レビューというわけではなく、十数年ぶりにニコンの一眼レフへ戻ってきた際の戸惑いなども含めて、D500 を使って半月〜1ヶ月間で気づいたことを幾つか記してきました。

今さら D500 をレビューするつもりはないけれど、十数年ぶりで気づいたことを書いてみる【前編】
今さら D500 をレビューするつもりはないけれど、十数年ぶりで気づいたことを書いてみる【中編】
今さら D500 をレビューするつもりはないけれど、十数年ぶりで気づいたことを書いてみる【後編】

例によって記事を書いてる時点と公開のタイムラグがあるので、以前より慣れてきた点もあったりしますし、自分の印象が間違っていたりする点については、予約投稿かけてから公開時までに追加修正したりしていますが、大体の内容は書いてる時点でのリアルタイムの心情だったりします。

とりあえず、一番慣れない問題の「マウントの回転方向」については、レンズを回すのではなくカメラボディ側を回すようにして、すぐ逆側に回しがちな癖を矯正しようとしています。(それが良いのか悪いのかは判らないけど)

キヤノンに限らず他のメーカーも含めて概ね同じ方向の回転で幾年月でしたから、違和感を消すには数カ月から半年単位で時間はかかるでしょう。仕方ありません。

(ズームリングなどの回転方向が逆なのは、パナソニックやタムロンなどで経験しているので、違和感があっても慣れるのは難しくないはず。オリンパス機との併用で戸惑いは続くだろうけど)

D500_540FL23


で、今回は「番外編」というのも変ですが、D500 ボディそのもの以外の点について、十数年ぶりのニコン一眼レフで色々感じたことを記しておこうと思います。


▼ AF微調節の自動調節機能と前ピン

メインシステムをミラーレス機からデジタル一眼レフに戻して、やっぱり一番厄介というか気になる問題は AF ピント精度であり、AF アジャストメント機能。

ニコンにはその AF 微調整を自動でやってくれる機能があり、キヤノン時代から「ちょっと良いかもなぁ」と思っていた機能でした。ので、早速使っていますが、完璧な調整は無理でも、おおよその当たりをつけてくれるだけでも便利な機能だと感じています。

周りのニコンユーザーさんからは「あまり当てにできないよ」的なことを言われたこともありましたし、最終的には自分の目で調整を追い込んでいくべきでしょうが、だいたいの当たりまでやってくれたり、どれくらいズレてるのかを自分以外の第三者に検証してもらっているようで、自信のない私には心強いです。

ただ、2〜3本のレンズを調整してみて発覚したのは、

うちの D500 ボディが前ピン気味なのでは……


ということ。

借りてたサンヨンPF (AF-S 300mm f/4E PF ED VR) の時から前ピン傾向があって、+3 くらい調整していたのですが、ゴーヨンを試してみて前ピンを感じて、やっぱり +5〜+6 の間くらいの前ピン。

さらに自分で買ったサンヨンPF に関しては自宅内で試し撮りした途端、AF 微調整しなきゃつかってられないくらいの前ピンで、+16。だいぶ調整範囲内ギリギリが近いくらい。念のため自動調整させてみても +13。

切りの良いところで一度、ニコンへ預けて調整してもらわないといけませんね。春の航空祭シーズンが終わって W杯中断期間中あたりに調整へ出しますかねぇ。ついでに D500 のレリーズも調整してもらいたいですから。


▼ ゴーヨンの三脚座に90度毎のクリックがないのは残念

D500 じゃなくレンズの方ですけれど、ゴーヨン(というかニコンの大型レンズ)の三脚座には、キヤノンみたいな90度毎のクリックがなく、普通に 360度全周スムースなので、90度毎にキッチリ合わせる時はレンズ上の●印を目安に自分で合わせる必要があります。

それが当たり前といえば当たり前かもしれませんが、一脚使いながらサッと一瞬で縦横位置を変える時には(スポーツ撮りでは普通にあると思いますが) 90度毎のクリックがあると目視で●印を合わせる必要がなくて凄く便利に感じていたので、ないのはちょっと不便ですね。

ま、この三脚座の90度毎のクリックは嫌いな人もいるらしいので、シグマのゴーヨンみたいに90度毎のクリックをオンオフできるのがベストかもしれません。

個人的にはレンズボタンと合わせて、70-200mm F2.8 など20万円前後以上の望遠レンズには全部付けて欲しいなぁ、と EF ユーザー時代からずっと思っていたりします。


▼ ViewNX-i はもう少し頑張れ

とりあえず、DPP (Digital Photo Professional / キヤノン純正RAW現像ソフト) のサクサクさ、写真取捨選択の快適さまでは無理でも、ソフトの堅牢性とレスポンス(JPEG ベースでも差がある)、キー1つで除外やピックアップがサクサク指定できるようになってもらわないと、本気で使う気にはなれないかな。(DPP も部分補正が入って重くなりましたが…)

特に、写真の取捨選択作業には DPP のように「前回落ちたのがいつだったか思い出せないくらい」くらい落ちないソフトでこそ、安心して使える。面倒くさい大量写真取捨選択の作業途中でソフトに落ちられると、一気にテンション下がってヤル気なくすので。

ViewNX-i は頻繁に落ちまくるわけではないけど、使用頻度が低いのにインストール後半月強、使用回数10回も満たないのに2回落ちているようでは、今までのソフトを押しのけて常用を検討するのにはちょっと無理ですね。撮影情報を確認するのに必要ですけど。

D500toDPP1


ということで、相変わらず写真の取捨選択は JPEG ファイルを DPP (Digital Photo Professional / キヤノン純正 RAW 現像ソフト) 使ってやってます。(RAW + JPEG で撮影して JPEG で取捨選択したら RAW も同期して取捨されるようにしてある)

ニコン機で撮った写真をキヤノンのソフトで取捨選択するのはどうかと思う気持ちはあるのですけど、自分の中では DPP の代わりになるソフトがないのでねぇ。

▼ 設定次第で撮って出し JPEG と他社ソフトで RAW を読み込んだ時の露出が大幅に違う時が

以前、別のところでも書いたのですが、露出や色が毎回ほぼ同じであるナイトゲームでの設定を固めて、撮って出し JPEG としては割と良い妥協点かな、と思って撮っていたのが↓コレ。

D500JPEGcompare1s_CameraJPEG


ところが、この RAW ファイルを Lightroom や ACR などの Adobe 系アプリに読み込ませると、初期状態では↓こんな感じに。(トリミングしてます)

D500JPEGcompare2s_LightroomRAW


あまりの露出の違い(アンダーさ)に「なんか設定間違えた??」と思ったのですが、同じ撮影ファイルの JPEG と RAW です。

もちろん、非純正 RAW 現像ソフトを使った場合、カメラ内 JPEG とは違う絵作りになるのは当たり前ですし、明るさも変わってくるのは珍しいことではないですが、2/3段かそれ以上も露出が違うのは初めての経験だったので戸惑いました。

いつもこういうことではなく、どうやら D-ライティングなどの設定次第では撮って出し JPEG と非純正 RAW 現像ソフトでの初期状態では、大きく明るさが変わるみたいですね…。まだ幾つか試しただけの話なので間違ってるかもしれませんが(>_<)

D500JPEGcompare3s_LightroomEdit
(Lightroom で +2/3段ほど露出補正した状態)

D500JPEGcompare4s_CaptureNX
(Capture NX-D で読み込んだ初期状態)


ニコン純正 RAW 現像ソフト「Capture NX-D」で読み込めば、若干色味は違ったものの露出傾向はほぼカメラ内 JPEG と同じ。当たり前ですけど。

カメラで設定した撮って出し JPEG の絵が(今の設定では塗りつぶし傾向が強いとはいえ)悪くなくて、サクッとこの絵から微調整できる方が楽なんですが、写真管理という点では Lightroom を気に入っていますし、他のカメラのこともありますから、今後どうするか悩みどころです。

今までどおり他社ソフトで RAW 現像することを前提に、カメラ内 JPEG と他社 RAW 現像ソフトで大きく変わらない設定で撮るか。あくまでカメラ内での設定を追い込んで現像は純正ソフト ViewNX-i Capture NX-D を中心に変えていくか。

いずれにせよ、パソコンの方がかなり古くて辛い状況なので、パソコンを買い換えたら写真管理は Lightroom ベースに、プリントその他の時だけ Photoshop 現像という体制も見直しが必要かもしれません。

D500_540FL04


今回は D500 の機能や操作性まわりとは関係ないところでの感想でしたが、前回も書いたように、ホント D500 に関しては動体追いの APS-C 機として殆ど不満はありません。過去使ってきたカメラの中でも、自分の被写体に対してはベストと言っていいカメラです。

ただ、3〜4週間使ってきて、やっぱりどうしても納得いかない、と思うのは、

ニコンの個別設定記憶のやり方は使いづらい


ということ。自分の不慣れを考慮しても、今ひとつだと感じます。

前々回にも書きましたが、ニコンのカスタム設定は、他社ほとんどのカメラのように

「現在の設定をカスタムモードに記憶させる」

一般的な方法ではなく、

「静止画撮影設定とカスタム設定(詳細設定)それぞれにモード(設定記憶パターン)が A〜D 4つ用意されていて、それぞれ切り替えてから個別に設定を行っていく」

方法になっています。(ただし全部の設定が4つのモードで個別ではなく、ピクチャースタイルの調整などモード内の調整が他モードと共通設定になる項目もある)

D500_14


それでいて
  • 今の設定をBに記憶する
  • Aの設定内容をCにコピーする

といったことができないので、例えば A の設定をベースに変更したものを B に記憶させたいと思っても、まず B を選んで、A とは全く違う設定内容を全項目見ていって変えていく必要があります。まるで直感的でないし、冗長。正直言って面倒。

また、モード(設定記憶) A で設定を変更した場合、ニコンの考え方は一時的変更ではなく、現在使っているモードの設定が変わります。カスタム設定の保存、記憶という考え方ではありません。

他社の一般的なカスタムモードならば「保存」行為をしなければ、そのカスタムモード(例えば C1〜C3)の設定は変わりません。電源入れ直した場合は記憶した時の設定に戻りますし、他のモードに切り替えてから戻れば、やっぱり設定は前回保存時に戻ります。

どちらが便利なのかは人それぞれでしょうが、やっぱり判りづらいし、私には便利とは思えないですね。両方使ってみてニコン流の方も良いのかも…と数週間試してきましたが、どうにも良い考え方には思えません。

現設定をカスタムモードとして保存して呼び出せる、切り替えられる方が直感的かつ便利だし、カスタムモードでの変更は一時的で、すぐに記憶された設定に戻せる方が使い勝手が良いと感じます。

ニコン流のやり方の方が便利や!という意見もあるでしょうし、そういう嗜好を否定はしませんが、いくら柔軟性があっても直感性に欠けるのは今ひとつのように私は思います。

もしかすると数年たったら、ニコン式の方が便利やで!と言ってるのかもしれませんが……(^_^;)

D500_540FL12


とりあえず D500 を数週間〜1ヶ月近く使ってきて、そろそろ撮影枚数も1万枚に近づいてきた段階で、本当にイマイチだと思うのはその点だけで、あとはほとんど満足です!

って、思い出したけど、ニコンは 1,000枚毎にフォルダを作るのも微妙やなぁ、って毎度思ってます(^_^;)

いずれにせよ、基本的なところに不満がないし、モード云々以外の使い勝手は快適なので、本当にストレスなく使えているのは有り難いですねぇ。



(いつも思うけど、縦グリ買うのに互換品買う人って、どれだけいるんだろ?)