数千円で買える中華製激安活動量計を正月から使ってきて、どれくらい使えるかを書いていく第3話。今回と次回は肝心要の謳い文句の機能がどれだけ使えるか、もしくは使えないかを詳しく記していきます。

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謳い文句は多けれど、私が常用している機能は
  • 歩数計
  • 通知機能
  • 座りっぱなし警告(次回記事で)

この3つのみで、その理由も述べていきます。

激安活動量計(スマートウォッチもどき)はどれくらい使えるか?【1】腕時計をしない私が試してみた
激安活動量計(スマートウォッチもどき)はどれくらい使えるか?【2】長持ちバッテリーとか操作性とか

前回書いたように、機能がシンプルで画面も最小限なせいか、バッテリーの保ちは悪くありません。普通の時計のようなわけにはいきませんが、Apple Watch のような多機能スマートウォッチと比べれば全然違います。

操作はボタン一つしかないため、操作性は決して良くありませんが、実用的に使える機能は限られていますので、意外とストレスになりません。

逆に、謳い文句の機能が実用的に使えないストレスは別途あるかもしれませんが、中華激安製品はそういうものですし、(私は使いたくなくても)どの機能も全く嘘ではありません。

まず今回は、通知機能、歩数計、アクティビティ計測、心拍計の主要4機能の内容から紹介します。



私が購入した製品は完売しましたが、数千円で同種製品がまだまだ多く売られているので、最低限これくらいは使えるんだ、使えないんだ、という参考になれば幸いです。(私のより改良されている製品もあるかもですが)



(3)便利だけど、足りない・信頼できない通知機能


はっきり言って、謳い文句は多機能だけど実用的に使える機能はごく一部と思っているこの中華激安活動量計を1ヶ月半近く経っても常用している理由の一つは、通知機能です。

Apple Watch を始めとするスマートウォッチもそうですが、スマートフォンと連携して通知機能は大きな魅力です。
  • スマートフォンを出さなくても/出せない時でも、通知を受けて内容が一部でも見られる
  • スマートフォンから少し離れていても通知を受けて気づくことができる

というのは、

使ってみて初めて凄く便利さを感じる腕時計通知機能


でした。

友人知人らが言っていて想像はしてましたが、確かにこれは便利。というか、スマホを出していちいち確認するのが普通の世の中になった今でも、やはりスマホを出して確認するのが躊躇われる場面はありますし、そういう時にチラッと腕を見て確認できるのは良いですね。

(どこかしら iPhone X を充電台に立てておいた時に通知が来て、目線でロックを外してメッセージを垣間見るのに似てる感じがします。スマートフォンの機能をスマートフォンを持たずにスマートに使う点で同じかもしれません)

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(LINE の着信通知。モザイク部分は相手の名前)


数千円の激安活動量計といえど、曲がりなりともスマートフォンと連携するわけですから通知機能はあって欲しいですし、あって使ってみると便利だなーと思います。ですから

日々身体を動かしてるわけじゃないし(アクティビティ機能は使わないし)、通知機能が欲しいだけなら、別に高いスマートウォッチ買わなくても良いのでは?


と思うのですが、残念ながらそうは問屋が卸しません。

本活動量計の通知機能のダメなポイントは2つ。

メールの着信通知が来ない(Gmail, iOS メールアプリとも)
近くにスマホがあっても通知が来ない時がある


当方が確認してる通知は、以下のとおり。
  • LINE のメッセージや Twitter のメンション、DM といった SNS 通知(Instagram の通知は来ない)
  • SMS, MMS などのショートメッセージ(Apple iMessage 含む)
  • 電話着信全般LINE の電話機能を含む

「これだけ通知してくれるのに、なんでメールだけ一切通知がないんじゃー!」と言いたくなるくらい画竜点睛を欠く通知機能(´Д` )

Gmail のメール着信通知ができなくても、せめて iOS 純正メールアプリの着信機能くらいできても良さそうなのですが、残念です。

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(Twitter のリプライ通知)


そして、もう一つの問題点。通知が来るか来ないかは神のみぞ知るというと言い過ぎですが、不安定・不確実です。来る時はちゃんと来るのだけど、何かの拍子にしばらく来ない。そしてまた来るようになる。

すぐそばにスマホがあっても、ポケットにスマホがあっても来ないので、スマホとの距離は無関係っぽい。本活動量計のホーム画面にBluetooth のマークが付いていてスマートフォンと接続しているのは確認できていても、なぜか通知が来ない時があるのは日常茶飯事。

(設定によっては、活動量計とスマートフォンの Bluetooth 接続が切れると画面上の×印が表示されバイブととも接続切れを表示してくれるので、接続状態は常に確認できます)

メールの着信通知が来ないのは最初から判っているので仕方ないけれど、来るはずの通知が来なくて、あとからスマートフォンの通知を見て気づくのはちょっと、なんだかなー、と。

通知機能は、通知の安定性が最重要


だと思うので、そういう意味では「ちゃんと安定して通知が来るデバイスが欲しいなあ」と思いますね。

ま、スマートフォンとの接続安定性というのはスマートウォッチに限らず、お値段に左右されるところもあるのは知っているので、激安数千円の製品だから仕方ないか、と割り切ってはいますが、メール着信通知ともども惜しいところです。

そんな “今ひとつ信用しきれない通知機能” ではありますが、それでも、あるとないのとでは全然印象が違いますし便利なので、本製品をお試しだけで終わらず常用し続けている理由の一つです :-)




(4)可もなく不可もないから使える歩数計


中華製激安活動量計で、

唯一安定して実用的な機能


と言えるのが、歩数計。

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特に意識することなく、何かボタンを押すこともなく、ただひたすらに計るだけの機能ですが、センサーもロジックもとっくに確立しているせいか、さほど精度も悪くない印象です。

安物の単体歩数計や iPhone の歩数計測と比べると若干多めに表示される傾向にありますが、数%くらい違っても特に問題ない機能ですから気にしていません。そもそも安物の単体歩数計や iPhone の歩数計測が正確とは限りません。

なにより

自宅内などスマホを持ち歩かない時の歩数計測


をしてくれるのは良いですね。自宅内でも意外と動いている日、本当に動いていない日が判ります。Apple Watch をプレゼントした連れ合いが、家事その他で結構動いてるのが判るのが嬉しい、と言っていたのも納得です。

また、後述するように、この活動量計だけでのアクティビティ計測は大して使い物になりませんが、ウォーキングの歩数記録にはスマホなしで十分使えるわけですから、そういう用途ならスマホなしで身軽に計測可能なデバイスになります。

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(連携スマホアプリでは時間別の歩数がグラフ表示される)

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(過去の歩数記録もスマホアプリ側で表示される)


もちろん、歩数を計るだけなら安物の単体歩数計の方が安いわけですが、やはりスマートフォンと連携して記録を蓄積できるのは良いですし、今の時代必須でしょう :-) というか、

活動量計本体では当日の合計歩数を見るだけしかできない


なので、過去の歩数記録などは全てスマートフォンの連携アプリと同期して、そちらで見ることになります。

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(アプリで表示される燃焼カロリーや歩行距離にはこれらの入力が必要)

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(アップルの健康と書いてある箇所が iOS ヘルスケア連携設定項目 ^^;)


同期してスマートフォン側にデーターを蓄積して見ること自体は特に問題ありませんし、連携アプリ側でヘルスケアと連携許可をしておけば、この体活動量計で計測された歩数データーが iOS 側でも蓄積されていきます。

iPhone 内部で計測された歩数データーと重複計測されている部分は “良きに計らえ” でやってくれるので、二重カウントはされません。(実際にはどちらかが優先されて重複しないようになっている。初期設定では iPhone 内部歩数計優先だが設定で変えられる)

iOS のヘルスケアアプリを健康管理のベースとして使っていても、問題なく使える歩数計機能です :-)




(5)機能としてあるけど、あまり使い物にならない?アクティビティ計測


スマートウォッチや活動量計で一番注目される機能の一つは、アクティビティ計測でしょう。この活動量計でもサイクリンクモードというような自転車マークのアクティビティ計測モードがあります。

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しかし、残念ながらこの激安活動量計のアクティビティ計測は大して使い物にならないというのが私の判断。その理由は……
  1. 活動量計単体では時間の計測しかできない(秒単位の簡易ストップウォッチみたいなもの)
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    (活動量計単体でのアクティビティ計測中)

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    (アクティビティ計測中はメイン画面に自転車マーク)

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    (活動量計単体では前回の測定時間が時・分で表示されるだけ)

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    (同期後のスマホでも計測時間とそれを元にした燃焼カロリーのみ表示)


    GPS が載ってるわけでもないので仕方ありませんが、活動量計単体でのアクティビティ計測は時間を計るだけです。5分毎、10分毎に通知してくれるような気の利いた、しかしスマートウォッチなら当然とも言える機能もありません。ただ単に時間を計るだけ。

    「それなら、わざわざアクティビティ計測モードなんかなくても時計見てるだけでええやん」というところですが、連携アプリや iOS ヘルスケア側にアクティビティ結果としてデーターが残る、という点だけがメリットでしょう。

  2. 距離や経路、速度などを計測するには連携アプリ側で行う必要があるので、その場合は活動量計を使う意味がほぼない
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    (スマホ側のアクティビティ計測種類)

    CheapActivityWatch15H
    (連携スマホアプリでアクティビティ計測中の画面)


    活動量計本体だけでのアクティビティ計測は単に時間を計るだけのものでしたが、連携スマホアプリからは上記のように色々なアクティビティ計測が可能になっており、こちらはスマートフォンの位置情報サービスを利用して、距離測定、経路、速度などが記録できるようになっています。

    ただ、活動量計に心拍計があるのにアクティビティ計測中に心拍数が記録されるわけでもないため、

    スマホで位置情報を利用して計測するだけなら
    活動量計つけている必要は何もない


    のが実情です。スマホで Runtastic や Strava のような定番トレーニングアプリを使っているのと変わらず、体活動量計を付けている意味はゼロです。

  3. 連携スマホアプリでアクティビティ計測を行うには「常時」位置情報取得を許可する必要がある

    前項の連携アプリのアクティビティ計測でスマホの位置情報を利用して距離や経路、速度を記録するので、アプリに位置情報の利用を許可する必要があります。

    iOS の場合、アプリへの位置情報利用許可設定が
    • 許可しない
    • このAppの使用中のみ許可
    • 常に許可

    の3段階がありますが、この活動量計の連携アプリは位置情報の利用を常に許可することを求めてくるのです。つまり、この連携アプリを使っていない時でもアプリが位置情報を取得できる権限を与える必要があります。

    CheapActivityWatch15G


    正直言って、気持ち悪いです。アクティビティ計測を行うときだけ位置情報が取得できればいいはずなのに、なぜアプリ使用時以外も位置情報を取得しようとするのでしょう?

    どこの何とも判らないアプリに
    常に位置情報を取得許可させるなんて無理


    ですし、そもそも常に位置情報取得なんてバッテリー食いの原因です。(私の場合は moves 使ってるので今さらですけど)

    それなりに名の通ったメーカー、知られたサービスのアプリならともかく、雨後の筍のように多種多様なノーブランド的な製品のアプリに常時位置情報取得を許可するのは、さすがにどうかと思うんですよね。使えない判断はそこにも理由があります。

ということで、活動量計本体だけでアクティビティ計測をしても大したことはできないし、連携スマホでアクティビティ計測をするならそもそも活動量計は要らないんじゃない?という仕様なので、

ジョギングやサイクリングの記録目的なら
この活動量計は全く不向き


であり、ちゃんとした記録が計測できる活動量計やスマートウォッチを使うべきでしょう。




(6)確かに計測はできるけど、ただそれだけの心拍計


1回目の記事でも書いたように、心拍は活動量計本体のみでも計れるのですが、なぜか本体だけで計測した心拍記録は同期されず、スマートフォン側に記録が残りません。

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(本体裏にある心拍測定部分。Apple Watch などと基本的に同じ)

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(心拍測定中。本体裏面から青緑の光が出ている)


前回記事でも書いたように、活動量計の時計表示ホーム画面から◯ボタンを3回タップすると心拍測定モードになり、そこで◯ボタンを長押しすると心拍数測定開始となります。(長押しから10秒後くらいから実際の測定開始。再度の◯ボタン長押しで測定終了)

この方法(活動量計単体での計測)ではその場で心拍数の数字が表示されるだけで記録は残りませんが、連携スマホアプリの心拍数画面から計測を開始すると、測定された心拍数の結果はきちんとスマートフォン側に取り込まれます。

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(連携スマホアプリの心拍数画面)

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(連携スマホアプリから心拍数記録を行うとスマホ側に記録は残る)

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(歩数も心拍数もスマホアプリに取り込んだ分は iOS ヘルスケアと連携する)


歩数は同期したらスマートフォンに記録が蓄積されるのに、本体だけで測った心拍数がスマートフォンに記録されていかないのはおかしいやろ?


と思いますし、バグっぽいので同種製品の中では改善されている可能性もありますが、とりあえず本製品はダメです。

それでも「心拍数を測るときはスマホからやる仕様」と思えば仕方ないのですが、前項で書いたように

アクティビティ計測中に心拍数を計測できない


のは、「お前、何のための活動量計や!?」と言わざるを得ない点です。

ランニングやサイクリングなどのアクティビティ中に心拍計付きスマートウォッチを付けるなら、当然心拍数の記録、急激に危険な心拍数になった時の警告、というものがなければ意味はないように思います。(そもそも GPS のない活動量計では距離も速度も計測できないのだから)

個人的には「心拍計が内蔵されてる → たまのアクティビティ計測中に心拍数を計れる」ことを期待して購入したところもあり、一番のガッカリポイントだったりもします。ですから、

心拍計機能は確かにあるし、ちゃんと計れるのだけど、実用的に使えるかというと微妙


という評価であり、激安活動量計の「多機能だけど実用的に使える機能は少ない」ことを象徴するような機能と感じています。



ということで、アクティビティ計測は使い物にならないし、心拍計もイマイチですが、中途半端だけど無いよりは便利な通知機能と無難な歩数計は使えています。

激安活動量計も中華ブランドの製品らしく、これでもか!というほどの機能を詰め込んでいるものが多く、今回紹介した主要機能以外にも数多くの機能が詰め込まれています。

次回は、それら多彩な付加機能について記していきます。(意味ねええええ〜と言いたくなる機能もありますが、使える機能もあります :-)


(最近は精度的には疑問でも血圧測定機能がついたものも多くなりました)