前回記事でも書いたように、今年のお盆は何かと忙しく、ガンバ大阪のホームゲーム2試合を観に行くくらいで終わってしまいそうなのですが、お盆前のある日、夏の甲子園、全国高等学校野球選手権大会をチラ見してきました。

特に、母校が出てるとか、出身県の高校を応援しようとかそういうことでなく、たまたまその日は神戸近郊で仕事があったので、その帰りに寄ってみて1試合だけ観戦してきた次第。

春夏の甲子園シーズンにはいつも、1日くらい観に行きたいなあ〜と思いつつ、思うだけでなかなか行けないのですが、お盆ウィークに入ると毎日朝から満員になりますから、比較的空いている間に行きたかったのです :D

ちなみに、プロ野球と異なり高校野球は一応 “教育の場” ですし、プレーしているのは高校生ですから、未成年である球児や応援団を撮影した写真を個人が無許可でネットに掲載するのがダメなことは言うまでもありませんが、高野連からの通達では球場内だけでなく球場周辺の写真もアウトらしく、

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(公式ホームページより)


こんな写真で「甲子園なう」的なツイートも Instagram 投稿もいけないようです。私もうっかり忘れてツイートしてから消しましたけど、高野連らしくそのあたりは厳しいので気をつけなきゃいけません。

ということで、真っ当な写真は載せられませんが、3年ぶりくらいに夏の甲子園を1試合だけですが観戦してきました。



朝イチのアポを終えて、4試合あるうちの第2試合くらいから観戦できるかと思ったのですが、仕事が長引いて、甲子園のスタンドに着席した時は午後の第3試合が始まるところでした。

朝のうちの曇り空も何処へやら、真夏の太陽が照りつける日差しの中、青い空と緑の芝生と黒い土と白いユニフォームという、まさに「ザ・夏の甲子園」という情景であったのですが、前述のとおり、スナップ写真の掲載すら許されないので、脳内イメージで補完していただければ、と :D

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(イメージ図)


基本的にはマッタリ見るだけ、というか、汗だくになって夏の甲子園、夏らしさを満喫するだけなのですが(花火を見に行った以外、夏らしい行事の予定はないし)、一応カメラは持って行ってました :D

スポーツ観戦はシーズンパスを持っているサッカーにアメフトをたまに見に行くのが中心で野球を見に行く機会はそう多くないですし、撮影という点でもサッカー(カメラが E-M1 Mark II になってからは物理的に無理なのであまり撮ってませんが)とアメフトくらいなので、野球を撮る機会はほとんどないのですが、たまに撮るのは新鮮です(^o^)

朝から観戦しに行く、ということではなく通りがかりに1試合見る程度ですから、この日は外野席(無料)へ。そのつもりでしたので、カメラとレンズも E-M1 Mark II + 300mm F4 IS PRO + x1.4テレコン。

これだけの画角を少しマチの太いビジネスバッグの底に入れて仕事道具とともに持って歩ける、撮りに行けなくて只の重りになったとしても我慢できる軽さ(合わせて 2kg 台前半)は良いですね。マイクロフォーサーズならでは、です :-)

朝から2〜3試合観るつもりなら内野席のチケットを買いますが、そうなると今度はネット越しになって、(モータースポーツの時と同様)被写界深度が深いマイクロフォーサーズシステムではネットを綺麗に抜けなさそうなので、撮影的にはむしろ外野からの方がストレスがない気もします。

とはいえ、

たった換算 840mm では外野席から撮るのに足りない


長さであるのも事実。以前 1000mm くらいで撮影していても打者アップには程遠かったわけで、E-M1 Mark II + 300mm F4 IS PRO + x1.4テレコンでトリミングなしだと

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↑上のイメージ図のような感じですね。

これを 3000x2000 pixels までトリミングすると

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これで何とか格好がつく近さになるので、1,500mm 程度は欲しいところです。(バックスクリーン横から EF1200mm で撮影しているプロカメラマンは以前見たことがありますが)

また、コンクリートなどではない、土や自然芝のグラウンドとはいえ、夏の炎天下(快晴の午後イチの試合だからもっとも暑い時間)でこれだけロングレンジの撮影ですから当然、

陽炎や湿気の影響は否めない


ので、解像感にはかなり影響があります。300mm F4 IS PRO は悪いレンズではありませんが、一眼レフ用の大砲レンズのような悪条件に対して踏ん張れるようなレンズではないので、そこは割り切るしかありません。

(もっとも同じ日の同じゲームでバックスクリーン側から撮影された新聞各社の写真を見ていたら、それなりの機材で撮影したものでも影響は否めないのですけどね。クオリティレベルは全然違いますが)

加えて、サンヨンにテレコンを付ければ開放 F値は F5.6 という暗いレンズになってしまい、それでいて高速シャッターを切るようにすると、晴天日中下とはいえ、最低感度 ISO 200 では済まなくなります。雲ひとつない真昼間の晴天でも開放 F5.6 で 1/800〜1/1000s くらいのシャッター速度を確保しようとすると ISO 320±1/3段といったところです。

ですから、陽炎の影響が少ない曇り空なら当然 ISO 640〜800 くらいまで上がって、昼間にも関わらずマイクロフォーサーズだと使いたくない感度を使わざるをえないことにもなりますし、晴れていても午後3時ごろになると内野席の屋根の影がホームベース付近まで落ちて、やはり感度をグッと上げることになります。(もしくは被写体ブレ承知でシャッター速度を落とす)

ここらはサッカーと同じで、高速シャッター必須な撮影では昼間でも中感度域は常用することになるので、感度を上げた時の画質劣化が早いマイクロフォーサーズでは妥協が必要なところでもあります。



とまぁ、そういうことはあるものの、実際に撮影していると

ピッチャーの球をしっかり視認でき、反応の良い EVF


だなぁ〜、と改めて E-M1 Mark II の EVF が光学ファインダーと比べても、さほど見劣りしないことを実感させられます。(特にタイムラグという点で)

もちろん、プロ野球の投手に比べると速度は遅いですし、外野席という遠くから見ているので見かけ上の速度は低くなりますが、思いの外、きっちり視認できているのは良いですね。(もちろん、フレームレートは高速。購入時に比較して以降、高速以外使ったことがない)

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(秒間18コマだとフレーム内で捕手に収まるまで3コマ前後撮れる)


サッカーだと被写体は常に激しく動いていますからレンズも振ることが多く、E-M1 Mark II の EVF でも光学ファインダーとの差を感じることはあるのですが、野球を定点的に撮っていると全く不足は感じないですね。

AF も打者なら打者だけ、投手なら投手だけを撮るなら、謳い文句ほどではなく速度精度とも不安な C-AF を使わずとも S-AF や MF 置きピンが可能ですから、そういった点でも楽です。野手や走者を撮るとなると、そうもいきませんが……

反面、E-M1 Mark II の特長の一つであるレリーズタイムラグの短さは、野球でも十分に活かすことができ、バッターが打つ瞬間を狙うのに、ピッチャーが投げる時からの目押しでシャッターを押さずとも、バッターが打撃モーションを起こした(肩がテイクバック的な動きを始めた)瞬間を視認してからレリーズの反応をしても十分に間に合います。

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(ボールが楕円に歪むのは、まだまだな電子シャッターだから)


上図はバッターの動き始めを見てからの撮影例イメージ図ですが、動体視力、反射神経ともに10年前と比べて劇落ちしてる私ですが、こういう時にレリーズタイムラグの短いカメラは助かります。もちろん、前述の EVF のタイムラグの少なさも大きな要因です。

被写界深度が深いことによるネット抜き、フェンス抜きがどうなのかは判りませんが、必ずしも C-AF に頼らなくても良い、レンズを激しく振ることがない、速球でもしっかりボールが視認できタイムラグの少ない EVF、レリーズタイムラグの少なさを考えると、結構野球撮影に向いているカメラなのかも?と思ったりしました。

打った後の走者や野手を撮影しようと思うと、サッカー撮影と同じく、グループ AF が広告詐欺なんちゃってすぎて使い物にならないことや C-AF の速度精度のことがあってストレスが溜まるところもありますが、野球の場合そういうのを使わなくても見栄えするシーンは幾らでも撮れますからねぇ。

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(イメージ図)


とまぁ、夏の甲子園へ久しぶりに行って、ちょっとだけ外野席から E-M1 Mark II で撮影した感想を記してみました。

それにしても、久しぶりに行ってみると、去年バックネット裏で色々あって有名になった方々が以前より少しズレたあたりで観戦されているのが見えたり、大きなレンズ持って撮ってる人がやたら増えていたりしますね。(サッカースタジアムでも凄く増えたけど)

ただ、プロじゃない一般観客席である程度大きなレンズを使う場合には、せめてフードは外すべきでしょう。撮る場所ではなく観る場所なのですから、周りの観戦客の迷惑を考えずに撮っていると、撮影禁止になって自分の首を絞めることになります。ガンバ大阪の吹田スタジアムでも多いですけど…

どのジャンルでも、撮影禁止になっても大して気にならない(イナゴのように他の被写体へ移る)、被写体に対して興味や思い入れのない、少ない人たちが、周りの迷惑顧みずで撮ってるのでしょうけど、困ったもんです(´・ω・`)