりすると、目の疲れはやっぱり EVF と光学ファインダーでは違います。

これもニッチな話ですけどね。

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いずれにせよ、この先の話となると、

EVFの更なる進化は残る光学ファインダーの優位点を超えていく


のは間違いないでしょう。

既に、現行 EVF の解像度を超えるユニットは発表されていますから、拡大表示を使わない時のピントの掴みやすさも向上するでしょうし、リフレッシュレートも現在は通常 60fps、高速設定などで 120fps ですが、240fps くらいになれば、レンズ振りながらのピント掴みやすさや目の疲れも更に良くなるでしょう。

ま、素通しの光学ファインダーの良さは(一部の人にとって)いつまでも愛されるでしょうが、それは現在オールドカメラを愛する人たちと同じ立ち位置になるように思います。(10年20年後には)

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ということで、ミラーレス機からデジタル一眼レフへ戻ってきて1ヶ月半、色々感じた中でファインダーについて思うところを述べました。

動体撮影がメインなのに光学ファインダーからミラーレス機に主軸を移した1年前は EVF の出来の良さに感心したのですが(EVF リフレッシュレートは常に高速設定だったので通常設定は感心も何もないです)、再び光学ファインダーに戻ってきたら、まだもう少し、光学ファインダーにも優位点は残ってると感じた次第です。

逆に言えば、「高速 or 不規則な動体を追うような撮影をしなければ EVF でも全く問題ないどころか、むしろ利便性は圧倒的」という思いは、デジタル一眼レフへ戻ってきても変わらないどころか、思いを強くしています :-)

でも、でも、それと同時に、

ブラックアウトフリーなどEVFの利便性よりも
まだ僅かに残る光学ファインダーの利点を取りたい


と思う自分がいたりするのです :-)

ってか、あまり連写時のシャッター消失時間(ブラックアウト時間)は、下位機種などで長いと気になりますが、D500 くらいだとあまり気にならず、さほどブラックアウトフリーに強い魅力を感じていない、というのもあります。

それに α9 のブラックアウトレスな EVF は凄いのですけど、電子シャッターの無音と合わせて、

なんかビデオを撮ってるのと近い感覚になるなぁ


ってのがあって「写真を撮ってる」感がないんですよね。パナソニックの 4K/6K Photo なんか、その最たるものですけど。

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E-M1 Mark II では色々な条件状況を考えてサッカーだけは(歪みには目をつぶって)電子シャッターで撮っていたのですが、

連写を止めてまた撮る人差し指の動き、AF のやり直しのために一瞬指を離して戻す、それが全部無音のままだと、なんかこうリズムが掴みにくいというか、テンションが上がりにくい時があるんだよねぇ


なんて思っていたわけです。

別に「バババババババッ」という連写音に酔いしれるようなタイプではないのですが、

静かな電気自動車のフォーミュラEの魅力を頭で理解していても
F1など迫力ある音の出る従来レースほど惹かれない


それと同じものがあるように思います。

もっとも、それが

ジジイの戯言、郷愁


に過ぎず、新しい世代はミラーレス機が当たり前であり、無音シャッターも当たり前のようになるでしょう。そして、そう遠くないうちにスポーツ撮影含む動体撮影もミラーレス機が性能的に優位に立ち、多くの人はそちらへ移っていくかも知れません。

ただ、ビデオっぽい感覚が進んでしまうと、

動体撮影は 8K 動画で、写真は 8K 動画切り出しで良いんじゃね?


なんて方向になっていったりして?と思わなくもない昨今です。(パナソニックは最初からその方向ですけど)

実際そうなるかどうかは別にして、EVF とシャッターの進化が進んでいくと、ますますスチルとビデオの境界線が消えていくようにも思ったりします。

ま、私は自分のその時の思うがままでしか行動しないと思いますが、大きく変化していくのを端から見たり、たまには手を突っ込んだり(そして火傷したり)するのは楽しいし、楽しみです :-)

今回も主題から外れまくりの雑文になりましたが、このへんで。