昨日のα7 III を始め、CP+ 2018 を前にカメラ関連の新製品目白押しですが、オリンパスはいち早く発表した E-PL9 のみで、パナソニックからは昨日フルサイズ向け 100-400mm 相当の 50-200mm F2.8-4.0 が発表されました。

LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm | 交換レンズ | Panasonic

お値段25万円のうち幾らが LEICA ブランド料金なのか判りませんが、全長 132mm、重さ 655g の 100-400mm というのは、さすがマイクロフォーサーズと言えるコンパクトさですし、オリンパス 40-150mm F2.8 PRO + 1.4 テレコンと比べても断然短く、軽いのは素晴らしいですね。

MTF 曲線が上限張り付きな 200mm F2.8 単焦点レンズと比べるのは酷でしょうが、これだけコンパクトで軽くて LEICA の銘に恥じない写りであるなら、高めのお値段も納得でしょう。私が愛用している 45-175mm もそうですが、パナソニックはコンパクトな望遠レンズを作るのが上手いですね。マイクロフォーサーズの生きる道はそこしかないですし。

LEICA_DG_VARIO_50-200


さて、オリンパスですが、本日 E-M1 Mark II, E-M5 Mark II, 初代 E-M1、PEN F 各機種まとめて向けのアップデート・ファームウェアがリリースされました。

E-M1MarkII_Ver.2_01


レンズの方も 12-100mm F4 IS PRO、300mm F4 IS PRO の2本の手ぶれ補正内蔵レンズに対してアップデートが来ています。

そして、E-M1 Mark II は待望のメジャー・アップデート、ファームウェア Ver.2.0であります。カタログも新調したみたいで気合い入ってます。

去年1年間はバグフィックス的なものばかりで、見える改善改良はほとんど無かったけれど、次のメジャーアップデートではオリンパスの本気が見られるはず!?
今後 E-M1 Mark II と、どう付き合っていくかは次のメジャーアップデート次第だな。延長保証パッケージを買いたくなる内容だったら良いのだけど…


と楽しみにしていました :-)

そして、今回のアップデート内容を見ると……


  • アートフィルターに [ブリーチバイパス] を追加しました。
  • 深度合成撮影が可能なレンズに「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」を追加しました。
  • AFターゲットモードにスモールターゲットを追加しました。
  • プロキャプチャー撮影時のプリ連写枚数を最大35コマまで設定できるようになりました。
  • プロキャプチャー撮影時に記録中であることを表示するように改善しました。
  • 電子シャッター使用時、ライブビューを見ながら細やかにシャッター速度調整をする事でフリッカーを低減出来る「フリッカースキャン」を追加しました。
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO 使用時に、フィッシュアイ補正撮影ができるようになりました。ライブビューで効果を見ながら撮影することができます。
  • 再生時の拡大倍率を設定できるようになりました。また、拡大倍率にピクセル等倍表示を追加しました。
  • プロキャプチャー撮影が可能なレンズを追加しました。
  • 電池残量表示を改善しました。
  • AEL/AFLボタンを親指AFに設定したときのレスポンスを改善しました。
  • OLYMPUS Capture使用時のカメラ動作の安定性を向上しました。
  • 動画撮影時の手振れ補正動作の安定性を向上しました。
  • 静止画撮影時のC-AFの性能を向上しました。
  • 撮影画像の色再現性を改善しました。
  • 静止画撮影時の動作安定性を向上しました。
  • パナソニック株式会社製交換レンズ「LEICA DG ELMARIT 200mm F2.8 / POWER O.I.S. (H-ES200)」を使用時に、オートフォーカス(AF)機能が正常に動作しない不具合を修正しました。

うーん、なるほど……こんなもんでしょうかね。とりあえずこの記事書きながら E-M1 Mark II, 300mm F4 IS PRO ともファームウェアをアップデートして、ちょこちょこ触ってみてますが、個人的に Ver.2 で評価が変わることは無さげ。

(Ver.2 アップデート時に設定がリセットされると書かれていて、Ver.1 時代に保存した設定ファイルを読み込ませても失敗するのですが、どうやら全部の設定がリセット、読み込み失敗するのではなく一部は初期化、一部は維持されるようです)

E-M1MarkII_Ver.2_03


アートフィルターに「ブリーチバイパス」を追加されたのは、良いですね。私自身、後処理でブリーチバイパスっぽい絵作りをすることはよくあるので。もっとも、がっつりブリーチバイパス的な使い方はしないので、カメラ内現像で使うことはあまりなさそうですけど、使えないエフェクトが増えるより全然良い印象。

従来機種にあったのに E-M1 Mark II で削られたスモールターゲット復活は、だいぶリクエストが多かったようですし、オリンパスの AF は後ろに抜けやすく最小サイズがアレではストレスを感じることもあったので歓迎です。

オリンパスご自慢のプロキャプチャー機能は私の中では「期待したけど使えなかった」扱い(動き始める瞬間を捉えるのには使えても動体には使えない)だし、プロキャプLモード + C-AF で EVF がガクガクになるのは変わらないので、関係のない機能のままで終わりそう(>_<)

再生時の拡大倍率設定が可能になったのは朗報なんですが、画像削除すると拡大がリセットされるので、ピント確認しながら画像を次々と削除していく時に超面倒なクソ仕様なのは変わっていません。

おまけに
  • バッファからメモリーカードに書き込み中に画像再生ができない
    (はよ、どうにかしろよ……)
  • 多数枚表示にしない1枚表示での10枚・100枚のジャンプ前後移動ができない
  • 画像削除後に表示される画像がそれまでの前後画像移動に沿うことなく常に1枚後の画像が表示される
    (最新画像から見ていって画像削除する時に一手間かかって面倒)
  • 反応の悪いタッチパネル操作をしないと複数画像削除ができない
    (なんのためにいっぱいボタン付けとんのや!?)

という画像再生まわりのウンコ仕様はほとんど変わっていないので、大量撮影・大量画像チェックを行うのに全く不向きなカメラであることは変わりありません。

(追記)複数画像削除はタッチパネルを使わずとも動画記録ボタンで候補のチェックON/OFFができることをコメントで教えてもらいました。ありがとうございますm(_ _)m

ただ、これもマニュアルに載ってない機能ですよね…いま Ver.2 のマニュアル PDF を「削除」で検索しても当該機能は出てこなかったし…ちゃんと書いてくれれば、ほんの少しでも楽になるのに。(追記終わり)

以前の記事でも書きましたが、高速連写できるカメラは連写できるだけでなく、大量の画像を如何に快適に扱えるかまで考えないとダメカメラだと思っています。プロなら無駄撃ちはしないでしょうが、考えるよりも前にレリーズ切りまくってナンボという被写体もあるわけですし。

E-M1MarkII_Ver.2_04
(Ver.2更新時は設定がリセットされる。のに勝手に戻そうとしてエラー出す間抜けさ)


電池残量表示の改善は実際に使い込んでみないとわからないものの、冬場はホントあてになりませんでしたからねぇ。もう結構暖かくなってきたので、下手すると来年冬まで検証は持ち越しかもしれません。

あと、親指AF の設定にしたら AE/AF-L ボタンのレスポンスが悪くて使えなかった点も直ったようですね。個人的には AE/AF-L ボタンの感触がイマイチなのと、オリンパス機はフルタイムマニュアルできず親指AF 使う意味が半減なので、今後も使うかどうか……

って、いま mode 3/4 を試したら AE/AF-L ボタンでさっぱり AF しないんですが、おいらの設定が間違ってるんかな?オリンパスのメニュー項目はあっちこっち色々あってややこしくて、リセットされると大変……(´Д` )

で、「撮影画像の色再現性を改善しました」はええねんけど(これも実戦で使ってみてからの話)
  • 相変わらずホワイトバランスの色指定は200K単位
  • 色指定時に色かぶり調整はできない
  • Mモード& ISO AUTO 時の露出補正もできないまま

だし、どうなってんのよ……。オリンパスさんは色温度指定したら色かぶり調整しなくても良いと思ってるんかな?そんなことないのは使っていれば判ると思うんだけどなあ。他のWB指定では調整できるのに意味不明すぎる!

E-M1MarkII_Ver.2_02
(PCないとアップデートできない前世紀仕様はいつになったら改善されるのか…)


そして、「静止画撮影時のC-AFの性能を向上しました」。まぁ期待……いや、後ろの方に軽く書かれているだけでは期待できなさそうかな。使ってみないと判らないから、ここでダメ出しするつもりはないけれど、

どれくらい改善されているか楽しみ!(*^◯^*)


なんて無邪気に言えないのが我ながら悲しい(ToT)

ちなみに、5点、9点AF で測距点の乗り移りがフォーカスフレーム表示移動で明示されるようになったのは、たぶん C-AF まわりで今までと一番違うところかな?

ただ、ちょっと試しただけでも
  • 5点でも9点でも、測距開始点が指定できない(せめて中央が測距開始点に)良きに計らえ多点 AF は、はっきり言って使いにくい。というか、よほど被写体が大きく、ある程度フォーカスフレームはどこでもいい的な状況でないと使えない

  • カメラを動かしてちょい試しした限り、フォーカスフレームの乗り移りが遅いし(ワンテンポ遅れる)、てんで違うところへ乗り移ったりして、とても被写体を見て追従しているとは思えない

ので、実践で試してから結論は出しますが、おそらく今まで同様私の中では使えそうになく、被写体がある程度のサイズで、単純な動き&速度が遅い相手以外は、結局1点AF で頑張る以外ないのかなー、という感じ。「静止画撮影時のC-AFの性能を向上しました」も、そんなレベルなのかなー、と。

もちろん、少しでも向上してくれれば有り難いのですけど、

縦位置・横位置別々のフォーカスエリア記憶くらい、すぐに実装できるだろうに、なんで意地でも付けないんだよ、ボケっ!


と、どうしても欲しい機能が実装されず、他社はファームウェア・アップデートで実装されているのを見ているだけに、暴言の一つでも吐きたくなる物足りなさではあります(>_<)

あと、
  • AF測距点を画面端から循環させた時に位置がずれないようにしてほしい
  • C-AF で合焦音は要らね
  • 被写体追従速度を -2 にしていてもすぐに他の被写体に引っ張られてフォーカスをロストするので、C-AF の機能面の改善改良がなくても、せめて -5 くらいまで欲しい

といったところも切実なんですが、まぁオリンパスにとってはAF測距点を画面端から循環させたら一行一列ズレるのが正義、C-AF で AF オンオフ繰り返す時にもピッピッと合焦音鳴らすのが心地よいんでしょうな。(投げやり)

2_05


正直なところ、先日の記事で E-M1 Mark II の改善で求めたいことを書いたものの、とりあえず不満を吐き出しただけで実現されるとは思っていないので、今回も同じということで。

色々ウンコでも、マイクロフォーサーズにはコンパクトに望遠、超望遠という唯一無二の利点がありますから、その中でもうちょっと改善してもらえればストレスも全然違うのになー、と思うわけです。

あとは、300mm F4 IS PRO の「手振れ補正動作の安定性を向上しました」に、どこまで期待できるか、ですね。超望遠時(特にテレコン入れた 840mm で)ゆっくり被写体を追ってると IS の揺れ戻しがキツくて被写体がファインダーから飛び出すほどの動作が改善されてると良いんですけどねえ。

実のところ、今日明日あたりにも、新しい機材を手始めにテスト導入してみようかと思ったりしてましたが、とりあえず E-M1 Mark II のメジャー・アップデートなファームウェア Ver.2.0 が来たので、念のためこれを試してからにしますかね……