前回記事では、仕事のお供として愛用している手書きメモアプリとして GoodNotes 4、紙とボイスレコーダーでは実現できない内蔵ボイスメモ連動の手書きメモアプリ Notability を紹介しました。

Pro じゃない iPad の話(4) 常に悩ましい手書きメモアプリの巻【前編】

いま iPad Air 2 にインストールしているメモアプリはその2つですが、今回はそれ以外に少し触れておきたい幾つかのアプリについて記しておきます。


(3) mazec


手書きメモアプリではないのですが、日本語入力・変換を手書きで行えるアプリであり、ある意味

どんなアプリも手書き入力可能に


するので、手書きメモアプリの代わりであったり、手書きメモの補助として登場以来愛用……と言えるほどではないですが、ちょくちょく使っています。

mazec - 手書き日本語入力ソフト

単純に手書き文字認識で文字入力というだけでなく、日本語変換も可能なので

手書きだけど漢字が出てこなくても変換で入力OK


なのが良いところです :-)

手書きメモしていて漢字がうっかり出てこなくなることは、パソコンやスマホの日本語変換に頼りまくっていると良くあることです。mazec で手書き入力していると、そういうことがありません。(判らなかったら、ひらがな書いて変換すればいいだけ)



ただ、mazec 公式の紹介ムービーでは(なぜか)iPhone を使ってデモしていますが、個人的に iPhone のような小さな画面に指で mazec 使っても苦痛でしかないと思いますし、フリック入力に多少でも慣れていれば、mazec を使うより遥かに速いと思います。

画面サイズに余裕のある iPad においても、キータイプにある程度慣れていれば、mazec 手書き入力より外部キーボードを使った方が入力速度は圧倒的に速いですし、仮想キーボードと比べても速くはないです。

手書きして認識→(変換)→確定、という手順は、キータイプして変換→確定と比べて決して速くない。むしろ遅いくらいです。(特に変換が入ると、変換能力は iOS 標準 IM と比べてもハッキリ低いので効率がかなり落ちる)

全くキータイピングに慣れていない方を除けば、

mazec は速く入力するものではないし
必ずしも楽とも言えない


です。

そんな中で mazec 手書き入力のメリットは、

ペンを使っている時にペンのままテキスト入力できる


のが、個人的に思う mazec の良さだと思うわけです。

前回記事の GoodNotes 4 で、

手書きメモを、急いでいる時の直接走り書きと余裕ある時の拡大カーソル経由のきっちり手書きを使い分けられるだけでなく、テキストボックスによる入力も含めた3way 文字入力が可能
(テキストボックス入力時に mazec を使えば「3way 手書き文字入力」である :-)


と書きましたが、テキストボックス入力対応の手書きメモアプリで、手書きの走り書きだけでなく、テキストボックスにきっちりと文字入力をしたい時でも mazec ならペンを持ったまま、快適に文字入力できる良さがあります。

手書きメモの状態からペンを置いて仮想キーボードを使ったり、外部キーボードを繋げてタイプする必要がありません。そういう意味では iPad でペンを使った手書きメモと併用するテキスト入力にこそ mazec の良さは最大限発揮されるのでは?と思っています。(あくまで個人的な感想ですけどね)

スマホで使うのは無理があると思っていますが、Galaxy Note の Sペンのように、普段からスマホでもペンを使って操作している、という人なら mazec をスマホで使う価値はあると思います。ただ、iPhone ユーザーでペンを常用してる人は見たことないし、常用しようと思ったことがないので、私には判りませんが……



ちなみに iPad には昔から常に mazec をインストールしてありますが、普段からmazec を有効にしていると、外部キーボード使用時に IM が mazec に切り替わると面倒なことになるので、通常は mazec を無効にしていて、mazec を使う時だけ有効にしています。

外部キーボード接続時は mazec への IM 切り替えがキャンセルできるようになると良いんですけどねぇ。外部キーボード使いながら手描き文字入力も併用する、なんてことはないと思いますし。


(4) その他いま常用していない手描きメモアプリ諸々


SpeedText

かなり初期の頃からある手書きメモアプリ。ここまで長くバージョンアップして対応してきているのは素晴らしいです!こういうアプリは購入した甲斐があります。

とはいえ、未だにクラウド対応は Evernote だけ。AppStore 初期の頃は使っていたものの、Evernote を使わなくなってからは、Evernote しか対応していないアプリも使わなくなってしまいました。

同じタイプの手書きメモアプリでは、手書き文字認識・認識や図形が書ける「GoodNote 4」が上位互換とも言えるので、もう出番はないと思いますが、安価で気軽に使えるアプリだとは思います。


Noteshelf

これも結構昔からあるアプリで、使っていた時代があります。安価な割には、雑記帳的に使えて、ペンその他の種類も多く、写真その他も貼り込めて多機能。PDF アノテーションだけでなく MS Office 文書も読み込めるし、ペンの描き味も良い方だと思います。

OneNote や Metamoji Note のような派手さはないけれど、ここまで長くサポートしてくれているのも評価高いし、後継の Noteshelf 2 がリリースされ、そちらがメインなのに、今でもバグフィックスのアップデートがあるのが素晴らしいです。こういうメーカーのアプリは買って安心でもあります。


Microsoft OneNote

手書きメモアプリというには高機能すぎる、むしろ情報収集メモ的な色彩の強い OneNote。一時期よく使っていて、iPad 版の OneNote は機能制限が多かったこともあって、「OneNote を快適に使いたいから Surface を買ってみた」時もあったのですが、結局 Surface も OneNote も使用を止めてしまいました(^_^;)

使うのを止めた理由は
  • 結構重いアプリなので結局ある程度性能のある Windows マシンが必要だと感じたこと
  • 図形描画の多機能さは便利だったけれど、手書きメモに絞れば iPad でもっと軽くて便利なアプリがある
    (図形描画用のアプリは別に分けた方が動作速度的に使い勝手が良かった)
  • Office の UI がタブレットで使いやすいとは思えないこと

あたりですね。

もっとも、iPad Pro を買ったらもう一度使う可能性はあります。パソコン版よりは機能的な制約はあったとしても、サクサク動けばまた使う気になるかもしれません。


MetaMoJi Note Lite

OneNote と同じく多機能だけど重めのアプリ。無料の Lite 版ユーザーでも独自クラウド(MetaMoJi クラウド)が 2GB 無料なのは、クラウドサービスを使ってない人にはお手軽で良いですね。(有料版のみ他のクラウドサービスも利用可能)

ただ、あくまで有料版のお試しという位置付けであり、無料版の Lite は広告表示がちょっと鬱陶しいのと、ファイルのインポート、図形描画機能やペンの種類など、かなりの機能制限があります。

有料版には Notability と同じような手書きメモ連動型ボイスメモがあるので、一時期かなり購入を迷いましたが(Notability より安い 960円)、重さよりシンプルさ軽さを選びたい私は、手書きメモ連動型ボイスメモは Notability に軍配が上がりました。

他にも Bamboo Stylus とのペアで「Bamboo Paper」を使っていたりした時期もありますが、今はやっぱり

のペアで満足ですね。

両者とも OneNote を使っていた頃と比べると図形描画については全く機能が足りないのですが、図形描画については専用の別アプリを併用して、そちらで書いたものを手書きメモアプリに貼り付けることで特に問題なく事足りています。

重めのアプリを使うより、むしろ軽いアプリの組み合わせにすることで、iPad Air 2 のような、やや古くなってきたタブレットでも快適に使えているので、結果的に正解だったかな、と思っています。

iPad 上で図形描画に使っているアプリについては、またの機会に。

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(iPad Air 2 は銅製ペン先タイプと相性悪いので非電池式が安牌)