いま最新最高峰のスマートフォンの処理能力というのは少し前のパソコンすら凌駕するもので、実際 iPhone X は5年前に買ったデスクトップ機より明らかに速く処理できることが少なくないです。(古いパソコンで 4K 動画の編集を快適にやるのは無理ですが、iPhone X では楽々こなします)

ぶっちゃけ、

iPhone X は普段使いだとどう考えてもオーバースペック


と思うこともあります。

前回記事で述べたとおり、最新の性能を要求するゲームとか AR とか動画編集をしなければ、別に HUAWEI P10 lite で十分問題ないです。購入価格の差は6倍ですけれど、SNS して、LINE やメールして、スマボサイト見て、日常スマホ写真撮って送ったり送られたり、Google マップ見てナビして……的なことは、2万円強で買った P10 lite でもストレスなくこなせます。

2万円台で買える HUAWEI P10 lite の実用十分さと廉価機らしさ

そして、それを体験しちゃうと、

12万円超出して iPhone X 買った意味って、なんなんやろなあ……


と正直思います。

もちろん、日常用途ではオーバースペックなパワーのおかげで、何をやってもレスポンスが落ちることなく常にサクサクキビキビ、文句なしの快適さを享受できますし、

ワイヤレス充電に慣れちゃったから、毎日差し込みづらい microUSB ケーブル挿して充電するのは面倒だなあ
通り雨で濡れても防水は安心
やっぱりスマホ一つで電車乗るのも、ちょっとした買い物も全てサクサクできるのは便利やわ


という “付加機能” の有り難みを日々感じているので、いくら P10 lite が使えるヤツだからといっても私のメインスマホになるのは難しいですし、そういった点に余計なお金を払うことには納得しているといえば納得しています。(10万円超は幾らなんでも高すぎたけど ^^;)

そして P10 lite をメイン機代わりに使っていて一番差を感じたのは、カメラ。

機能や画質の差は思っていたほどではない(2万円台と10数万円のスマホなのに!)のですが、

価格差がシャッターチャンスへの強さに直結する


ことを iPhone X と P10 lite の両方を使っていて実感させられました(>_<)



Huawei はライカとの協業を通してスマートフォンのカメラ性能・機能向上に熱心なメーカーであり、アップルと並んで先端を行っているメーカーの一つでしょう。

価格的にはハイエンド機より安い(lite ではない)P10 には iPhone とは違った形のダブルレンズカメラが搭載され(両方とも手ぶれ補正入り)、画質の高精細さ、ポートレートモードのボケ味には高い評価があります。望遠レンズはないものの、画質や絵作りの良さでは iPhone X より魅力を感じるところもあるくらいです。

(iPhone X 発売前後にキャンペーン絡みで IT系ウェブメディアに P10 / P10 Plus のカメラ推しな宣伝記事を乱発していたのには閉口しましたが……)

ただ、それは同じ P10 シリーズでも P10 / P10 Plus の話だったり、また AI(機械学習)機能を搭載した最新 Mate 10 の話で、廉価機である P10 lite は違います。他の部分では圧倒的なコストパフォーマンスを感じる P10 lite もカメラだけは凡庸…というと言い方が悪いですが、普通です。

P10lite_Photo01
(画像クリックで等倍、他はブログ制約上クリックで50%縮小画像)


とはいえ、こんな旅の適当スナップ写真や普通の日常スマホスナップとして使うには、何の問題もありません。前回記事で書いた「差」もそうですが、「上」を知らなければ不満を感じることはないレベルです。

というか、画質の差は縮小すれば無視できるくらいの差だし、機能面ではむしろ Android スマホらしく P10 lite 標準のカメラアプリは多機能です。

P10 lite 標準のカメラは、設定を変えれば細かな露出設定も可能だし、HDR、パノラマ、スローモーション、タイムラプスその他色々な機能が最初から用意されていて、よほど特殊なことをしようと思わない限り、サードパーティ製アプリは不要でしょう。

P10lite32
(機能的には標準カメラアプリで十分揃ってる)


実際に使ってみると
  • とりあえず手振れ補正がないのは厳しい
  • 手振れ補正なしのため ISO 感度はそれなりに上がってノイズリダクションの影響を受けやすい
  • AWB(オートホワイトバランス)がガッツリ補正タイプ&寒色傾向
  • ハイライトはサクッと飛びやすい
  • そのせいか露出制御がややアンダー目なことが多い
  • AF は価格の割には速いが、最新ハイエンド機に比べれば多少落ちるのは否めず

これらの点は気になりますが、
  • レンズの画角が iPhone X の広角側レンズ(28mm相当)よりさらに広角(26mm相当)なので、スマホスナップには使いやすいかも
  • 2万円台スマホカメラのレンズだし、HUAWEI お得意のライカレンズでもないし、結構広角に振ったレンズなのに、周辺描写がグダグダになってなく iPhone X の広角側レンズと大差ない
  • 手振れ補正が無くて ISO 感度が上がりがちなためノイズリダクションの影響は否めないけど、スマホカメラとしては ISO 感度の割にはノイズも少なく、それでいて塗りつぶしまくりになっていないので、画像処理レベルはかなり高い

と、値段の割には、特別な付加機能がない割には良いスマホカメラです。

P10lite_Photo05A
(ホワイトバランスを補正しすぎて寒色傾向の P10 lite)

P10lite_Photo05B
(基本的に暖色傾向の iPhone X)


上記の例では同じところにフォーカスエリア(露出エリア)を指定していますが、手振れ補正のない P10 lite はアンダー目なのに ISO 320(F2.2, 1/35s)、iPhone X は ISO 64(F1.8, 1/15s)となっています。

P10 lite の方が ISO が 2段以上高いこともあってノイズリダクションの影響は感じられるものの、スマホ極小センサーの ISO 320 で、これだけノイズ少なめ&かといって塗りつぶしまくりになっていないのは感心です。(アウトフォーカスの部分は塗り塗りだけど)

ただ、AWB がガッツリ補正タイプ&寒色傾向なので、ご飯写真はメシマズに写りがちなのは困りものです。ご飯写真用「ナイスフード」モードもありますが、これまた使えません(´Д` )

P10lite_Photo03A
(P10 lite 通常モード)

P10lite_Photo03B
(P10 lite ナイスフードモード)

P10lite_Photo03C
(iPhone X)


あとは、実際に使っていると

やっぱりスマホカメラに手振れ補正は必須


だと思いましたね。

iPhone で手振れ補正に慣れきってしまってるせいもありますが、気楽に、しっかり構えることなく撮ることが多いスマホカメラだけに、余計に必要です。ISO 感度を上げてもシャッター速度を確保するアルゴリズムなので、酷いブレブレ写真はなかったのですが、ちょいブレになることは結構多かったですね。

動画を撮る場合にも効きの強い手振れ補正がないと撮る気が起きないですし(あとで大画面で見るときに気持ち悪い)、久しぶりに手振れ補正なしスマホカメラでアレコレ撮ってみると、その必要性を実感しました。

P10lite_Photo06A
(26mm相当の画角で広く撮れる P10 lite)

P10lite_Photo06B
(スマホ標準画角の iPhone X 広角側。色はこちらが正しい)


総合的には、手振れ補正のなかった4年前の iPhone 5s と2年前の iPhone 6s Plus の中間くらいの印象で、手振れ補正がないことを除けば、

話題の P10 / P10 Plus のカメラと違って何の特徴もない平凡な廉価機スマホカメラだけど、手ぶれに気をつけてしっかり撮れば意外と悪くないネ


という感想です。iPhone X と等倍で比較すると差がありますが、50% 縮小だと色味を除いては大差ないレベル。2万円台のスマホカメラでコレなら(手振れ補正がないことを除いて)不満は言えないでしょう。

ただ、ハイエンド機である iPhone X と比べて何がキツいかといえば、

あ、撮りたい!と思ってから撮れるまでの時間が全然違う


ということ。止まっているものを普通に撮るなら何の影響もないけれど、動いているもの、通り過ぎていくものを撮りたいと思った時には、シャッターチャンスをものにできるかどうかの差は出てきます。

P10lite_Photo07A
(撮った!と思って、スマホを下ろしてからシャッターが切れた例 ^^;)


前回記事でも書いたように、P10 lite は決してモッサリ君ではありません。しかし、常に俊速キビキビサクサク君というほどでもありません。そこは価格なりです。(価格にしては凄くよくできていることは何度も書いたとおり)

普段使いの多くのアプリを起動したり、切り替えたりするのにもたつくことはないにせよ、意外と重いアプリであるカメラアプリの起動、切り替えには多少の「間」が必要だったりします。

カメラアプリの起動まで待つというほど長くないけど、起動して安定してシャッターボタンを押せるようになるまでは若干待ちます。スリープ状態から起動するのではなく、何か他のアプリから切り替えるときには、よりタイムラグが長い場合もあります。

そして像面位相差 AF を採用している P10 lite の AF 速度は決して遅くないのですが、どうしても処理プロセッサに依存する話ですから上位機には敵いません。レンズユニットを駆動する速度のこともあるでしょう。仕方ない話です。

P10lite_Photo08
(置きピンで撮影)


  • カメラアプリが起動までの時間
  • 液晶画面に被写体を捉えてシャッターボタンを押せるようになるまでの時間
  • シャッターボタンを押して AF 合焦して撮影するまでの時間

それぞれの差は大して大きくないけれど、トータルしてみると意外と違います。特に、シャッターボタン押してから実際に撮影するまでのタイムラグは iPhone X に比べれば大きいし、不安定なのは、もどかしく感じることは多かったですね。

常に持ち歩いているスマホだから、カメラを構えていない時、写真を撮る体制にない時でもシャッター切りたくなることに遭遇しやすいと思います。それゆえ、

スマホのカメラこそ、シャッターチャンスに強い速さが必要


わけで、iPhone X のようなハイエンド機と P10 lite との廉価機の差として顕著に出る部分の一つだと感じます。

プロセッサの処理能力、搭載メモリ量、ストレージ性能、カメラ周りのメカニカルな部分の速さ。これらの総合力ですから、廉価機が上位機と差がつくのも止むをえないことです。

P10lite_Photo02
(止まってるものを撮る場合は普通に使える。当たり前)


というわけで、メイン機代わりに HUAWEI P10 lite を使ってみた中で最も廉価機らしさを感じたのはカメラ周り、それも機能や画質の差ではなく、シャッターチャンスに対する強さ、レスポンスの差でした。

(日常用途だとオーバースペック気味の iPhone X の能力を、普段活かしているのはカメラを使うときくらいしかないのでは?と内心思ってます……満足してるけど)

もちろん、書いてきたように P10 lite のカメラが使い物にならないわけではありません。むしろ、2万円台のスマホで他の部分にコストをかけている中、カメラ周りは平凡でありつつも上手く処理して通常用途ではさほど不満ないレベルに仕上げているのは、さすがだと思えるものです。

P10lite_Photo04A
(P10 lite の電球色補正しまくりも微妙だが…)

P10lite_Photo04B
(iPhone X の暖色振りすぎも微妙。AWB は 6s のが良かった)


P10 / P10 Plus のカメラのような “飛びきり” な何かはありませんし、特筆するようなものはありませんけど、iPhone X を使っている私も、

あらゆる点で(価格5〜6倍)の iPhone X のカメラの方が断然上だし、これがメインのスマホカメラだったらいささか物足りないけど、サブ機として iPhone X が使えない時にスマホカメラとして使う分には何ら問題ない


と思っています。まぁ廉価機だから仕方ないとはいえ、手振れ補正が入っていないのは辛いですけど。

一番ハイエンド機の差を感じるカメラ周りも、差はあるけど実用的に使えるラインはクリアしているので、本当に2万円台のスマホにも関わらず、改めてコストパフォーマンスが素晴らしいと感じます。

そして、今どきの Android スマホらしく細かいところも色々よくできていて、その点でも P10 lite 非常に気に入っています。そのあたりについては、また稿を改めて。



(夜スマホ撮影に、このセットはオススメ!)