以前から撮影時にちょくちょく思うのは、雨中の撮影における雨粒ピント問題。雨降りの中で撮影していて、被写体より手前の雨粒に AF が合焦してしまうこと。

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それなりの雨の中で AF に頼る撮影をしたことがある人なら、多かれ少なかれ、こういう経験はあるでしょう。

それにしても、十数年くらい前のカメラより最近の方が逆に雨粒に合焦することは増えた気がするのは私だけでしょうか?オートフォーカスの性能向上が逆に、雨粒さえもしっかり捉えやすくなったように思います。

そんな時にいつも思うのですが、

そろそろ AF に雨粒キャンセラー機能とか付かないかな?


と。



被写体にコントラストがあればそちらに引っ張られて雨粒に合焦することは少なく、被写体の形状・色を見てフォーカスエリアを追従してくれるタイプの AF では一度被写体に合焦すれば問題ないですが、コントラストが低めの場面だとフォーカス一発目で雨粒に合焦してしまうことは結構あります。

数コマすれば本来の被写体へフォーカスが戻って食いついて外れることは少なくなるのですが、行きつ戻りつしちゃうことがあるので、なかなか厄介です。(E-M1 Mark II の C-AF だと行きつ戻りつがほとんど)

手前の方の雨粒にピントがあって被写体が大きくボケた場合は判りますが、30m 先で動いている被写体の数m手前の雨粒にピントが来るとなかなか分かりづらく(特に EVF だと)、あとから

ああ、手前の雨粒にフォーカスきて、被写体にピントきてないわ……


と気づいて、それが押さえたい場面だったりして頭を抱えることもあります。

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露出に関しては以前は蛍光灯のフリッカー問題があり、テクニックでは回避できない、とりあえず連写して当たりコマを探すしかなかったのですが、キヤノンがフリッカーフリー機能を搭載し、今はキヤノン以外のカメラにも搭載されて一般的になってきました。

なので、そろそろ AF も被写体追従以外に、そういうところの進化があってほしいな、と思ったりします。

スマホカメラの急激な AI 機能的進化を見ていると、近い将来レンズ交換式カメラもそういった AI 判断的な機能がより深く搭載されてくるのは間違いないでしょうが、カメラにおける AI 的機能は単なる「誰でも簡単に撮れる」方向性、オート撮影機能だけが進化するのではなく、自分の意思で撮影したい人の補助が高度化してくれることを期待してやみません。

スマホカメラは「誰でも、すぐに、綺麗に、撮れる」方向性で良いですし、EOS Kiss や10万円クラス以下のミラーレス機はそれで良いでしょうけれど、趣味性の強い20万円前後以上のカメラは撮り手の意思の反映をサポートするものであって欲しいと思います。

(カメラが写真を撮る道具である限り、それを適切にサポートしてもらえるなら、カメラに更なる自動化、AI 的機能なんて要らん!とは思いません)

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カメラの進化について個人的には、この先

個々のカメラが撮り手の意思、癖を
機械学習していくカメラ


なんてのは近い将来出てきて欲しいな、と思っています。(そっち方面の優秀なソフトウェア技術者は取り合いなので、優秀な人材を採ることが国内メーカーにとって一番難しいでしょうけれど)

よく撮っているシーン、露出を覚えてその時と同じような状況なら予め調整してくれる、設定変更忘れをフォローしてくれる、カメラ内現像していればそのパラメーターの癖も覚えて撮って出しのパラメーターも状況に応じて変えてくれる。

撮影画像をパターン学習して撮り手のよく撮る被写体の動きや撮り方を覚えて先読みしたり、被写体追従に活かす、なんてこともやってくれるようになれば、AF は更に変わってくるはず。

AI 的機能が調整した現像パラメーターが納得いかなければ、カメラ内で現像変更してやると学習していく。撮り手がカメラを鍛える的なところもあったり。そんな撮り手それぞれのために学習していくカメラがあっても良いんじゃないかな、と。

もちろん、「なんか違うな」と思ったり、中古で売る時には学習はリセットでき、逆に有名カメラマンが長く使って機械学習で覚えこませた ROM を搭載した、本当の意味での「〇〇カメラマンモデル」なんてのも売れるかもしれない。色々広がっていきそうです :-)

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こだわりたい人にとっての「誰でも、すぐに、綺麗に、撮れる」的 AI オートは、撮り手側の意思が反映されていない、反映しにくいと思うから使いにくいのであって、その人の癖や意思を学習して反映できるものであれば、またとないアシスタントになる可能性はあります。

もちろん、それが嫌だという人はいるでしょうし、未だに AF を認めず MF でこそ、という人が少数いるのと同じで、それは人の好き好きですし、写真を撮ることよりカメラを操作することの方が楽しい人なら嫌なのも当然かもしれませんけど、それならオフにすれば良いだけです。

けれど、結果を得る道具としてのカメラ、面倒くさい設定より写っているものに集中したい撮影なら、そういう AI 的なアシスタントは AE, AF に続く第三の“撮り手の意思を反映できる自動化”として未来が出てくるのではないかな?と妄想したりするのです。

まぁ、ド素人が妄想するくらいですから、プロたるカメラメーカーさん(の一部)は考えていると思いますけどね。将来、そういうカメラが出てくるまで写真を撮っていることができていれば、そういったカメラが出てきた時に買うことができる状況なら面白いんですけどねえ。

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というような妄想を、「今週はまた水曜日は雨予報かよ〜、また雨粒にフォーカス持って行かれるのは困ったもんだなあ」と思いながら、気分転換がてら書き散らかしましたが、実際には雨よりも、もっと困りものなのが、我らがガンバ大阪の体たらくではあります(>_<)

開幕から最下位突き進んでいても「先を見据えての今だから」「若手起用で我慢の時だから」と鷹揚に構えていましたが、さすがに一つ上17位のクラブとの最下位決戦にて 0-3 で完敗な試合を見せられると、そろそろ心穏やかではいられなくなる昨今です……