一番身近にいる人間からの「すっかりカメラに文句を言わなくなったね」という言葉が全てを表していて、以上終わり!なくらいのデジタル一眼レフに出戻っての1ヶ月です。

世の中、自分の嗜好に 100% フィットした量販商品なんてのは有りえないわけで、どこかで折り合い(妥協)をつけながら使うことになるわけですが、その妥協の少なさが満足度にも繋がります。

その観点から言えば、D500 + AF-S 500mm f/4E FL ED VR は今までで 100% の満足度に最も近い機材と感じています。(レンズ的には EF300mm F2.8L IS II USM も同じくらい満足でしたが)

また、300mm f/4E PF ED VR(以下、サンヨンPF)も最初は購入の判断がつかなかったものの、借りて使う機会があって「やっぱりこれは今の自分の撮影環境に必要」と納得して購入することになりました。



この1ヶ月使ってきて、ちまちまと雑感メモを書き連ねているので、少々記しておきたいと思います。相変わらずまとまりのない適当雑感ですけど。

D500 については少し前に色々と書きましたし、ミラーレスとデジタル一眼レフの狭間で行き来している中での感想は後日触れることにして、まずは「サンヨンPF」こと AF-S 300mm f/4E PF ED VR から。



出戻ったニコンのシステムは現在、APS-C 機にゴーヨン(換算 750mm 相当)とサンヨン(換算 450mm 相当)という極端な画角レンジの機材構成ですので、撮影に適した被写体は限られますが、
(ゴーヨン)
航空祭などでのファイター撮影&サーキット撮影のメインレンズ、(滅多にないけど)周りに客がいないなど迷惑のかからない条件でのサッカー撮影
(サンヨン)
周りに人がいる普段使いのサッカー撮影(、飛行機やサーキット撮影のサブレンズ)

といった使い分けになっていて、民間機撮影を除けば普段撮影している条件のある程度はカバーできている……とまでは言えないですけど、結局「ゴーヨンFL に慣れるのが先決」ということで、望遠ズームレンズは買わずじまいです。(つまり差し迫って必要でもない ^^;)

むしろ、

レンズの追加購入より早くフルサイズ機が欲しい、EOS & EF 時代と同じように APS-C 機とフルサイズ機を必要画角に応じて使い分けたい


という気持ちの方が強いです。懐具合的に、だいぶ先のことになりますけど(´Д` )

AFS340PF1


さて、サンヨンPF (AF-S 300mm f/4E PF ED VR)。D500 購入後ゴーヨン FL が届くまで借りて使っていましたが、その後、購入したことは以前書きました。

サンヨンからサンヨン

キヤノン DO レンズに続く回折現象利用の PF レンズ(位相フレネルレンズ)を初採用した製品で、私もキヤノン時代からこのレンズが気になっていました。(キヤノンの EF400mm F4 DO IS II USM も使ってみたかったけど…)

このレンズが気になっていた理由は言うまでもなく、

300mm レンズなのに全長 15cm に満たない短さ


です、本レンズ唯一かつ無比の特徴と言って良いでしょう。

D500_340PF20


参考事例として載せることもあるように、サッカースタジアムの観客席からの撮影を多くしていますが、ガラガラならともかく、スタジアムで周りに人が居る状況では長いレンズが迷惑になるのは言うまでもありません。(周りの迷惑省みない馬鹿もいますが)

幸いなことに周りの席の方(みんな年間指定席)に理解を得られている私でも、

必要な画角(専用スタジアムで 400〜600mm)と、妥協できる画質(ナイトゲームを考えれば開放F値も)があるならば、できるだけ短いレンズが良いんだけどなぁ


とは常に思っていますし、いつもと違うスタジアム、違う席で撮る時には余計に、短いレンズが好ましいのは言うまでもありません。(収納時は短いズームレンズでも使用時に伸ばせば長いレンズと同じです)

D500_340PF1


そんな中、
  • APS-C 機と組み合わせれば 450mm 相当
  • 全長15cm以下の比較的短いレンズだから「あまり」周りの邪魔にならない
  • F4なので明るくはないけどズームみたいに暗くはないのでナイトゲームでも感度は ISO 3200〜6400 に収まる
  • 単焦点レンズなのでズームレンズよりは画質的に有利
  • 防塵防滴

という本レンズ (AF-S 300mm f/4E PF ED VR) は、

望遠域が必要だけど周囲に配慮が必要で
長いレンズは使えない/使いにくい時にピッタリ


のレンズです。

実際に使ってみても

このレンズ長なら周りへの配慮は(フードを外す、前のめりにならずに体を引くなど)最小限で済むなぁ、気軽に使えるわ


と実感しています。

短さだけでなく、それなりに軽いので、90分手持ちし続いても全く疲れることなく、集中力が続く点も良いですね。サンニッパを90分手持ちするのはなかなか大変で、疲れてる時は集中力が切れちゃうこともありますし。(一脚は前傾姿勢になるので周りに人がいる時は使えない)

今回、個人的に身近な例としてスタジアムでの話をしましたが、長いレンズの使用を禁止または制限(要専用チケット購入など)しているイベントはありますし、今後その手の制限は増えても減ることはないでしょうから、そういった時には強い味方になるレンズです。x1.4 テレコンを付けてもレンズ長は 20cm に満たないですからね。

AFS340PF2
(フード込みでも20cm強だが、周りが気になる時はフードなしか短いフードにすべし)


ただ、購入前から気になっていたのは、画質と AF 速度

昨年マイクロフォーサーズに移行してみた時も、実は「スタジアム撮影で画角を稼ぎながらコンパクトなシステム」を追い求めた結果だったのですが、高感度画質と AF、特に AF が厳しすぎたのは何度も書いたとおり。(主にボディ側の問題ですが)

最初からサンヨンPF 購入に踏み切れなかったのも、「サンヨンPF の画質と AF 速度が妥協できる水準に見合うかどうか」判断できなかった故でもあります。(ネットで色々ググっても参考になるものもなかったので)

結論から言えば、サンヨンPF を借りて実際にサッカー撮りに使ってみて
  • D500 との組み合わせなら AF 速度は満足できないまでも何とか目をつむれる
  • F4 開放の画質は可もなく不可もなくだけど、レンズのコンパクトさを思えば我慢できる

ということで、購入を決意しました。

まぁ端的に言えば、

AF速度と画質は満足とは言えないけど
メリット(レンズ長の短さ)に対して妥協範囲内


というのが、使ってみての率直な印象です。(AF速度はサッカー撮り、画質は APS-C 機の F4開放での個人的評価です、念のため)

D500_340PF12


AF 速度については遅いというレベルではなく(速くもないけど)、飛行機を撮ってる分には取り立てて不満はないです。

けれど、サッカーを撮っていると、価格5倍のゴーヨンFL と比べるのは無茶ですが、AFスタート直後にシャッターを切る場合の連写1枚目のジャスピン率はゴーヨンFL と比べてかなり落ちます。ドリブルの急激な方向転換やドリブルスタート&停止の急加減速時のフォーカスの追従性も落ちます。

画質的には少し絞れば全く問題ないものですが、画質的にも F4 開放での画質は「こんなもんかなあ」という感じ。高価な望遠単焦点レンズとは違って、開放から切れる感じはないです。

レンズそのものの性能でいえば、同じサンヨンでもこの1年間使ってきたオリンパスのサンヨン(300mm F4 IS PRO)の方がずっと上です。オリンパスのサンヨンは開放からしっかり解像しますが、それにくらべるとサンヨンPF は結構落ちる。サッカーを撮っていて選手の髪の毛の解像なんかは、随分と違います。

(もっとも動体撮影においてのボディ側の AF 性能の違いによる合焦率、ヒット率の違いはレンズ以前の話として存在するので、結果を得るには比較にはならないのですが……)

このあたり、開放F値でサッカー撮り、という私が一番サンヨンPF を使うシチュエーションでの印象であり、あまり一般的ではない条件での話なのは、ご了承ください。

(自分の感想は自分が本気で使う条件でしか言えないので、じっくり静物撮影とかでの評価は判りません。気にしたこともなければ、今後とも気にすることもないので悪しからず)

ちなみに、回折系レンズの弱点である逆光耐性については、今まで使ってきたシーンでは特に気になるようなことはなかったですね。点光源相手では影響あるようですが、この1ヶ月ではそういう状況で使っていませんので……

D500_340PF19
(一段暗くなって感度は上がるが、x1.4テレコン耐性は悪くない印象)


というわけで、まとめると、
  • APS-C 機で 450mm という画角なのに 15cm 以下という短いレンズ長は、長いレンズを使えない/使いにくい場面で絶大に便利

  • AF 速度は遅くもないけど速くもなし、サッカーのような俊敏かつ不規則に動く動体相手には若干物足りない

  • F4 開放からキレる画質ではないけれど、駄目だしするほどでもない

  • 逆光耐性は少し使ったくらいでは気にならないが、点光源相手には使ってないので細かいところは不明

って感じでしょうか。

1ヶ月使ってきた個人的な結論としては、

今時の望遠単焦点レンズとしては画質や動体相手の AF 速度に物足りなさは感じるが、劇的なレンズ長の短さというメリットを考えれば十分納得(妥協)できる


であり、もう少し違った言い方をするなら、

レンズ長に対する制約や配慮が必要な場合に
最も妥協点を下げずに済むレンズ


と言えるレンズではないかと思います。

サッカー撮影では AF速度や画質面を考えると物足りないのは山々ですが、サッカースタジアムのみならず観客席とかでの撮影でこの短さは手放せないですね。(F1 鈴鹿もこのレンズならテレコン付けてもカメラマンチケットなしで撮影可能ですし)